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2023年12月29日 (金)

悠遊雨滴 その3:小学生の時僕はバスに轢かれた

 実は小学生の時バスに轢かれたことがある。あの時も跳ね飛ばされた時にとっさに受け身の姿勢をとったのかどうかわからない。そもそも柔道を習う前か後かも今となっては確かめようもない。受け身との関係はともかく、この時はいくつもの幸運が重なって生還したのである。

 一番幸いだったのはバスだから道路とバスの底との隙間が大きいということ。バスに跳ね飛ばされた後、僕の真上でバスは止まった。小学生だからランドセルを背負っていたわけで、普通の車だったら引きずられていただろう。鼻をすりむくなんてことでは済まなかったはずだ。次に幸いだったのは、丁度左右のタイヤの真ん中で倒れたこと。どちらかにずれていたらタイヤの下敷きになっていた。轢かれた場所が交差点で、バスは交差点を右折してきたのでスピードは出ていなかったのも幸いした。バスだから大きく回転する。運転手にすれば突然右側から子供が飛び出してきたように見えただろう。信号は多分青から黄色になりかかった頃と思われる。無理をしなければ何もなかったわけだが、カバンを手に下げた銀行員のようなおじさんが横断歩道を渡り終えるくらいのタイミングだったので、自分も何とか渡れると思ったのだろう。だから無理に渡ろうとした自分が悪かったのである。

 それはともかく、いくつもの幸いが重なって、僕は奇跡的にかすり傷一つ負ってなかった。自分でバスの下からはい出て行ったくらいである。ふと上を見上げると、恐怖にひきつって真っ青な顔をしたバスの運転手がかがんでこっちを覗いていた。きっと生きた心地がしなかっただろう。あの時の運転手さん、ごめんなさい。

 バスから這い出ると、僕はどこも痛くないから学校へ行くと言った。そのころには何人もの大人が集まってきていて、頭を打っているかもしれないからお医者さんに診てもらった方が良いと引き留められた。仕方がないのでしぶしぶ病院へ行った。今度は連絡を受けた母親がこれまた真っ青な顔で病院に飛んできた。電話で特に怪我はしていないようだから安心してくださいと言われたに違いないが、息子がバスに轢かれたと言われた時点でもうそれ以外の言葉は耳に入っていなかっただろう。自分の目で見て無事を確認するまでは安心できなかったに違いない。

 特に異常はないと病院で言われたのだと思うが、安全のためにその日は学校を休んだ。翌日は元気に登校した。もう半世紀以上前のことだが、今でも時々思い出すことがある。それが意外なところで話題になってしまった。今年の秋に小学校6年のクラス会があった。大学生の頃に1度やったきりだから、ほぼ半世紀ぶりだった。その時幹事の一人から、あの後事故があった交差点に歩道橋ができたのはお前の事故がきっかけだったと言われた。全く知らなかったのでびっくりした。本当のことだろうか。なんで当事者が知らないんだ。そう思ったが、いい酒の肴にされてすっかりそういうことになってしまっていた。

 2次会の後解散したが、二次会の会場の近くにその交差点があった。これが「俺の」歩道橋で、轢かれたのはあのあたりだと説明すると、誰かが今度マジックで**歩道橋と書いておくよと言い出した。「頼むからそれだけはやめてくれ」と慌てて言った。そして件の横断歩道を渡って帰っていったが、まさかあの後本当に書いたりしていないだろうなあ。

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