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2023年7月 9日 (日)

ゴブリンのこれがおすすめ 70 社会派映画(1990年代まで)

社会派映画(1990年代まで)

 社会派映画というと日本では何か固い映画というイメージが強く(極端な場合プロパガンダ映画と同じようなイメージを持っている人もいるだろう)、そのせいかあまり人気がないジャンルだと思う。僕のモットーは「世界中の映画を観てやろう」で、ジャンルもできるだけ偏らないように努めている。とはいっても好き嫌いは当然あって、ホラー映画、アメコミ映画、やくざ映画などはあまり観ない。一方で、サスペンス・ミステリーは映画でもテレビ・ドラマでも観まくっている。
 しかしジャンルの好き嫌いと映画の評価はおのずから別である。僕にとって社会派映画は一番高く評価するジャンルと言っても過言ではない。人間を描くとき社会の歪みや人間関係の軋みの中に投げ込んで描いてこそキャラクターに奥行きと深みが出ると思うからだ。当然テーマ性も明確になり、テーマ性と人間的葛藤が絡み合ったとき優れたドラマが生まれる。
 社会派映画は、かつてはイタリア映画、フランス映画、アメリカ映画、ソ連映画に多かったが、最近は韓国映画が頭角を現している。極端な格差社会であり、日本と違ってはっきりと自己主張する文化があるからだ。中国映画やイギリス映画にも多い。それに比べると今の日本には少ないと言わざるを得ない。ほとんど自己規制しているのではないかと疑いたくなるほどだ。テレビ・ドラマの「エルピス」が話題や賞をさらったが、この程度のドラマなら韓国にはざらにある。正直そう思うのだ。いや、それを言えば、先進国よりもむしろそれ以外の国々の映画にこそ社会派映画の力作が多いというべきだろう。それだけ大きな根本的問題を抱えているからだ。深刻な問題に真剣に向き合っている作品を観ると、日本の映画がいかにちまちました事柄を扱っているかよく分かる。
 かつて独立プロがはやった時代に日本でも社会派映画が盛んに作られたが、紋切り型の作品が多かったことも事実だ。今はむしろ、ドキュメンタリー映画製作者に強い問題意識持った人が多く、社会派的色彩が強い力作が多く作られていると感じる。社会派映画は基本的にリアリズムの手法を取ることが多いので、ドキュメンタリー映画と相性は良いはずだ。
 もちろん社会派映画といっても、必ずしも暗くて重たい映画というわけではない。観終わった後にただただ重苦しくなるだけならむしろ失敗作だろう。当然そうならないよう様々な工夫をしている。かといって、ああ面白かったで満足し、すぐ忘れてしまうというものでもない。それまで知らなかったことを知ることで知見を広げることができる。作品を理解しようと考えをめぐらすことでものの見方・考え方を鍛えることができる。社会派映画は良い意味で後を引く映画なのである。

 リストを作っているうちにかなりの本数になってしまったので2回に分けて掲載しますが、それでもまだまだ抜けているものは多いと思います。しかしいつまでも先延ばししていても切りがないので、ここでいったん載せておいて、おいおい追加してゆくことにします。

おすすめの社会派映画(1990年代まで)

