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2021年7月

2021年7月31日 (土)

これから観たい&おすすめ映画・BD(21年8月)

【新作映画】公開日
7月22日
 「犬部!」(2021)篠原哲雄監督、日本
7月23日
 「親愛なる君へ」(2020)チェン・ヨウジエ監督、台湾
 「復讐者たち」(2020)ドロン・パズ、ヨアヴ・パズ監督、ドイツ・イスラエル
 「ココ・シャネル 時代と闘った女」(2019)ジャン・ロリターノ監督、フランス
 「最後にして最初の人類」(2020)ヨハン・ヨハンソン監督、アイスランド
7月24日
 「夕霧花園」(2019)トム・リン監督、マレーシア・イギリス
 「太陽と踊らせて」(2020)リリー・リエナ監督、日本
7月29日
 「ジャングル・クルーズ」(2021)ジャウマ・コレット・セラ監督、アメリカ
7月30日
 「イン・ザ・ハイツ」(2020)ジョン・M・チュウ監督、アメリカ
 「アウシュヴィッツ・レポート」(2020)ペテル・べブヤク監督、スロヴァキア・チェコ・独・他
 「返校 言葉が消えた日」(2019)ジョン・スー監督、台湾 
 「パンケーキを毒見する」(2021)内山雄人監督、日本
7月31日
 「日常対話」(2016)ホアン・フィチェン監督、台湾
 「名もなき歌」(2019)メリーナ・レオン監督、ペルー・スペイン・米
8月6日
 「映画 太陽の子」(2021)黒崎博監督、日本
 「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」(2020)ミカエル・マルシメーン監督、スウェーデン・米
 「明日に向かって笑え!」(2019)セバスティアン・ボレンステイン監督、アルゼンチン
 「すべてが変わった日」(2020)トーマス・ベズーチャ監督、アメリカ
 「キネマの神様」(2021)山田洋次監督、日本
 「サマーフィルムにのって」(2020)松本壮史監督、日本
8月7日
 「カウラは忘れない」(2021)満田康弘監督、日本
 「オキナワ サントス」(2020)松林要樹監督、日本
8月13日
 「東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート」(2020)青山真也監督、日本
 「フリー・ガイ」(2021)ショーン・レヴィ監督、アメリカ
 「モロッコ、彼女たちの朝」(2019)マリヤム・トゥザニ監督、モロッコ・仏・ベルギー
 「レリック ―遺物―」(2020)ナタリー・エリカ・ジェームズ監督、オーストラリア・米
 「ジュゼップ 戦場の画家」(2020)オーレル監督、仏・スペイン・ベルギー
8月20日
 「子供はわかってあげない」(2020)沖田修一監督、日本
 「恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター」(2020)リャオ・ミンイー監督、台湾
 「Summer of 85」(2020)フランソワ・オゾン監督、フランス
 「ドライブ・マイ・カー」(2021)濱口竜介監督、日本
 「祈り ―幻に長崎を想う刻―」(2020)松村克弥 監督、日本
8月27日
 「ホロコーストの罪人」(2020)アイリク・スヴェンソン監督、ノルウェー
 「沈黙のレジスタンス ユダヤ孤児を救った芸術家」(2020)ジョナタン・ヤクボウィッツ監督、米・英・独
 「白頭山大噴火」(2019)イ・ヘジュン、キム・ビョンソ監督、韓国

【新作DVD・BD】レンタル開始日
7月21日
 「ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実」(トッド・ロビンソン監督、アメリカ)
7月30日
 「羊飼いと風船」(ペマ・ツェテン監督、中国)
8月4日
 「ある人質 生還までの398日」(ニールス・アンデン・オプレヴ監督、デンマーク・他)
 「ステージ・マザー」(トム・フィッツジェラルド監督、カナダ)
 「世界で一番しあわせな食堂」(ミカ・カウリスマキ監督、フィンランド・英・中国)
 「ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打ち上げ計画」(ジャガン・シャクティ監督、インド)
 「43年後のアイ・ラヴ・ユー」(マーティン・ロセテ監督、スペイン・米・仏)
 「私は確信する」(アントワーヌ・ランボー監督、フランス・ベルギー)
 「劇場」(行定勲監督、日本)
 「空に住む」(青山真治監督、日本)
 「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」(田部井一真監督、日本)
 「ザ・バッド・ガイズ」(2019)ソン・ヨンホ監督、韓国
 「クイーン&スリム」(2019)メリーナ・マツーカス監督、アメリカ
8月6日
 「シリアにて」(フィリップ・ヴァン・レウ監督、ベルギー・仏・レバノン)
8月11日
 「BLUE/ブルー」(2021)吉田恵輔監督、日本
8月13日
 「ファーストラヴ」(堤幸彦監督、日本)
8月18日
 「奥さまは、取り扱い注意」(佐藤東弥監督、日本)
8月20日
 「ジャスト6.5 闘いの証」(サイード・ルスタイ監督、イラン)
 「MISS ミス・フランスになりたい!」(ルーベン・アウヴェス監督、フランス)
 「水を抱く女」(2020)クリスティアン・ベツォルト監督、ドイツ・フランス
8月25日
 「騙し絵の牙」(2020)吉田大八監督、日本
9月3日
 「DAU、ナターシャ」(イリヤ・フルジャノフスキー監督、独・ウクライナ・英・露)
 「21ブリッジ」(2019)ブライアン・カーク監督、中国・米
 「ドリームランド」(2019)マイルズ・ジョリス・ペイラフィット監督、アメリカ
 「ミナリ」(リー・アイザック・チョン監督、アメリカ)
 「約束の宇宙」(アリス・ウィンクール監督、フランス
 「ワン・モア・ライフ!」(ダニエーレ・ルケッティ監督、イタリア)
9月8日
 「グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告」(2020)ティム・ヒル監督、アメリカ

