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2005年9月28日 (水)

子猫をお願い

SD-fl6-092001年 韓国映画
監督、脚本:チョン・ジェウン
出演:ペ・ドゥナ、イ・ヨウォン、オク・ジヨン、イ・ウルシル
    イ・ウンジュ、オ・テギョン、キム・ファヨン
        チェ・サンソル、パク・ソングン、ムン・ジョンヒ

 韓国の女性観客映画賞で「韓国女性が選ぶ最高の韓国映画」に選ばれた作品だ。監督はこれが初長編のチョン・ジェウン。短髪で一見男性の様な顔立ち。年齢は30代くらいか。かなり落ち着いた感じの人だ。初めての長編なので自分の気持ちに重ねてストーリーを作ったとインタビューで語っている。それまでに短編を2本作っただけの新人がこれだけの作品を作れるところに、韓国映画の水準の高さ、映画人育成システムの充実ぶりがうかがえる。

  高校を出たての5人の女性が社会に出ても互いに友情を保とうと努力する映画である。テヒ役にペ・ドゥナ。ボーイッシュな髪型で鼻が大きく、決して美人ではない。しかし顔も雰囲気も坂井真紀似で、実に魅力的だ。「ほえる犬はかまない」ではすっかり魅了された。ここでも5人の中で一番の存在感だ。驚いたことにインタビューでは長髪になっていて、結構美人に見える。もう一つ驚いたのは、彼女はモデル出身だということだ。小柄なイメージだが実際は結構背が高いようだ。「リンダ リンダ リンダ」(未見)の写真を見ると一番背が高い。共演のイ・ヨウォンとオク・ジヨンとはモデル時代からの知り合いだという。

  大企業でOLをしている美人のヘジュをイ・ヨウォン、貧しい暮らしをしながらデザイナーになる夢を持っているジヨンをオク・ジヨン、双子の姉妹をイ・ウンシルとイ・ウンジュが演じている。ヘジュの誕生日に貧しいジヨンは拾った子猫をプレゼントする。しかしヘジュはいらないと付き返す。その後ジヨンは不運に見舞われ、ついには火事で家族を失う。警察による単なる型どおりの尋問になぜかジヨンは何も答えない。彼女は怪しまれ拘置される。テヒだけが彼女を案じて面会に行く。

  一時5人の関係が壊れかかるが、また仲が戻る。親とはそりが合わないが、優しいところがあるテヒ。美人で薄情でファッションなどに目がないが、仲間とは離れてゆきそうで離れないヘジュ。イラストレーターの才能があるのに貧しいゆえに夢をかなえられないジヨン。いつも陽気で明るい双子。それぞれの個性が絡み合い、つかず離れず関係が続く。社会に出て互いに流されそうになりながら、何とかむかしの友情を保とうとする5人の女性。監督が言うように、女性なら、誰もが誰かに自分を投影できるようだ。男には必ずしもぴんと来ないが。しかし共感は出来る。誰かに自分を重ねたりはしないが、群像劇として楽しめる。女性がたくさん出てくることだけが魅力なのではない。個性を描き分け、それぞれどこか社会の中に足場を十分築けず浮遊しながらも、精一杯生きようとする姿勢に共感できるのだ。ほとんど男性との恋愛が出てこないところがいい。韓国はそんな映画も作れるのだ。韓国映画にまた傑作が一つ加わった。

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