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カテゴリー「写真」の記事

2021年10月 7日 (木)

写真ブログ「ゴブリンのつれづれ写真日記」を再開しました

 長いこと更新していなかった別館写真ブログ「ゴブリンのつれづれ写真日記」を久々に再開しました。何しろ最後に載せた記事は2014年12月30日の「内村ダム秋景色」(写真を撮ったのは10月25日)ですから、6年と10か月ぶりの復活です。いろいろと忙しくなって更新できなかったのですが、一昨年定年を迎えました。その後は再雇用という形で仕事は続けていますが、仕事量はぐっと減りました。

 そのころからブログを再開しようと度々思ってはいたのですが、長いこと使わずにいるうちにブログの管理画面に入れなくなっていました。もう使えないのかと諦めていたのですが、つい先日ログインIDを確認しパスワードを更新したらまた入れるようになりました。管理画面もがらりと模様替えされていて以前とは勝手が違う。それでも使っているうちに慣れて来るだろうと思い、ともかくブログを再開することにしました。

 ブログは長いこと中断していましたが、写真は撮り続けていました。もちろんこの1,2年はコロナ禍で、旅行はおろか県外に出ることすらなくなってしまいました。ですから最近撮ったのは家の近くの写真ばかりです。それでも中断していた間に撮りためた膨大な量の写真があるので、古い順から載せてゆこうと思います。したがって紹介するのは何年も前に撮った古い写真で、撮った時の状況もほとんど忘れかけていますが、もともと映画も音楽も小説も新しさにこだわらない性格なので気にせず続けてゆこうと思います。

 再開した最初の記事は「上田城花見」(2017年4月16日撮影)です。古いだけではなく季節外れでもありますが、ともかく死に体状態だったブログを再開できただけでも本人としてはうれしい限りです。ウェブリブログを使っていますが、このブログの一番の魅力は画面いっぱいの大きな写真が載せられることです(写真をクリックすると大きくなります)。左側の枠の下の方にリンクがありますので、興味がありましたらそこから入ってください。

 

2018年11月 6日 (火)

BBC選定外国語映画ベスト100

 2018年10月30日付のBBCのサイトでBBCが選定した「外国語映画ベスト100」が発表された。すべて英語または原語のタイトルなので、分かる限り日本語のタイトル、監督名、製作国を付けてみた。
 リストを見て世界中の映画をできるだけ拾い上げようとしているのは伝わる。それでも映画を評価するときの基本的基準や視点にフランスのヌーヴェル・ヴァーグの影響がいまだに強く反映しているという印象はぬぐえない。この「外国語映画ベスト100」がBFI発行の「サイト&サウンド」誌のオールタイム・ベスト50と大差ないのは同じイギリスだから別に不思議はないが、やはりヌーヴェル・ヴァーグ的映画観はヨーロッパ的映画評価の標準なのかもしれない。
 リスト中で未見なのは「Shoah ショア」「残菊物語」「ラ・ジュテ」「セリーヌとジュリーは舟でゆく」「昼顔」「カメラを持った男」「Touki Bouki」「皆殺しの天使」「不安と魂」「小城之春」「山椒大夫」「ブエノスアイレス」「軽蔑」「たそがれの女ごころ」「恋する惑星」「バルタザールどこへ行く」「ストーカー」「美しき仕事」「プレイタイム」「オールド・ボーイ」「ブリュッセル 1080 コメルス河畔通り 23番地 ジャンヌ・ディエルマン」「花様年華」「仮面/ペルソナ」の23本。4分の1近くもあるのかと思うとため息が出る。
 レビューを書いてある作品には色を付けてリンクを張ってあります。

