これから観たい&おすすめ映画・BD(15年5月)
【新作映画】公開日
4月11日
「皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇」(シャウル・シュワルツ監督、米・メキシコ)
4月13日
「ラジウム・シティ」(87、キャロル・ランガー監督、アメリカ)
4月18日
「アルプス 天空の交響曲」(ペーター・バーデーレ、他、監督、ドイツ)
4月24日
「あの日の声を探して」(ミシェル・アザナビシウス監督、仏・グルジア)
「海にかかる霧」(シム・ソンボ監督、韓国)
「海にかかる霧」(シム・ソンボ監督、韓国)
4月25日
「シンデレラ」(ケネス・ブラナー監督、米・英)
「寄生獣 完結篇」(山崎貴監督、日本)
「ラスト5イヤーズ」(リチャード・ラグラベネーズ監督、アメリカ)
「Mommy マミー」(グザビエ・ドラン監督、カナダ)
「龍三と七人の子分たち」(北野武監督、日本)
「群盗」(ユン・ジョンビン監督、韓国)
「白河夜船」(若木信吾監督、日本)
「セシウムと少女」(才谷遼監督、日本)
「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」(ジェレミー・セイファート監督、米・ハイチ・ノルウェー)
「王妃の館」(橋本一監督、日本)
「王妃の館」(橋本一監督、日本)
5月1日
「フォーカス」(グレン・フィカーラ、ジョン・レクア監督、アメリカ)
「リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン」(アンドリュー・ロー監督、米・香港)
「私の少女」(チョン・ジュリ監督、韓国)
「イタリアは呼んでいる」(マイケル・ウィンターボトム監督、イギリス)
「アラヤシキの住人たち」(本橋成一監督、日本)
「アラヤシキの住人たち」(本橋成一監督、日本)
5月2日
「ラスト・リベンジ」(ポール・シュレイダー監督、アメリカ)
「キャノンレース」(ハルバルド・ブレイン監督、ノルウェー)
5月8日
「ブラックハット」(マイケル・マン監督、アメリカ)
5月9日
「ホーンズ 容疑者と告白の角」(アレクサンドル・アジャ監督、米・加)
「小さな世界はワンダーランド」(マーク・ブラウンロウ監督、イギリス)
「脳内ポイズンベリー」(佐藤祐市監督、日本)
「百日紅 ~Miss HOKUSAI~」(原恵一監督、日本)
「神の一手」(チョ・ボムグ監督、韓国)
「ハート泥棒を捕まえろ!」(イ・ヒョンジョン監督、韓国)
5月15日
「真夜中のゆりかご」(スサンネ・ビア監督、デンマーク)
5月16日
「ゼロの未来」(テリー・ギリアム監督、英・ルーマニア・仏)
「ラン・オールナイト」(ジャウム・コレット・セラ監督、アメリカ)
「駆け込み女と駆け出し男」(原田眞人監督、日本)
「国際市場で逢いましょう」(ユン・ジェギュン監督、韓国)
5月30日
「ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男」(テイト・テイラー監督、米・英)
【新作DVD・BD】レンタル開始日
5月2日
「トム・アット・ザ・ファーム」(グザビエ・ドラン監督、カナダ・フランス)
「シャトーブリアンからの手紙」(フォルカー・シュレンドルフ監督、仏・独)
「パワー・ゲーム」(ロバート・ルケティック監督、アメリカ)
「フランシス・ハ」(ノア・バームバック監督、アメリカ)
「薄氷の殺人」(ディアオ・イーナン監督、中国・香港)
「ある優しき殺人者の記録」(白石晃士監督、日本・韓国)
「96時間/レクイエム」(オリビエ・メガトン監督、フランス)
「わたしはロランス」(グザビエ・ドラン監督、カナダ・仏)
5月8日
「ジェラシー」(フィリップ・ガレル監督、フランス)
「マップ・トゥ・ザ・スターズ」(デビッド・クローネンバーグ監督、カナダ・米・独・仏)
5月13日
「最後の命」(松本准平監督、日本)
「暮れ逢い」(パトリス・ルコント監督、フランス・ベルギー)
5月20日
「ANNIEアニー」(ウイル・グラック監督、アメリカ)
「ウィークエンドはパリで」(ロジャー・ミッシェル監督、イギリス)
