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2007年2月11日 (日)

グエムル 漢江の怪物

2006年 韓国 2006年9月公開
評価:★★★★☆
監督&オリジナルストーリー:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、ハ・ジョンウォン
撮影:キム・ヒョング
音楽:イ・ビョンウ
出演:ソン・ガンホ、パク・ヘイル、ペ・ドゥナ、コ・アソン、ピョン・ヒボン
   イ・ジェウン、イ・ドンホ

 全体にどこかB級映画を思わせる作りだが、滅法面白かった。「ボディ・スナッチャー」、Steal2_1 「遊星よりの物体X」、「エイリアン」シリーズ、「トレマーズ」、「GODZILLA」、「レリック」、「ミミック」、「グリード」、「パラサイト」など、この手の映画は結構観ている。他にも観ているはずだが、ほとんどがB級映画なのでよく覚えていない。いずれにせよ、「グエムル 漢江の怪物」は日本の怪獣映画などのありきたりの怪物物に比べると相当ユニークだ。そのユニークさをまずしっかり捉えておくことがこの映画を理解する上で重要である。「宇宙戦争」や「エイリアン」シリーズほど豪華ではないが、日本の怪獣映画ほどチープでもちんけでもない。良くできたB級映画という作りだ。言ってみれば韓国版「トレマーズ」である。しかし「宇宙戦争」も「エイリアン」も「トレマーズ」もどちらかというと宇宙人や怪物から反撃しつつ逃げ回る映画だが、「グエムル 漢江の怪物」はむしろ奪われた家族の一員を取り戻すために、ばらばらだった家族が力を合わせて怪物に立ち向かう映画である。家族愛が強調されているところがいかにも韓国映画らしい。

  怪物は日本の「ゴジラ」やアメリカ版「GODZILLA」のような近代兵器も通じないほど強力ではない。「エイリアン」シリーズのように数が多くもない。言ってみれば「ロスト・ワールド」の恐竜の1匹が現代韓国社会に出現したようなもの。銃程度では大した効果はないが、ミサイルを浴びればひとたまりもない。つまり、大した武器を持たない(「トレマーズ」のようなダイナマイトすらない、せいぜい銃や弓や火炎瓶程度である)普通の家族が力を合わせれば倒せる程度の怪物である。あくまで「家族」が強調されているのである。だから恐ろしい怪物ではあるが、「ゴジラ」や「GODZILLA」ほど大きくはなく、せいぜい象くらいの大きさの(ただし動きは素早く獰猛な)怪物が必用だったのである。

  そう考えてくれば、怪物をウィルスの発生源として誤って認識するという無理な設定がなぜ必要だったかも分かる。軍が本格的に介入したら怪物などひとたまりもないからなのだ。警察は怪物の捕獲ではなくウィルスに感染した人々の隔離に追われる。軍が介入するほど強大な脅威ではないという設定。主人公たちにとっては軍や警察の協力すら得られないどころか、むしろウィルスの感染者として隔離され、家族の救出に向うことさえ妨害されるという設定にしたかったのだ。こうして、まるで「真昼の決闘」のように誰の協力も得られず、彼らは自分たち家族だけで怪物に立ち向かうのである。

 こういう設定なので、この映画には颯爽としたヒーローは登場しない。アメリカ大統領が先頭を切って大活躍する「インデペンデンス・デイ」タイプではなく、有名俳優は早々に殺され大統領ならぬ無名の人たちが活躍する「マーズ・アタック」のような、あるいは無名の人々が力を合わせて怪物を倒す「トレマーズ」のようなタイプの映画。そして無名の家族を支えていたのは「家族愛」という設定。

 これにアメリカ批判がトッピングされている(もちろんピリ辛味)。怪物は漢江上流の米軍基地から劇薬ホルムアルデヒドが大量に不法投棄されたことにより誕生したのである。しHuymgm03_1 かもアメリカ批判は政治面だけではなく文化面にも向けられている。長年同じようなものを作り続けてくるとどんどんエスカレートしてゆかざるを得ない。怪獣が強大化して現実味が薄くなったアメリカ映画の怪物やかっこよすぎるヒーロー像、あるいは日本のチープな怪獣映画に対する批判が込められている。外国映画の焼き直し、シリーズ物の続編ばかり作っているアメリカ映画界の「お手軽病」は、一方で強い奴を組み合わせればすごい映画になるだろうという安易な方向にも向かう。「フレディVSジェイソン」がその典型。吸血鬼とフランケンシュタインをくっつけてしまおうという「ヴァン・ヘルシング」もそう。ヒーロー側も「リーグ・オブ・レジェンド」で大結集だ。かくして話は「ドラゴン・ボール」のように荒唐無稽になって行く。そのうち「ス-パーマン・バットマン・スパイダーマン・ロボコップvsプレデター・ターミネーター・エイリアン・GODZILLA+助っ人怪獣ゴジラ・キングコング(どっちの側についたかは観てのお楽しみ)」が出来るかも。日本ではとっくに大怪獣結集映画を作っている。