100. Landscape in the Mist (Theo Angelopoulos, 1988)
 「霧の中の風景」(テオ・アンゲロプロス監督、ギリシャ・フランス)
99. Ashes and Diamonds (Andrzej Wajda, 1958)
 「灰とダイヤモンド」(アンジェイ・ワイダ監督、ポーランド)
98. In the Heat of the Sun (Jiang Wen, 1994)  
 「太陽の少年」(ジャン・ウェン監督、中国・香港)
97. Taste of Cherry (Abbas Kiarostami, 1997)  
 「桜桃の味」(アッバス・キアロスタミ監督、イラン)
96. Shoah (Claude Lanzmann, 1985)
 「Shoah ショア」(クロード・ランズマン監督、フランス・イギリス)
95. Floating Clouds (Mikio Naruse, 1955)  
 「浮雲」 (成瀬巳喜男監督、日本)
94. Where Is the Friend's Home? (Abbas Kiarostami, 1987)  
 「友だちのうちはどこ」(アッバス・キアロスタミ監督、イラン)
93. Raise the Red Lantern (Zhang Yimou, 1991)  
 「紅夢」(チャン・イーモウ監督、香港・中国)
92. Scenes from a Marriage (Ingmar Bergman, 1973)  
 「ある結婚の風景」(イングマール・ベルイマン監督、スウェーデン)
91. Rififi (Jules Dassin, 1955)  
 「男の争い」 (ジュールス・ダッシン監督、フランス)
90. Hiroshima Mon Amour (Alain Resnais, 1959)  
 「二十四時間の情事」(アラン・レネ監督、フランス・日本)
89. Wild Strawberries (Ingmar Bergman, 1957)  
 「野いちご」(イングマール・ベルイマン監督、スウェーデン)
88. The Story of the Last Chrysanthemum (Kenji Mizoguchi, 1939)  
 「残菊物語」(溝口健二監督、日本)
87. The Nights of Cabiria (Federico Fellini, 1957)  
 「カビリアの夜」(フェデリコ・フェリーニ監督、イタリア)
86. La Jetée (Chris Marker, 1962)  
 「ラ・ジュテ」(クリス・マルケル監督、フランス)
85. Umberto D (Vittorio de Sica, 1952)  
 「ウンベルトD」(ヴィットリオ・デ・シーカ監督、イタリア)
84. The Discreet Charm of the Bourgeoisie (Luis Buñuel, 1972)  
 「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」(ルイス・ブニュエル監督、フランス)
83. La Strada (Federico Fellini, 1954)  
 「道」(フェデリコ・フェリーニ監督、イタリア)
82. Amélie (Jean-Pierre Jeunet, 2001)  
 「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督、フランス)
81. Celine and Julie go Boating (Jacques Rivette, 1974)  
 「セリーヌとジュリーは舟でゆく」(ジャック・リヴェット監督、フランス)
80. The Young and the Damned (Luis Buñuel, 1950)  
 「忘れられた人々」(ルイス・ブニュエル監督、メキシコ)
79. Ran (Akira Kurosawa, 1985)  
 「乱」(黒澤明監督、日本)
78. Crouching Tiger, Hidden Dragon (Ang Lee, 2000)  
 「グリーン・デスティニー」(アン・リー監督、アメリカ・中国)
77. The Conformist (Bernardo Bertolucci, 1970)  
 「暗殺の森」(ベルナルド・ベルトルッチ監督、伊・仏・西独)
76. Y Tu Mamá También (Alfonso Cuarón, 2001)  
 「天国の口、終りの楽園」(アルフォンソ・キュアロン監督、メキシコ)
75. Belle de Jour (Luis Buñuel, 1967)  
 「昼顔」(ルイス・ブニュエル監督、フランス)
74. Pierrot Le Fou (Jean-Luc Godard, 1965)
 「気狂いピエロ」(ジャン=リュック・ゴダール監督、フランス・イタリア)
73. Man with a Movie Camera (Dziga Vertov, 1929)  
 「カメラを持った男」(ジガ・ヴェルトフ監督、ソ連)
72. Ikiru (Akira Kurosawa, 1952)  
 「生きる」(黒澤明監督、日本)
71. Happy Together (Wong Kar-wai, 1997)  
 「ブエノスアイレス」(ウォン・カーウァイ監督、香港・日本)
70. L’Eclisse (Michelangelo Antonioni, 1962)  
 「太陽はひとりぼっち」(ミケランジェロ・アントニオーニ監督・仏・伊)
69. Amour (Michael Haneke, 2012)  
 「愛、アムール」(ミヒャエル・ハネケ監督、仏・独・オーストリア 6
8. Ugetsu (Kenji Mizoguchi, 1953)  
 「雨月物語」(溝口健二監督、日本)
67. The Exterminating Angel (Luis Buñuel, 1962)  
 「皆殺しの天使」(ルイス・ブニュエル監督、メキシコ)
66. Ali: Fear Eats the Soul (Rainer Werner Fassbinder, 1973)  
 「不安と魂」(ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督、西ドイツ)
65. Ordet (Carl Theodor Dreyer, 1955)  
 「奇蹟」(カール・テオドール・ドライエル監督、ベルギー・デンマーク)
64. Three Colours: Blue (Krzysztof Kieślowski, 1993)  
 「トリコロール/青の愛」(クシシュトフ・キェシロフスキー監督、仏・ポーランド・スイス)
63. Spring in a Small Town (Fei Mu, 1948)  
 「小城之春」(フェイ・ムー監督、中国)
62. Touki Bouki (Djibril Diop Mambéty, 1973)  
 未公開、セネガル映画
61. Sansho the Bailiff (Kenji Mizoguchi, 1954)  
 「山椒大夫」(溝口健二監督、日本)
60. Contempt (Jean-Luc Godard, 1963)  
 「軽蔑」(ジャン=リュック・ゴダール監督、フランス・イタリア・アメリカ)
59. Come and See (Elem Klimov, 1985)  
 「炎628」(エレム・クリモフ監督、ソ連)
58. The Earrings of Madame de… (Max Ophüls, 1953)  
 「たそがれの女ごころ」(マックス・オフュルス監督、フランス・イタリア)
57. Solaris (Andrei Tarkovsky, 1972)  
 「惑星ソラリス」(アンドレイ・タルコフスキー監督・ソ連)
56. Chungking Express (Wong Kar-wai, 1994)  
 「恋する惑星」(ウォン・カーウァイ監督、香港)
55. Jules and Jim (François Truffaut, 1962)  
 「突然炎のごとく」(フランソワ・トリュフォー監督、フランス)
54. Eat Drink Man Woman (Ang Lee, 1994)  
 「恋人たちの食卓」(アン・リー監督、台湾)
53. Late Spring (Yasujirô Ozu, 1949)  
 「晩春」(小津安二郎監督、日本)
52. Au Hasard Balthazar (Robert Bresson, 1966)  
 「バルタザールどこへ行く」(ロベール・ブレッソン監督、フランス・スウェーデン)
51. The Umbrellas of Cherbourg (Jacques Demy, 1964)  
 「シェルブールの雨傘」(ジャック・ドゥミ監督、フランス)