「シュリ」(1999) カン・ジェギュ監督、韓国
「太陽の雫」(1999) イシュトヴァン・サボー監督、カナダ・ハンガリー
「遥かなるクルディスタン」(1999)イエスィム・ウスタオウル監督、トルコ・独・他
「パーフェクト・サークル」(1998) アデミル・ケノヴィッチ、ボスニア・フランス
「クアトロ・ディアス」(1997) ブルーノ・バレット監督、ブラジル
「ボクサー」(1997)ジム・シェリダン監督、アメリカ・アイルランド
「カルラの歌」(1996) ケン・ローチ監督、イギリス
「ゲット・オン・ザ・バス」(1996) スパイク・リー監督、アメリカ
「コーカサスの虜」(1996) セルゲイ・ボドロフ監督、カザフスタン・ロシア
「マイケル・コリンズ」(1996) ニール・ジョーダン監督、イギリス
「アンダーグラウンド」(1995) エミール・クストリッツァ監督、仏・独・ハンガリー
「イル・ポスティーノ」(1995) マイケル・ラドフォード監督、イタリア・フランス
「太陽に灼かれて」(1994年)ニキータ・ミハルコフ監督、ロシア・フランス
「太白山脈」(1994)イム・グォンテク監督、韓国
「ビフォア・ザ・レイン」(1994) ミルチョ・マンチェフスキー監督、英・仏・マケドニア
「ブコバルに手紙は届かない」(1994) ボーロ・ドラシュコヴィッチ監督、米・伊・ユーゴスラビア
「レディバード・レディバード」(1994) ケン・ローチ監督、イギリス
「ザ・ペーパー」(1994) ロン・ハワード監督、アメリカ
「父の祈りを」(1993)ジム・シェリダン監督、イギリス・アメリカ
「マルコムX」(1992) スパイク・リー監督、アメリカ
「シルバースタリオン 銀馬将軍は来なかった」(1991) チャン・ギルス監督、韓国
「真実の瞬間」(1991) アーウィン・ウィンクラー監督、アメリカ
「クローズ・アップ」(1990) アッバス・キアロスタミ監督、イラン
「JFK」(1991) オリヴァー・ストーン監督、アメリカ
「ロング・ウォーク・ホーム」(1990) リチャード・ピアース監督、アメリカ
「ドゥ・ザ・ライト・シング」(1989) スパイク・リー監督、アメリカ
「ドライビングMissデイジー」(1989) ブルース・ペレスフォード監督、アメリカ
「白く乾いた季節」(1989) ユーザン・パルシー監督、アメリカ
「ロジャー&ミー」(1989) マイケル・ムーア監督、アメリカ
「カジュアリティーズ」(1989) ブライアン・デ・パルマ監督、アメリカ
「7月4日に生まれて」(1989) オリヴァー・ストーン監督、アメリカ
「戒厳令下チリ潜入記」(1988) ミゲル・リティン監督、スペイン
「ディア・アメリカ」(1988) ビル・コーチュリー監督、アメリカ
「ディープ・ブルー・ナイト」(1988) ペ・チャンホ監督、韓国
「トーチソング・トリロジー」(1988) ポール・ボガート監督、アメリカ
「100人の子供たちが列車を待っている」(1988) イグナシオ・アグエロ監督、チリ
「ミシシッピー・バーニング」(1988) アラン・パーカー監督、アメリカ
「略奪の大地」(1988) リュドミル・スタイコフ監督、ブルガリア
「さよなら子供たち」(1987) ルイ・マル監督、フランス
「存在の耐えられない軽さ」(1987) フィリップ・カウフマン監督、アメリカ
「遠い夜明け」(1987) リチャード・アッテンボロー監督、イギリス
「芙蓉鎮」(1987) シェ・チン監督、中国
「ペレ」(1987) ビレ・アウグスト監督、デンマーク
「メイトワン1920」(1987) ジョン・セイルズ監督、アメリカ
「予告された殺人の記録」(1987) フランチェスコ・ロージ監督、イタリア・フランス
「ラストエンペラー」(1987) ベルナルド・ベルトルッチ監督、イタリア・英・中国
「ワールド・アパート」(1987) クリス・メンゲス監督、イギリス
「サルバドル 遥かなる日々」(1986) オリヴァー・ストーン監督、アメリカ
「ナイト・オブ・ペンシルズ」(1986) エクトル・オリベラ監督、アルゼンチン
「ミッション」(1986) ローランド・ジョフィ監督、イギリス
「タンゴ ガルデルの亡命」(1985) フェルナンド・E・ソラナス監督、フランス・アルゼンチン
「炎628」(1985) エレム・クリモフ監督、ソ連
「オフィシャル・ストーリー」(1985) ルイス・プエンソ監督、アルゼンチン
「パパは、出張中!」(1985) エミール・クストリッツァ監督、ユーゴスラビア