【旧作DVD・BD】発売日
7月21日
 「スティング」(1973)ジョージ・ロイ・ヒル監督、アメリカ
 「マイ・フェア・レディ」(1964)ジョージ・キューカー監督
 「あらくれ」(1957)成瀬巳喜男監督、日本
 「青べか物語」(1962)川島雄三監督、日本
 「晩菊」(1954)成瀬巳喜男監督、日本
7月30日
 「木靴の木」(1978)エルマンノ・オルミ監督、イタリア
 「離愁」(1973)ピエール・グラニエ=ドフェール監督、仏・伊
8月4日
 「真夏の夜のジャズ」(1959)バート・スターン監督、アメリカ
8月6日
 「はるか、ノスタルジィ」(1992)大林亘彦監督、日本

*色がついているのは特に注目している作品です。

 

 

2021年7月26日 (月)

小説を読む楽しみ

■小説(物語)との出会い(個人的メモワール)
・小説(物語)との出会いは小学校の5年生ごろだと思う。まったく勉強をしない僕を心配して、母親が小学館の『少年少女世界の名作文学』(当時480円:月ごとに配本される)の定期購読を始めたのである。厚さ5センチほどもある大部なシリーズ本で、世界文学全集の子供版である。内容も子供用にやさしく書きなおされており、子供にも楽しめる部分だけを収録していたと思われる。

 

・最初のうちは本なんて女が読むものと馬鹿にして読まなかったが、たまたま「みつばちマーヤの冒険」を読んでその面白さにはまってしまった。巣を襲撃してきたクマバチと巣を守ろうとするミツバチとのすさまじい戦いの場面に一気に引きこまれた。それ以来、ほかにも面白い物語があるかと次々に読み漁るようになり、いつの間にか次の号が配本されるのを楽しみに待つようになっていた。

 

・『少年少女世界の名作文学』以外の本も読むようになった。小学生のころ好きだったのはモーリス・ルブランの“怪盗ルパン”シリーズ、コナン・ドイルの“シャーロック・ホームズ”シリーズ、江戸川乱歩の“少年探偵団”シリーズ、そしてジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』や『地底旅行』など。とにかく推理ものや冒険ものをわくわくしながら読みふけったものだ(『赤毛のアン』など女の子が主人公の物語も好きだった)。

 

・『十五少年漂流記』や『地底旅行』など何度読み返したかわからない。しばらくするとまた読みたくなり、読んでまた時間がたつとまた読みたくなる。夢中になって読みふけっていて、ふと気がつくといつの間にか夕方になって暗くなっており、顔を本にくっつけるようにして読んでいる自分に気がつくこともしばしばだった。

 

・中学生になるとSF小説をむさぼるように読みだした。創元文庫などを片っ端から買ってきては読み漁った。大好きなジュール・ヴェルヌも当時出ていた傑作集を全巻まとめて買ってきて読んだ。中三ごろにSF小説から推理小説に移行し、高校生になると推理小説から純文学に移っていった。当時何種類も出ていた世界文学全集をこれまた片っ端から読み漁った。トルストイの『戦争と平和』やメルヴィルの『白鯨』などの大長編を数カ月かけて読んだものだ。冬の寒い時は今のような暖房施設がなかったので布団に入って本を読んだ。片手で本を持ち、もう一方の手を布団に入れて温める。そうやって持つ手を交代しながら読んだものである。

 

高校2年生ごろから映画を見始め、学校から帰宅した後は映画と読書にほとんどの時間を費やしていた(音楽に興味を持ち、レコードを買いだしたのも高校生時代)。これまで一番映画を観たのは高校3年生の時。1年に300本以上観た。つまらない受験勉強など見向きもせず、映画を観ていなければ本を読んでおり、本を読んでいなければ映画を観ているという生活をしていた。

 

・高校生の時は外国文学一辺倒だったが、大学生になってからは日本文学も読み始めた。大学院生時代には児童文学にまで関心を広めた。

 