50. L’Atalante (Jean Vigo, 1934)  
 「新学期・操行ゼロ」(ジャン・ヴィゴ監督、フランス)
49. Stalker (Andrei Tarkovsky, 1979)  
 「ストーカー」(アンドレイ・タルコフスキー監督、ソ連)
48. Viridiana (Luis Buñuel, 1961)  
 「ビリディアナ」(ルイス・ブニュエル監督、スペイン)
47. 4 Months, 3 Weeks and 2 Days (Cristian Mungiu, 2007)  
 「4ヶ月、3週と2日」(クリスティアン・ムンジウ監督、ルーマニア)
46. Children of Paradise (Marcel Carné, 1945)  
 「天井桟敷の人々」(マルセル・カルネ監督、フランス)
45. L’Avventura (Michelangelo Antonioni, 1960)  
 「情事」(ミケランジェロ・アントニオーニ監督、イタリア)
44. Cleo from 5 to 7 (Agnès Varda, 1962)  
 「5時から7時までのクレオ」{アニエス・ヴァルダ監督、フランス}
43. Beau Travail (Claire Denis, 1999)  
 「美しき仕事」(クレール・ドニ監督、フランス)
42. City of God (Fernando Meirelles, Kátia Lund, 2002)  
 「シティ・オブ・ゴッド」(フェルナンド・メイレレス監督、ブラジル)
41. To Live (Zhang Yimou, 1994)  
 「活きる」(チャン・イーモウ監督、中国)
40. Andrei Rublev (Andrei Tarkovsky, 1966)  
 「アンドレイ・ルブリョフ」(アンドレイ・タルコフスキー監督、ソ連)
39.  Close-Up (Abbas Kiarostami, 1990)  
 「クローズ・アップ」(アッバス・キアロスタミ監督、イラン)
38. A Brighter Summer Day (Edward Yang, 1991)  
 「牯嶺街少年殺人事件」(エドワード・ヤン監督、台湾)
37. Spirited Away (Hayao Miyazaki, 2001)  
 「千と千尋の神隠し」(宮崎駿監督、日本)
36. La Grande Illusion (Jean Renoir, 1937)  
 「大いなる幻影」(ジャン・ルノワール監督、フランス)
35. The Leopard (Luchino Visconti, 1963)  
 「山猫」(ルキノ・ヴィスコンティ監督、イタリア)
34. Wings of Desire (Wim Wenders, 1987)  
 「ベルリン・天使の詩」(ヴィム・ヴェンダース監督、西ドイツ・フランス)
33. Playtime (Jacques Tati, 1967)  
 「プレイタイム」(ジャック・タチ監督、フランス)
32. All About My Mother (Pedro Almodóvar, 1999)  
 「オール・アバウト・マイ・マザー」(ペドロ・アルモドバル監督、スペイン)
31. The Lives of Others (Florian Henckel von Donnersmarck, 2006)  
 「善き人のためのソナタ」(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督、ドイツ)
30. The Seventh Seal (Ingmar Bergman, 1957)  
 「第七の封印」(イングマール・ベルイマン監督、スウェーデン)
29. Oldboy (Park Chan-wook, 2003)  
 「オールド・ボーイ」(パク・チャヌク監督、韓国)
28. Fanny and Alexander (Ingmar Bergman, 1982)  
 「ファニーとアレクサンデル」(イングマール・ベルイマン監督、スウェーデン)
27. The Spirit of the Beehive (Victor Erice, 1973)  
 「ミツバチのささやき」(ヴィクトル・エリセ監督、スペイン)
26. Cinema Paradiso (Giuseppe Tornatore, 1988)  
 「ニュー・シネマ・パラダイス」(ジュゼッペ・トルナトーレ監督、イタリア・フランス)
25. Yi Yi (Edward Yang, 2000)  
 「ヤンヤン 夏の想い出」(エドワード・ヤン監督、台湾・日本)
24. Battleship Potemkin (Sergei M Eisenstein, 1925)  
 「戦艦ポチョムキン」(セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督、ソ連)
23. The Passion of Joan of Arc (Carl Theodor Dreyer, 1928)  
 「裁かるゝジャンヌ」(カール・テオドール・ドライエル監督、フランス)
22. Pan’s Labyrinth (Guillermo del Toro, 2006)  
 「パンズ・ラビリンス」(ギレルモ・デル・トロ監督、スペイン・メキシコ・アメリカ)
21. A Separation (Asghar Farhadi, 2011)  
 「別離」(アスガー・ファルハディ監督、イラン)
20. The Mirror (Andrei Tarkovsky, 1974)  
 「鏡」(アンドレイ・タルコフスキー監督、ソ連)
19. The Battle of Algiers (Gillo Pontecorvo, 1966)  
 「アルジェの戦い」(ジッロ・ポンテコルヴォ監督、イタリア・アルジェリア)
18. A City of Sadness (Hou Hsiao-hsien, 1989)  
 「非情城市」(ホウ・シャオシェン監督、台湾)
17. Aguirre, the Wrath of God (Werner Herzog, 1972)  
 「アギーレ/神の怒り」(ヴェルナー・ヘルツォーク監督、西ドイツ)
16. Metropolis (Fritz Lang, 1927)  
 「メトロポリス」(リッツ・ラング監督、ドイツ)
15. Pather Panchali (Satyajit Ray, 1955)  
 「大河のうた」(サタジット・レイ監督、インド)
14. Jeanne Dielman, 23 Commerce Quay, 1080 Brussels (Chantal Akerman, 1975)  
 「ブリュッセル 1080 コメルス河畔通り 23番地 ジャンヌ・ディエルマン」
 (シャンタル・アケルマン監督、ベルギー)
13. M (Fritz Lang, 1931)  
 「M」(フリッツ・ラング監督、ドイツ)
12. Farewell My Concubine (Chen Kaige, 1993)  
 「さらば、わが愛 覇王別姫」(チェン・カイコー監督、中国)
11. Breathless (Jean-Luc Godard, 1960)  
 「勝手にしやがれ」(ジャン=リュック・ゴダール監督、フランス)
10. La Dolce Vita (Federico Fellini, 1960)  
 「甘い生活」(フェデリコ・フェリーニ監督、イタリア・フランス)
9. In the Mood for Love (Wong Kar-wai, 2000)  
 「花様年華」(ウォン・カーウァイ監督、香港)
8. The 400 Blows (François Truffaut, 1959)  
 「大人は判ってくれない」(フランソワ・トリュフォー監督、フランス)
7. 8 1/2 (Federico Fellini, 1963)  
 「82/1」(フェデリコ・フェリーニ監督、イタリア)
6. Persona (Ingmar Bergman, 1966)  
 「仮面/ペルソナ」(イングマール・ベルイマン監督、スウェーデン)
5. The Rules of the Game (Jean Renoir, 1939)  
 「ゲームの規則」(ジャン・ルノワール監督、フランス)
4. Rashomon (Akira Kurosawa, 1950)  
 「羅生門」(黒澤明監督、日本)
3. Tokyo Story (Yasujirô Ozu, 1953)  
 「東京物語」(小津安二郎監督、日本)
2. Bicycle Thieves (Vittorio de Sica, 1948)  
 「自転車泥棒」(ヴィットリオ・デ・シーカ監督、イタリア)
1. Seven Samurai (Akira Kurosawa, 1954)  
 「七人の侍」(黒澤明監督、日本)