「未来世紀ブラジル」(1985) テリー・ギリアム監督、イギリス・アメリカ
「懺悔」(1984)テンギス・アブラーゼ監督、グルジア・ソ連
「ハーヴェイ・ミルク」(1984)  ロバート・エプスタイン、他 監督、アメリカ
「エル・ノルテ 約束の地」(1983) グレゴリー・ナヴァ監督、アメリカ
「ジャズメン」(1983) カレン・シャフナザーロフ監督、ソ連
「路」(1982) ユルマズ・ギュネイ監督、トルコ・スイス
「アトミック・カフェ」(1982) ケビン・ラファティ他監督、アメリカ
「ミッシング」(1982) コスタ・ガブラス監督、アメリカ
「アモク!」(1981) スウヘイル・ベン・バルカ監督、モロッコ、ギニア、セネガル
「鉄の男」(1981) アンジェイ・ワイダ監督、ポーランド
「メフィスト」(1981) イシュトヴァン・サボー監督、ハンガリー・西ドイツ
「ラグタイム」(1981) ミロシュ・フォアマン監督、アメリカ
「レッズ」(1981) ウォーレン・ビーティ監督、アメリカ
「モスクワは涙を信じない」(1980) ウラジーミル・メニショフ監督、ソ連
「エボリ」(1979) フランチェスコ・ロージ監督、フランス・イタリア
「クエンカ事件」(1979) ピラール・ミロー監督、スペイン
「地獄の黙示録」(1979) フランシス・F・コッポラ監督、アメリカ
「チャイナ・シンドローム」(1979)ジェームズ・ブリッジス監督、アメリカ
「長雨」(1979) ユ・ヒョンモク監督、韓国
「ノーマ・レイ」(1979) マーチン・リット監督、アメリカ
「ブリキの太鼓」(1979) フォルカー・シュレンドルフ監督、西ドイツ・フランス
「メキシコ万歳」(1979) セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督、ソ連
「ジュリア」(1978) フレッド・ジンネマン監督、アメリカ
「ブラジルから来た少年」(1978)フランクリン・J・シャフナー監督、イギリス
「大理石の男」(1977) アンジェイ・ワイダ監督、ポーランド
「ザ・フロント」(1976) マーチン・リット監督、アメリカ
「1900年」(1976) ベルナルド・ベルトルッチ監督、イタリア・フランス・西ドイツ
「チェド」(1976) ウスマン・センベーヌ監督、セネガル
「ウディ・ガスリーわが心のふるさと」(1976) ハル・アシュビー監督、アメリカ
「大統領の陰謀」(1976) アラン・J・パクラ監督、アメリカ
「不毛地帯」(1976)  山本薩夫監督、日本
「カッコーの巣の上で」(1975) ミロス・フォアマン監督、アメリカ
「金環食」(1975)  山本薩夫監督、日本
「旅芸人の記録」(1975) テオ・アンゲロプロス監督、ギリシャ
「カンバセーション盗聴」(1974) フランシス・F・コッポラ監督、アメリカ
「戒厳令」(1973) コスタ・ガブラス監督、フランス・イタリア
「コーザ・ノストラ」(1973) フランチェスコ・ロージ監督、イタリア
「黒い砂漠」(1972) フランチェスコ・ロージ監督、イタリア
「ジョニーは戦場へ行った」(1971) ダルトン・トランボ監督、アメリカ
「道中の点検」(1971) アレクセイ・ゲルマン監督、ソ連
「警視の告白」(1970) ダミアノ・ダミアニ監督、イタリア
「湖畔にて」(1970) セルゲイ・ゲラーシモフ監督、ソ連
「死刑台のメロディ」(1970) ジュリアーノ・モンタルド監督、イタリア・フランス
「イージー・ライダー」(1970) デニス・ホッパー監督、アメリカ
「M・A・S・H」(1970)  ロバート・アルトマン監督、アメリカ
「屋根の上のバイオリン弾き」(1970) ノーマン・ジュイソン監督、アメリカ
「Z」(1969) コスタ・ガブラス監督、フランス・アルジェリア
「地獄におちた勇者ども」(1969)  ルキノ・ヴィスコンティ監督、イタリア・西ドイツ・スイス
「豚小屋」(1969) ピエル・パオロ・パゾリーニ監督、イタリア・フランス
「テオレマ」(1968) ピエル・パオロ・パゾリーニ監督、イタリア
「フィクサー」(1968) ジョン・フランケンハイマー監督、アメリカ
「コミッサール」(1967)アレクサンドル・アスコリドフ監督、ソ連
「下り階段を上れ」(1967) ロバート・マリガン監督、アメリカ
「上意討ち」(1967) 小林正樹監督、日本
「まぼろしの市街戦」(1967) フィリップ・ド・ブロカ監督、フランス・イギリス
「アルジェの戦い」(1966) ジッロ・ポンテコルヴォ監督、イタリア・アルジェリア
