ゴブリンのこれがおすすめ 42 ケイパー・ムービー、脱走劇・脱出劇
ケイパー・ムービー(caper movies)
<おすすめのケイパー・ムービー>
「キング・オブ・シーヴズ」(2018)ジェームズ・マーシュ監督、イギリス
「10人の泥棒たち」(2012) チェ・ドンフン監督、韓国
「インセプション」(2010) クリストファー・ノーラン監督、アメリカ
「バンク・ジョブ」(2008) ロジャー・ドナルドソン監督、イギリス
「インサイド・マン」(2006) スパイク・リー監督、アメリカ
「クレイジー・ストーン」(2006) ニン・ハオ監督、中国
「ナショナル・トレジャー」(2004) ジェリー・ブラッカイマー監督、アメリカ
「マッチスティック・メン」(2003) リドリー・スコット監督、アメリカ
「ソードフィッシュ」(2001) ドミニク・セナ監督、アメリカ
「60セカンズ」(2000) ドミニク・セナ監督、アメリカ
「スナッチ」(2000) ガイ・リッチー監督、アメリカ
「ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(1998) ガイ・リッチー監督、イギリス
「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」(1997) トーマス・ヤーン監督、ドイツ
「キリング・ゾーイ」(1993) ロジャー・エイバリー監督、アメリカ
「スペシャリスト」(1984) パトリス・ルコント監督、フランス
「ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー」(1981) マイケル・マン監督、アメリカ
「太陽を盗んだ男」(1979) 長谷川和彦監督、日本
「新幹線大爆破」(1975) 佐藤純弥監督、日本
「ゲッタウェイ」(1972) サム・ペキンパー監督、アメリカ
「ホット・ロック」(1971) ピーター・イエーツ監督、アメリカ
「仁義」(1970) ジャン・ピエール・メルヴィル監督、フランス
「シシリアン」(1969) アンリ・ヴェルヌイユ監督、フランス
「大頭脳」(1969)ジェラール・ウーリー監督、イタリア・フランス
「さらば友よ」(1968) ジャン・エルマン監督、フランス
「ミニミニ大作戦」(1968) ピーター・コリンソン監督、イギリス・アメリカ
「おしゃれ泥棒」(1966) ウィリアム・ワイラー監督、アメリカ
「悪の階段」(1965) 鈴木英夫監督、日本
「黄金の七人」(1965) マルコ・ヴィカリオ監督、イタリア
「トプカピ」(1964) ジュールス・ダッシン監督、アメリカ
「地下室のメロディー」(1963) アンリ・ヴェルヌイユ監督、フランス
「ピンクの豹」(1963) ブレイク・エドワーズ監督、アメリカ
「現金に体を張れ」(1956) スタンリー・キューブリック監督、アメリカ
「男の争い」(1955) ジュールス・ダッシン監督、フランス
「マダムと泥棒」(1955) アレクサンダー・マッケンドリック監督、イギリス
「現金に手を出すな」(1953) ジャック・ベッケル監督、フランス
「ラベンダー・ヒル・モブ」(1951) チャールズ・クライトン監督、イギリス
「アスファルト・ジャングル」(1950) ジョン・ヒューストン監督、アメリカ
<こちらも要チェック>
「オーシャンズ13」(2007) スティーヴン・ソダーバーグ監督、アメリカ
「ナショナル・トレジャー2 リンカーン暗殺者の日記」(2007) ジョン・タートルトーブ監督、米
「オーシャンズ12」(2004) スティーヴン・ソダーバーグ監督、アメリカ
「オーシャンズ11」(2001) スティーヴン・ソダーバーグ監督、アメリカ
「エントラップメント」(1999) ジョン・アミエル監督、アメリカ
「トーマス・クラウン・アフェアー」(1999) ジョン・マクティアナン監督、アメリカ
「アウト・オブ・サイト」(1998) スティーヴン・ソダーバーグ監督、アメリカ
「ハドソン・ホーク」(1991) マイケル・レーマン監督、アメリカ
「ワンダとダイヤと優しい奴ら」(1988) チャールズ・クライトン監督、アメリカ
「オーシャンと十一人の仲間」(1960) ルイス・マイルストン監督、アメリカ
