お気に入りブログ

  • 真紅のthinkingdays
    広範な映画をご覧になっていて、レビューの内容も充実。たっぷり読み応えがあります。
  • 京の昼寝〜♪
    僕がレンタルで観る映画のほとんどを映画館で先回りしてご覧になっています。うらやましい。映画以外の記事も充実。
  • ★☆カゴメのシネマ洞☆★
    細かいところまで目が行き届いた、とても読み応えのあるブログです。勉強になります。
  • 裏の窓から眺めてみれば
    本人は単なる感想と謙遜していますが、長文の読み応えのあるブログです。
  • なんか飲みたい
    とてもいい映画を採り上げています。短い文章できっちりとしたレビュー。なかなかまねできません。
  • ぶらぶらある記
    写真がとても素敵です。

お気に入りブログ 2

お気に入りホームページ

ゴブリンのHPと別館ブログ

無料ブログはココログ

« ゴブリンのこれがおすすめ 36 | トップページ | 「ドリームガールズ」を観てきました »

2007年4月15日 (日)

「王と鳥」をDVDで観ました

  このところ猛烈に忙しかった。「ローズ・イン・タイドランド」と「それでもボクはやってない」Sdcutmo313_1 のレビューも遅れに遅れている。家に帰ってくるとどっと疲れが出て、ものを考える気力が湧かない。映画を観ることすら億劫だった。昨日の土曜日にようやく一段楽したが、体に疲れが澱のようにたまっていてなかなか抜けない。レンタルしていた「王と鳥」(「やぶにらみの暴君」の改作)の返却期限が昨日だったので夕方無理して観たが、途中で何度も眠り込んでしまい、その度に少し巻き戻して(DVDでもそう言うのか?)観直す始末。もちろん映画が退屈だったわけではない。疲れのせいである。

  「やぶにらみの暴君」は1952年製作。日本公開は1955年。その後長い間「幻の名作」化していた。この作品の名前は恐らくまだ田舎にいた高校生の頃に知ったのだと思うが、ようやく念願かなって初めて観たのは84年の3月13日。高田馬場のACTで「禁じられた遊び」、「恐怖の報酬」、「やぶにらみの暴君」の三本立てで観た。東京に出てきて11年目である。「王と鳥」は、ポール・グリモーの気に染まないまま公開された「やぶにらみの暴君」の権利とネガフィルムを彼が取り戻して作った改訂版である。「やぶにらみの暴君」を観てから23年。あの独特の人物・キャラクター造形、未来都市のような王宮とロボットに代表される機械仕掛け、端々にまで行き渡る風刺精神は今観ても新鮮で色あせていなかった。正直、宮崎アニメやピクサーなどのCGアニメに慣れた目で観ても耐えられるのか多少不安はあった。しかしまったくの杞憂だった。

  ストーリーなどはほとんど忘れていたので「やぶにらみの暴君」との細かい違いなどは分からないが、ライオンなどの猛獣のエピソードは全く記憶になかった。しかしそこにあったのは間違いなく十九世紀のパリを辛辣に風刺したドーミエなどから続くフランスの風刺の伝統である。後のカリカチュアやパロディ満載の「ベルヴィル・ランデブー」(2002)にも連なる伝統。アメリカのディズニー、日本のスタジオ・ジブリやテレビアニメ、イギリスのアードマン、イジー・トルンカを生んだチェコの人形アニメ、ユーリ・ノルシュテインやイワン・イワノフ・ワノーを生んだソ連アニメなどに比べるとフランスのアニメ作品は印象が薄い。それでも、最近で言えばシルヴァン・ショメ監督の「ベルヴィル・ランデブー」やミッシェル・オスロ監督の「キリクと魔女」や「プリンス&プリンセス」などがある。探せばまだまだ宝が眠っているかもしれない。

  「それでもボクはやってない」と「王と鳥」は遅れてもレビューを書きます。「ローズ・イン・タイドランド」は?微妙だな。観てからもう1週間以上たっているからねえ。

「王と鳥」★★★★☆
 1980年 ポール・グリモー監督 フランス

« ゴブリンのこれがおすすめ 36 | トップページ | 「ドリームガールズ」を観てきました »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「王と鳥」をDVDで観ました:

» 『王と鳥』 [たーくん'sシネマカフェ]
以前の日記「ゲド戦記より」の題で「王と鳥」を紹介しましたがこの週末に渋谷シネマアンジェリカまで観に行ってきました。(場所は東急があるほうのマークシティを通り坂を上がってナチュラルローソンが見えたらそぐその先にあります)観始めたときに感じたのは、26年前の...... [続きを読む]

» 『王と鳥』 [たーくん'sシネマカフェ]
以前の日記「ゲド戦記より」の題で「王と鳥」を紹介しましたがこの週末に渋谷シネマアンジェリカまで観に行ってきました。(場所は東急があるほうのマークシティを通り坂を上がってナチュラルローソンが見えたらそぐその先にあります)観始めたときに感じたのは、26年前の...... [続きを読む]

» 『硫黄島からの手紙』 [たーくん'sシネマカフェ]
予告通り,元旦から映画の日ということで映画館へ。気になっていた「硫黄島からの手紙」鑑賞。-Story-太平洋戦争の末期、硫黄島では日米の戦闘が開始されようとしていた。その頃、新しい指揮官、栗林忠道が降り立った。戦死が名誉とされていた中、彼は兵士達に生きて国に...... [続きを読む]

» 鳥と蛇 [Akira's VOICE]
「スネークフライト」 「王と鳥」 [続きを読む]

« ゴブリンのこれがおすすめ 36 | トップページ | 「ドリームガールズ」を観てきました »