お気に入りブログ

  • 真紅のthinkingdays
    広範な映画をご覧になっていて、レビューの内容も充実。たっぷり読み応えがあります。
  • 京の昼寝〜♪
    僕がレンタルで観る映画のほとんどを映画館で先回りしてご覧になっています。うらやましい。映画以外の記事も充実。
  • ★☆カゴメのシネマ洞☆★
    細かいところまで目が行き届いた、とても読み応えのあるブログです。勉強になります。
  • 裏の窓から眺めてみれば
    本人は単なる感想と謙遜していますが、長文の読み応えのあるブログです。
  • なんか飲みたい
    とてもいい映画を採り上げています。短い文章できっちりとしたレビュー。なかなかまねできません。
  • ぶらぶらある記
    写真がとても素敵です。

お気に入りホームページ

ゴブリンのHPと別館ブログ

無料ブログはココログ

« エイプリルの七面鳥 | トップページ | うえだ城下町映画祭①「春の雪」 »

2005年11月12日 (土)

セルラー

2004年 アメリカSD-fl6-08
原題: CELLULAR
監督: デヴィッド・R・エリス
製作: ディーン・デヴリン、ローレン・ロイド
製作総指揮: ダグラス・カーティス、キース・ゴールドバーグ
原案: ラリー・コーエン
脚本: クリス・モーガン
出演: キム・ベイシンガー、クリス・エヴァンス、
    ウィリアム・H・メイシー、 ジェイソン・ステイサ
    ノア・エメリッヒ、エリック・クリスチャン・オルセン
    ジェシカ・ビール、リチャード・バージ、マット・マッコーム

  携帯電話をcellurar phoneとかcell choneというが、この場合のcellとはどういう意味なのかと常々思っていた。「細胞」であるはずはないから何かの「単位」だろうとは思っていた。「セルラー」を観た機会に辞書を引いたら一発で分かった。「地域を数キロ程度の小さなセル(cell)に分割し、それぞれに周波数を割り当てて、中継局を介して通信を行う電話であるところから」と語源が説明されている。なるほどね。通信地域の単位だったんだ。辞書は引いてみるもんだね。

  この手のサスペンス・アクションものを見るのは実に久々。どうも意識して借りてこないといつまでもアメリカ映画を観ない日が続きそうだった。努力の甲斐あって(努力しないとアメリカ映画を観ない日が来ようとは!)最近は結構アメリカを映画見ている。「サイドウェイ」「五線譜のラブレター」「Mr.インクレディブル」「ネバーランド」「舞台よりすてきな生活」「マシニスト」「アビエイター」「エイプリルの七面鳥」。まとめると意外に多いので自分でも驚く。しかしエンターテインメント系となると4月9日の「ツイステッド」、1月21日の「コンフィデンス」くらいしか今年は見ていない。やっぱり異常だ。「ザ・インタープリター」、「バットマン・ビギンズ」、「宇宙戦争」が1週間レンタルになるまでにはしばらくかかりそうだから、間を埋めるために「ボーン・スプレマシー」と「ソウ」を観ることにしよう。「コラテラル」「コンスタンチン」「キングダム・オブ・ヘブン」「サハラ」はさっぱり食指が動かないしね。

  ぶつぶつ言っている間にまた前置きが長くなった。「セルラー」は意外にいい出来だった。売りは「手に汗握る超高速ノンストップ・サスペンス・スリラーの傑作」と相変わらずのワンパターン。いわゆる「ジェットコースター・ムービー」という奴だが、このところ「観覧車ムービー」ばかり見ていたので結構楽しめた。原案は「フォーン・ブース」のラリー・コーエン。電話つながりだが、「フォーン・ブース」は固定電話で身動きが取れないハラハラサスペンスだったので、「セルラー」は一転して動きが自由な携帯にしたということだろう。もっともジェシカ(キム・ベイシンガー)がかけているのは固定電話で文字通り身動きが取れないから、両方の電話をミックスしたとも言える。そういう意味では「フォーン・ブース」の発展形だ。昨日の「エイプリルの七面鳥」同様、二つのストーリーが同時進行する構成になっている。

