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2014年1月25日 (土)

これから観たい&おすすめ映画・BD(14年2月)

【新作映画】
1月24日公開
 「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」(キム・ソンス監督、韓国・日本)
1月25日公開
 「小さいおうち」(山田洋次監督、日本)
 「なんちゃって家族」(ローソン・マーシャル・サーバー監督、アメリカ)
 「アイム・ソー・エキサイテッド!」(ペドロ・アルモドバル監督、スペイン)
 「エレニの帰郷」(テオ・アンゲロプロス監督、ギリシャ・独・カナダ・ロシア)
 「オンリー・ゴッド」(ニコラス・ウィンディング・レフン監督、デンマーク・仏・米・他)  
 「ROOM237」(ロドニー・アッシャー監督、アメリカ)
 「7番房の奇跡」(イ・ファンギョン監督、韓国)
1月26日公開
 「母なる復讐」(キム・ヨンハン監督、韓国)
1月31日公開
 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(マーティン・スコセッシ監督、アメリカ)
 「ザ・イースト」(ザル・バトマングリ監督、アメリカ)
 「アメリカン・ハッスル」(デビッド・O・ラッセル監督、アメリカ)
 「メイジーの瞳」(スコット・マクギー監督、アメリカ)
2月1日公開
 「新しき世界」(パク・フンジョン監督、韓国)
 「KILLERS キラーズ」(ティモ・ジャヤント監督、日本・インドネシア)
 「ザ・ドア 交差する世界」(アノ・ソウル監督、ドイツ)
 「はじまりは5つ星ホテルから」(マリア・ソーレ・トニャッツィ監督、イタリア)
 「MIA ミア」(ビッキー・ジューソン監督、イギリス)
 「ミスティック・アイズ」(ディクティナ・フード監督、イギリス)
2月7日公開
 「スノーピアサー」(ポン・ジュノ監督、韓国・アメリカ・フランス)
 「ラッシュ プライドと友情」(ロン・ハワード監督、米・独・英)
2月8日公開
 「ニシノユキヒコの恋と冒険」(井口奈己監督、日本)
 「光にふれる」(チャン・ロンジー監督、台湾・香港・中国)
2月12日公開
 「アウトレイジ・ギャング」(ジョルジオ・セラフィーニ監督、アメリカ)
2月14日公開
 「エヴァの告白」(ジェームズ・グレイ監督、アメリカ・フランス)
2月15日公開
 「エージェント:ライアン」(ケネス・ブラナー監督、アメリカ)
 「大統領の執事の涙」(リー・ダニエルズ監督、アメリカ)
 「17歳」(フランソワ・オゾン監督、フランス)
 「悪魔の秘め事」(ジェームズ・オーグリー監督、アメリカ)
 「家族の灯り」(マノエル・ド・オリベイラ監督、ポルトガル・フランス)
 「神さまがくれた娘」(A.L.ビジャイ監督、インド)
 「ハリケーンアワー」(エリック・ハイセラー監督、アメリカ)
 「渚のふたり」(イ・スンジュン監督、韓国)
2月19日公開
 「ハウンター」(ビンチェンゾ・ナタリ監督、カナダ・フランス)

【新作DVD・BD】
2月4日
 「クロワッサンで朝食を」(イルマル・ラーグ監督、仏・エストニア・ベルギー)
 「タンゴ・リブレ 君を想う」(フレデリック・フォンテーヌ監督、ベルギー・仏・他)
 「エビデンス 全滅」(オラトゥンデ・オスンサンミ監督、アメリカ)
2月5日
 「サウンド・オブ・ノイズ」(オラ・シモンソン監督、スウェーデン・仏)
 「エリジウム」(ニール・ブロムカンプ監督、米)
 「ストラッター」(カート・ボス監督、米)  「トランス」(ダニー・ボイル監督、イギリス)
 「ザ・ハリウッド」(ポール・シュレイダー監督、アメリカ)
 「ホーリー・モーターズ」(レオス・カラックス監督、仏・独)
 「3人のアンヌ」(ホン・サンス監督、韓国)
 「許されざる者」(李相日監督、日本)
2月7日
 「バーニー みんなが愛した殺人者」(リチャード・リンクレイター監督、米)
 「少年H」(降旗康男監督、日本)
 「ニーナ ローマの夏休み」(エリザ・フクサス監督、イタリア)
 「ミッドナイト・ガイズ」(フィッシャー・スティーブンス監督、米)
 「ファントム 開戦前夜」(トッド・ロビンソン監督、アメリカ)
 「シャニダールの花」(石井岳龍監督、日本)
 「ウォーム・ボディーズ」(ジョナサン・レビン監督、アメリカ)
2月8日
 「エンド・オブ・ウォッチ」(デビッド・エアー監督、米)
2月19日
 「フローズン・グラウンド」(スコット・ウォーカー監督、アメリカ)
2月21日
 「2ガンズ」(バルタザール・コルマウクル監督、米)
3月4日
 「ビザンチウム」(ニール・ジョーダン監督、英・米・アイルランド)
 「イップ・マン 最終章」(ハーマン・ヤウ監督、香港)
 「31年目の夫婦げんか」(デビッド・フランケル監督・米)
 「最愛の大地」(アンジェリーナ・ジョリー監督・米)
3月5日
 「オン・ザ・ロード」(ウォルター・サレス監督、仏・米・英・他)
3月7日
 「『また、必ず会おう』と誰もが言った。」(古厩智之監督、日本)
 「素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー」(ジェイク・シュライヤー監督、米)    
 「私が愛した大統領」(ロジャー・ミッシェル監督、英)
3月8日
 「サイド・エフェクト」(スティーブン・ソダーバーグ監督、米)
3月12日
 「キャリー」(キンバリー・ピアース監督、米)
 「ある愛へと続く旅」(セルジオ・カルテリット監督、伊・スペイン)
3月19日
 「タイピスト!」(レジス・ロワンサル監督、フランス)
3月20日
 「グランド・イリュージョン」(ルイ・ルテリエ監督、仏・米)