2011年10月 1日 (土)

お気に入り写真集 2

 パタゴニアというとまず思い出すのは岩波新書で出ていた『パタゴニア探検記』という本。日本・チリ合同パタゴニア探検隊が処女峰アレナーレスに登頂した時の記録です。高校生か大学生の頃(70年代の前半)読んだものなので、もう40年近く前のことになります。

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 実に面白い本でした。著者の高木正孝は元南極越冬隊の隊長だった人だという記憶があります。それまで人が入ったことがない土地に分け入ると、どんなに寒くても決して風邪を引かないということをこの本を読んで初めて知りました。ウイルスがいないからです。

 日本人隊員とチリ人隊員の習慣などの違いによる行き違いや反感なども面白かった。ある時とうとう我慢が出来なくなって、すぐ近くの見える所で大便をするのはやめてくれと日本人隊員が言うと、チリ人隊員がそれじゃあお前達も人前で鼻くそをほじるのはやめてほしいと言ったというエピソード。失礼にあたること、 不愉快に感じる事が国によって違うことが良く分かった。

 閑話休題、『パタゴニアを行く』は写真をふんだんに載せた紀行文としては珍しい新書版です。この本を買ったきっかけは、タイトルにパタゴニアが入っていたからです。この本を読んで感じたことは、著者の野村哲也という人は第二の星野道夫になる素質があるということです。野村哲也も時々パタゴニアを訪れて写真を撮るというのではなく、変化に富んだ自然に魅せられてそこに住みこんでしまった。アラスカ、アンデス、南極などの辺境の地に惹かれていること、自然と人々の中に飛び込んで行こうとする情熱などに共通点を感じました。

 僕は本を読んで線を引いた部分をパソコンに書き写して、必要な時に引用するのに利用しています。この本から書き写した文章を一部以下に載せておきましょう。この著者が星野道夫と同様、時に文学的な表現を使うということ、人々の言葉を聞きとる耳を持っていることが分かると思います。