■小説を読む楽しみ
・あまり難しいことを言うつもりはない。僕にとって小説を読む面白さと映画を観る面白さとはそれほど違いはない。小説の読み方については様々な方法論があるが、楽しみ方も人によって様々あるだろう。しかし小説に親しむ一番の近道は物語を楽しむことである。高度な読みや深い読みは当面要らない。映画を楽しむように小説を楽しむことだ。だから入口は “ハリー・ポッター”シリーズでもいいし、『不思議の国のアリス』でもいいし、宮部みゆきでもスティーヴン・キングでもいい。あるいはNHKで「竜馬伝」が放送されていたので司馬遼太郎の大長編『竜馬がゆく』を読んでみた、という入り方でもいいだろう(これほど面白い時代小説はいまだに書かれていない)。子供のころから児童文学に親しんで、わくわくドキドキしながら本を読む経験を持っていればなおのこといいが、そういう経験がなくても文学に親しむことはできる。読んで面白いものから読み始めるのが一番。

 

・活字を読むのが苦手などと尻ごみすることはない。読み進んでいるうちに字は自然に覚えてしまう。時々辞書を引く習慣をつければなおいい。ただし、あまり頻繁に引いていると物語の展開を楽しめないので、どうしても気になる言葉だけを引くようにした方がいい。僕は小学校や中学校の国語の教科書に出てくる新出漢字で読めないものはなかった。すべて本を読んでいるうちに自然に覚えてしまった。最初のうちは細かいことにこだわらずに、とにかく筋を追うだけでもいい。この先はどうなるのか。そう思って読み進めるうちに本を読む楽しさにはまっているかもしれない。

 

・小説や物語を読み進む時に一つ意識してほしいことは、何がテーマ(主題)であるかということである。ほとんどの小説にはテーマがある。そのテーマにそって物語が展開されてゆく。そのテーマにはたいていの場合何らかの葛藤が含まれている。その葛藤に共感できた時、読者はひきこまれるようにして小説の世界に入り込んでゆくことになる。もちろん小説には様々な種類があり、これに当てはまらないものも多くあるが、多くの場合そこに何らかの読者をひきつけるものがあるから人は長い時間机に座って本を読むのである。

 

■小説を読むために
・テーマに含まれる葛藤は多くの場合時代や社会の制約を反映している。たとえば、江戸時代の侍や商人や農民を主人公にした小説の場合、彼らは現代の私たちとは違った制約を時代や社会から受けている。具体例をあげれば、藤沢周平の主人公は多くが下級武士である。下級武士であるがゆえに彼らは藩の命令で無理難題を押し付けられたりする。藩にとって都合の悪くなったものを消す刺客として選ばれたりする。何の恨みもない者を藩命で殺さねばならない羽目に陥り、主人公は苦悩する。その人間的葛藤に読者は共感するのである。彼の小説は決して勇ましい侍がばっさばっさと悪人を切り倒して成敗するようなたぐいの小説ではない(『用心棒日月抄』シリーズにはそれに近い面があるが)。むしろ下級武士の苦悩や悲哀に焦点が当てられている。

 

 しかしその葛藤は時代の制約からくるものであるゆえに、時代が変われば解決される問題である。したがってそこには文学作品が持つ普遍性はない。こう考えるのは間違いである。なぜなら人間は時空を超えて生きることはできないからだ。こんな不合理で理不尽な社会ではない、もっと自由な社会に住みたいとどんなに願っても、それはかなわない。タイムマシンに乗って21世紀の日本に逃げ込むことはできないのである。もし小説の最後がそんな終わり方になっていたら、あまりに安易すぎて説得力のある小説にはならない。逃れようにも逃れられない制約の中で苦悩するからこそ、その人間的葛藤、彼らのささやかだが平穏な生活や、その生活を無理やり奪われる怒りや悲しみや最後の凄絶な決断に説得力があるのである。

 

 当時の武士がどんな暮らしをし、何を考え、どんな苦悩を抱えていたかを実際に見てきた者は今の世に一人もいない。にもかかわらず私たちは藤沢周平の小説の主人公たちの葛藤に十分共感することができる。下級武士の苦悩に満ちた生き方を読むとき、私たちは会社の平社員、あるいは何らかの組織の中で下積みを強いられている者の悩みを連想するかもしれない。小説の主人公たちの苦悩が人間的なものであれば、たとえその苦悩を同時代人として共有しなくとも共感することが可能なのである。人間にはそれを理解できるだけの想像力がある。何よりいっさいの苦悩や葛藤を持たない人間などいないからだ。芸術作品の持つ普遍性とはむしろそこにあるのではないだろうか。だからこそ、時代も国も異なる18世紀のイギリスの小説や19世紀のロシアの小説、あるいは古代ギリシャの古典悲劇さえ私たちには理解できるのである。

 

・しかし人間の想像力には限界がある。たとえば生まれてから一度も見たことのない色を想像することができないように。視覚的なメディアである映画を例にとればより明確である。1926年に製作されたフリッツ・ラング監督の名作『メトロポリス』は未来都市を描いた映画だが、巨大なビルが立ち並ぶ未来都市の空間を何と複葉機(宮崎駿監督の『紅の豚』に出てくるような翼が上下に二つある飛行機)が飛んでいる。まだジェット機が登場していない時代ではせいぜい空を複葉機が飛びまわっている未来しか想像できなかったのである。