  超人的なヒーローが登場しない代わりに、逆にだらしない人間を中心に据える。金髪で店番をしても居眠りばかりしている主人公のカンドゥ。名優ソン・ガンホがここでもいい味を出している。それでも彼らが活躍できるのは、原動力として「家族愛」があるから。いわば等身大のヒーローたち。スーパーマンにとってはなんでもないことでも、現実の人間には乗り越えられない壁になる。鉄格子があればそれを通り抜けられない。高い塀を乗り越えられない。酒を飲みに行きたくても目を光らせている奥さんを突破できない。韓国のダメ親父カンドゥはウィルス感染者として隔離された施設のビニール・カーテンすら簡単には抜け出せない。目に見えない社会の縛りがあるからだ。大怪獣など登場させなくても社会の抑圧機構を描くだけで充分ドラマになる。戒厳令を敷き、伝染病ウィルスの拡散を防ぐことに力を注ぐ軍や警察は主人公たちの助けではなくむしろ障害になる。軍隊は戦時も平和時も国民に対する抑圧機関である。ある意味、カンドゥをベッドに縛りつけ、あまつさえウィルスを取り出すために頭部の手術すら強制する政府の役人たちはカンドゥたちにとって怪物と同じであるとさえ思える。主人公たちに協力する味方は浮浪者などの社会から疎外された個人である。

  「グエムル 漢江の怪物」は主人公たちが大活躍するというよりは、なかなか家族の救出に向えないもどかしさを描いている。しかも家族が一丸になって怪物に立ち向かうのではなく、途中でバラバラになり、1人ずつ立ち向かわざるを得ないため簡単に怪物によって跳ね除けられてしまう(力を合わせても容易ではないのだが)。設定は無理やりだが展開は(等身大の主人公たちの闘いという意味で)結構リアルである。こうして所詮B級か子ども向けだった怪獣映画を一級品に仕立て上げたポン・ジュノ監督の力量は賞賛してよい。 言うまでもなく、上に述べた設定は意識的なものである。ポン・ジュノ監督がインタビューに答えて語った次の言葉はこの映画を鑑賞する上で重要なヒントを与えてくれる。 

 最も情けない家族にしようと思いました。グエムルと一番戦えそうにない、戦うという行為が似合わない駄目な家族にしようと。それこそがこの映画のドラマの核心部分だと思いました。普通、怪獣映画だと、軍人や天才科学者などのスーパーヒーローが出てくると思うのですが、この映画はそうではありません。そんな風に色々と家族構成を考えていたら、2世代に渡って母親が不在ということに気がつきました。ヒョン・ヒボンにも、ソン・ガンホにも妻がいません。なぜ母親を登場させなかったのかというと、私の考えでは、母親は賢く現実的で、家庭の中でとても強靱な存在なんです。だから母親がいると、駄目なはずの家族が、情けない家族に見えなくなると思ったのです。パク一家が駄目な家族に見えるからこそ、この映画ではその設定が生きると思ったのです。ですが、あれほどまでに情けないパク一家が、命を賭けて助けようとしたヒョンソに、実は母親的な要素があったのです。劇中でグエムルによって閉じこめられていたときに、ヒョンソは自分より小さな男の子を守ろうと必死でした。 eiga.com

 ダメ親父としっかり者の女房というよくある組み合わせをあらかじめ解体してあるという指摘が面白い。母親は最初から不在であり、その可能性を持ったヒョンソも最後には死んでしまう。徹底してアメリカ映画の定番パターンを崩してゆく。そういう意図に基づいて作られた映画である。怪物自体もユニークである。見るからに恐ろしげではなく、元はなんだか分からない中途半端な姿がかえっていい。ホラー映画並みにやたらと観客を脅かす描写は極力少なくし、彼女を救おうとする家族の奮闘に多くを割いている。怪物は特別巨大ではないので街のどこかに隠れ潜んでいる。どこか分からないが近くにいて神出鬼没だからこそ恐ろしい。「キングコング」のように怪物自体に共感することもない。何の感情も持たせていない。しかし智恵はあるらしい。