  身動きが取れない人質と車で自由に動き回れる巻き込まれ男、その間をつなぐ携帯電話。設定はよく出来ている。なんで携帯につながった時点で着信履歴から住所をわりださないのかと疑問に思う人もいるだろうが、そうできない切羽詰った事情になっている。警察に行った時点でライアン(クリス・エヴァンス)の役割は本来終わるはずだった。しかし警察署内で騒ぎが起こって、結局警察に引き継げないままライアンが突っ走ることになる。ジェシカの子どもがさらわれ、次には夫が狙われる。ライアンにゆっくり警察で事情を説明している時間などなかった。無理のない設定がちゃんと作られている。もっともライアンが途中で降rashinban1りてしまえばそれまでなのだが。そもそも登場したときは軽薄そうな男だったのだから、おばさんからの電話なんか無視しておねえちゃんにまとわりついている方がよほど自然。ではあるが、そこから先の突っ込みはご法度。そういうものとして受け入れましょう。

  犯人グループも彼らの狙いも実際にありそうな設定になっている。あまり大風呂敷を広げないところはかえってリアルでいい。「24」のように荒唐無稽になってしまうと逆効果だ。サード・シーズン以降は馬鹿らしくて見る気もしない。いいのはファースト・シーズンだけだね。

  移動が自由だという携帯の最大の利点ばかりではなく、いちいち充電しないといけないとかトンネルの中では圏外になるといった欠点も十分ストーリーに生かされている。もっとも、トンネルで一旦つながらなくなっても、また外に出ればつながるじゃないかと疑問に思った。あるいは、なぜライアンは四六時中携帯を持っていないといけないのかという疑問を感じた人もいるだろう。後でよく考えてみたらちゃんと理屈に合っていた(考えている余裕を与えないのがジェットコースター・ムービー)。そもそもジェシカの電話が彼の携帯にかかったのは偶然である。したがって一旦通信が途切れると、次にかけ直したときは別の人につながってしまう。ライアンの携帯にまたつながる可能性はほとんどゼロに近い。だからジェシカはあれほど「携帯を切らないで」と懇願していたのだ。文字通り細い一本の線でつながっていたのである。なるほど、うまく出来てる。

  コメディ的要素もうまく取り入れられている。特に傑作なのはポルシェを盗られた男とウィリアム・H・メイシー演じる引退間近の警官。ピストルで脅して携帯の充電器を「買って」ゆく場面も面白い。特にウィリアム・H・メイシーは最初間抜けそうな感じで出てきながら(顔にパックをつけているシーンは傑作)最後には大活躍する。その変身振りはライアン以上である。なにせ27年間も発砲経験がないわりに、肝心なところでちゃんと弾があたるんだから。「ファーゴ」で有名になったが、僕には「ER」のモーゲンスタン部長のイメージの方が強い。映画よりテレビ向きの顔だもんね。

  最後にキム・ベイシンガーについて一言。「ナチュラル」、「ブロンディー」、「プレタポルテ」「LAコンフィデンシャル」、「8Mile」等々、結構観てきたのだがさっぱり印象の残らない女優だった。「L.A.コンフィデンシャル」でアカデミー賞を取ったそうだが、これすらほとんど印象がない。金髪美人というだけで、どこがいいのか分からないというのがこれまでの印象。覚えているのは相手役の男優ばかり。よほど個性のない女優なのだろう。容貌が衰えてすっかりおばさんになった今回の作品が一番記憶に残りそうだ。顔もほとんど覚えられなかったのだが、おばさん顔で記憶に残ることになる。

« エイプリルの七面鳥 | トップページ | うえだ城下町映画祭①「春の雪」 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: セルラー:

» セルラー [日々徒然ゆ〜だけ]
 80〜90分前後の(今じゃ)短かめな長さのサスペンス系作品って,アイディア勝負的な要素が濃くなるんで,その点では近作じゃ『フォーン・ブース』に近い雰囲気。原案者が同じだそうだが。  小道具が電話で,理由も判らず,狙われるってのも似てるかな。... [続きを読む]

» 「セルラー」 [こだわりの館blog版]
3/5 シネプレックス新座にて これはおもしろい! 2週間限定公開なんてもったいない公開をするよなぁ、ヘラルド映画さん! 監督:デヴィッド・R・エリス 原案:ラリー・コーエン 出演:キム・ベイシンガー、クリス・エヴァンス、ウィリアム・H・メイシー、ジェイソン・... [続きを読む]

» セルラー [oga.のこだわり]
 主婦のジェシカ(キム・ベイシンガー)は突然自宅へ押し入ってきた強盗に連れ去られてわけもわからず拉致される。彼女が監禁された部屋には、犯人のひとりが目の前でたたき壊した電話が1台。配線をいじって、やっとつながった相手はビーチで遊ぶライアン(クリス・エヴァンス)という青年だったが… 携帯電話という今にも切れそうなラインでつながった二人が、次々とふりかかるピンチを切り抜けていくというサスペンス。  そのまんま携帯電話を警察に渡してしまえばいいやん、あるいは公衆電話から110番(アメリカでは911か... [続きを読む]

» 映画 : セルラー [青いblog]
面白そうじゃないのに面白かった!人にすすめられて全く気乗りしないまま観たけど楽しめた♪ノリは「スピード」っぽいけどもっと軽くてバカっぽい…適当にハラハラドキドキして何も考えないですむような大人向けの洋画ってある?と聞かれたらこれなんてどうでしょ。 内容(「Oricon」データベースより)一本の電話でつなぐ命、見知らぬ相手をどこまで信じられるのか…。見えない敵と戦うスリル、想像がつかない展開に最後まで目が離せない。出演はキム・ベイシンガー、クリス・エバンスほか。 セルラー 出版社/メーカー: ... [続きを読む]

» 「セルラー」 [ひらりん的映画ブログ]
キム・ベイシンガー主演で携帯電話を上手く使った映画。 ところで、ミステリーとサスペンスの違いって、知ってる?? こないだテレビで見た説明では・・・ 犯人がわかってて話が進んでくのがサスペンス・・・ 犯人が最後に判明するのがミステリー・・・らしいです。 この映画は、サスペンスです。 犯人顔出しで主人公を監禁してるしーーー。 2004年製作のサスペンス・アクション、95分もの。 あらすじ... [続きを読む]

» セルラー [It's a Wonderful Life]
Cellular(2004) おお!この映画かなり面白いですよ!! キム・ベイシンガーや名脇役ウイリアム・H・メイシー等が出演している んだけど、かなりB級テイストに感じる作品。 仮に別の俳優が彼らの役演じてたとしても、面白い映画だったと思います。 昔、2番...... [続きを読む]

» 「セルラー」キム・ベイシンガーに釘付け [soramove]
「セルラー」★★★☆ DVD鑑賞 キム・ベイシンガー,クリス・エバンス主演 デビッド・R.エリス監督、2004年、アメリカ 何故か分からないまま 誘拐された主人公。 監禁され、 そこには壊された電話が 残された。 ありえない状況がいくつか重なり 設定...... [続きを読む]

» セルラー [カフェビショップ]
セルラー なーんだかB級サスペンスっていうかC級サスペンスっていうか、そんな感じです。 映像のつくりがちゃっちいので、そう感じるのかも。 まあでも、第1級じゃないけど、それなりに楽しめる。 けっこうコミカルで笑えるから。 監禁されたキム・ベイシンガー..... [続きを読む]

« エイプリルの七面鳥 | トップページ | うえだ城下町映画祭①「春の雪」 »