これから観たい&おすすめ映画・BD(15年2月)
【新作映画】公開日
1月23日
「ビッグ・アイズ」(ティム・バートン監督、アメリカ)
1月24日
「さよなら歌舞伎町」(廣木隆一監督、日本)
「おみおくりの作法」(ウベルト・パゾリーニ監督、イギリス・イタリア)
「ANNIEアニー」(ウイル・グラック監督、アメリカ)
「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」(タイカ・ワイティティ監督、ニュージーランド)
「KANO 1931海の向こうの甲子園」(マー・ジーシアン監督、台湾)
「特捜部Q 檻の中の女」(ミケル・ノガール監督、デンマーク)
「二重生活」(ロウ・イエ監督、中国・フランス)
「ロスト・フロア」(パトクシ・アメズカ監督、スペイン・アルゼンチン)
1月27日
「ミスター・スキャンダル」(マイケル・ウィンターボトム監督、イギリス)
1月30日
「エクソダス:神と王」(リドリー・スコット監督、英・米・スペイン)
「ドラフト・デイ」(アイバン・ライトマン監督、アメリカ)
「ミルカ」(ラケーシュ・オームブラカーシュ・メーラ監督、インド)
1月31日
「ワイルドカード」(サイモン・ウエスト監督、アメリカ)
「ジョーカー・ゲーム」(入江悠監督、日本)
「繕い裁つ人」(三島有紀子監督、日本)
「マエストロ!」(小林聖太郎監督、日本)
「13の選択」(ダニエル・スタム監督、アメリカ)
「仲代達矢『役者』を生きる」(稲塚秀孝監督、日本)
2月7日
「はじまりのうた」(ジョン・カーニー監督、アメリカ)
2月13日
「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」(サム・テイラー・ジョンソン監督、米)
「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」(グザビエ・ピカルド監督、フィンランド)
2月14日
「リトル・フォレスト 冬・春」(森淳一監督、日本)
「フォックスキャッチャー」(ベネットミラー監督、アメリカ)
「愛して飲んで歌って」(アラン・レネ監督、フランス)
「味園ユニバース」(山下敦弘監督、日本)
「悼む人」(堤幸彦監督、日本)
「マシンガン・ツアー リトアニア強奪避航」(エミリス・ベリビス監督、英・リトアニア)
2月20日
「きっと、星のせいじゃない。」(ジョシュ・ブーン監督、アメリカ)
「花とアリス殺人事件」(岩井俊二監督、日本)
【新作DVD・BD】レンタル開始日
1月21日
「2つ目の窓」(河瀬直美監督、日本)
「2つ目の窓」(河瀬直美監督、日本)
「こっぱみじん」(田尻裕司監督、日本)
1月28日
「ファイアー・レスキュー」(デレク・クォック監督、中国・香港)
「リトル・フォレスト 夏・秋」(森淳一監督、日本)
2月3日
「私の、息子」(カリン・ペーター・ネッツアー監督、ルーマニア)
「グレートデイズ!夢に挑んだ父と子」(ニルス・タベルニエ監督、フランス)
「ジゴロ・イン・ニューヨーク」(ジョン・タツゥーロ監督、アメリカ)
「ファーナス 訣別の朝」(スコット・クーパー監督、米)
「ほとりの朔子」(深田晃司監督、日本)
「私の男」(熊切和嘉監督、日本)
2月4日
「監視者たち」(チョ・ウィソク監督、韓国)
「テロ、ライブ」(キム・ビョンウ監督、韓国)
「猿の惑星:新世紀(ライジング)」(マット・リーブス監督、アメリカ)
「わたしは生きていける」(ケビン・マクドナルド監督、イギリス)
「ジャージー・ボーイズ」(クリント・イーストウッド監督、米)
「ロンドン・リバー」(ラシッド・ブシャール監督、英・仏・アルジェリア)
「がじまる食堂の恋」(大谷健太郎監督、日本)
「ドム・ヘミングウェイ」(リチャード・シェパード監督、イギリス)
2月6日
「マルティニークからの祈り」(パン・ウンジン監督、韓国)
「罪の手ざわり」(ジャ・ジャンクー監督、中国・日本)
2月13日
「ガンズ&ゴールド」(ジュリアス・エイバリー監督、オーストラリア)
「喰女 クイメ」(三池崇史監督、日本)
2月18日
「ホットロード」(三木孝浩監督、日本)
2月25日
「ヘラクレス」(ブレット・ラトナー監督、アメリカ)
「トランストリップ」(セバスチャン・シルバ監督、チリ・アメリカ)
2月27日
「小野寺の弟、小野寺の姉」(西田征史監督、日本)
2月28日
「収容病棟」(ワン・ビン監督、香港・フランス・日本)
「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」(ジャンフランコ・ロージ監督、伊・仏)
3月3日
「サンシャイン 歌声が響く街」(デクスター・フレッチャー監督、イギリス)