【旧作DVD・BD】
1月25日
 「愛される方法」(1963、ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督、ポーランド)
2月5日
 「ビッグ・アメリカン」(1976、ロバート・アルトマン監督、アメリカ)DVD
 「シシリアン」(1969、アンリ・ベルヌイユ監督、フランス)
 「ダージリン急行」(2007、ウエス・アンダーソン監督、アメリカ)
 「シッピング・ニュース」(2001、ラッセ・ハルストレム監督、アメリカ)
 「夜の大捜査線」(1967、ノーマン・ジュイソン監督、アメリカ)
2月12日
 「青春の殺人者」(1976、長谷川和彦監督、日本)
2月26日
 「ギルダ」(1946、チャールズ・ビダー監督、米)

 今月の劇場新作は結構粒ぞろいだ。「ウルフ・オブ・ウォールストリート」はマーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオの組み合わせで、ウォール街で巨万の富を築いた男を描く。伝記映画として傑作「ソーシャル・ネットワーク」にどれだけ迫れるか。「小さいおうち」は山田洋次監督作品だけに期待できそう。名作「家族」や「故郷」のような社会と時代に切り込む鋭さや深みはないかもしれないが、人間ドラマを描く手腕はまだまだ衰えていないだろう。「スノーピアサー」はポン・ジュノ監督とソン・ガンホの組み合わせというだけで期待が膨らむ。氷河期が到来した近未来という設定。原作はフランスの漫画だそうである。台湾・香港・中国合作の「光にふれる」は盲目の天才ピアニストとダンサーを目指す女性の交流を静謐なタッチで描いた作品。ホアン・ユィシアンというピアニストの実話が基になっており、ユィシアン自身が逆境を乗り越え夢へと向かって行く主人公を演じている。アカデミー外国語映画賞の台湾代表に選ばれている。

 「大統領の執事の涙」は傑作「プレシャス」を撮ったリー・ダニエルズ監督の新作。7人の大統領に使えた黒人執事を通してアメリカ現代史の裏面を描き、併せて家族との葛藤を描く。テオ・アンゲロプロス監督作品は1975年に岩波ホールで「旅芸人の記録」を観て衝撃を受けて以来「永遠と一日」まで6本観てきたが、「エレニの旅」はいまだ観ていない。近所のレンタル店には置いていないし、アマゾンではとんでもない値段が付いているからだ。そうこうしている間に遺作「エレニの帰郷」が公開されることになってしまった。上田は無理としても松本で「エレニの旅」と「エレニの帰郷」のセット上映してくれないかなあ。「17歳」はフランソワ・オゾン監督作品。これまで観た5本の中では「スイミング・プール」が一番の傑作だと思うが、最後に観た「ぼくを葬る」にはがっかりした。それ以来彼の作品からは遠ざかっていたが、ティーン特有の不遜さや奔放さをリアルに描いた辛口の青春ドラマと評されている「17歳」。以前の鋭さが復活したのではないかと期待している。

 韓国がらみの映画に良さそうな作品が並ぶ。「新しき世界」は犯罪組織に潜入した警察官の苦悩を描く。この手の作品は韓国映画の得意とするところで、しばしばハリウッド作品を越えてしまう傑作が出現する。見応えがありそうだ。日韓合作の「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」は監督が韓国人のキム・ソンスで、主演が今乗りに乗っている西島秀俊である。妻の死体を発見した直後、その妻の声で電話がかかってくるというミステリアスな導入部。やがて自分がDNA研究の第一人者で、何者かによって記憶が上書きされたと知るにいたるという展開。イ・ファンギョン監督の「7番房の奇跡」は韓国で大ヒットした作品。知的障害のあるヨングが殺人容疑で逮捕される。刑務所の仲間たちは彼の無罪を確信し、やがて成長した娘のイェスンは父の冤罪をはらすために法廷に立つ。「渚のふたり」は共に障害を持つ若い夫婦の2年間を描いたドキュメンタリー。アムステルダム映画祭で最優秀賞を受賞した感動作だ。 

 いまだ決定的傑作とは出会わないが、ようやくコンスタントに作品が公開されるようになってきたイタリア映画。「はじまりは5つ星ホテルから」は高級ホテルのサービスをチェックする覆面調査員イレーネが主人公。華やかな仕事ではあるが、自宅に帰ると潤いのないさびしい生活を送っている。そんな彼女が自分とは正反対の価値観を持つ人類学者と出会い、それをきっかけに自分の人生を考え直してゆく。かつてイギリス、フランスと並んでヨーロッパを代表する映画大国だったイタリア。もう何度も同じことを書いているが、40年代から70年代にかけて築き上げたあの高みに並ぶ作品と早く出会いたい。

 新作BD・DVDも充実している。注目作は「クロワッサンで朝食を」、「タンゴ・リブレ 君を想う」、「エリジウム」、「トランス」、「ホーリー・モーターズ」、「少年H」、「ミッドナイト・ガイズ」、「フローズン・グラウンド」、「オン・ザ・ロード」、「サイド・エフェクト」、「ある愛へと続く旅」、「グランド・イリュージョン」など。 

 旧作BD・DVDはちょっと一休みといった感じか。一番の収穫は初DVD化された「ビッグ・アメリカン」。「ナッシュビル」に続いてロバート・アルトマン監督の初期の傑作が観られるようになったのはうれしい。

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