 「異国から来た友よ、耳を澄まし、よく聞いておくれ。私たちの足元に広がる大地は、祖先たちの“生命の灰”で作られている。大地は、常に仲間たちの魂で満ちている。大地が人間に属しているのではなく、人間が大地に属しているのだよ。土地の所有権を賭けて人々は争いを起こす。でも最後に人を所有するのは誰だい、大地ではないのかい?誰もがいつかはその下に埋められるのだから」
 マプーチェ族のセルマ婆ちゃんの言葉

 日が完全に落ちると、照り返しが起こり、多様な雲が変幻自在に宙を駆けていく。パタゴニアに長く滞在すると、「雲」は「風」の一部だと実感せずにはいられない。風に吹かれて雲ができ、風がまた雲を消していく。


 インディアンの言い伝えなどがよく人生の指南書のような形で売られています。そういう利用の仕方には疑問を感じますが、土に生きる、あるいは自然に生きる人たちの素朴な言葉には耳を傾けたくなる素晴らしい言葉が多いのは確かです。

 しかしそういう言葉を引き出せるところまで人間関係を作ることはなかなか容易なことではありません。星野道夫にしろ、野村哲也にしろ、そういうことが自然にできているところがすごいと思います。写真にしても、自然はそこまで行けばだれにでも撮れますが、人間を撮るには信頼関係がなければ撮らせてもらえません。撮ったとしても構えた姿しか撮れません。

 自然の中だけではなく自然の中で暮らす人々の中にまで飛び込んで行けるところ、この二人が、そして彼らのみならず一流の写真家と呼ばれる人たちがすごいのはその点だと思います。

 野村哲也の写真集『悠久のとき』も手に入れました。その中に「星の道を継ぐ者」という章があります。そこで野村氏は星野道夫を「師匠」と呼んでいます。師匠と一緒に幾夜も過ごしたとも書いています。上に「野村哲也という人は第二の星野道夫になる素質がある」と書きましたが、この二人は実際に師匠と弟子の 関係だったのですね。
 ■野村哲也『パタゴニアを行く―世界でもっとも美しい大地』(中公新書、2011年)940円
 ■野村哲也『悠久のとき』(中日新聞社、2002年)1600円

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 こちらは野村哲也の本格的写真集です。写真集として『アークティック・オデッセイ』と比べても全く見劣りしない極めて優れたものです。上で紹介した『パタゴニアを行く』とほとんど写真は重なっていません。しかも大型本ですので、写真の迫力は新書サイズの『パタゴニアを行く』より遥に勝ります。

 とにかく写真がすごい。『アークティック・オデッセイ』がカナダを中心とした北極圏を撮ったのに対し、『パタゴニアを行く』は南極に近いパタゴニアを撮ったものです。同じ極地に近い地域でも、どこか違いがあります。パタゴニアはとにかく山が美しい。パタゴニアには富士山そっくりの山もありますが、荒々しい山容の山が多い。とがった奇岩が山頂にそそり立つ奇っ怪な山。これらの山々の写真を見るだけでも買う価値があります。  他にも氷河の美しさに魅せられたり、動物の可愛らしさにひかれたり、さまざまな楽しみができる写真集です。日本とは全く違う荒々しい自然が残るパタゴニア。一家に一冊の必需品です。
 ■野村哲也『パタゴニア』(風媒社、2010年)2940円

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 ゴブリンが写真日記を書き始めたのは浦野川とその川に架かる橋に魅せられたのがきっかけでした。その後しばらくは川と橋の写真を中心に撮っていました。その頃にアマゾンでまとめて買ったのが写真の3冊の写真集。日本中、世界中の様々な橋の写真が載っています。

 いやあ素晴らしい。これまで自分が撮った橋の写真などとても及ばない素敵な橋ばかり。やはり遠くまで足を運ばなければいい橋とは出会えません。

 何といっても撮ってみたいのは石橋です。信州にはいい石橋があまりありません。なぜか九州など西の方に多いようです。

 小さな川にかかる風情のある小さな木橋もいい。夕暮れ時に橋と橋を渡る人影をシルエットで撮ってみたい。いろんな橋の写真を見ながら、心は旅先へと飛んでゆきます。
 ■ベルンハルト M.シュミッド『世界の橋』(ピエブックス、2006年)
 ■平野 暉雄『日本の名景 橋』(光村推古書院、2000年)
 ■平野 暉雄『橋を見に行こう』(自由国民社、2007年)

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 これもゴブリンが多大な影響を受けた写真集です。「世間遺産」という考え方には大いに共感しました。観光地でもないごく普通の地域にある風景や建物、遺物、石碑などを意識的に撮って来た自分の姿勢に重なるものを感じたからです。

 この写真集にはどこかあか抜けない奇妙奇天烈なものから「う~ん」と感心するものまで、地元の人でもうっかり見落としそうなものがこれでもかと並んでいます。以下にこの本からの引用を二つ紹介しましょう。  

