これから観たい&おすすめ映画・BD(14年12月)
【新作映画】公開日
11月14日
「デビルズ・ノット」(アトム・エゴヤン監督、アメリカ)
11月21日
「ランナーランナー」(ブラッド・ファーマン監督、アメリカ)
11月22日
「インターステラー」(クリストファー・ノーラン監督、アメリカ・イギリス)
「ブラック・ハッカー」(ナチョ・ビガロンド監督、アメリカ・スペイン)
「スガラムルディの魔女」(アレックス・デ・ラ・イグレシア監督、スペイン)
「日々ロック」(入江悠監督、日本)
「想いのこし」(平川雄一朗監督、日本)
「オオカミは嘘をつく」(アハロン・ケシャレス、他、監督、イスラエル)
「刺さった男」(アレックス・デ・ラ・イグレシア監督、スペイン・フランス)
「救いたい」(神山征二郎監督、日本)
「ダムネーション」(ベン・ナイト監督、アメリカ)
「白夜のタンゴ」(ビビアン・ブルーメンシェイン監督、独・フィンランド・アルゼンチン)
「ラスト・デイズ・オン・マーズ」(ルアイリ・ロビンソン監督、イギリス・アイルランド)
「欲動」(杉野希妃監督、日本)
11月28日
「フューリー」(デビッド・エアー監督、アメリカ)
11月29日
「寄生獣」(山崎貴監督、日本)
「ストックホルムでワルツを」(ペール・フライ監督、スウェーデン)
「くるみ割り人形」(増田セバスチャン監督、日本)
12月6日
「パーソナル・ソング」(マイケル・ロサト=ベネット監督、アメリカ)
12月12日
「ゴーン・ガール」(デビッド・フィンチャー監督、アメリカ)
12月13日
「ホビット 決戦のゆくえ」(ピーター・ジャクソン監督、ニュージーランド・米)
「アオハライド」(三木孝浩監督、日本)
「おやすみなさいを言いたくて」(エーリク・ポッペ監督、ノルウェー・スウェーデン・他)
「あと1センチの恋」(クリスチャン・ディッター監督、イギリス・ドイツ)
「自由が丘で」(ホン・サンス監督、韓国)
「パパロッティ」(ユン・ジョンチャン監督、韓国)
「幸せのありか」(マチェイ・ピェブシツア監督、ポーランド)
「ふたつの祖国、ひとつの愛 イ・ジュンソプの妻」(酒井充子監督、日本)
12月20日
「ベイマックス」(ドン・ホール監督、アメリカ)
「バンクーバーの朝日」(石井裕也監督、日本)
「マップ・トゥ・ザ・スターズ」(デビッド・クローネンバーグ監督、カナダ・米・独・仏)
「毛皮のヴィーナス」(ロマン・ポランスキー監督、フランス・ポーランド)
「エレナの惑い」(アンドレイ・ズビャギンツェフ監督、ロシア)
【新作DVD・BD】レンタル開始日
11月21日
「ぼくたちの家族」(石井裕也監督、日本)
12月2日
「トランセンデンス」(ウォーリー・フィスター監督、英・中国・米)
「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」(グレッグ・フレディ・キャマリア監督、米)
「バトルフロント」(ゲイリー・フレダー監督、アメリカ)
「ポンペイ」(ポール・W・S・アンダーソン監督、加・独)
「マイ・リトル・ヒーロー」(キム・ソンフン監督、韓国)
「ある過去の行方」(アスガー・ファルハディ監督、仏・伊)
「チョコレートドーナツ」(トラビス・ファイン監督、アメリカ)
12月3日
「マレフィセント」(ロバート・ストロンバーグ監督、米・英)
「青天の霹靂」(劇団ひとり監督、日本)
「アクト・オブ・キリング」(ジョシュア・オッペンハイマー監督、デンマーク・ノルウェー)
「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」(ジョエル&イーサン・コーエン監督、米)
「her 世界でひとつの彼女」(スパイク・ジョーンズ監督、アメリカ)
「ザ・ホスト 美しき侵略者」(アンドリュー・ニコル監督、アメリカ)
「インベーダー・ミッション」(ダニエル・カルパルソロ監督、スペイン)
「闇のあとの光」(カルロス・レイガダス監督、メキシコ・仏・独・オランダ)
12月5日
「美しい絵の崩壊」(アンヌ・フォンテーヌ監督、オーストラリア・フランス)
「わたしのハワイの歩きかた」(前田弘二監督、日本)