「想いのこし」(平川雄一朗監督、日本)
「ワイルドカード」(サイモン・ウエスト監督、アメリカ)
5月30日
「これは映画ではない」(ジャファール・パナヒ監督、イラン)DVDセルのみ
6月2日
「紙の月」(吉田大八監督、日本)
「天才スピヴェット」(ジャン・ピエール・ジュネ監督、仏・カナダ)
「ザ・ゲスト」(アダム・ウインガード監督、イギリス・アイルランド)
「馬々と人間たち」(ベネディクト・エルリングソン監督、アイスランド・独・ノルウェー)
「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)」(セドリック・クラピッシュ監督、仏・米・ベルギー)
「マイ・ライフ・メモリー」(ローリー・コルヤー監督、アメリカ)
「マルタのことづけ」(クラウディア・サント=リュス監督、メキシコ)
「六月燈の三姉妹」(佐々部清監督、日本)
6月3日
「オオカミは嘘をつく」(アハロン・ケシャレス、他、監督、イスラエル)
「ショート・ターム」(デスティン・クレットン監督、アメリカ)
「トラッシュ!この街が輝く日まで」(スティーブン・ダルドリー、英・ブラジル)
「リアリティのダンス」(アレハンドロ・ホドロフスキー監督、チリ・フランス)
「天空からの招待状」(チー・ポーリン監督、台湾)
「スパイ・レジェンド」(ロジャー・ドナルドソン監督、アメリカ)
「エクソダス:神と王」(リドリー・スコット監督、英・米・スペイン)
「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」(タイカ・ワイティティ監督、ニュージーランド)
「日々ロック」(入江悠監督、日本)
「世界一美しいボルドーの秘密」(デヴィッド・ローチ、他、監督、英・仏・他)
「Mr.スキャンダル」(マイケル・ウィンターボトム監督、イギリス)
6月10日
「王の涙 イ・サンの決断」(イ・ジェギュ監督、韓国)
「アオハライド」(三木孝浩監督、日本)
「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」(アルノー・デプレシャン監督、フランス)
「日本の悲劇」(小林政広監督、日本)
「真夜中の五分前」(行定勲監督、日本)
6月19日
「チャーリー・モルデカイ」(デビッド・コープ監督、アメリカ)
【旧作DVD・BD】発売日
4月22日
「シカゴ」(02、ロブ・マーシャル監督、米・独・加)
「シザーハンズ」(90、ティム・バートン監督、アメリカ)
5月8日
「遥かなる山の呼び声」(80、山田洋次監督、日本)
「事件」(78、野村芳太郎監督、日本)
「疑惑」(82、野村芳太郎監督、日本)
5月13日
「ヒポクラテスたち」(80、大森一樹監督、日本)
「ピーター・グリーナウェイ 爛熟期 Blu-ray BOX」(88,91,93、英・オランダ・他)
収録作品:「数に溺れて」「プロスペローの本」「ベイビー・オブ・マコン」
5月29日
「二十四時間の情事」(59、アラン・レネ監督、フランス)
6月10日
「サクリファイス」(86、アンドレイ・タルコフスキー監督、スウェーデン・英・仏)
「ストーカー」(79、アンドレイ・タルコフスキー監督、ソ連)
6月17日
「マッドマックス トリロジー」(79, 81, 85、ジョージ・ミラー監督、オーストラリア)
6月19日
「ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』『エル・スール』Blu-rayツインパック」(73, 83)
今月は劇場新作、BD・DVD共に地味で寂しい感じだ。ただ、劇場新作は大作こそ少ないものの、結構注目作がある。まず、ドキュメンタリーの力作が相次いで公開される。タイトル通りメキシコ麻薬戦争の光と影を浮き彫りにする「皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇」(併せてグレゴリー・ナヴァ監督の劇映画「ボーダータウン 報道されない殺人者」も観ておくべき)、夜光塗料を塗る会社で筆先をなめて作業していたためラジウム被ばくをした人々と、それをひた隠しにしてきた企業を明るみに出した「ラジウム・シティ」(1987年製作だが、様々な人たちの努力で公開が決まった)、モンサントと遺伝子組み換えの実態に切り込んだ「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」(「モンサントの不自然な食べ物」というドキュメンタリーもあった)、シマリスとスコーピオンマウスの子供に視点を定めたネイチャー・ドキュメンタリー「小さな世界はワンダーランド」。