 民の手による遺産をめぐるこの放浪記は、無名の人々の営みを寿ぐ(ことほぐ)、パッションとミッションとセッションのレクイエム。誰も気にとめない。誰も語らない。けれども知っている。無名で風土的でプリミティブな「働く建築」たちは、一切の無駄を省いた、機能美のモダニズム。

 「世界遺産」や「近代化遺産」が脚光を浴びる中、社会からはなかなか見向きもされない、これら「世間遺産」たちとの出会いは、筆者自身に強い印象を与えるものばかりでした。長く人の生業(なりわい)やくらしとともにあった、「用の結果の美」としての建築や道具。または庶民の饒舌、世間アートとでも呼びたくなるような不思議な造形の数々…。


 「無名の人々の営み」、「無名で風土的でプリミティブな『働く建築』」、「機能美」、「用の結果の美」、「庶民の饒舌、世間アートとでも呼びたくなるような不思議な造形」、等々。キーワードを拾ってゆくと、著者の視点や姿勢が読み取れてきます。

 「近代化で捨ててきたモノを懐古するのではなく、置き忘れられたモノにひそむ物語を知ることで未来を探るのが、世間遺産の方程式」という言い方もしています。そこにあるのはレトロさを味わいノスタルジーに浸る姿勢ではなく、時代と地域の要請に応じて生まれたもの、ザラザラごわごわした手触りが伝わってくる 「今の時代に生まれないもの」への敬意です。
 ■藤田洋三『世間遺産放浪記』(石風社、2007年)2415円

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 『世間遺産』の次は『奇界遺産』です。こちらは摩訶不思議で奇妙奇天烈な建造物、人、習慣などを集めた奇怪な写真集です。度肝を抜く奇想、一体何のためにこんなものをと呆れる逸脱ぶり、執念の塊のようなこだわりぶり、ほとんどゲテモノのような偏執ぶり。笑ったり、呆れたり、仰天したり。次はどんなものが、とページをめくるのが楽しみになる。楽しめますよ。
 ■佐藤健寿、『奇界遺産』(エクスナレッジ、2010年)3990円

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 信州は山国で、360度どこを見渡しても常に山で視界が遮られている。信州にいる限りまっ平らな地平線を眺めることなど望むべくもない。たまに東京へ行ったりして関東平野に出ると、はるか遠くまで見通せて開放感がある。海岸近くで育ったので、海が見えたりするとホッとする。信州で育った人たちは逆に周りに山がないと不安になるそうだ。  関東平野に育ちながら信州に住んでいるせいか、『地平線』という写真集を手にとってぱらぱらとめくった瞬間欲しいと思った。最初に紹介したベルンハルト・M.・シュミッドの『道』シリーズ同様、はるか遠くまで見通せる壮大な光景に引き込まれてしまう。

 しかしこの写真集を眺めていると、日本という国がいかにごちゃごちゃと家の建てこんだ狭苦しい国かということを痛感せざるを得ない。また逆に、世界には見渡す限り家一軒なく、人っ子一人見かけない土地がこれほどあるのかと驚く。地平線の遠さ、空の大きさ、日本では北海道でもなければ体験できない開放感をたっぷり味わえる本です。
 ■『地平線』(パイインターナショナル、2011年)2520円

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 今回はこの有名な写真家の写真集で締めくくります。また何冊かたまったらまとめて紹介します。 『ロバート・キャパ スペイン内戦』は、世界的に有名な戦場写真家/報道写真家ロバート・キャパが撮ったスペイン内戦の写真を初めて集大成した本です。あのあまりにも有名な写真、頭部を撃ち抜かれ倒れる瞬間の人民戦線兵士を撮った「崩れ落ちる兵士」も収録されていますが、それは収録されたたくさんの写真の中の1枚にすぎない。それほどキャパが取材したスペイン内戦の初集大成版には素晴らしい写真があふれています。

 戦場の緊迫した様子が収められた写真もいいのですが、何と言っても僕は人物を撮った写真に心を引かれる。写真集の扉におさめられた10歳前後と思われる銃を背負った少年、おどけた表情で笑いかけている若い兵士、何かを食い入る様に見つめている兵士たち、固い決意でじっと前を見つめる兵士、茫然とした顔で瓦礫の中にたたずむ女性、子供を抱きかかえ不安そうに前を見つめる若い母親、銃を背負い頭にスカーフを巻きつけたひげずらの兵士、満面に笑みをたたえたベレー帽の兵士、荷物を両手いっぱいに抱え疲れた表情で道を行く初老の女性、顔に深いしわを刻んだゴマ塩ひげの老兵、道端に座り込み暗い表情でじっと前を見つめる初老の女性、チェロ(?)と弓を両手に持ってまるで泣き出しそうな、深い悲しみをたたえた顔でこちらを見つける男性、等々。

