ゴブリンのこれがおすすめ 9
反ファシズム、反ナチ、ナチス占領下の日々を描いた映画
「レッドアーミー・パルチザン 戦場の英雄」(2021)ロマン・シュミュノフ監督、イスラエル
「アウシュヴィッツのチャンピオン」(2020)マチェイ・バルチェフスキ監督、ポーランド
「アーニャは、きっと来る」(2020)ベン・クックソン監督、イギリス・ベルギー
「ナチス・バスターズ」(2020)アンドレイ・ボガティリョフ監督、ロシア
「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」(2019)フランソワ・ジラール監督、英・カナダ・ハンガリー・独
「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」(2018)アレクセイ・シドロフ監督、ロシア
「ヒトラーと戦った22日間」(2018)コンスタンチン・ハベンスキー監督、露・独・他
「ザ・ハント ナチスに狙われた男」(2017)ハラルド・ズワルト監督、ノルウェー
「ちいさな独裁者」(2017)ロベルト・シュヴェンケ監督、独・仏・ポーランド
「ヒトラーを欺いた黄色い星」(2017)クラウス・レーフレ監督、ドイツ
「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」(2016)ラース・クラウメ監督、独
「コレクター 暴かれたナチスの真実」(2016)ティム・オリーフーク監督、オランダ
「ハイドリヒを撃て!“ナチの野獣”暗殺作戦」(2016)ショーン・エリス監督、チェコ・英・仏
「ヒトラーに屈しなかった国王」(2016)エリック・ポッペ監督、ノルウェー
「戦場のブラックボード」(2015)クリスチャン・カリオン監督、フランス・ベルギー
「帰ってきたヒトラー」(2015)ダーヴィト・ヴネント監督、ドイツ
「顔のないヒトラーたち」(2014)ジュリオ・リッチャレッリ監督、ドイツ
「さよなら、アドルフ」(2012)ケイト・ショートランド監督、オーストラリア・独・英
「ソハの地下水道」(2011)アグニェシュカ・ホランド監督、独・ポーラン
「ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち」(2011)マテイ・ミナーチェ監督、チェコ・スロバキア
「サラの鍵」(2010)ジル・パケ=ブランネール監督、フランス
「ペーパーバード 幸せは翼にのって」(2010)エミリオ・アラゴン監督、スペイン
「黄色い星の子供たち」(2010)ローズ・ボッシュ監督、フランス・ドイツ・ハンガリー
「イングロリアス・バスターズ」(2009)クエンティン・タランティーノ監督、米
「ディファイアンス」(2008)エドワード・ズウィック監督、アメリカ
「ワルキューレ」(2008)ブライアン・シンガー監督、アメリカ・ドイツ
「カティンの森」(2007)アンジェイ・ワイダ監督、ポーランド
「パンズ・ラビリンス」(2007)ギレルモ・デル・トロ監督、メキシコ・スペイン・他
「ヒトラーの贋札」(2007)ステファン・ルツォヴィツキー監督、ドイツ・オーストリア
「ヘンダーソン夫人の贈り物」(2005)スティーヴン・フリアーズ監督、イギリス
「ピエロの赤い鼻」(2003)ジャン・ベッケル監督、フランス
「キャロルの初恋」(2002)イマノル・ウリベ監督、スペイン
「戦場のピアニスト」(2002)ロマン・ポランスキー監督、ポーランド・仏
「名もなきアフリカの地で」(2001)カロリーヌ・リンク監督、ドイツ
「この素晴らしき世界」(2000)ヤン・フジェベイク監督、チェコ
「ふたりのトスカーナ」(2000)アンドレア&アントニオ・フラッツィ監督、伊
「太陽の雫」(1999)イシュトヴァン・サボー監督、カナダ・ハンガリー
「蝶の舌」(1999)ホセ・ルイス・クエルダ監督、スペイン
「マイ・リトル・ガーデン」(ソーレン・クラウ・ヤコブセン監督、1997年、デンマーク他)
「レ・ミゼラブル」(クロード・ルルーシュ監督、1995年、フランス)
「シンドラーのリスト」(スティーヴン・スピルバーグ監督、1993年、米)
