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2006年12月17日 (日)

2006年に公開された主な外国映画

「愛より強い旅」(トニー・ガトリフ監督、フランス)
「愛より強く」(ファティ・アキン監督、独・トルコ)
「明日へのチケット」(E.オルミ、K.ローチ、A.キアロスタミ監督、伊・英)
「アメリカ、家族のいる風景」(ヴィム・ヴェンダース監督)  
「あるいは裏切りという名の犬」(オリビエ・マルシャル監督、仏)
「ある子供」(ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督、フランス・ベルギー)
「家の鍵」(ジャンニ・アメリオ監督、伊仏独)  
「硫黄島からの手紙」(クリント・イーストウッド監督、アメリカ)
「イカとクジラ」(ノア・バームバック監督、アメリカ)
「イノセント・ボイス」(ルイス・マンドーキ監督、メキシコ)
「イベリア 魂のフラメンコ」(カルロス・サウラ監督、スペイン・フランス)
「インサイド・マン」(スパイク・リー監督、米)
「ウォ・アイ・ニー」(チャン・ユアン監督)
「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」(ジェームズ・マンゴールド監督)
「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」(ニック・パーク監督)  
「美しい人」(ロドリゴ・ガルシア監督、アメリカ)
「美しき運命の傷痕」(ダニス・タノビッチ監督、伊仏ベルギー)  
「うつせみ」(キム・ギドク)
「王と鳥(やぶにらみの暴君)」(80、ポール・グリモー監督、フランス)
「王の男」(イ・ジュンイク監督、韓国)
「おさるのジョージ」(06、マシュー・オキャラハン監督、米)
「オリバー・ツイスト」(ロマン・ポランスキー監督、英・チェコ・仏・伊)
「オーロラ」(ニルス・タベルニエ監督、フランス)
「隠された記憶」(ミヒャエル・ハネケ監督、オーストリア他)
「カクタス・ジャック」(アレファンドロ・ロサーノ監督、メキシコ)
「カポーティ」(ベネット・ミラー監督、アメリカ)
「狩人と犬、最後の旅」(04、ニコラス・バニエ監督、仏・他)
「記憶の棘」(ジョナサン・グレイザー監督、アメリカ)
「奇跡の夏」(イム・テヒョン監督、韓国)
「キンキー・ブーツ」(ジュリアン・ジャロルド監督、英米)
「キングス&クイーン」(アルノー・デブレシャン監督、仏)
「グエムル 漢江の怪物」(ポン・ジュノ監督、韓国)
「ククーシュカ ラップランドの妖精」(アレクサンドル・ロゴシュキン監督)
「薬指の標本」(ディアーヌ・ベルトラン監督、仏・独・英)
「グッドナイト&グッドラック」(ジョージ・クルーニー監督、英米仏日)
「クラッシュ」(ポール・ハギス監督、アメリカ)  
「クリムト」(ラウル・ルイス監督、オーストリア、他)
「敬愛なるベートーヴェン」(アニエスカ・ホランド監督、英・ハンガリー)
「ココシリ」(ルー・チューアン監督、香港・中国)
「ザ・コーポレーション」(マーク・アクバー、ジェニファー・アボット監督)
「サラバンド」(イングマル・ベルイマン監督、スウェーデン、他)
「サンキュー・スモーキング」(ジェイソン・ライトマン監督、アメリカ)
「ジャケット」(ジョン・メイブリー監督、米独)
「ジャスミンの花開く」(ホウ・ヨン監督、中国)
「ジャーヘッド」(サム・メンデス監督、アメリカ)  
「13歳の夏に僕は生まれた」(マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督、伊・仏・英)
「16ブロック」(リチャード・ドナー監督、アメリカ)
「シリアナ」(スティーブン・ギャガン監督)
「白バラの祈り――ゾフィ・ショル、最期の日々」(マルク・ローテムント監督、独)  
「敬愛なるベートーヴェン」(アニエスカ・ホランド監督、ハンガリー、英)
「深海」(05、チェン・ウェンタン監督、台湾)
「人生は、奇跡の詩」(ロベルト・ベニーニ監督、イタリア)
「親密すぎるうちあけ話」(パトリス・ルコント監督、仏)
「西瓜」(ツァイ・ミンリャン監督、台湾)
「スタンドアップ」(ニキ・カーロ監督、アメリカ)  
「スティーヴィー」(スティーヴ・ジェイムス監督、アメリカ)
「戦場のアリア」(クリスチャン・カリオン監督、仏独他)
「タイフーン」(クァク・キョンテク監督、韓国)
「太陽」(05、アレクサンドル・ソクーロフ監督、ロシア・他)
「太陽に恋して」(ファティ・アキン監督、独)
「ダ・ヴィンチ・コード」(ロン・ハワード監督、米)
「ダック・シーズン」(フェルナンド・エインビッケ監督、メキシコ)
「単騎、千里を走る。」(チャン・イーモウ監督、中国・日本)  
「ダンサーの純情」パク・ヨンフン監督、韓国)
「父親たちの星条旗」(クリント・イーストウッド監督、アメリカ)
「トランスアメリカ」(05、ダンカン・タッカー監督、アメリカ)
「トリノ、24時からの恋人たち」(ダビデ・フェラーリオ監督、イタリア)
「トンマッコルへようこそ」(パク・クァンヒョン監督、韓国)
「ナイロビの蜂」(フェルナンド・メイレレス監督、英独)
「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」(カーク・ジョーンズ監督、英米仏)  
「ニキフォル」(クシシュトフ・クラウゼ監督、ポーランド)
「ニュー・ワールド」(テレンス・マリック監督、アメリカ)
「ハイジ」(ポール・マーカス監督、イギリス)
「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」
「母たちの村」(ウスマン・センベーヌ監督、フランス・セネガル)
「春が来れば」(リュ・ジャンハ監督、韓国) 
「春の日のクマは好きですか?」(ヨン・イ監督、韓国)
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(デヴィッド・クローネンバーグ監督)
「ファーザー、サン」(アレクサンドル・ソクーロフ監督、ロシア他)
「ファミリー」(イ・ジョンチョル監督)
「Vフォー・ヴェンデッタ」(ジェイムズ・マクティーグ監督、米独)
「胡同(フートン)のひまわり」(チャン・ヤン監督、中国)
「プラダを着た悪魔」(デビッド・フランケル監督、アメリカ)」
「プラハ!」(フィリプ・レンチ監督、チェコ)
「プルートで朝食を」(ニール・ジョーダン監督、アイルランド・英)
「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」(ジョン・マッデン監督、アメリカ)  
「ブロークバック・マウンテン」(アン・リー監督)
「ブロークン・フラワーズ」(ジム・ジャームッシュ監督、米仏)
「プロデューサーズ」(スーザン・ストローマン監督、アメリカ)
「僕が9歳だったころ」(ユン・イノ監督、韓国)
「僕と未来とブエノスアイレス」(ダニエル・プルマン監督、アルゼンチン)
「僕の大事なコレクション」(リーヴ・シュライバー監督、アメリカ)
「ぼくを葬る」(フランソワ・オゾン監督、フランス)
「ホテル・ルワンダ」(テリー・ジョージ監督、南ア・米・英・伊)
「マッチポイント」(ウディ・アレン監督、イギリス)
「ママが泣いた日」(マイク・バインダー監督、米・独・英)
「ミュンヘン」(スティーブン・スピルバーグ監督、アメリカ)
「麦の穂をゆらす風」(ケン・ローチ監督、アイルランド・英、他)
「夢遊ハワイ」(シュー・フーチュン監督、台湾)
「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」(トミー・リー・ジョーンズ監督)
「森のリトル・ギャング」(06、ティム・ジョンソン他監督、アメリカ)
「ユナイテッド93」(06、ポール・グリーングラス監督、アメリカ)
「夜よ、こんにちは」(マルコ・ベロッキオ監督、イタリア)
「歓びを歌にのせて」(ケイ・ポラック監督、スウェーデン)
「楽日」(ツァイ・ミンリャン監督、台湾)
「力道山」(ソン・ヘソン監督)
「リトル・イタリーの恋」(ジャン・サルディ監督)
「リトル・ミス・サンシャイン」(ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファレス監督)
「緑茶」(チャン・ユアン監督、中国)
「玲玲(リンリン)の電影日記」(シャオ・チアン監督、中国)
「レイヤー・ケーキ」(マシュー・ボーン監督、イギリス)
「ローズ・イン・タイドランド」(テリー・ギリアム監督、カナダ・イギリス)
「ワールド・トレード・センター」(オリバー・ストーン監督、アメリカ)