 

 このように想像力には限界がある。人間にできるのはこれまで人類が経験してきたことや積み重ねてきた知識を組み替え、新しいフィクションの世界を創造することだけである。小説や映画に出てくるエイリアンは人間に似ていたり何かの動物や昆虫に似ていたりする。『プレデター』や『アバター』に出てくるエイリアンは基本的に人間の形をしているし、それ以外のエイリアンも気味の悪い生き物を組み合わせて作っているにすぎない。『アバター』にふんだんに出てくる異星の動物や昆虫や植物はどれもイメージのもとになったものが何か見当がつく。空中に浮かんでいる「島」も地球上のどこかにあるような形で、違うのは空に浮いていることだけである。空中に浮かぶ島は、18世紀に書かれたジョナサン・スウィフト著『ガリヴァー旅行記』に出てくるラピュタのエピソードから発想を借りている。映画監督の黒澤明は「想像とは記憶である」と言ったそうだが、おそらく同じことを言っていたのではないか。


 だがそこにまた可能性がある。現実との接点がある。つまり、想像力・創造力の源泉は現実なのである。私たちは現実を知るからこそ、過去に書かれた小説に描き込まれた「現実」に入り込むことができるのである。現実に対する知識が豊富なほど作品に対する理解も豊かになる。

 

 しかし「事実は小説より奇なり」と言われるように、しばしば現実にはフィクション以上に想像しがたいことが起こる。下手な小説よりノンフィクションやルポルタージュ作品の方がはるかに衝撃的で面白かったりするのである。J・シンプソン著『死のクレバス』(岩波現代文庫、映画『運命を分けたザイル』の原作)やジョン・クラカワー著『空へ』(文芸春秋社)などの山岳遭難を描いたノンフィクションは圧倒的な面白さだ。

 ドキュメンタリーやルポルタージュにフィクションの味付けをした傑作も紹介しておこう。アルフレッド・ランシング著『エンデュアランス号漂流』(新潮文庫)は、今からおよそ100年前、英国人探検家シャクルトンを隊長とする南極探検隊が氷の海に閉じ込められ(船はやがて沈没)、17ヶ月にわたって漂流した後、乗組員28名が一人も欠けることなく奇跡的な生還を果たした史実をフィクション化したものである。シャクルトン本人の手記をまとめた『南へ―エンデュアランス号漂流』も翻訳が出ているが、シャクルトンは物書きではないのでやはり面白さに欠ける。彼らが遭遇した、信じがたいような事実を基に練達のライターがフィクション化した『エンデュアランス号漂流』の方がはるかに面白い。どんな冒険物語もこれにはかなわない。読み始めたらやめられない面白さである。

 

 あるいはバフマン・ゴバディ監督によるイラン・イラク映画の傑作『亀も空を飛ぶ』では、クルド人の子供たちの想像を絶する現実が描かれている。その生活は悲惨であるが、同時に子どもたちのたくましさにも圧倒される。「何も知らない幼い子供たちと映画を撮ろうとした。イラクに旅した時に子供たちが丘の上でナッツを食べながら戦火を眺めていた。欧米の子供たちはポップコーンを食べながら映画を観るが、イラクでは現実の戦争を見る。」インタビューに答えた監督の言葉がこの映画の特質をよくあらわしている。まるで芋でも掘り出すように地雷を掘り出している子供たち。それはまさに彼らの「日常生活」だった。両手を失った子供は口で器用に地雷の信管を抜く。

 

・優れたドキュメンタリーやルポルタージュはフィクションを越える。80年代以来僕が持ち続けている確信だ。想像力(創造力)を生の現実が軽々と超えてしまう。そういう優れたドキュメンタリーやルポルタージュといくつも出会ってきた。ドキュメンタリーの持つ力はその具体性とリアリティである。単にある戦争で何万人の犠牲者が出たと書かれてもその犠牲者たちや遺族の苦しみや苦悩はリアルに伝わってこない。実際に経験した人の体験談の方が遥に説得力があり、肌を通して伝わってくる。想像を超えた現実の重み、それが様々な技法を駆使した創造を超えてしまう。その最も分かりやすい例があの9.11テロの圧倒的な映像と、3.11東日本大震災の時に流された津波の息を飲むほど凄まじい映像である。

 

・いや、現実がシンボリックな効果を生み出すことすらある。朝日新聞の記者だった井川一久がポル・ポト政権による民衆虐殺を取材した『このインドシナ-虐殺・難民・戦争』(合同出版)に次のような一節がある。井川は数々の虐殺現場を取材してきたが、ある虐殺現場の近くで彼はあるものを見た。そしてその場にへなへなとへたり込んでしまった。百戦錬磨の新聞記者から立ち上がれないほど力を奪ったのは血なまぐさいものでも、ぞっとするほど不気味なものでもなかった。それは普通なら平和とやすらぎを連想させるものだった。