「コルチャック先生」(アンジェイ・ワイダ監督、1990年、ポーランド他)
「さよなら子供たち」(ルイ・マル監督、1987年、仏・西独)
「遠い日の家族」(1985)クロード・ルルーシュ監督、フランス
「炎628」(エレム・クリモフ監督、1985年、ソ連)
「エースの中のエース」(1982)ジェラール・ウーリー監督、フランス・西ドイツ
「白バラ」(ミヒャエル・フェアホーヘン監督、1982年、西独)
「メフィスト」(イシュトヴァン・サボー監督、1981年、ハンガリー・西独)
「ジュリア」(フレッド・ジンネマン監督、1977年、アメリカ)
「追想」(ロベール・アンリコ監督、1975年、フランス)
「抵抗のプラハ」(ウラジーミル・ツェヒ監督、1971年、チョコスロバキア)
「道中の点検」(アレクセイ・ゲルマン監督、1971年、ソ連)
「マーフィの戦い」(1971)ピーター・イェーツ監督、イギリス
「影の軍隊」(ジャン・ピエール・メルヴィル監督、1969年、フランス)
「地獄に堕ちた勇者ども」(ルキノ・ヴィスコンティ監督、1969年、伊・スイス)
「抵抗の詩」(トーリ・ヤンコヴィッチ監督、1969年、ユーゴスラビア)
「脱走山脈」(マイケル・ウィナー監督、1968年、アメリカ)
「パリは燃えているか」(ルネ・クレマン監督、1966年、仏・米)
「国境は燃えている」(ヴァレリオ・ズルリーニ監督、1965年、イタリア)
「鬼戦車T-34」(ニキータ・クリヒン他、監督、1965年、ソ連)
「大列車作戦」(ジョン・フランケンハイマー監督、1964年、米・仏・伊)
「僕の村は戦場だった」(アンドレイ・タルコフスキー監督、1962年、ソ連)
「ゼロ地帯」(ジッロ・ポンテコルヴォ監督、1960年、イタリア)
「ローマで夜だった」(1960)ロベルト・ロッセリーニ監督、イタリア
「アンネの日記」(ジョージ・スティーヴンス監督、1959年、アメリカ)
「誓いの休暇」(グリゴリー・チュフライ監督、1959年、ソ連)
「尼僧物語」(1959)フレッド・ジンネマン監督、アメリカ
「夜と霧」(アラン・レネ監督、1955年、フランス)
「平和に生きる」(ルイジ・ザンパ監督、1947年、イタリア)
「海の牙」(ルネ・クレマン監督、1946年、フランス)
「戦火のかなた」(ロベルト・ロッセリーニ監督、1946年、イタリア)
「ナチス追跡」(1946)オーソン・ウェルズ監督、アメリカ
「鉄路の闘い」(ルネ・クレマン監督、1945年、フランス)
「無防備都市」(ロベルト・ロッセリーニ監督、1945年、イタリア)
「自由への闘い」(ジャン・ルノワール監督、1943年、アメリカ)
「死刑執行人もまた死す」(フリッツ・ラング監督、1943年、アメリカ)
「ラインの監視」(1943)ハーマン・シュムリン監督、アメリカ
「生きるべきか死ぬべきか」(エルンスト・ルビッチ監督、1942年、アメリカ)
「チャップリンの独裁者」(チャールズ・チャップリン監督、1940年、アメリカ)
<こちらも要チェック>
「ジョジョ・ラビット」(2019)タイカ・ワイティティ監督、アメリカ・ドイツ
「ガーンジー島の読書会の秘密」(2018)マイク・ニューウェル監督、仏・英
「ダンケルク」(2017)クリストファー・ノーラン監督、英・米・仏
「エセルとアーネスト ふたりの物語」(2016)ロジャー・メインウッド監督、英・他
「アイヒマン・ショー」(2015)ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督、英
「黄金のアデーレ 名画の帰還」(2015)サイモン・カーティス監督、英・米
「帰ってきたヒトラー」(2015)ダーヴィト・ヴネント監督、ドイツ
「ヒトラーの忘れもの」(2015)マーチン・サントフリート監督、デンマーク・独
「さよなら、アドルフ」(2012)ケイト・ショートランド監督、オーストラリア・独・英
「ヒトラー最期の12日間」(オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督、2004年、ドイツ)