12月10日
「ブラインド」(アン・サンホ監督、韓国)
「ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪」(ツイ・ハーク監督、中国・香港)
12月17日
「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」(行定勲監督、日本)
「観相師」(ハン・ジェリム監督、韓国)
「フルスロットル」(カミーユ・ドゥラマーレ監督、アメリカ)
「春を背負って」(木村大作監督、日本)
「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」(ジョナサン・グレイザー監督、イギリス)
「かぐや姫の物語」(高畑勲監督、日本)
12月19日
「渇き。」(中島哲也監督、日本)
12月23日
「なまいきチョルベンと水夫さん」(1964、オッレ・ヘルボム監督、スウェーデン)
「イントゥ・ザ・ストーム」(スティーブン・クォーレ監督、アメリカ)
「リトル・フォレスト 夏・秋」(森淳一監督、日本)
12月24日
「複製された男」(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、カナダ・スペイン)
「殺人の疑惑」(クク・ドンソク監督、韓国)
1月6日
「サード・パーソン」(ポール・ハギス監督、ベルギー)
「フライト・ゲーム」(ジャウム・コレット・セラ監督、英・仏・米・加)
1月7日
「ソウォン 願い」(イ・ジュンイク監督、韓国)
「怪しい彼女」(ファン・ドンヒョク監督、韓国)
「コーヒーをめぐる冒険」(ヤン・オーレ・ゲルスター監督、ドイツ)
「アイ・フランケンシュタイン」(シュチュアート・ビーティー監督、アメリカ)
「友よ、さらばと言おう」(フレッド・カバイエ監督、フランス)
「ビヨンド・ザ・エッジ」(リアン・ブーリー監督、ニュージーランド)
「神聖ローマ、運命の日 オスマン帝国の進撃」(レンツォ・マルチネリ監督、伊・ポーランド)
「悪魔は誰だ」(チョン・グンソプ監督、韓国)
「ママはレスリング・クイーン」(ジャン=マルク・ルドニッキ監督、フランス)
「LUCY ルーシー」(リュック・ベッソン監督、アメリカ)
【旧作DVD・BD】発売日
11月22日
「帽子箱を持った少女」(1927、ボリス・バルネット監督、ソ連)DVD
11月27日
「ONCE ダブリンの街角で」(2006、ジョン・カーニー監督、アイルランド)
11月28日
「ノー・マンズ・ランド」(2001、ダニス・ダノビッチ監督、ボスニア・ヘルツェゴビナ・他)
「雁」(1953、豊田四郎監督、日本)DVD
12月2日
「この庭に死す」(1956、ルイス・ブニュエル監督、仏・メキシコ)
「犯人は21番に住む」(1942、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督、フランス)
「海外特派員」(1940、アルフレッド・ヒッチコック監督、アメリカ)
12月3日
「スティーブン・スピルバーグ ディレクターズ・コレクション」
収録作品:「激突!」「ジョーズ」「E.T.」「1941」「ジュラシック・パーク」、他、全8作品
「スタンリー・キューブリック マスターピース・コレクション」
収録作品:「2001年宇宙の旅」「シャイニング」「フルメタルジャケット」、他、全7作品
「グース」(1996、キャロル・バラード監督、アメリカ・カナダ)
12月5日
「レインマン ニューデジタルリマスター版」(1988、バリー・レビンソン監督、米)
12月13日
「キリング・ゾーイ」(1993、ロジャー・エイバリー監督、フランス・アメリカ)
12月24日
「ボーイ・ミーツ・ガール」(1984、レオス・カラックス監督、フランス)
「ポンヌフの恋人」(1991、レオス・カラックス監督、フランス)
「汚れた血」(1986、レオス・カラックス監督、フランス)
「イングマール・ベルイマン黄金期Blu-ray BOX①」
収録作品:「第七の封印」「野いちご」「処女の泉」
「イングマール・ベルイマン黄金期Blu-ray BOX②」