  2006年のアメリカ映画は大きく様変わりした。ターニングポイントの年だったといっても良い。興行的に大きく後退し、アメリカを批判する映画や9・11後のアメリカ社会の揺らぎFuyukodati を描く映画が激増した。年末のイーストウッドの2作は話題性だけでなく、作品的にも期待できる。兵士の英雄化をはっきり否定している点で「ポスト911」映画の範疇に入る。ハリウッドはヒット作のシリーズ物や外国映画の焼き直しばかり作っている安易な製作姿勢を根本から変えなければならない時期に来ている。

  一方韓国映画の好調は続いている。レンタル店には韓国ドラマや恋愛映画があふれかえっている。「うつせみ」「グエムル 漢江の怪物」「トンマッコルへようこそ」「ファミリー」などの強力な作品も生まれ、話題に事欠かない。

  ここしばらく公開本数が減っていた中国や台湾映画がやや上向きになってきたことはうれしい。中でも「ココシリ」は強烈な作品。フランスとイギリスも好調を維持している。特にケン・ローチの「麦の穂をゆらす風」には注目。「ククーシュカ ラップランドの妖精」と「太陽」が話題になったロシア映画も忘れてはいけない。旧作のDVD化がかなり進んだが、まだまだ氷山の一角に過ぎない。

  アフリカを舞台にした「ホテル・ルワンダ」は力作。「母たちの村」(ウスマン・センベーヌ監督)もかなり期待できそうだ。第19回東京国際女性映画際では同監督の「モーラーデ」も公開された。ウスマン・センベーヌ監督の「チェド」を岩波ホールで観たのはもう17年も前。アフリカ映画の巨匠が帰ってきたのはうれしい。

  このところ勢いがあったスペイン映画が今年はやや失速気味。一時的なことであればいいが。中南米映画は「僕と未来とブエノスアイレス」など数本が公開されているが、「シティ・オブ・ゴッド」や「セントラル・ステーション」クラスの傑作はなさそうだ。ただ、アメリカ映画だがアメリカからメキシコへの旅を描いた「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」はなかなかの秀作。

  北欧映画やヨーロッパ映画についても書きたいがこの辺にしておこう。詳しくは年末か来年初めに書く予定の「2006年公開映画を振り返って」で書きます。

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