「華氏451」(1966) フランソワ・トリュフォー監督、英・仏
「逃亡地帯」(1966)アーサー・ペン監督、アメリカ
「真実の瞬間」(1965) フランチェスコ・ロージ監督、イタリア
「にっぽん泥棒物語」(1965) 山本薩夫監督、日本
「5月の7日間」(1964) ジョン・フランケンハイマー監督、アメリカ
「シャイアン」(1964)ジョン・フォード監督、アメリカ
「砂の女」(1964)勅使河原宏監督、日本
「大列車作戦」(1964)ジョン・フランケンハイマー監督、アメリカ
「山猫」(1963)  ルキノ・ヴィスコンティ監督、イタリア
「アラバマ物語」(1962) ロバート・マリガン監督、アメリカ
「シシリーの黒い霧」(1962) フランチェスコ・ロージ監督、イタリア
「切腹」(1962) 小林正樹監督、日本
「噂の二人」(1961) ウィリアム・ワイラー監督、アメリカ
「誤発弾」(1961) ユ・ヒョンモク監督、韓国
「終身犯」」(1961) ジョン・フランケンハイマー監督、アメリカ
「ニュールンベルグ裁判」(1961) スタンリー・クレイマー監督、アメリカ
「風の遺産」(1960) スタンリー・クレイマー監督、アメリカ
「キクとイサム」(1959) 今井正監督、日本
「灰とダイヤモンド」(1958) アンジェイ・ワイダ監督、ポーランド
「抵抗」(1956) ロベール・ブレッソン監督、フランス
「真昼の暗黒」(1956) 今井正監督、日本
「浮雲」(1955) 成瀬巳喜男監督、日本
「この広い空のどこかに」(1954)小林正樹監督、日本
「女ひとり大地を行く」(1953)亀井文夫監督、日本
「西鶴一代女」(1952)溝口健二監督、日本
「やぶにらみの暴君」(1952) ポール・グリモー監督、フランス
「高い標的」(1951)アンソニー・マン監督、アメリカ
「どっこい生きてる」(1951)今井正監督、日本
「忘れられた人々」(1950) ルイス・ブニュエル監督、メキシコ
「オール・ザ・キングス・メン」(1949)ロバート・ロッセン監督、アメリカ
「夜の女たち」(1948)溝口健二監督、日本
「罠 ブルーム事件」(1948) エーリッヒ・エンゲル監督、東独
「海の牙」(1947) ルネ・クレマン監督、フランス
「チャップリンの殺人狂時代」(1947)  チャールズ・チャップリン監督、アメリカ
「邪魔者は殺せ」(1947) キャロル・リード監督、イギリス
「逃亡者」(1947)ジョン・フォード監督、アメリカ
「イワン雷帝」(1946) セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督、ソ連
「鉄路の闘い」(1945) ルネ・クレマン監督、フランス
「恐怖省」(1944) フリッツ・ラング監督、アメリカ
「天井桟敷の人々」(1944)  マルセル・カルネ監督、フランス
「死刑執行人もまた死す」(1943) フリッツ・ラング監督、アメリカ
「悪魔が夜来る」(1942) マルセル・カルネ監督、フランス
「生きるべきか死ぬべきか (1942) エルンスト・ルビッチ監督、アメリカ
「市民ケーン」(1941)  オーソン・ウエルズ監督、アメリカ
「怒りの葡萄」(1940)  ジョン・フォード監督、アメリカ
「チャップリンの独裁者」(1940)  チャールズ・チャップリン監督、アメリカ
「スミス都へ行く」(1939) フランク・キャプラ監督、アメリカ
「大いなる幻影」(1937) ジャン・ルノワール監督、フランス
「十月のレーニン」(1937) ミハイル・ロンム監督、ソ連
「浪華悲歌」(1936)溝口健二監督、日本
「女だけの都」(1935) ジャック・フェデー監督、フランス
「男の敵」(1935) ジョン・フォード監督、アメリカ
「M」(1931) フリッツ・ラング監督、ドイツ
「大地」(1930) アレクサンドル・ドブジェンコ監督、ソ連
「アジアの嵐」(1929) フセボロド・プドフキン監督、ソ連
「裁かるるジャンヌ」(1928) カール・ドライエル監督、フランス
「十月」(1928) セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督、ソ連
「母」(1926) フセボロド・プドフキン監督、ソ連
「戦艦ポチョムキン」(1925) セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督、ソ連

 

 

 

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