 

 そういう刑務所のまわりに直径3、4メートルの窪地が無数にある。1ヵ所に30体から100体の死体を入れて土をかぶせたのだけれども、死体が腐って内部に空隙ができたために、かぶせた土が陥没したんですね。その土は血で赤黒く染まっている。 穴は犠牲者たちに自分で掘らせるわけです。それから彼らを後ろ手に縛りあげて穴の前にひざまずかせ、後頭部を鉄棒で一撃して殺して穴に蹴落とす。だから頭蓋骨をみると、たいてい後頭部が陥没している。穴の周辺には白骨や毛髪や衣類がおびただしく散らばっています。子どもの衣類も多い。縛られたままの白骨もある。犠牲者を拘束していた鉄の足枷や、殺害に使った鉄棒もころがっている。いちばん鬼気迫る感じがしたのは、ツオル・マリン村で小鳥の巣が人間の髪の毛でできているのを見たときです。このときは私も総身の力が抜けたような状態になって、その場に座り込んでしまいましたね。
井川一久編『このインドシナ』(1989、 連合出版)p.23

 

 彼が見つけたもの、それは小鳥の巣だった。すべて人間の髪の毛で作られていた真っ黒な鳥の巣。小さな鳥の巣の中に平和でほほえましいイメージと恐るべき虐殺のイメージが共存していた。生を育むイメージとむごたらしい死のイメージの一体化。散々吐き気を催す現場を見てきただけに、このコントラストは強烈だったのだろう。こんなところにまで虐殺の結果が及んでいたのか!

 

 この鳥の巣が持っていた力はある種のシンボリズム(象徴主義)的な力だと言っていいだろう。髪の毛が遺体を暗示するのは隠喩の一種である提喩(シネクドキ)の効果でもある。しかも、すべて人間の髪の毛で作られていたということは、遠くまで行かなくともすぐ手近に「材料」が豊富にあったことを意味している。一つの鳥の巣が持つめまいがするような意味の重なりと広がり。これらの強烈なコントラストと「効果」の重なりが一体となって、本来なら愛らしいはずの鳥の巣をすぐ近くにある人骨の山以上におぞましいものに変えてしまったのだ。

 

 しかしこれを単純にシンボリズムだと言ってしまうわけにはいかない。文学的シンボリズムはもっと曖昧で抽象的なものだ。この鳥の巣が強烈なインパクトを与えるのは、その前提に取材した人々が語った悲惨な事実、人骨の山などが積み重ねられているからである。事実の積み重ねにあるシンボリックな力が加えられた時、大きな飛躍が生まれる。そうとらえるべきだ。つまりこの効果はシンボリズムではなくリアリズムの延長としてとらえられるべきだと僕は思う。セルゲイ・エイゼンシュテイン監督の「戦艦ポチョムキン」で描かれた有名な場面、揺りかごがオデッサの階段を転がり落ちてゆくシーンを連想してもいいだろう。リアリズムを現実の平板な反映だと考えるのは間違いである。リアリズムは現実をより効果的に描き出す努力を営々と積み重ねてきている。そして上に示したように、何より現実自体が平板ではないのである。9.11同時多発テロによって崩れ落ちたツイン・タワーもシンボリックな意味合いを帯びていたではないか。

 

<追記>
 これまた古い原稿の復活です。「イギリス小説を読む」シリーズと同じ時期に書かれたもので、文学へのイントロダクションとして書かれたものです。ただ、内容は小説一般について書いており、イギリス小説に限定していないので、「イギリス小説を読む」シリーズとは別の独立した記事として掲載します。

 

 

2021年7月 5日 (月)

録画しておきたい地上波テレビ番組

 「先月観た映画 採点表(2021年5月)」の前書きで、「若者はテレビを観なくなり、代わりにスマホやインターネットに費やす時間が増えている。しかし一番の理由はテレビ(特に地上波)の内容があまりに貧困だからだろう。もちろん優れた番組も少なからずあり、僕の場合ハードディスクに撮りためた番組をブルーレイ・ディスクに落とす作業が追い付かないくらいである」と書いた。

 では実際にどんな番組を録画しているか紹介したい。最初に、僕は衛星放送の契約をしていないので、地上波限定であることをお断りしておく。衛星放送の番組(特に連続ドラマ)はユーネクストで視聴している(それも見放題になってから)。金のない学生時代から本は古本屋で買い、映画は名画座で観、レコードやCDは中古店で買うという習慣が身に付いているので、なんでも最新の物を観たり聞いたりすることに意味があると考えていないからこれで何の問題もない。

 さて、本題に戻ろう。自分が普段録画している番組だが、整理してみるとやはりNHKで放送されているものが多い(末尾の一覧表参照)。NHKの報道番組やドキュメンタリー番組に政治的な圧力や規制がかかっていることは周知の事実だが、それでも全体的に見てNHK番組の質の高さは民放番組をはるかに凌駕している。