「拳銃の報酬」(1959) ロバート・ワイズ監督、アメリカ)
「賭博士ボブ」(1955) ジャン=ピエール・メルヴィル監督、フランス
<未見作品>
「黄金を抱いて翔べ」(2012) 井筒和幸監督、日本
「ザ・プロフェッショナル」(2001) デヴィッド・マメット監督、アメリカ・カナダ
「スコア」(2001) フランク・オズ監督、アメリカ
「NINE QUEENS 華麗なる詐欺師たち」(2000) ファビアン・ビエリンスキー監督、アルゼンチン
「スリー・キングス」(1999) デヴィッド・O・ラッセル監督、アメリカ
「アンソニーのハッピー・モーテル」(1996) ウェス・アンダーソン監督、アメリカ
「スニーカーズ」(1992) フィル・アルデン・ロビンソン監督、アメリカ
「大列車強盗」(1978) マイケル・クライトン監督、アメリカ
「華麗なる賭け」(1968) ノーマン・ジュイソン監督、アメリカ
「ギャング」(1966) ジャン=ピエール・メルヴィル、フランス
「裏切りの街角」(1949) ロバート・シオドマク監督、アメリカ
「ケイパー・ムービー」のリストを作ってみようと思い立つきっかけとなった映画は「10人の泥棒たち」である。久々に観た「ケイパー・ムービー」の傑作だった。他にどんな金庫破り映画があったか思い浮かべてみると、不朽の名作「男の争い」をはじめ、「スペシャリスト」、「おしゃれ泥棒」、「トプカピ」、「オーシャンと十一人の仲間」あたりがすぐに浮かんだ。と同時に、「ケイパー・ムービー」を金庫破り映画と同義ととらえて良いのかという疑問が浮かんだ。
「ケイパー・ムービー」という言葉を知ったのは「男の争い」のレビューを書いた時だ。2005年12月だから8年ほど前である。その時は「ケイパー・ムービー」=金庫破り映画ととらえていた。「ケイパー・ムービー」という言葉を紹介していたサイトがそう定義していたからである。しかし ”caper” は「泥棒、強盗」という意味なので必ずしも金庫破りに絞る必要はないのではないかと漠然とした疑問を持っていた。
今回この記事を書く時によく調べてみたら、「ケイパー・ムービー」はむしろ「泥棒・強盗映画」ととらえるのが良さそうである。実際英語のサイトを覗いてみると、こんなものまで含まれるのかと驚くくらいだ。ただしあまり広げ過ぎてもジャンルとしての枠組みがあいまいになる。犯罪が絡む映画は相当数あるが、警察や探偵などの視点から描かれた映画は基本的にこのジャンルから外れるだろう。その場合はミステリーや警察・探偵ものというカテゴリーになる。犯罪者(ないしは盗む者)の視点から描かれているものでなければならない。また同じ犯罪でも殺人や麻薬売買など泥棒や強盗と関係ないものは除かれる。
圧倒的にアメリカ映画が多いが、いわゆるフレンチ・ノワールの傑作群も一部含まれる。フィルム・ノワールとも近接のジャンルだが、膨大な数のフィルム・ノワール作品を丹念に調べればもっとこのジャンルに入るものが見つかるかもしれない。まあリスト作りには時間がかかる。あせらず気長にやろう。
脱走劇・脱出劇
<おすすめの脱走劇・脱出劇>
「バルーン 奇跡の脱出飛行」(2018)ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ監督、ドイツ
「エッセンシャル・キリング」(2010) イエジー・スコリモフスキ監督、ポーランド・ノルウェー・他
「黄色い星の子供たち」(2010) ローズ・ボッシュ監督、フランス・ドイツ・ハンガリー
「サンクタム」(2010) アリスター・グリアソン監督、アメリカ
「127時間」(2010) ダニー・ボイル監督、アメリカ・イギリス
「サラの鍵」(2010) ジル・パケ=ブランネール監督、フランス
「闇の列車、光の旅」(2009) ケイリー・ジョージ・フクナガ監督、メキシコ・米
「それでもボクはやってない」(2007) 周防正行監督、日本
「パンズ・ラビリンス」(2006) ギレルモ・デル・トロ監督、スペイン
「母たちの村」(2004) ウスマン・センベーヌ監督、セネガル
「運命を分けたザイル」(2003) ケビン・マクドナルド監督、イギリス
「コールド・マウンテン」(2003) アンソニー・ミンゲラ監督、アメリカ
「戦場のピアニスト」(2002) ロマン・ポランスキー監督、ポーランド、フランス