 どれも忘れ難い顔です。これらに匹敵する写真を僕は生涯に1枚でも撮れるのだろうか。スナップ写真を除けば、ほとんど人物写真など撮ったことがない僕としてはそう思わざるを得ない。これらの写真はそれぞれの人物の肖像写真であると同時に、また時代の肖像でもあった。その時代のその場所に生きた人々。どれだけの人が内戦を生き延びたのだろうか。たとえ内戦時代を生き延びても、その後長く続いたフランコの独裁時代を生き延びられたのか。そんなことを想像せずにこれらの写真を見る事は出来ない。個々の人物を映しながら、その時代と時代の雰囲気(緊張感、強い決意と意思、不安、哀しみ、希望、怒り、喪失感などが入り混じった時代の空気)をも写し取る。天才的カメラマンの目はかくも鋭い。
 ■『ロバート・キャパ スペイン内戦』(岩波書店、2000年)6800円

お気に入り写真集 1

 お気に入り写真集をまとめて紹介します。写真集は以前から時々買っていましたが、やはり買う数が増えたのは写真日記を書き始めてからです。

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 1冊目はそれにふさわしい写真集を選びました。風景の見方に関して目を開いてくれた写真集です。タイトルは『道のむこう』。ベルンハルト・M・シュミッドという写真家が撮った道の写真集です。この人は道ばかりを撮った写真集を何冊も出しています。もう1冊同じ出版社から出ている『道のかなた』も持っているので、そちらの写真も載せておきます。この人は橋フェチでもあるようで、下で紹介するように橋の写真集も出しています。

 彼の写真集に刺激を受けて自分でも時々道の写真を撮ってみるのですが、納得のゆく写真はまだ1枚も撮れていません。理由は簡単。日本では北海道にでも行かなければ遠くまで続く道の写真など撮れないからです。山に囲まれた信州ではまず見晴らしのいい道など望めませんし、電線や看板などが写らない道の写真を撮るなどほとんど不可能だからです。
 ■ベルンハルト・M. シュミッド『道のむこう』(ピエブックス、2002年)

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 世の中にはいろんな写真集がありますが、この写真集がとりわけユニークなのは何とすべて空撮で撮った写真だということ。この写真集を発見した時は、ガツンと殴られたような衝撃を受けました。そういう発想は全く思いつきもしなかった。

 世の写真家は戦場であれ、人跡まれな秘境であれ、まずは自分の足で踏み入れて、その場に立って写真を撮る。そうするものだと思い込んでいた。なるほど空から撮るのか。写真の重要な要素の一つはアングルだと思いますが、空から見降ろして撮れば人間の目の高さから撮るのとは全く違う映像が撮れるはずです。目からうろこの写真集です。

 表紙は有名なモン・サン=ミシェルの写真です。見慣れた景観ですが、なかなか上から見た写真にはお目にかからない。いつもと違う角度から見るといろんなことが分かります。なるほど、こんな風になっていたのかと感心することしきり。

 そのほか同じような建物が視界いっぱい立ち並ぶ都市空間や色違いの花が幾何学状に植えられたオランダの花畑など、空からでないとその全容が分からないようなものがこれでもかと載っています。

 一例として2枚目の写真をご覧ください。中国の羅平にある現実の光景です。このページを開けた時しばし目を疑いました。こんな風景が本当にあるのか?一面の菜の花畑が広がる黄色い大地のあちこちにコーンのような形の山が点在している。何とここはカルスト地形なのだそうです。そうか、それであんな形の山が、と頭では納得しても、まるでおとぎの国のような感覚は消えません。20年くらい前に、中国のある地域に初めてNHKのテレビが入って、山水画に出てくるようなあのとがった山々が映像で映し出された時には驚嘆したものです。しかしまあ中国は奥深い。まだまだアッと驚くような地域があるに違いない。この写真集を見てそう思いました。
 ■『地球一周 空の旅』(パイ インターナショナル、2011年)1900円

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 これは純粋な写真集というよりは写真と文章がコラボレーションしている本です。シェイクスピア・カントリーを紹介しているのはイギリスの有名な女性作家スーザン・ヒル。彼女の本は数冊持っていますが、今のところ読んだのはこの1冊だけです。

 この本の魅力は数々のすばらしい写真が見られるだけではなく、シェイクスピア・カントリーの近くで育ったスーザン・ヒルのその地域に対する思いが込められた文章が読める事です。大判の本で文章の量も相当ありますが、面倒なら写真を眺めるだけでも十分楽しめます。

 ストラットフォード・アポン・エイヴォン、チッピング・キャムデン、ケニルワース、ウォリックなどシェイクスピア名残の様々な地域、その地域の自然やお城やお屋敷、そして街並みなどが取り上げられています。日本でも有名になった「世界で一番美しい村」コツウォルズもシェイクスピア・カントリーの一部ですから当然言及されています。

 この地方の紀行文はたくさん出ていますが、これほど豊富な写真が付けられているものはありません。しかも大判の本ですから写真の迫力が違う。イギリスやシェイクスピアに関心のある方は、いやない方でも、ぜひご覧になってください。
 ■スーザン・ヒル著『シェイクスピア・カントリー』(南雲堂、2001年)7000円

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 『水の名前』。写真集にしては変わったタイトルですが、内容もなかなかユニークです。池、川、湖、海、田んぼ、湧水、水滴、金魚鉢など水に関わる様々な題材を取り上げている写真集です。水中写真も多用されています。