「クライマー パタゴニアの彼方へ」(トーマス・ディルンホーファー監督、オーストリア)
「プロミスト・ランド」(ガス・バン・サント監督、米)
3月4日
「シンプル・シモン」(アンドレアス・エーマン監督、スウェーデン)
「俳優は俳優だ」(シン・ヨンシク監督、韓国)
「ケープタウン」(ジェローム・サル監督、フランス)
「悪童日記」(ヤーノシュ・サース監督、ドイツ・ハンガリー)
「ミリオンダラー・アーム」(クレイグ・ギレスピー監督、アメリカ)
「イコライザー」(アントワン・フークア監督、アメリカ)
「記憶探偵と鍵のかかった少女」(ホルヘ・ドラド監督、アメリカ)
「めぐり逢わせのお弁当」(リテーシュ・バトラ監督、インド・仏・独)
「FRANK フランク」(レニー・アブラハムソン監督、英・アイルランド)
「太陽の座る場所」(矢崎仁司監督、日本)
「リュウグウノツカイ」(ウエダアツシ監督、日本)
「イン・ザ・ヒーロー」(武正晴監督、日本)
「舞子はレディ」(周防正行監督、日本)
3月6日
「オーバー・ザ・ブルースカイ」(フェリックス・バン・ヒュルーニンゲン監督、ベルギー・他)
「旅人は夢を奏でる」(ミカ・カウリスマキ監督、フィンランド)
「グレート・ビューティー 追憶のローマ」(パオロ・ソレンティーノ監督、伊・仏)
「ぼくを探しに」(シルバン・ショメ監督、フランス)
3月18日
「ぶどうのなみだ」(三島有紀子監督、日本)
「思い出のマーニー」(米林宏昌監督、日本)
3月20日
「不機嫌なママにメルシィ!」(ギヨーム・ガリエンヌ監督、フランス・ベルギー)
【旧作DVD・BD】発売日
1月21日
「高畑勲監督作品集」(68~13、高畑勲監督)
収録作品:「太陽の王子ホルスの大冒険」「平成狸合戦ぽんぽこ」「火垂るの墓」、全11作品
1月23日
「アパッチ砦」(48、ジョン・フォード監督、アメリカ)DVD
「黄色いリボン」(49、ジョン・フォード監督、アメリカ)DVD
1月28日
「トッツィー」(82、シドニー・ポラック監督、アメリカ)
「ザ・エージェント」(96、キャメロン・クロウ監督、アメリカ)
2月3日
「暗闇にベルが鳴る」(74、ボブ・クラーク監督、カナダ)
3月4日
「ワーキングガール」(88、マイク・ニコルズ監督、アメリカ)
「めぐりあう時間たち」(02、スティーブン・ダルドリー監督、米・英)
3月6日
「ノスタルジア」(83、アンドレイ・タルコフスキー監督、イタリア・ソ連)
今月は劇場新作もDVD・BD新作も充実しまくり。DVD・BD旧作はちょっと寂しいが、全体ににぎやかで楽しめる1ヶ月になりそうだ。
劇場新作でまず注目したいのが「おみおくりの作法」。イギリス版「おくりびと」というべき作品のようだ。しかし主人公は納棺師でも葬儀屋でもなくロンドン市の民生係。孤独死した人々を誠実に弔ってきたが、仕事が丁寧過ぎて首に。その最後の仕事となったビリーという破天荒な生涯を送った男の葬儀を通じて、几帳面で実直だった主人公が人間的に変わって行く。小津安二郎を参考にしたと聞けばなおさら興味をそそられる。名前からピエロ・パオロ・パゾリーニ監督と関係があるかと思ったが特には関係ないようだ。しかし意外にも別の大物とつながりがあった。何とルキノ・ヴィスコンティ監督が大叔父だという。これは何としても観なくては。上田には来ないのだろうか。
「フォックスキャッチャー」は実話に基づく犯罪ドラマ。大富豪がオリンピックの金メダリストを殺害するに至るプロセスを映画いているが、高く評価されているのはレスリングの熱狂的なファンである大富豪役のスティーヴ・カレル、共にレスリングの金メダリストであるシュルツ弟を演じたチャニング・テイタムとマーク・ラファロの演技のようだ。また、不穏な雰囲気が漂う演出も見応えがありそうだ。ひところ流行ったサイコパスものの系統に入るようだが、サイコパスの異常性や不気味さだけではなく、3者が絡み合うドラマになっているところが新味か。
「はじまりのうた」は「ONCEダブリンの街角で」のジョン・カーニー監督作品。それだけで興味を惹かれるが、キーラ・ナイトレイ主演でやはり音楽で結ばれた人々の絆を描いているというのだからこれまた必見だ。
「愛して飲んで歌って」はフランスの巨匠アラン・レネの遺作。もうとっくに過去の人と思っていたら、91歳で洒脱な作品を作っていた。どうして舞台がイギリスのヨークシャーなのかと疑問に思ったが、原作がイギリスの喜劇作家アラン・エイクボーンの戯曲だった。余命わずかな友人をめぐって3組の夫婦が右往左往するというユーモラスな作品。というのも、どうやら共通の友人ジョルジュはそれぞれの奥様達と友人以上の関係だったらしくという展開。久しく味わっていなかったフランス映画らしいエスプリと洒脱さが楽しめそうだ。