「裸足の1500マイル」(2002) フィリップ・ノイス監督、オーストラリア
「チキンラン」(2000) ニック・パーク監督、イギリス
「タイタニック」(1998) ジェイムズ・キャメロン監督、アメリカ
「フル・モンティ」(1997) ピーター・カッタネオ監督、イギリス
「ショーシャンクの空に」(1994) フランク・ダボラン監督、アメリカ
「シンドラーのリスト」(1993) スティーヴン・スピルバーグ監督、アメリカ
「天使にラブ・ソングを」(1992) エミール・アルドリーノ監督、アメリカ
「芙蓉鎮」(1987) シェ・チン監督、中国
「バウンティフルへの旅」(1985) ピーター・マスターソン監督、アメリカ
「エル・ノルテ 約束の地」(1983) グレゴリー・ナヴァ監督、アメリカ
「メル・ブルックスの大脱走」(1983) メル・ブルックス監督、アメリカ
「グロリア」(1980)ジョン・カサヴェテス監督、アメリカ
「アルカトラズからの脱出」(1979) ドン・シーゲル監督、アメリカ
「原子力潜水艦浮上せず」(1978) デヴィッド・グリーン監督、アメリカ
「ミッドナイト・エクスプレス」(1978) アラン・パーカー監督、アメリカ
「カッコーの巣の上で」(1975) ミロス・フォアマン監督、アメリカ
「タワーリング・インフェルノ」(1974) ジョン・ギラーミン監督、アメリカ
「激突!」(1972) スティーヴン・スピルバーグ監督、アメリカ
「ポセイドン・アドベンチャー」(1972) ロナルド・ニーム監督、アメリカ
「パピヨン」(1973) フランクリン・J・シャフナー監督、フランス
「さらば友よ」(1968) ジャン・エルマン監督、フランス
「猿の惑星」(1968) フランクリン・J・シャフナー監督、アメリカ
「脱走山脈」(1968) マイケル・ウィナー監督、アメリカ
「暗くなるまで待って」(1967) テレンス・ヤング監督、アメリカ
「暴力脱獄」」(1967) スチュアート・ローゼンバーグ監督、アメリカ
「華氏451」(1966) フランソワ・トリュフォー監督、フランス
「サウンド・オブ・ミュージック」(1965) ロバート・ワイズ監督、アメリカ
「飛べ、フェニックス」(1965) ロバート・アルドリッチ監督、アメリカ
「砂の女」(1964) 勅使河原宏監督、日本
「大脱走」(1963) ジョン・スタージェス監督、アメリカ
「捕らえられた伍長」(1962) ジャン・ルノワール監督、フランス
「穴」(1960) ジャック・ベッケル監督、フランス
「ゼロ地帯」(1960) ジロ・ポンテコルヴォ監督、イタリア
「謎の要人悠々逃亡!」(1960) ケン・アナキン監督、イギリス
「手錠のままの脱獄」(1958) スタンリー・クレイマー監督、アメリカ
「抵抗」(1956) ロベール・ブレッソン監督、フランス
「地下水道」(1956) アンジェイ・ワイダ監督、ポーランド
「生きるべきか死ぬべきか」(1942) エルンスト・ルビッチ監督、アメリカ
「大いなる幻影」(1937) ジャン・ルノワール監督、フランス
<こちらも要チェック>
「アルゴ」(2012) ベン・アフレック監督、アメリカ
「THE LAST MESSAGE 海猿」(2010) 羽住英一郎監督、日本
「宇宙戦争」(2005) スティーヴン・スピルバーグ監督、アメリカ
「CUBE」(1997) ヴィンチェンゾ・ナタリ監督、カナダ
「ザ・ロック」(1996) マイケル・ベイ監督、アメリカ
「アビス」(1989) ジェームズ・キャメロン監督、アメリカ
「新リバイアサン/リフト」」(1989) J・P・サイモン監督、スペイン
「勝利への脱出」(1980) ジョン・ヒューストン監督、アメリカ
犯罪がらみで脱走劇をリストアップしてみたら脱出劇も含まざるを得なくなってしまった。さらには、文字通りの脱走・脱出だけではなく、ある状況からの脱却という比喩的なものまで含むことになってしまった。したがってかなりの数になってしまったが、比喩的な意味での脱走劇・脱出劇は丹念に探せばまだまだいくらでも増えるだろう。
リストアップされた作品を見ると、活劇ばかりではなく映画史上の名作がかなり入っている。抑圧からの解放というテーマは緊迫した人間的ドラマを生み出す。そのうち脱出劇は名前を変えて独立したジャンルを作ることになるかもしれない。