収録作品:「夏の遊び」「夏の夜は三たび微笑む」「冬の光」
「クレイマー、クレイマー」(1979、ロバート・ベントン監督、アメリカ)
「スタンド・バイ・ミー」(1986、ロブ・ライナー監督、アメリカ)
12月26日
「生誕110年 ジャン・ギャバン DVD-BOX HDマスター」
収録作品:「大いなる幻影」「霧の波止場」「現金に手を出すな」「フレンチ・カンカン」
例年、年末から新年にかけては話題作が並ぶ。今年も出し惜しみしていた先月までとは違ってかなり充実している。この時期恒例のアメリカ映画の大作は「インターステラー」と「フューリー」。昨年末もSFの「ゼロ・グラビティ」が公開されたが、「インターステラー」も期待できそうだ。滅びかけた地球の代わりに人類が生存できる惑星を探す。この切羽詰まったミッションを担って飛び立ったクーパーと3人の科学者からなる4人のクルー。クーパーと地球に残されたクーパーの娘との間の絆が描かれると言うあたりは「アルマゲドン」の様な設定だが、それ以上に人類の生存をかけた居住可能惑星の探索がわくわくさせるようだ。個人的にはワームホールやブラックホール、ワープなどの宇宙空間での出来事よりも、未知の惑星の何が出てくるか分からない不気味で謎めいて不穏な雰囲気、ぞくぞくするようなスリルと恐怖、摩訶不思議な惑星の景観を楽しみたいのだが、果たして満足させてくれるだろうか。マシュー・マコノヒーとアン・ハサウェイ主演。
一方の「フューリー」は第二次世界大戦末期のヨーロッパ戦線。5台のシャーマン戦車の闘いを描くが、「フューリー」とはその1台に付けられた名前のようだ。戦車が中心と言うと「パットン大戦車軍団」がすぐ思い浮かぶが、1台の戦車内に舞台を限定し、その小さなのぞき窓からしか外が見えない閉塞感と緊迫感、恐怖感を極限まで描いた「レバノン」という異色のイスラエル映画もあった(必見の傑作)。「フューリー」はアメリカ映画らしく活劇と戦友同士の友情に重きが置かれているようだ。戦車が中心だが、「プライベート・ライアン」やTVドラマの傑作「バンド・オブ・ブラザーズ」のようなタッチの作品になっていると思われる。
「ゴーン・ガール」は一見幸せそうな夫婦の生活が突然の妻の失踪で一気に崩れてしまうサスペンス。キッチンには彼女の大量の血液が残されているが、エイミーの姿はない。あやふやな供述をする夫のニックが疑われ、メディアは夫婦の隠された過去を暴きだしてゆく。どうやら「アメイジング・エイミー」というエイミーがモデルになった童話(エイミーの両親が執筆)が事件の真相に絡んでいそうだ。サイコロジック・スリラーという触れ込みなので、これは結構楽しめそうだ。
カナダのデビッド・クローネンバーグ監督がハリウッドの内幕を撮った「マップ・トゥ・ザ・スターズ」とダム問題に迫ったドキュメンタリー映画「ダムネーション」も面白そうだ。ハリウッドの内幕ものと言えば「サンセット大通り」や「ザ・プレイヤー」が有名だが、「マップ・トゥ・ザ・スターズ」は「サンセット大通り」から着想を得たという。一見順調に行っているように見えるハリウッド・セレブ一家。しかし長らく施設に入れられていた一家の問題児がハリウッドに戻ってきたことで、封印されていた一家の秘密が暴き出され、悲劇がもたらされる。そんな展開のようだ。
ダムの問題点は日本でもずいぶん指摘されてきたが、アメリカではダムの撤去が現実的な選択肢になり始めた。「ダムネーション」はそこまで世論を変えて行った人々の挑戦を描いたドキュメンタリーである。富山和子の著書を何冊も愛読してきたゴブリンとしては是非とも観てみたい映画だ。
