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2008年3月 3日 (月)

不思議の町祢津

 今日は前回に引き続いて祢津(ねつ)探索に行くことにした。国道18号線から浅間サンラインに出て小諸方面に向う。新屋の信号で左折する予定だった。ところがその信号を見落としてしまった。あれ、こんな先だったかなと思い引き返そうかと思ったとき新家の信号が見えてきた。やれやれここだったかと安心して左折した。本来はここで気づくべきだった。実はサンラインには「新屋」と「新家」というよく似た名前の信号があったのだ。もう何十回となく走っているのに今まで気づかなかったなんて!

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 しかし、何が幸いするか分からないものだ。この勘違いが意外な発見に導いてくれた。山道を登りながらやはりここは違うと気づいて途中から引き返してきたのだが、そのときに信じられないものを見た。「あれ、今確かに人がいたよな。」いるはずのないところに人が見えたのだ。しかも、かがんでいるあの姿勢はひょっとして?あわてて道端の通行の邪魔にならないところに車を停めて、デジカメを持って飛び出した。坂道を少し戻ると左手にため池がある。帰宅後地図で確認したところ、どうやら天池という名前らしい。

 池は何と完全に凍結していた。氷の上に雪が積もって全体が真っ白に見える。その池の氷の上で人が釣りをしていた。この時期になるとよくテレビで見かける風景ではある。氷上のあちこちに小さなテントを設営して、氷に穴を開けて魚を釣る。ワカサギ釣りだ。それと同じ光景をこんなところで見かけようとは。釣っているのはワカサギだろうか?わざわざ放流したのか?いずれにせよ、こんな光景は初めて見た。そもそもいくら寒いといっても塩田辺りのため池では人が上に乗れるほど厚くは氷が張らないだろう。上田の標高は400メートルだが、この辺は500メートル以上あるかもしれない。

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 いやはや、怪我の功名とでも言おうか。道を間違えたおかげで面白い写真が撮れた。ほくほくしながら車に戻り、また道を引き返す。今度は間違いなく「新屋」で曲がった。坂を上ってゆくと左側に大きな案内地図があった。クマイチさんが言っていたのはこれだったか。看板の下を曲がって祢津公民館の駐車場に車を停めた。前回来たときにこの公民館の写真を撮っていたが、裏側から入ってきたので入り口にあるこの大看板には気づかなかった。それにしてもこの狭い地域に公民館が3つもあるなんて。やっぱり祢津は只者ではない。

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 さっそく地図に従って八間石を見に行く。根津小学校の近くにあるようだ。八間石とは長さがおよそ八間(15m)ある巨岩。昔所沢川で土石流が発生した時その勢いて500m下まで押し流されてきたのである。小学校を過ぎてさらに少し歩くと右側にそれらしき岩が見えてくる。所沢川に掛かる塩沢橋のところで右に入ると川のすぐそばに八間石があった。世界一の一枚岩、オーストラリアの「へそ」エアーズ・ロックに比べれば桁違いに小さいが、こんなものが上流から押し流されてきたのかと驚くには充分な大きさである。

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 また看板のところに引き返す。途中「巫女の墓」があるはずだが、見つからなかった。石碑は一つあったがどうも違うようだ。ところが後でよくその写真を見たら、その背景に大きな石碑がもう一つ写っていた。あるいはこれがそうだったのかもしれない。

 次に長命寺に行った。看板からまっすぐ坂を登った突き当たりだ。お寺の前に青と緑の中間のような色の帽子を被ったお地蔵さんがあった。よく見かける赤い帽子もかわいいがこの色もなかなかいい。お寺の横に六地蔵が並んで立っていた。これがまた何ともかわいい。こちらは黄色やら緑やらカラフルな帽子を被っていなさる。横にその由来が書いてあって分かりやすい。門の中には入らずに、横手を回って寺の裏手に出た。散歩道がついており、お姫尊と巨石があるらしい。道は左に続いているのでそのままゆけば西町の歌舞伎舞台(前回東町の歌舞伎舞台を撮ったので、今回はこちらを撮るのが主たる目的)の方に行くだろうと見当を付けて、散歩道に踏み込んだ。