  大きな排水溝の中に閉じ込められたヒョンソ(コ・アソン)はもう一人生き残った男の子と一緒に小さな横穴に隠れている。彼女たちの存在に気づいた怪物は無理やり捉えようとするのではなく陽動作戦を取った。脱出用(だということまで怪物は認識しているようだ)のヒモの下で眠っていると見せかけて彼女をおびき出すのだ。ヒモに手をかけた途端、ヒョンソの動きが止まる。キャメラの視線が下がると彼女の体に怪物の尻尾が巻きついていた。どこかで似たシーンを見た気がするが、ともかくぞっとするシーンだ。こういった演出がなかなかうまい。

  監督はかなりこの手の映画を観ているのだろう。穴に隠れるヒョンソたちを怪獣が追い詰め、穴を覗くシーンはまさに「エイリアン」。怪物が初めて登場するシーンはそれこそ「ジョーズ」だ。漢江は有名な観光スポットで、休日には家族連れやカップルがたくさん集まる。そののんびりした楽しい風景に怪物が不穏な影を落とす。橋の下から尻尾でぶら下がっている光景が何とも不気味。やがて怪物は川に飛び込み、黒い影を水面に映して泳ぎ始める。あのゾクゾクする「ジョーズ」のメロディーが聞こえてきそうだ。観光客たちは最初面白がって見ていたが、やがて怪物は岸に上陸し人々を襲い始める。のどかだった漢江の岸辺は一転して阿鼻叫喚の巷と化す。カンドゥは娘のヒョンソの手をとって逃げようとするが、気が付いたら他人の手を引いていた。怪物はあっという間に長い尻尾でヒョンソを捕まえて川に飛び込み、向こう岸に消えて行く。導入部分として実に秀逸だった。

  ソン・ガンホが主人公なのでしっかり笑いの要素も盛り込まれている。その笑いも滑稽さだけではない。そこは「ほえる犬は噛まない」のポン・ジュノ監督、風刺の効いたシニカルなPearl_k02_1 笑いも含まれている。それでいてスペクタクルも楽しめる。盛りだくさんな映画なのだ。ただし、その分中途半端という指摘もあるだろう。いささか無理な設定が多すぎるのは確か。特に韓国政府とアメリカのあたふたとした、しかも見当違いな対応には何度も突っ込みを入れたくなる。しかし、ありもしないウィルス騒動に振り回される韓国政府に、追い討ちをかけるようにアメリカが茶々を入れてさらに事態を混乱させているという構図には監督の批判精神がきっちり盛り込まれている。あえて戯画化という方法をとっているのである。結果的にはナンセンスの方向に流れてしまっているので必ずしも効果的ではないが、家族愛ばかりが前面に出て甘くなるのを防いではいる。そんな馬鹿げたものに人々は翻弄されるのである。

 最後にその家族というテーマを詳しく見てみよう。カンドゥはだらしない男である。店番をさせれば居眠りをする。その上あろうことか客に出すイカの足を1本食べてしまう。父親であるヒボン(ピョン・ヒボン)にいつも叱られてばかりいる。そんな彼だが娘のヒョンソは人一倍可愛がっている。彼には下に妹と弟がいる。弟のナミル(パク・ヘイル)は大卒だがまともな職についていない感じだ。学生の頃には学生運動に参加していたようである。妹のナムジュ(ペ・ドゥナ)はアーチェリーの選手。大会に出場するほどの選手だが肝心なところで力が発揮できない。

 この家族が集まるのはヒョンソを含む犠牲者の合同葬儀の時。しかし家族の結束は簡単に生まれない。ヒョンソがさらわれたのは「お前が手を離したからだ」と弟のナミルがカンドゥを怒鳴りつけている。むしろ家族はばらばらだった。その上に、葬儀の最中に黄色い防護服を着た人が現れ、現場にいた人たち全員を強制的に隔離してしまう。カンドゥの携帯電話に「お父さん、助けて。私は今、大きな排水溝の中・・・」とヒョンソが電話をかけてきたのはその夜である。ヒョンソは生きている!そこで初めて家族が結束する。しかしヒョンソ救出どころか彼らは隔離施設を抜け出すことさえ出来ない。戦いは人間との戦いから始まる。

 娘は生きていると訴えても警察は耳を貸さず、ウィルスで頭がいかれていると相手にしない。賄賂を使って何とか抜け出すが、間抜けなカンドゥが銃弾の数を間違えたために怪物に立ち向かったヒボンが殺されてしまう。カンドゥは再び警察に捕まってしまい、ナミルとナムジュも逃げる際にバラバラになってしまう。怪物と戦っているのか国家と戦っているのか分からないという描き方になっている。