話題作が並ぶ年末年始の作品群の中でひときわ目を惹くのは北欧映画だ。まずはフィンランドの「白夜のタンゴ」。フィンランドと言えばアキ・カウリスマキ監督が有名だが、彼の作品以外では「ヘイフラワーとキルトシュー」くらいしか思い当たらない。フィンランドを舞台にした映画まで対象を広げてもロシア映画「ククーシュカ ラップランドの妖精」と「かもめ食堂」くらいしか思い浮かばない。今年はカミラ・レックバリを中心に北欧ミステリーを集中して読んだが、フィンランドのミステリーはレーナ・レヘトライネンの『氷の娘』を1冊読んだだけ(代表作『雪の女』はなかなかブックオフに出ない)。まだまだ日本にはなじみがないフィンランドだが、何とタンゴのルーツはフィンランドにあったという仰天すべき事実を追ったドキュメンタリー映画である。アルゼンチン・タンゴという表現が日本でも定着しているくらいだから、アルゼンチン人は当然タンゴはアルゼンチンで生まれたと信じている。しかしその発祥はフィンランドだと聞いて、3人のアルゼンチン・ミュージシャンが確認すべくフィンランドへ飛ぶという話。行く先々で現地の人たちと交流し、二つの国のタンゴが融合してゆく。う~ん、こんな魅力的な映画を観ないでいられるわけがない。年末年始で一番観たい映画だ。
「ストックホルムでワルツを」はタイトルから分かる通りのスウェーデン映画。巨匠イングマル・ベルイマンを生んだ国だから、スウェーデン映画は日本でも50年代から既に知られている。「ストックホルムでワルツを」はそのスウェーデンが生んだ女性ジャズ・シンガー、モニカ・ゼタールンドの伝記映画である。ジャズ・ヴォーカルというジャンルには熱烈なファンがたくさんいて、そういう熱心なコレクターが勧めるCDの中にはだいたいモニカ・ゼタールンドのものが1枚は入っているのではないか。コレクター好みの歌手というイメージがあって、僕は1枚も持っていない。しかし英語で歌っても人気は出なかったが、母国語で歌ってみると大成功したという実話を描いた映画の方は面白いかもしれない。
「おやすみなさいを言いたくて」の監督はノルウェー出身のエーリク・ポッペ。ノルウェー映画と言えば、僕はベント・ハーメル監督の「キッチン・ストーリー」が好きだ。同監督の「ホルテンさんのはじめての冒険」も悪くない。そうそう、じいさんばかりの素人合唱団「ストランド・ボーイズ」を描いたセミ・ドキュメンタリー・タッチの「歌え!フィッシャーマン」も秀作だった。いずれも北欧らしさが横溢した作品だった。ただ、「おやすみなさいを言いたくて」はノルウェーが舞台ではない。舞台はアイルランドおよび中東やアフリカの紛争地帯で、主人公を演じるのはフランスのジュリエット・ビノシュである。テーマは報道写真家として果敢に紛争地に赴き命がけで真実をカメラに写し撮ろうとする使命感と、そのために家族を犠牲にしてきたということからくる心の痛み。悲惨な状況下で生きる人々への愛と家族への愛。この二つの愛の間で揺れる一人の女性の葛藤を描く。仕事か家庭かという一般的な悩みに収まらない、奥行きのあるドラマになっていることを期待したい。
他にもスペイン映画「スガラムルディの魔女」、ポランスキー監督の「毛皮のヴィーナス」、ポーランド映画「幸せのありか」、日本映画では「バンクーバーの朝日」など、気になる映画はたくさんある。
新作BD・DVDも期待作が目白押しだ。「ぼくたちの家族」、「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」、「ある過去の行方」、「チョコレートドーナツ」、「マレフィセント」、「アクト・オブ・キリング」、「her 世界でひとつの彼女」、「インベーダー・ミッション」、「ブラインド」、「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」、「春を背負って」、「かぐや姫の物語」、「なまいきチョルベンと水夫さん」、「イントゥ・ザ・ストーム」、 「リトル・フォレスト 夏・秋」、「複製された男」、「フライト・ゲーム」、「コーヒーをめぐる冒険」、「ママはレスリング・クイーン」など、続々と登場する。
旧作BD・DVDも充実している。特に「イングマール・ベルイマン黄金期Blu-ray BOX①」はベルイマンの代表作がそろっているのでぜひとも入手しておきたい。レオス・カラックス監督の3本(ボックスもあり)、「ONCE ダブリンの街角で」、「ノー・マンズ・ランド」の発売もうれしい。豊田四郎監督の「雁」は森鴎外原作の映画化。未見だが、名作ひしめく50年代にベストテン入りした作品なので見応えがあるだろう。
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