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2005年11月 1日 (火)

約三十の嘘

2004年trump_jb
原作:土田英生
脚本:土田英生、大谷健太郎、渡辺あや
監督:大谷健太郎
出演:椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡、田辺誠一
    八嶋智人、伴杏里、徳井優

  原作は土田英生の戯曲。寝台特急という限られた空間の中で展開される虚虚実実の世界。いかにも舞台劇というつくりである。北海道で詐欺を働いて稼いだ7000万円という大金をめぐる、6人の詐欺師同士の駆け引きをコメディタッチで描いている。金を騙し取られた人たちの落胆や苦悩などどこ吹く風、社会問題などとは最初から無縁の完全な作り物の世界。最近日本映画は好調だが、その多くはこういう脳天気なコメディやなんでもない日常を独特のタッチで描くものがほとんどだ。そういうものがあっていいのだが、そういうものばかりでは物足りない。

 まあ、難しいことを言わずに楽しめばいい。もともとそういう作品である。その限りでは悪い出来ではない。主要登場人物は6人の詐欺師たち。かつてのオーラを失った元リーダー志方(椎名拮平)、性格的に一番しっかりしている美人詐欺師・宝田(中谷美紀)、なぜか事あるごとに志方に突っかかる元アル中・佐々木(妻夫木聡)、まじめだがどこか頼りない新リーダー・久津内(田辺誠一)、宝田にくっついてきたお調子者の新メンバー・横山(八嶋智人)。京都駅で今井(伴杏里)が加わる。「オーシャンズ11」の様な設定だが、似ているのはそこまで。舞台劇なので現金強奪の手順をスリル満点に描くことはできない。大体、詐欺といっても安い羽毛布団を高額で売りつけるという計画だ。銀行強盗などという大掛かりなものではなく、現実によくある詐欺商法というところがかえってどこかほほえましい。ただ、詐欺そのものに焦点が当てられているわけではない。そもそも詐欺そのものは全く描かれていない。場面が変わったら現金の詰まったスーツケースが目の前にあるという展開だ。7000万円が詰まったそのスーツケースが帰りの電車の中でなくなってしまう。犯人は誰か、スーツケースはどこへ行ったのか。犯人とトリックをめぐるミステリー仕立ての展開がメインのストーリーなのである。

 それなりに芸達者をそろえてはいるが、伴杏里が今ひとつ。かつて、このグループが解散するきっかけとなった出来事(稼いだ金をメンバーの一人に持ち逃げされた)の共犯者の一人だと疑われており、一応疑惑は払拭されるのだが、完全には信用されていないという設定だ。したがって重要な役なのだが、ほとんど芸もなくただいるだけという感じである。胸が大きいだけがとり得ではねえ。むしろ胸の小さい(失礼) 中谷美紀の方がずっとセクシーで魅力的である。

 謎解きもそれなりに楽しめるが、どちらかというとドタバタ的展開。それにメンバー同士の恋愛が絡められる。最後はメンバーの団結が大事だということで収まるが、しかし詐欺師同士の団結と言われてもねえ。まあ、誰かが「男と女のマネー&ラブゲーム」と書いていたが、そういうつくりなのであまりうるさいことを言っても仕方がないか。舞台劇が原作なので、派手なトリックやどんでん返しよりも登場人物の間の言葉のやり取りを楽しむつくりになっている。人間関係は始めから薄っぺらなので、駆け引きを楽しめばいいわけだ。

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コメント

 kimion20002000さん コメントありがとうございます。
 そうですか。僕はそこそこ楽しめました。まあ、好みがありますから、好き嫌いが分かれるのは仕方のないところですね。
 欠点は目立つので僕もいくつか指摘しましたが、腹は立ちませんでした。ひょっとしてkimion20002000さんは僕以上にまじめな人なのかな?僕も相当まじめですが(笑)。 もっとも「フォーガットン」では僕のほうが腹を立ててましたからね。やっぱり仕方ないか。みんな一緒じゃつまらないものね。

TBありがとう。
僕、この映画、駄目なんですねぇ。いちいち、笑うところに、腹をたてていました(笑)

最近では「有頂天ホテル」。評判いいんだけどね、ああいう、群像劇キライじゃないはずなのにね、・・・・

テレビひっくりかえしたくなりました(笑)

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