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2005年9月30日 (金)

深呼吸の必要

2004年c_aki02aw
監督:篠原哲雄
出演:香里奈、谷原章介、成宮寛貴、金子さやか、久遠さやか
    長澤まさみ、大森南朋、 北村三郎、吉田妙子

  沖縄のサトウキビ刈りに参加した5人の若者の苦労と成長を描く。それぞれ不安や傷を負った若者たち。彼らがつらい作業と共同生活を通して共通の達成感を持ち、自分を変えてゆく。よくあるパターン通りのストーリーだが、丁寧に作ってあるので完成度は高い。これがテレビドラマだったらちょっといい話で終わっていただろう。

  主演の香里奈の落ち着きのある佇まいがいい(立花ひなみ役)。TVドラマ「カバチタレ」に出ていた女優だそうだが、この作品で演技開眼したようだ。サトウキビの最後の一本を刈るシーンが実際のラストカットだったようで、緊張したそうだ。しかしその分感慨深いシーンになったという。サトウキビは実際に刈った。慣れてくると単純作業なのでそのうち集中してやってしまう。刈り終えた時は達成感があったそうである。

  他に、元甲子園で活躍したピッチャーで斜に構えている青年西村大輔(成宮寛貴)、手術に失敗して心に傷を持つ青年医師池永修一(谷原章介)、ブランドで着飾ってちゃらちゃらした女の子川野悦子(途中で逃げ出すがまた戻る、金子さやか)、ほとんど口を利かず他人と一緒に風呂にも入れない女の子土居加奈子(長澤まさみ)。もう一人、元沖縄に住んでいたが、思うところあって沖縄にふらっと戻ってきた女性美鈴(実は妊娠していた、久遠さやか)も途中から参加する。農場の持ち主であるおじいとおばあも、若者たちに余計な口出しをせず黙って見守っているところがいい。

  青年医師池永は経験の長い先輩格の青年田所豊(大森南朋)が自動車事故で怪我をしたとき手術をして活躍する(その後例の手術の失敗のことを立花に打ち明ける)。先輩の田所が、自分はサトウキビばかりではなく季節ごとに日本中あちこちに行って様々な仕事を手sep20伝っていると自慢げに話した時、西村はあんたの現住所はどこだ、あんたこそ自分の居場所がなくて逃げ回っているんじゃないかと噛み付く。しばらくギクシャクするがすべて刈り終わったとき田所は彼にグラブを渡し、一緒にキャッチボールをする。途中で逃げ出した川野もその後は心を入れ替えて懸命に頑張る。周りに打ち解けなかった土居も最後には声を出し(「なんだ話せんるんじゃないか」とみんなが驚く)、笑顔を見せる。労働と共同生活を通して若者たちが心を開いてゆく。確かによくあるストーリーだ。しかしそう思っても確かにさわやかな映画だという思いは強く残る。沖縄の強い日差し、作業が遅れても「なんくるないさぁ」と笑い飛ばすおじいの存在感などがこの映画を支えている。見ていて自分も参加したくなってくる。今の日本、みんな何か一生懸命に打ち込むこと、いろんな人との人間的なつながりをどこかで求めているのだ。

  「ナビィの恋」、「ホテル・ハイビスカス」と沖縄映画は秀作が生まれている。南国特有の明るさとたくましさがみなぎる映画だ。「深呼吸の必要」はその明るさとたくましさを求めて内地からやってきた人々の映画である。視点は違っているが、やはり沖縄ならではの映画だ。

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コメント

 晴薫様 TBばかりかコメントまでいただき本当にありがとうございます。
 ブログのタイトル「雨の日の日曜日は・・・」がとても魅力的で、以前から注目しておりました。恐る恐るTBさせてもらったしだいです。
 沖縄は音楽も素晴らしいですよね。残念ながら沖縄にはまだ行ったことはないのです。いつか行ってみたいなあ。

>沖縄映画は秀作が生まれている。南国特有の明るさとたくましさがみなぎる映画だ。「深呼吸の必要」はその明るさとたくましさを求めて内地からやってきた人々の映画である。

とてもうなずけるご意見です。
なるほど、私もそう思います。
沖縄が今の日本に与える影響って大きいですよね。

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