 そこから3人それぞれの孤独な戦いが始まる。しかしバラバラになりながらも家族の絆は途切れなかった。そういう描き方がいい。警察に追われ力尽きたナミルは携帯でナムジュにヒョンソの居場所を知らせる。ナムジュは妹救出に向かいアーチェリーを武器に怪物に立ち向かうが、怪物に弾き飛ばされ排水溝に落ちてしまう。ヒョンソのいる排水溝に近いが別の排水溝だ。排水溝は社会の底辺を象徴しているのだろう。社会の掃き溜め。パク一家のヒョンソ救出劇はまさに掃き溜めの中の戦いだった。

 高い金を取られて役に立たない地図を買わされたり、先輩に裏切られたり、彼らは途中散々な目に合う。3人がそろって力を合わせるのは最後の最後までお預けである。最後にやっとカンドゥとナミルとナムジュが結集して怪物を倒す。家族の力を合わせることで初めて敵を倒せるといういかにも韓国らしい作り。しかし皮肉なことに怪物の動きを鈍くさせたのはアメリカ軍がいい機会とばかりに実験的にまいたイエロー・エージェントと名付けられた対細菌兵器用の薬品だった(人間には無害だが怪物には有害というのは「宇宙戦争」のアルージョンだろう)。怪物は焼き殺されるが、怪物に油をかけたのは彼らに協力してくれた別の男だった。ナミルはあせって火炎瓶を取り落とし、かろうじてナムジュがその火を借りて怪物に火矢を放つ。猛火に包まれもだえる怪物にやっとカンドゥが鉄の棒で止めを刺す。家族の力の結束を強調しながらも、最後まで彼らを英雄にしていない。そんな描き方もいい。

 怪物は倒せたが、怪物に飲み込まれていたヒョンソは既に息絶えていた。ただヒョンソが抱きかかえるようにしていた男の子は助かった。監督が言うように彼女は確かに「母親」的要素を持っていたのである。その子は新しい家族になった。

 見事なアンチ・ヒーロー映画である。家族愛も「宇宙戦争」のいかにもとってつけたようなものではない。しっかりと作品の底を支えていた。しかも「Mr.インクレディブル」のような超人的な力は発揮しない。家族愛は人間を超えた力を発揮させるものではなく、最後までヒョンソの生存を信じさせ、助け出すまで諦めない気持ちを生み出したのである。人間も愛も最後まで「等身大」だった。

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コメント

ななさん
 いつもコメントありがとうございます。すっかりご無沙汰していて申し訳ありません。

 この映画はずいぶん評価が分かれた映画ですが、ななさんもお気に入りだったのですね。怪獣映画から連想されるものをすべてひっくり返したアンチ・ヒーロー映画なので、戸惑った人も多いのだろうと思います。

 カンドゥ一家をとことん等身大で描いたことに共感できればこの映画の価値が理解できるでしょう。この映画は風刺映画であると同時に、「リトル・ミス・サンシャイン」のような味わいを持った家族映画なのだと思います。

お久しぶりです,ゴブリンさん
古い記事におじゃまします。
これは私の中では大ヒットの作品で
何度もDVDを見直しては楽しんでいます。

日本では・・・やはり受けないでしょうね。
カンドゥ一家があまりにも情けなく見えたことや
ヒョンソちゃんが助からなかったことなど
日本人なら本気で怒ってしまいそう。
ゴブリンさんの詳細な感想を拝読して
監督が意図的にアンチ・ヒーローものにしたことが
よく理解できました。
ますますこの作品が好きになりました。

カヌさん TB&コメントありがとうございます。TBを3つも送っていただき感謝します。
僕もその3人は大好きです。その3人が揃っただけでうれしいですね。ダメ家族が力を寄せ合って怪物を倒す、絵に書いたよう話ですがそれが心地よい。「トンマッコルへようこそ」はまだ観ていないのですが、去年も韓国映画は大活躍でした。今年もどんな映画に出会えるか楽しみです。

こんばんは。
ポン・ジュノ監督をはじめ、ソン・ガンホ、ペ・デゥナと
大好きな俳優が出演していたので、贔屓目で観てる分は
差し引いても、ダメ家族の物語は面白かったです。
それぞれの個性が出ていて、魅力的でした。

トランスアメリカの間違いトラバは消させてもらいました。

soratukiさん TB&コメントありがとうございます。
コメントを読んで自分の記事を読み直して見ましたがかなりの数の作品名を挙げていたのですね。色々関連の作品と比較しながら当該の作品の特徴をはっきりさせてゆくのが僕のいつものやり方なのです。
soratukiさんが取り上げている映画の数はものすごいですね。こちらからも時々お邪魔させてください。