このところやたらとゾンビものと吸血鬼ものが増えているが、この手の映画に僕はほとんど関心がない。しかし「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」は、現代の人間社会にまぎれて共同生活を送る吸血鬼たちの大騒動を描くというユーモラスなタッチに惹かれた。ウェリントンが舞台のニュージーランド映画というのも、一連のゾンビ・吸血鬼映画とは違う味わいが期待できそうだ。
「バンクーバーの朝日」や「アゲイン 28年目の甲子園」といった野球映画が続いて公開されているが、この2本以上に心を引かれたのは台湾映画「KANO 1931海の向こうの甲子園」。戦前の甲子園で満州代表の大連商業が準優勝するなど活躍していたことは知っていたが、台湾や韓国からも代表が出ていたことは知らなかった。「KANO 1931海の向こうの甲子園」は日本統治時代に台湾代表として甲子園に出場した嘉義農林学校(通称:嘉農=かのう)を描いた映画。最も興味を引かれたのは、このチームが日本人、漢人、台湾原住民の三民族混合チームだったということ。「セデック・バレ」の興奮が冷めやらないところにまた台湾原住民がかかわる映画が公開される。台湾映画に何か変化の兆しを感じる。
天童荒太の『永遠の仔』は強烈なインパクトのある小説だった。それ以来彼の作品は常に意識しているが、なかなか読むところまでは行かない。『悼む人』も発売当時かなり評判になったがやはり手が出なかった。どうも彼の小説は気持ち的に重たいのだ。精神小説とでもいうのか、登場人物たちの心の傷に入り込み過ぎている。あの重たい世界を映画はどう描いているのか。ちょっと及び腰ながら、やはり気になる映画である。
ゾンビ・吸血鬼映画同様、このところ人気コミックを映画化した安易な作品があふれている。しかし日本は世界一の漫画大国。優れた漫画はたくさんある。「繕い裁つ人」の原作漫画は知らないが、洋裁店の女性店主と彼女が手作りする服を通して出会う人々との触れ合いを描いたこの作品には心を引かれるものがある。
僕はこの間北欧ミステリーにだいぶ入れ込んでいる。カミラ・レックバリ、ヘニング・マンケル、アーナルデュル・インドリダソン、ジェイムズ・トンプソン、ジョー・ネスボ、等々。英米のミステリーとはまた違った味わいがあり、今のところこの熱は冷めそうもない。しかし、ユッシ・エーズラ・オールスンの「特捜部Q」シリーズは気になりつつもまだ読んでいない。近所の「ブックオフ」になかなか出ないのだ。一般書店に『特捜部Q キジ殺し』は置いてはあるが、まず評判になった『特捜部Q 檻の中の女」から読みたい。という個人的なことは置いておいて、過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の特捜部Qシリーズの1作目を映画化した「特捜部Q 檻の中の女」。映画の出来は分からないが、僕としてはとにかく観てみたい。「ミレニアム」やTVドラマ「THE BRIDGE/ブリッジ」のレベルまでは期待しないが、そこそこ楽しませてくれるのではないか。
「仲代達矢『役者』を生きる」は仲代達也の俳優人生に迫るドキュメンタリー映画。出演映画の代表作は60年代に集中しているが、舞台での活躍も考えれば60年代から2000年代までずっと一線で活動してきた息の長い俳優である。その彼に映画はどこまで迫れているか。
最後に拾いものかもしれない2本を紹介しておこう。「きっと、星のせいじゃない。」は青春ドラマ。よくある難病ものだが、末期ガン患者であるヒロインを演じるアンセル・エルゴートがみずみずしい演技を見せてくれるようだ。イギリスとリトアニアの合作「マシンガン・ツアー リトアニア強奪避航」は4人組強盗がひょんなことから東欧の田舎町に足止めされ、次々と騒動に見舞われるというドタバタ調犯罪コメディ。この手の映画、結構好きです。
新作DVD・BDも注目作が続々登場する。「2つ目の窓」、「リトル・フォレスト 夏・秋」、「私の、息子」、「私の男」、「ジャージー・ボーイズ」、「ロンドン・リバー」、「罪の手ざわり」、「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」、「クライマー パタゴニアの彼方へ」、「プロミスト・ランド」、「シンプル・シモン」、「ケープタウン」、「悪童日記」、「FRANK フランク」、「舞子はレディ」、「オーバー・ザ・ブルースカイ」、「旅人は夢を奏でる」、「グレート・ビューティー 追憶のローマ」、「ぼくを探しに」、「思い出のマーニー」、等々。
旧作DVD・BDは数的にも質的にもまあまあというところ。それにしても初BD化のペースはもっと上がらないものか。DVDですらまだ出ていない傑作はたくさんあるのだから、BD化されるべき傑作に至っては山の様にあるはずだ。遅々として進まないペースの遅さにイライラする。