韓国映画では「私の少女」と「国際市場で逢いましょう」が面白そうだ。「私の少女」はペ・ドゥナ主演で、相手役が「冬の小鳥」の少女役キム・セロン。秘密を抱える孤独な少女と孤独な元エリート警官の交流を描く。「国際市場で逢いましょう」とは不思議なタイトルだが、朝鮮戦争での一家離散、西ドイツへの出稼ぎ、ベトナム戦争への従軍など、ひとりの男の過酷な生涯を描いた大河ドラマである。ベトナム戦争が絡むあたりは90年代の名作「ホワイト・バッジ」や「ペパーミント・キャンディ」を連想させるが、ああいう悲惨な終わり方ではなさそうだ。
「あの日の声を探して」はフレッド・ジンネマン監督の「山河遥かなり」が原案。「山河遥かなり」はナチの収容所から救い出されたチェコ出身の少年が母を探して彷徨する姿を描いた作品だが、こちらはチェチェンが舞台。「山河遥かなり」の少年は収容所の中で言葉を失い、放浪の途中アメリカ兵に出会って正常さを取り戻してゆく。同じように「あの日の声を探して」では両親を亡くしたショックで声を失っていたチェチェンの少年とEU職員、若いロシア軍兵士との出会いを描く。
「イタリアは呼んでいる」は英国の中年男がイタリアで贅沢なホテルと美食の旅を続けるロード・ムービー。コミカルな作風ながら、美食の旅が人生の旅につながってゆく味わい深い展開の様だ。「真夜中のゆりかご」はスサンネ・ビア監督作品というだけで興味を惹かれる。幸せの絶頂から突き落とされた刑事が善悪の境界線を揺れ動き、やがてその魂が救済されるまでをサスペンスフルに描く作品の様だ。テリー・ギリアム監督の「ゼロの未来」は近未来のSFドラマ。謎の数式「ゼロの定理」の解読に没頭する天才プログラマーが「人生の目的とは?」という普遍的疑問とぶつかる。テリー・ギリアム監督らしいブラック・ユーモアにあふれた作品で、社会風刺がピリッと利いているようだ。
新作BD・DVDはちょっとお寂しい状態。注目作は「シャトーブリアンからの手紙」、「パワー・ゲーム」、「フランシス・ハ」、「薄氷の殺人」、「マップ・トゥ・ザ・スターズ」、「暮れ逢い」、「これは映画ではない」、「紙の月」、「マルタのことづけ」、「六月燈の三姉妹」、「ショート・ターム」、「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」、「世界一美しいボルドーの秘密」、「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」あたりか。1本だけコメントしておこう。「これは映画ではない」はジャファル・パナヒ監督が自宅軟禁中の生活を撮影したドキュメンタリー作品である。2012年9月に公開されたが、DVDはなかなか発売されなかった。ようやくその発売が決まったのは朗報だ。似たような状況で作られたのはトルコのユルマズ・ギュネイ監督の名作「路」である。これは監督のユルマズ・ギュネイが政治犯として獄中にいる状況下で製作された。獄中で脚本を練り、仮出所した時にロケハンをし、獄中を訪れる代理監督(シェリフ・ギョレン)や俳優たちと細部の打ち合わせをして完成させた。こういう作品こそレンタル店に並んでほしいものだ。ユルマズ・ギュネイ監督作品が1本もBD・DVD化されていないことには怒りすら覚える(ビデオはかつて出ていたが)。
旧作BD・DVDはまあまあというところ。野村芳太郎監督の「事件」と「疑惑」が発売されるのはうれしい。« 先月観た映画 採点表(15年3月) | トップページ | 先月観た映画 採点表(15年4月) »
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