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 最初はのぼりできつい。息が切れるころに天辺に出る。そこからは緩やかな下り。下り切ってやっと舗装道路に出たが、お姫尊と巨石がどこにあるのかわからなかった。途中から何も案内板がない。通り過ぎてしまったのか、この先にあるのか。舗装道路との合流点に「水神宮」と書かれた鳥居があるが、これもそれらしきお宮は見当たらない。舗装道路をさらに登ったところにあるのかも知れないが、そこまで行ってみる気はないので道を下った。

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 道々両側を見ながら歩いているといろんなものが見つかる。石を組んで作った窯の様なものがあった。炭焼き窯だろうか。上から煙が出ている。次に「宮ノ入のカヤ」と書かれた看板が目に入る。カヤ葺き屋根のカヤだが、不思議なことにそれらしき木が見当たらない。高さ35mもある「わが国でも有数の巨樹」と書いてあるが、看板の近くにあるのはせいぜい2m程度の木だけ。切ってしまって看板だけ残っているのか?それにしては切り株も見当たらない。う~ん、まさに不思議の町。誰も歩いていないので尋ねてみる事もできない。

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 その看板のすぐ下に実は「祢津氏居館跡」があったのだが、これも見落とした。もう少し坂を下ると歌舞伎舞台が見えてきた。読み通り、長命寺裏の散歩道は祢津建事神社の上に出るようになっていたわけだ。西町の歌舞伎舞台は東町のそれと形も大きさもほぼ同じだった。こちらも雨戸が閉まっているので中は見えない。脇の説明書きによると歌舞伎はごく近年まで村の人たちによって演じられたとある。例祭や秋の豊年祝など村人たちの生活と密着していたというのはすごい。豊かな町だったに違いない。実際、町中を歩き回ってみると、どっしりとした大きな岩などを配した立派な日本庭園を持った家が多い。

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 歌舞伎舞台と祢津建事神社の写真をふんだんに撮ってまた先へ行く。しかし面白い町だ。家がまばらなところは本当に田舎の風景だし、路地などはどこか懐かしさすら漂っている。古い建物や時には廃屋と思われる建物が随分たくさん残っているのだが、感じるのは貧しさではなく豊かさである。小さな祠や道祖神などが町のいたるところにある。板塀の前、庭の一角、面白いのは家の土台の石組みの中に組み込まれていた夫婦道祖神。こんなものは初めて見た。元々そうなっていたのか、家を建て替えるときに近くにあったものを石垣にはめ込んだのか。いずれにせよ、文字通り生活の中に歴史が違和感なく溶け込んでいる。その自然な佇まいが素晴らしい。

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 もう一つ、真田東部線沿いを歩いていたとき不思議なものを発見した。四角い土台の上に半球体が乗っている。球体の一部は縦に切れ込みが入っている。見たところ天文台だ。誰か天体観測が好きな人が、趣味が高じて自分で天文台を作ってしまったのか?

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 いや、参りました。本当に不思議がいっぱい。不思議の町祢津、またいつか来てみよう。東京の「谷根千」に感動した人はぜひこちらの祢津にも来てみるべきですね。

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<付記>
 別館ブログ「ゴブリンのつれづれ写真日記」を作ってから、写真日記や旅行記は基本的にそちらに載せるようにしています。しかし今回は広く「祢津」を知ってほしいと思ったのでこちらのブログにも載せることにしました。
 別館ブログの方には今回の記事と対になる「祢津の山に異界を見る」という記事も載っています。どうかあわせてお読みになってください。また東京の根津を訪れた時の写真日記「谷根千そぞろ歩き」、「谷根千そぞろ歩き その2」も載せてあります。

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