ゴブリンさま、おじゃまします♪この度はトラバありがとうございました(^-^)/
詳細な記事、拝読しました。
私も見たことがある映画が出てきて、「なるほど~・・・」と
納得しきりっです。
こちらからもTRBさせていただきます♪

OBWさん コメントありがとうございます。
お褒めにあずかって恐縮です。
WETAのことはあちこちのブログで書かれているので省きました。「パトレイバー」との類似の件もあちこちで話題になっていますが、本質とは関係ないと思ったので無視。
原画は見ていません。楳図かずおタッチですか。映画を観ればなるほどと思いますね。まあ、知っているかどうかは本人に聞くしかないでしょう。

『グエムル』に関して読んだ映画評のなかで、一番優れていて的確な評だと思いました。素晴らしい。パチパチパチ…(某「評論家」はwetaを「アメリカ」のスタジオと抜かして、そのうえで思い切り見当はずれな監督批判をしていました:汗)。

ポン・ジュノの映画はいろいろな部分の「最後の解釈」を「観客に委ねる」から好きです。

映画のラストシーンもシナリオをみるとしっかり台詞が入っているのに、完成作(映画)では無言のままで終わらせている。そういった判断を的確にできるから映画に「奥行き」というか「深み」が生まれるんでしょうね。

「怪物」、原画をみるとなんだか楳図かずおの漫画に出てきそうなご面相でしたね。ポン・ジュノは「浦沢直樹が好き」ってどこかのインタヴューでいっていたけれど、楳図は知らないのだろうか。

フェイユイさん、真紅さん、kimion20002000さん
TB&コメントありがとうございます。

<フェイユイさん>
リンクありがとうございます。フェイユイさんの「藍空放浪記」はデザインがシックで素敵です。とても落ち着いた感じで、じっくり読みたくなります。こちらからもリンクさせてください。
この映画は結構評価が分かれていますが、フェイユイさんは僕と同じ好意派ですね。カンドゥの父親が死ぬ間際に手を振る場面など、僕は書き落としていました。あれは印象に残る場面でしたね。
これからもよろしくお願いいたします。

<真紅さん>
相性が悪かったのですね、残念です。僕は「ほえる犬」も「殺人の追憶」も全部好きです。この映画は力を抜いて観るといいと思うのですが、ダメですかねえ。「ほえる犬」も合わないとは意外でした。でも力のある監督ですから、次は評価が合うといいですね。

<kimion20002000さん>
う~ん、kimionさんも「乗れなかった」派ですか。個人の好みやそれぞれの評価基準がありますから仕方ないですね。
日本でヒットしなかったのはタイトルのせいもあるでしょうが、歴史的事情も絡んでいそうですね。韓国は日本とは比べ物にならないほど暗い歴史を最近まで経験してきた国です。恐らくそういった歴史的な事情を読み取らないと、この映画に込められた暗喩は理解できないのかもしれません。日本はアメリカ文化にどっぷりと浸かっている国ですから。
「大統領の理髪師」に続いて「夏物語」というパク大統領時代の恐怖政治を描いた映画が公開されています。こういった作品が日本で広く受け入れられ、ヒットすることを願わずに入られません。

ゴブリンさん、TBありがとうございます。そしていつもながら詳しくて深いレビューに感銘を受けました。
特に監督のインタビューとそれに関しての考察は自分の記事の間違いに気づかせていただきうれしい限りです。
是非この記事を紹介させていただくとともに自分の記事の誤りも書き改めたいと思います。

リンクさせていただいてよろしいでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

ゴブリンさま、こんにちは。TBさせていただきました。
私もkimionさまと同じく「乗れなかった」派なのですが、この映画物凄く世論の評価が高いですね。
体調が悪かったのかな、自分(笑)。
しかし思い出してみれば、『ほえる犬は噛まない』はあまり好きではなかったので、この監督の「コメディ寄り」作品は苦手かもしれません。
『殺人の追憶』には相当、打ちのめされたほうなのですが・・。
でも、やっぱり次回作も観ると思います。ではでは、またお邪魔しに来ますね。

TBありがとう。
この作品は、評価が分かれてしまいましたねぇ(笑)
どうして、日本では、興行で惨敗したんでしょうか?
この怪物に暗喩させているものが、あまりに韓国の特殊事情からきているからかもしれませんね。
コブリンさんの詳細な解読は、とてもよく理解できました。
僕は、某朝日新聞の記事に馴染めず過剰に突き放してきたのか、慣れぬ試写会に行って、雰囲気に入り込めなかったのかもしれませんね(笑)

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