 まず取り上げたいのは朝の連続テレビ小説。かつては不自然な演出が多いのでまったくみなかったが、話題になった「あまちゃん」の総集編を観て以来かなりの割合で観るようになった。今では優れたものが多いと考えを改めている。ただすべて観ているわけではない。新しいシリーズが始まった時最初の何回か観て、そのまま見続けるかどうか判断する。連続テレビ小説は主人公の子供時代から始まることが多いので、ある意味子役の出来で観るか観ないか決まると言っても良い。「あまちゃん」以降の作品で観なかったものの多くは子役に魅力を感じなかったものだ。それだけが観なかった理由ではないだろうが、その要素が大きかったことは間違いない。その点今放送中の「おかえりモネ」は最初から大人になったヒロインが登場するので、あっさりこのハードルを越えてしまったわけだ(もちろん最初から面白そうだと思ったから観ているわけだが)。

 次に取り上げるのは「ブラタモリ」。最初の頃はたまに観る程度だったが、桑子真帆アナウンサーの頃から毎週観るようになった。歴代のアナウンサーでは彼女がダントツで魅力的だったと断言したい。佇まいやリアクションが自然で、お飾り感は全くなかった。それだけにニュース番組などでの硬い表情を観ていると、NHKは彼女の魅力を生かし切れていないと感じざるを得ない。それはともかく、桑子アナ登場当時から毎回録画していたかどうかは記憶がはっきりしない。おそらく途中から録画するようになったと思われる。この番組の面白さは普通の紀行番組と全く違う視点から対象となる都市をとらえている点にある。観光地案内でもなく、ご当地グルメ紹介でもなく、地形や地理的条件からその都市の成り立ちを紐解いてゆく。こんな番組は他にない。実に新鮮な視点だった。タモリの博識さにも舌を巻く。今はコロナ禍でなかなか新しい土地でのロケができないが、タモリが元気なうちはずっと続けてほしい番組だ。「 笑っていいとも!」はほとんど観なかったが、「タモリの音楽は世界だ!」は面白かった。タモリが司会を務める番組はいくつか観たと思うが、何といっても「ブラタモリ」が最高傑作だと思う。

 「浦沢直樹の漫勉neo」。これも絶対おすすめの番組。漫画家の実際の創作の現場を見ることはごく限られた関係者以外は普通できない。ネームから実際のペン入れまでを何台かの固定カメラで映し、その映像を浦沢直樹と当の漫画家が一緒に観ながらトークするという番組構成。毎回著名な漫画家が取り上げられるが、特に番組名に「neo」が付くようになった今年の最初の辺りは、ちばてつや、諸星大二郎、星野之宣といった大物が次々に登場しゴブリンは感涙にむせばんばかりだった。知らない漫画家も多いが、それでも毎回面白い。何度も何度も書き直し、たった1ページに何時間もかけるのかと驚くことしきり。漫画家志望者だけではなく、誰が観ても楽しめる内容になっている。どうして知っている人が少ないのか不思議に思う傑作番組だ。

 「ソーイング・ビー3」については「ゴブリンのこれがおすすめ 44 イギリスのTVドラマ」の末尾に紹介文を書いたので、それを以下に引用しておく。<ドラマではないのでリストからは外してありますが、「ソーイング・ビー」という番組が滅法面白い。これは「スペリング・ビー」の裁縫版といった内容です。「スペリング・ビー」というのは単語のつづりを正確に書くコンテストですが(ビーは働きバチのイメージでしょうか)、「ソーイング・ビー」は型紙通りに服を作ったり、古着を再利用して全く違うドレスを作ったりと様々な課題が毎回出場者に課せられます。競技が進むごとに一人また一人と脱落者が出てゆきます。僕は裁縫に全く興味はありませんが、番組としては非常に面白い。シーズン2まではユーネクストで観ましたが、現在はNHKのEテレでシーズン3を放送しています(木曜日9時から9時半)。騙されたと思って一度観てください。きっとはまりますよ。>

 「ふるカフェ系 ハルさんの休日」も一種の紀行番組。ユニークなのは古民家を改築したカフェを取り上げているブロガー、ハルさんを主人公に設定している点。ハルさんは毎回様々な都道府県にある「ふるカフェ」を訪ね、ユニークな建物の造りなどに関する蘊蓄を披露しつつ、店の主人や近所の人たちから元の古民家は何に使われていたのか、いかなる経緯でカフェに改築するようになったのかなどの話を引き出すという展開。僕自身古民家を改築した店が好きでよくブログに取り上げていたので、大いに興味を引き付けられる番組だ。ハルさんは架空の人物(渡部豪太が演じている)で、話の展開に少しやらせっぽいところがあるのが気になるが、紹介されるカフェがいずれも魅力的なのであまり気にせず楽しめばいい。