 しかし真にユニークなのはそれぞれのページに付けられた小見出しです。「雨水」、「川遊び」、「秋の川」といった一般的なものだけではなく、「小濁り」、「花筏」、「水桜見」、「水中林」、「水影」、「水烟る」、「花の雨」、「水毬」などといった素晴らしい響きの言葉を次々に生み出す感覚がすごい。それぞれのページに付けられたエッセイのような文も良い。写真の美しさだけではなく、言葉の響きの美しさにも魅了される写真集です。
 ■内山りゅう『水の名前』(平凡社、2007年)2500円

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 一時期星野道夫の本を夢中になって読み漁った時期がありました。何冊も読んでいると、結構同じ話を何度も語り直していることに気付きますが、それでも飽きる事はありませんでした。

 それまでアラスカの紀行文というと野田知佑の『ユーコン漂流』、『ゆらゆらとユーコン』、『北極海へ』などしか読んだことはありませんでした。そういえば、野田知佑と椎名誠も一時期読みふけったものです。ただ野田知佑の場合はカヌーによる川下りの話ですので、ユーコン川やマッケンジー川の話に限られていました。また川が凍結していない時期の話に限られていたわけです。

 それに対して星野道夫はアラスカに住みつき、誰もいない原野に一人で数カ月も過ごして写真を撮るなどということもしていたわけです。彼の文章は時に詩的な響きを帯びます。感性の鋭さが彼の文章の魅力です。しかしなんといっても彼の本の魅力はその写真の素晴らしさです。およそ日本の日常生活とは程遠い世界が放つ光、その壮大さと躍動感、野生動物の素顔、等々。原野に分け入らなければ決して撮れない写真。その魅力は圧倒的でした。 時に詩的な響きを帯びる文章と圧倒的な迫力の写真、星野道夫の本の魅力はこの二つが結び付いた魅力です。

 文章に限って言えば、『長い旅の途上』が一番好きです。最初に読んだ星野道夫の本だからということもあるでしょう。彼の本の中で一番多く線を引いた本です。他の本を読んでいると繰り返しが多いので、前に読んだことがあるエピソードは当然線を引きません。『長い旅の途上』は遺稿集として編集されたもので、単行本未収録の文章を可能な限り収録したものであるから、結果的に網羅的になったのかもしれない。星野道夫という人物の関心のあり方や考え方が一番良く分かる本だと思います。そうそう、タイトルもまたいいのです。アラスカという土地とそこに住む人々と動物の生活を文章に刻み、写真に記録することをライフワークと考えていたであろう彼の本にふさわしいタイトルだと思うからです。

 ただ残念なことは、僕が持っている星野道夫の本は文庫本が多いため、どうしても写真が小さくなってしまうことです。「ブックオフ」で大量に買い込んだのがたまたま文庫本だったのです。単行本は『長い旅の途上』など2、3冊しかありません。写真集にふさわしい大型本は1冊もありませんでした。写真集『星野道夫の宇宙』(朝日新聞社)を手に入れたいのですが、アマゾンでも見つかりません。

 それが先日、文庫で持っていた『アラスカ 風のような物語』の新装版が出ていることに気付きました。さっそくアマゾンで入手しました。ぱらぱらとめくってみると、掲載されている写真が文庫版とだいぶ違うことに気付きます。一部同じ写真もありますが、ほとんどは文庫版と違う写真です。どのような事情で写真を入れ替えたのかは分かりません。単行本から文庫本になる時小さいサイズの写真を多めに入れたのを、新装版にする時に元の単行本の写真に戻したということなのか。ただ大型本になった新装版には、文庫本には収めにくいスケールの 大きい写真が増えていることは確かです。いずれにしても、星野道夫が撮った写真は膨大な数だったということはできるでしょう。これだけ入れ替えが可能なのですから。
 ■星野道夫『新装版 Alaska 風のような物語』(小学館、2010年)3200円

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 『新装版 Alaska 風のような物語』を手に入れた直後に、『アークティック・オデッセイ』も入手しました。こちらは本格的な写真集で、文章はあまり付いていません。ホッキョクグマ、カリブー、クジラ、オオカミ、オーロラや氷河など、素晴らしい写真がぎっしり詰め込まれています。一家に一冊置いておきたい大型写真集です。  ■星野道夫『アークティック・オデッセイ』(新潮社、1994年)4800円  

2007年6月17日 (日)

ゴブリン壁紙

 最近の僕のブログは写真ブログと化しています。もちろん写真は全くの素人です。デジカメもモードの切り替えなどはほとんどせず、標準設定のままで撮っています。せいぜいアングルやフレームを気にする程度です。それでもかなりの数の写真を撮っていますので、中にはお気に入りの写真も何枚かあります。今回はその中でも壁紙にぴったりの1枚を紹介します。サイズは壁紙サイズ(1024×768)にしてあります。自由にコピーして壁紙としてお使いください。それ以外の利用はご遠慮ください。

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別所温泉・花屋旅館横の坂道
白壁が木々以上に美しい。