「名もなきアフリカの地で」(カロリーヌ・リンク監督、2001年、ドイツ)
「ムッソリーニとお茶を」(フランコ・ゼフィレッリ監督、1998年、アメリカ)
「大脱走」(ジョン・スタージェス監督、1963年、アメリカ)
「ニュールンベルグ裁判」(スタンリー・クレイマー監督、1961年、米)
「誓いの休暇」(グリゴリー・チュフライ監督、1959年、ソ連)
「ドイツ零年」(ロベルト・ロッセリーニ監督、1948年、イタリア)
「老兵は死なず」(1943)マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督、英
<気になる未見作品>
「パティニョールおじさん」(ジェラール・ジュニョー監督、2002年、フランス)
「モレク神」(アレクサンドル・ソクーロフ監督、99年、ロシア他)
「戦争のない20日間」(アレクセイ・ゲルマン監督、1976年、ソ連)
次回フリッツ・ラング監督の反ナチ映画の名作「死刑執行人もまた死す」を取り上げる予定なので、ついでに関連作品のリストを作ってみた。こうやって見ると以外に少ない。もっとあるはずだという気がするのだが、そう感じるのはアメリカの戦争映画がかなりあるからだろう。それらを入れれば確かに相当な数になる。なお、「要チェック」欄に入れたものはやや枠から外れているもので、決して残り物ではありません。むしろいずれも傑作です。
年代順に見ると50年代、70年代そして80年代のものが少ない。ところが90年代から逆に増え出している。終戦直後はまだ記憶が生々しくて却って作れなかったのだろう。60年代に一つのピークを迎えている。また、70年代ごろまでは反ナチ、反ファシズムの抵抗映画が多く、80年代以降はむしろナチス占領下の不安と恐怖に満ちた状況が多く描かれている。戦争の記憶が風化しつつある時代に逆に戦争の時代を描く映画が増えている。特に2000年代に入ってからはかなりのハイペースだ。作品的にも「この素晴らしき世界」や「戦場のピアニスト」などの傑作が生まれている。日本でも先日取り上げた「父と暮せば」が作られている。これは戦争やファシズムの記憶が風化しつつあることに対する危機感の表われだと見ていいだろう。ちなみに、今年に入っても第1次世界大戦を描いた「戦場のアリア」が公開されている。04年の「ロング・エンゲージメント」など、こちらも連綿と描き継がれている。
皮肉なことに、第二次世界大戦の記憶が薄れて行く一方で、ベルリンの壁が崩れて以降、地域紛争やテロの記憶は日々新たにされている。悲しいことだが、戦争とテロは今なお今日的な差し迫った問題なのである。
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コメント
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カゴメさん 早速コメントをいただきありがとうございます。
確かに「夜と霧」なんかは映像が凄惨過ぎてまた観ようという気にはなかなかなれませんね。「追想」もすさまじい映画でした。あのかがんだ姿勢のままで黒焦げになっている死体はショッキングでした。「炎628」の、建物ごと村人たちが焼かれるシーンには体中から怒りの泡が吹き出す思いでした。
紛争やテロのニュースが流れなくなる日は当分来そうもありません。僕にできることはこういう映画を紹介することぐらいです。大して効果はないかもしれませんが、書ける限り書き続けてゆくつもりです。
投稿: ゴブリン | 2006年5月10日 (水) 00:10
こんばんわ!ゴブリンさん♪
「白バラの祈り - ゾフィー・ショル、最期の日々」は、
カゴメも是非とも観なくては!と思っている作品です。
お奨め40本の中で、もっとも印象深い「痛い作品」は、
「炎628」「追想」「シンドラーのリスト」「夜と霧」でした。
(まだ観ていない作品も沢山あるけど)
特に「追想」は、今だに心に痛みが残ってる作品で、
何とかレビューを書きたいと思いつつも、
再観するのが苦痛で、ついつい及び腰になってます…。
投稿: カゴメ | 2006年5月 9日 (火) 23:23