お気に入りブログ

  • 真紅のthinkingdays
    広範な映画をご覧になっていて、レビューの内容も充実。たっぷり読み応えがあります。
  • 京の昼寝〜♪
    僕がレンタルで観る映画のほとんどを映画館で先回りしてご覧になっています。うらやましい。映画以外の記事も充実。
  • ★☆カゴメのシネマ洞☆★
    細かいところまで目が行き届いた、とても読み応えのあるブログです。勉強になります。
  • 裏の窓から眺めてみれば
    本人は単なる感想と謙遜していますが、長文の読み応えのあるブログです。
  • なんか飲みたい
    とてもいい映画を採り上げています。短い文章できっちりとしたレビュー。なかなかまねできません。
  • ぶらぶらある記
    写真がとても素敵です。

お気に入りホームページ

ゴブリンのHPと別館ブログ

無料ブログはココログ

« 写真ブログ「ゴブリンのつれづれ写真日記」を再開しました | トップページ | これから観たい&おすすめ映画・BD(21年11月) »

2021年10月 7日 (木)

世界4大アニメ映画祭

 2021年10月7日付の朝日新聞に矢野はなみ監督の「骨噛み」が短編部門グランプリを獲得したという小さな記事が載っていた。その記事でオタワ、アヌシー、ザグレブ、広島の映画祭が世界4大アニメ映画祭と呼ばれていることを知った。フランスのアヌシー映画祭はよく名前が出るので覚えていたが、他の3つはおそらく聞いたことはあるだろうが忘れていた。

 そこで主に自分の覚書のためにこの4つの映画祭について簡単に触れておきたい。カナダのオタワ国際アニメーション映画祭は1976年から行われており、今年は45回目に当たる。歴代受賞作を観てみると、短編部門ではキャロライン・リーフ監督の*「ストリート」、フレデリック・パック監督の*「クラック!」と「木を植えた男」、キャロライン・リーフ監督の*「姉妹」、ニック・パーク監督の「ペンギンに気を付けろ!」、山村浩二監督の「カフカ田舎医者」など。長編部門ではマルジャン・サトラビ、他、監督の「ペルセポリス」、アダム・エリオット監督の「メアリー&マックス」、イグナシオ・フェレーラス監督の「しわ」などの受賞作がある。

 アヌシー国際アニメーション映画祭は1960年創設。短編部門の主な受賞作としては、コ・ホードマン監督の*「砂の城」、イシュ・パテル監督の*「死後の世界」、フレデリック・パックの「木を植えた男」と*「大いなる河の流れ」、アレクサンドル・ペトロフ監督の「老人と海」、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の「岸辺のふたり」、山村浩二監督の*「頭山」、加藤久仁生監督の「つみきのいえ」、ショーン・タン、他、監督の「落としもの」など。長編部門ではジミー・ムラカミ監督の「風が吹くとき」、ヤン・シュヴァンクマイエル監督の「アリス」、宮崎駿監督の「紅の豚」、高畑勲監督の「平成狸合戦ぽんぽこ」、ヘンリー・セレック監督の「ジャイアント・ピーチ」と「コララインとボタンの魔女」、ミッシェル・オスロ監督の「キリクと魔女」、ウェス・アンダーソン監督の「ファンタスティック Mr. FOX」、アレ・アブレウ監督の「父を探して」、クリスティアン・デマール、他、監督の「アヴリルと奇妙な世界」、クロード・バラス監督の「ぼくの名前はズッキーニ」、湯浅政明監督の「夜明け告げるルーのうた」など、さすがに有名作品が目白押しだ。日本アニメは上記作品以外にも、川本喜八郎監督の*「道成寺」など、審査員賞などの各賞を取った作品は少なくない。

 クロアチアのザグレブ国際アニメーション映画祭は1972年設立。短編部門の主な受賞作としては、イワン・イワノフ=ワノ&ユーリ・ノルシュテイン監督の*「ケルジェネツの戦い」、ユーリ・ノルシュテイン監督の「話の話」、手塚治虫監督の「ジャンピング」、ニック・パーク監督の「ペンギンに気を付けろ!」、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の「岸辺のふたり」、山村浩二監督の「頭山」など。長編部門ではミッシェル・オスロ監督の「アズールとアスマール」、アリ・フォルマン監督の「戦場でワルツを」、アレ・アブレウ監督の「父を探して」などが受賞している。

 広島国際アニメーションフェスティバルは1985年に創立され2020年に幕を閉じた。グランプリ作品を挙げるとフレデリック・パック監督「木を植えた男」と「大いなる河の流れ」、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の「岸辺のふたり」、山村浩二監督「頭山」と「カフカ田舎医者」など、他の映画祭の受賞作と重なっていることが多い(もっとも複数の映画祭でグランプリを取っている作品はいくつもあって珍しくはないが)。おそらくこの映画祭の価値はコンペティション部門ばかりではなく、「ベスト・オブ・ザ・ワールド」、「平和のためのアニメーション」、「アニメーション・フロム・ザ・ワールド」などの多彩な企画を併設していたことにあったのかもしれない。短編アニメ(30分以内の作品)主体の映画祭で、長編は招待上映のみに限られるというのもユニークだ。

 こうして一渡り眺めてみると、「ゴブリンのこれがおすすめ39 世界のユニークなアニメ映画」にリストアップした作品が結構含まれていることが分かる。また、その一方で、受賞作ながら日本未公開の作品も少なからずあることも分かる。受賞作品には実験的なものも多いので、一般公開には馴染まないと判断されたのかもしれない。実際原画を描くものやストップモーション・アニメ、CGを使ったアニメなどなじみのあるタイプの他に、実に様々な奇想天外な作風のアニメが存在する。確かに一般公開には馴染まないとしても、せめてDVDやBDで作品集などのかたちで世に出してほしいものだ。

 

(注)
「ストリート」と「姉妹」はDVD「NFB傑作選」に収録されている。
「クラック!」と「木を植えた男」は「フレデリック・バック作品集」に収録されている。
「砂の城」は「NFB傑作選 コ・ホードマン作品集」に収録されている。
「死後の世界」は「NFB傑作選」に収録されている。
「大いなる河の流れ」は「フレデリック・バック作品集」に収録されている。
「頭山」は「山村浩二作品集」に収録されている。
「道成寺」は「川本喜八郎作品集」に収録されている。
「ケルジェネツの戦い」は「ユーリ・ノルシュテイン作品集」に収録されている。

 

« 写真ブログ「ゴブリンのつれづれ写真日記」を再開しました | トップページ | これから観たい&おすすめ映画・BD(21年11月) »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。