 「世界ふれあい街歩き」と「日曜美術館」は放送されて長いので紹介は省略する。NHK編の最後に取り上げるのは最近発見した「あてなよる」という番組。録画予約していた番組が終了していたためたまたま録画されていたのが最初の出会いだが、これが面白かった。不思議なタイトルにもひかれた。番組中にも何度も出て来るのだが、「あて」という言葉の意味が分からない。まったく聞き覚えのない言葉だった。ある程度の推測はついていたが、ネットで調べてほぼ推測通りだと確認した。酒の肴やつまみという意味で、主に近畿地方で使われる言葉らしい。道理で聞き覚えがないはずだ。タイトルはさておき、京都の女性料理人がゲスト2人に料理を出し、酒のソムリエがその料理に合った酒をマリアージュするという趣向。まあグルメ番組だが、酒とあての組み合わせに的を絞ったところがユニークだ。僕自身はグルメではなく、料理も作らないが、グルメ・料理番組はなぜか好きだ。「孤独のグルメ」、「行列の女神~らーめん才遊記」、「居酒屋ぼったくり」、「鴨川食堂」、「ランチのアッコちゃん」、「女くどき飯」、「まかない荘」、「深夜食堂」、等々。結構お気に入り番組は多い。「あてなよる」はほとんど新聞の番組紹介欄にも取り上げられないので、知られないまま消えて行ってしまうのではないかと心配だ。だからここでぜひ一度ご覧になることをお勧めしておきたい。

 次に民放の番組。ドラマは次々に入れ替わってしまうので、ここでは二つだけ紹介しておく。一つは「HAWAII FIVE-O」シーズン8。アメリカ得意の警察ドラマだが、アメリカ本土ではなくハワイが舞台というのがユニークだ。FIVE-Oのメンバーもそれぞれ魅力的で、毎回楽しみに観ている。ただ、シーズン8からダニエル・デイ・キムとグレイス・パークが主要メンバーから外れてしまったのが残念でならない。その少し前には日系人という設定のマシ・オカもFIVE-Oを去っている。東洋系の俳優がどんどんいなくなっている。新メンバーのビューラ・コアレとメーガン・ラスも悪くないが、どこか物足りなさが残ってしまう。ついでに触れておくと、本土ではなく熱帯の楽園が舞台の刑事ものと言えば、イギリスの「ミステリー in パラダイス」も傑作だ。カリブ海に浮かぶ架空の島(旧イギリス植民地)が舞台で、熱帯の島にパリっとスーツを着てネクタイを締めたイギリス人刑事が派遣されてくるというミスマッチが面白い。「HAWAII FIVE-O」と「ミステリー in パラダイス」を見比べると、イギリスとアメリカのユーモアのセンスの違いが良く分かって面白い。

 日本の刑事ものでは、近日始まる「緊急取調室」のシーズン4が楽しみだ。日本の刑事ものは長年レベルが低かったが、このところ大分レベルが上がってきた感じがする。その中でもほとんど取り締まり室でドラマが展開される「緊急取調室」は出色の出来。天海祐希、田中哲司、小日向文世、大杉漣、でんでんといったレギュラー・メンバーが個性派ぞろいで、鉄壁の布陣だ。そういえば、「教場」も従来の刑事ドラマとは一線を画した異色の設定が功を奏している。「教場」は原作を先に読んだが、ドラマ版も木村拓哉の熱演もあって遜色がなかった。

 最後に取り上げるのは、「ニッポン印象派」と「世界遺産」。僕は動植物のドキュメンタリー番組が好きで、イギリスのBBCと日本のNHK制作のネイチャー・ドキュメンタリーが大好物である。しかしカメラの高性能化とドローン撮影の普及によって民放でも優れたドキュメンタリー番組が生まれてきた。「世界遺産」がその代表で、何しろ素材が世界遺産だけにどの回を観ても息をのむ美しさに圧倒される。「ニッポン印象派」はその日本限定版といった内容で、日本の絶景を4K高精細カメラで写し撮り、これでもかと堪能させてくれる番組。印象派の画家たちがとらえようとした光を現代の撮影技術でとらえ再現しようというわけだ。世界遺産はもちろん素晴らしいが、都市化が進み開発の手が至る所に入り込んでいる日本にもまだこれほどの絶景があるのか。人里離れた奥地だけが映し出されるわけではない。人里の美しさにも目を向けているところが素晴らしい。

 

【録画しておきたい地上波テレビ番組】
「おかえりモネ」(NHK)
「ブラタモリ」(NHK)
「あてなよる」(NHK)
「世界ふれあい街歩き」(NHK)
「日曜美術館」(NHK Eテレ)
「浦沢直樹の漫勉neo」(NHK Eテレ)
「ふるカフェ系 ハルさんの休日」(NHK Eテレ)
「ソーイング・ビー3」(NHK Eテレ)

 

「ニッポン印象派」(民放)
「世界遺産」(民放)
「緊急取調室」(民放)
「HAWAII FIVE-O」シーズン8(民放)

 

 

