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2007年1月14日 (日)

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

2006年 アメリカ 2006年7月 G20
評価:★★★☆
監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
撮影:ダリウス・ウォルスキー
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム
    キーラ・ナイトレイ、 ビル・ナイ、ステラン・スカルスガルド
    ジャック・ダヴェンポート、 ケヴィン・マクナリー、ナオミ・ハリス
    ジョナサン・プライス、マッケンジー・クルック、トム・ホランダー
    リー・アレンバーグ、ジェフリー・ラッシュ

 このところアメリカ映画は他の国の映画の再映画化作品やシリーズ物の続編ばかり作っていてオリジナリティーがないと常々批判してきた。しかしシリーズ物がすべてダメだと言っているわけではない。「ロード・オブ・ザ・リング」は映画本来の魅力がぎっしりと詰まった優れたシリーズだし、マット・デイモンの「ボーン」シリーズもいい。エイリアン・シリーズも2作目までは傑作である。要するに、アイデアに詰まって安易に人気作の続編を作ろうというのではなく、1作目の水準を2作目以降も保てるのならシリーズ化も悪くない。

  ディズニーの「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズもかなり楽しめる。1作目の短評で「最初から実写として撮ったアニメ調映画」と書いたが、このシリーズの魅力はアニメを観る楽しみに通じる。ユニークなキャラクターの魅力、ハチャメチャだが波乱に富んだストーリー展開を堪能すればいい。ドリームワークスの「シュレック」やピクサーの「モンスターズ・インク」が好きな人は楽しめるだろう。1作目は目に隈取りをしてくねくねとアニメの登場人物のように体をくねらすジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)のキャラクターがとりわけ目立ったが、2作目では彼は主要登場人物の一人に後退している。代わって、ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)、エリザベス(キーラ・ナイトレイ)、さらには悪役のデイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)などが大きくフィーチャーされ、ジャックと肩を並べている。そうそう大ダコ、クラーケンも忘れちゃいけない。アニメ的キャラクターと展開に加えて、ホラー、海洋冒険譚、宝探しアドヴェンチャー、SFと、楽しめる要素をみんなぶち込んでしまえという気前のいい出血大サービス。恋愛だってあるんだから。そりゃ楽しめますわ。アニメ仕様なので最初からリアリティーは度外視、些細なことは「気にしっこなしよ」の世界。この種の能天気ムービーはアメリカにかなわない。長年積み重ねた経験でツボを押さえまくりだ。

 東インド会社が絡んでくるあたりはいかにもイギリスらしいが、全体としてはスピード感あふれるアメリカ製ジェットコースター・ムービー。そのせいかありきたりのスタイルに近づいている気がする。1作目にあったユニークさが薄れ、エンターテインメントの王道をまっしぐら。なんだか「スター・ウォーズ」やら「ハムナプトラ」やら「インディ・ジョーンズ」やら、どこかで観たようなシーンばかり。その分他の映画にないユニークさが薄れた感じがする。ただし、タコ頭のデイヴィ・ジョーンズが頭からたれる触手でピアノを弾くというシーンはなかなか秀逸だったが。いかんせん詰め込みすぎのきらいがある。たぶん、ユニークさが堕ちたのは、ジャック・スパロウがやや後ろに退いたせいなのかも知れない。彼の強烈な個性あってのシリーズなのである。棺桶に入って脱出、棺桶をつついていた鳥を銃で吹き飛ばして中から出てくるという登場場面はいかにも彼らしくて颯爽としているのだが、その後はなんか情けない。狩の獲物みたいに棒に吊るされて火であぶられそうになるあたりがその典型。このまま主役から転落して主役の一人に埋もれてしまうのか?でも、情けないジョニー・デップもまた好きです。2作目の終わり方を見ると3作目は同じ路線で突っ走りそうな気配。ありきたりの映画になってしまわなければいいが。1作目のようなジャックが戻ってきて欲しいものだ。

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コメント

TATSUYAさん TB&コメントありがとうございます。
このシリーズはほとんどの人がはまると思います。2作目が色々言われるのも1作目が素晴らしいからです。昔は海賊映画といえばまずB級映画と相場は決まっていました。しかしこのシリーズはエンターテインメントとして1級だと思います。魅力的なキャラクターにわくわくするようなストーリー展開。多少不満がないわけではありませんが、僕はたっぷり楽しみました。
第3作は「東インド会社」が大きく絡んでくる気配。いい意味で予想を裏切る、あっと驚く映画になっていて欲しいですね。
また時々お寄りください。

初めまして、達也です。

『パイレーツ・オブ・カリビアン』をやっと観ました。
色々厳しい評価も耳にしていましたが、
自分的には結構楽しめました。
人気ゲームのシリーズモノの様に、前作をみっちりプレイした
人には非常に面白く観れるようです。
作り手と観客の間に、ある種のパーレイ(取り引き)が
必要なのだと思います。
コブリンさんがおっしゃる様に、「東インド会社」の登場も
ある意味この物語を象徴しています。
組織として世界を地図に塗り込めようとする者達と、
限りなく自由を愛する海賊達とのせめぎ合いを
感じさせてくれます。

3ではキースがジャックの父親役で出るようですし、
また海賊達に捕まってしまいそうです。

真紅さん TB&コメントありがとうございました。
確かにビル・ナイとステラン・スカルスガルドのメイクはすごかったですね。ビル・ナイにいたってはぬいぐるみを着ているようなものですから、僕も後でキャストを調べて初めて分かりましたよ。別に彼でなくても、誰でもよかったんじゃないかという気さえします(笑)。
1作目よりハチャメチャ度が増した感じですが、充分楽しめました。3作目も観ようと思っています。

ゴブリンさま、こんにちは。TB送らせていただきました。
この映画、かなり中盤でダレてしまったと思うのですが、まぁお金のかけ方が半端じゃないだけに凄い作品ですよね。
「映画にできる凄いこと」を全て詰め込んだような・・。
しかしビル・ナイとステラン・スカルスガルドのメイクが凄過ぎて、エンドロールを観るまで誰だかわかりませんでした(笑)。
次作も必ず劇場に足を運びたいと思っております。ではでは。

ほんやら堂さん こちらこそTB&コメントありがとうございます。
僕はこのシリーズの1作目がかなり気に入ってしまいました。でもシリーズ化されると聞いて、またかという思いがあり、2作目はあまり期待していなかったのです。でも観たら結構楽しめました。アメリカ映画はこの手の映画を作らせたら本当にうまいですね。
まあ確かに展開が速くて、観ていてよく分からないところがありました。3作目はもっとエスカレートする不安はありますね。
「リバティーン」はまだ観ていません。彼の出演作は平均して出来がいいのでこれも期待できそうですね。

ゴブリンさん,TB&コメント有り難うございました.
この映画嫌いではありませんよ.
でも記憶力減退気味の僕にとって,このロールプレイイングゲームばりのシリーズ活劇は,エンタメとしてはちょっとしんどいのです.
個人的にはジョニー・デップは,昔で言えば「ギルバート・グレイプ」,最近では「ネバーランド」「リバティーン」あたりが好みです.

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