2021年7月 1日 (木)

先月観た映画 採点表(2021年6月)

「存在のない子供たち」(2018)ナディーン・ラバキー監督、レバノン・フランス ★★★★☆
「胡同のひまわり」(2005)チャン・ヤン監督、中国 ★★★★☆
「毒薬と老嬢」(1944)フランク・キャプラ監督、アメリカ ★★★★☆
「マンディンゴ」(1975)リチャード・フライシャー監督、アメリカ ★★★★☆
「荒野の誓い」(2017)スコット・クーパー監督、アメリカ ★★★★☆
「キーパー ある兵士の奇跡」(2018)マルクス・H・ローゼンミュラー監督、英・独 ★★★★△
「座頭市物語」(1962)三隅研次監督 ★★★★△
「ノマドランド」(2020)クロエ・ジャオ監督、アメリカ ★★★★△
「海辺の彼女たち」(2020)藤元明緒監督、日本 ★★★★△
「ロスト・ボディ」(2012)オリオル・パウロ監督、スペイン ★★★★△
「ヘッドハンター」(2011)モルテン・ティルドゥム監督、ノルウェー・ドイツ ★★★★△
「ピザ!」(2014)M・マニカンダン監督、インド ★★★★△
「メイキング・オブ・モータウン」(2019)ベンジャミン&ゲイブ・ターナー監督、英・米 ★★★★
「女と女と女たち」(1967)ヴィットリオ・デ・シーカ監督、アメリカ ★★★★
「燃ゆる女の肖像」(2019)セリーヌ・シアマ監督、フランス ★★★★
「喜劇 愛妻物語」(2019)足立紳監督、日本 ★★★★
「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」(2020)田部井一真監督、日本 ★★★★
「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」(2019)ダニエル・ロアー監督、カナダ・米 ★★★★
「離愁」(1973)ピエール・グラニエ=ドフェール監督、フランス・イタリア ★★★★
「愛のお荷物」(1955)川島雄三監督、日本 ★★★★
「メンフィス・ベル」(1990)マイケル・ケイトン・ジョーンズ監督、アメリカ ★★★★
「カツベン!」(2019)周防正行監督、日本 ★★★★
「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家森山大道」(2021)岩間玄監督、日本 ★★★★
「ラストベガス」(2013)ジョン・タートルトーブ監督、アメリカ ★★★★
「1980」(2003)ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督、日本 ★★★★
「ブロンコ・ビリー」(1980)クリント・イーストウッド監督、アメリカ ★★★★▽
「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」(2012)トーマス・リーチ監督、英・米 ★★★☆
「赤い指」(2010)土井裕泰監督、日本 ★★★☆
「スイング・ホテル」(1942)マーク・サンドリッチ監督、アメリカ ★★★
「ジャイアント・ピーチ」(1996)ヘンリー・セリック監督、アメリカ ★★☆
「祭りの準備」(1975)黒木和雄監督、日本 ★★☆

 

 

主演男優
 5 スン・ハイイン「胡同のひまわり」
   山村聡「愛のお荷物」
   勝新太郎「座頭市物語」
   クリスチャン・ベイル「荒野の誓い」
   ペリー・キング「マンディンゴ」
   ゼイン・アル・ラフィーア「存在のない子供たち」
   ヴィグネーシュ「ピザ!」
   マシュー・モディーン「メンフィス・ベル」
 4 ラメーシュ「ピザ!」
   成田凌「カツベン!」
   ウーゴ・シルバ「ロスト・ボディ」
   アクセル・へニー「ヘッドハンター」
   ケヴィン・クライン「ラストベガス」
   浜田毅「喜劇 愛妻物語」
   ジャン=ルイ・トランティニャン「離愁」

 

主演女優
 5 フランシス・マクドーマンド「ノマドランド」
   シャーリー・マクレーン「女と女と女たち」
   水川あさみ「喜劇 愛妻物語」
   ともさかりえ「1980」
   ホアン・フォン「海辺の彼女たち」
   ベレン・ルエダ「ロスト・ボディ」
 4 ロミー・シュナイダー「離愁」
   アデル・エネル「燃ゆる女の肖像」
   犬山イヌコ「1980」
   蒼井優「1980」

 

助演男優
 5 天知茂「座頭市物語」
   レイモンド・マッセイ「毒薬と老嬢」
   ニコライ・コスター=ワルドー「ヘッドハンター」
   池松壮亮「カツベン!」
 4 及川光博「1980」
   アラン・アーキン「女と女と女たち」

 

助演女優
 5 轟夕起子「愛のお荷物」
   山田五十鈴「愛のお荷物」
   ジョセフィン・ハル「毒薬と老嬢」
   ジーン・アデーア「毒薬と老嬢」
   井上真央「カツベン!」
 4 スーザン・ジョージ「マンディンゴ」
   アイシュワリヤ・ラージェーシュ「ピザ!」
   メアリー・スティーンバージェン「ラストベガス」
   北原三枝「愛のお荷物」

 

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