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2020年8月 7日 (金)

ピート・ハミルの訃報から思い浮かんだことなど~連想の波紋

 今日の新聞にピート・ハミルの死亡記事が載っていた。彼の存在はだいぶ前から知ってはいたし、気にはなっていたが、彼の著作を読んだことはたぶんなかった。しかし彼の死亡記事で必ず触れられているのは「幸せの黄色いハンカチ」の原作「ゴーイング・ホーム」の作者だったということだ。それから連想が広がった。原作「ゴーイング・ホーム」と山田監督の映画「幸せの黄色いハンカチ」の間にはトニー・オーランドと&ドーンの「幸せの黄色いリボン」があるからだ。この曲を倍賞千恵子が聞いて、それを山田監督に伝えたことが映画版を作るきっかけだったようだ。トニー・オーランドと&ドーンについては「コレクター人生」という記事でも少し触れたが、高校生の時大好きだったグループで、「ノックは3回」は音楽部で良く歌っていた。

 あの頃を思い出すと懐かしい曲が次々に浮かんでくる。60年代の終わりごろから70年代前半によく聞いた曲。上記「コレクター人生」で書いたが、まず当時持っていたレコードを挙げると、ゼーガーとエバンスの「西暦2525年」、カフ・リンクスの「トレイシー」、エジソン・ライトハウスの「恋の炎」、クリスティーの「イエロー・リバー」、CCRの「プラウド・メアリー」、ドーンの「ノックは三回」、ルー・クリスティーの「魔法」、フィフス・ディメンションの「輝く星座」など。アルバム(LP版)で当時もっていたのはアンディ・ウイリアムズ、グレン・ミラー、映画音楽集、PPM(ピータ、ポール&マリー)のライブ盤、シャルル・アズナブールのライブ盤、シャンソン名曲集、カンツォーネ名曲集、それとビートルズの「ヘイ・ジュード」(アメリカ編集版)など。他にコンパクトLP盤で「サウンド・オブ・ミュージック」のサントラ盤、サイモンとガーファンクルの「明日に架ける橋」、ブラザーズ・フォー(「グリーンフィールズ」や「グリーンスリブス」など4曲入り)などがあった。

 さらによく思い出してみるとPPMの「悲惨な戦争」、ポール・マッカートニーの「アナザー・デイ」、レターメンの「ミスター・ロンリー」、それから曲名は忘れたがサンドパイパースのシングル盤もあったはず。また、手元に残っているシングル盤を探してみたら、ブラザーズ・フォーの「七つの水仙」、フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」と「夜のストレンジャー」のカップリング版、ブレンダ・リーの「愛の賛歌」と「わが心のサンフランシスコ」のカップリング版が出てきた。こんなものまで持っていたとは!自分でも忘れていた。

 レコードを持ってはいなかったが、当時よく耳にした曲や好きだった曲は他にもたくさんあった。お気に入りのアーティストやバンドも当然たくさんいた。CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル)の「雨を見たかい」とGFR(グランド・ファンク・レイルロード)の「ハートブレイカー」、ニール・ヤングの「ハート・オブ・ゴールド」、プロコル・ハルムの「青い影」、スリー・ドッグ・ナイトの「ワン」、「歓びの世界」、「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」、サイモンとガーファンクルの「明日に賭ける橋」、「コンドルは飛んで行く」、ビージーズの「マサチューセッツ」、「ホリデイ」、映画で使われた「メロディ・フェア」と「若葉のころ」、ピンキーとフェラスの「マンチェスターとリヴァプール」、メリー・ホプキンの「悲しき天使」、メラニーの「レイ・ダウン」と「傷ついた小鳥」、ショッキング・ブルー(当時はオランダのバンドだとは知らなかった)の「悲しき鉄道員」と「ヴィーナス」、ホセ・フェリシアーノの「雨のささやき」と「ケ・サラ」、バフィー・セントメリーの「サークル・ゲーム」(映画「いちご白書」の主題歌)と「ソルジャー・ブルー」(騎兵隊によるインディアン虐殺を描いた映画「ソルジャー・ブルー」の主題歌、インディアンの血を引く彼女が歌っていることに意味がある、ちなみに「ソルジャー・ブルー」とは騎兵隊を指す)、P.K.リミテッドの「ゲッティング・ストレート」(「いちご白書」と並ぶ学園闘争映画の代表作「YOU」の主題曲、映画の出来はこちらの方が上だったと思う、そういえば映画に感動してサントラ盤のシングルを買ったはずだ)、マッシュ・マッカーンの「霧の中の二人」、特定の曲名は浮かばないがテン・イヤーズ・アフターも当時有名だった。いやあ切りがない。そうだ、映画の主題歌と言えば、「ドナドナ」で有名なジョーン・バエズがイタリア映画の名作「死刑台のメロディ」の主題歌として歌った「勝利への賛歌」も名曲だった。

 もちろんビートルズ、エルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダー、ロバータ・フラックなどの大物の曲もよく聞いていた。エルヴィス・プレスリーは過去の人だと思っていたが、映画「エルヴィス・オン・ステージ」(1970年)を観てから関心を持つようになった。更に映画関連でいえば、「明日に向かって撃て」の挿入歌「雨にぬれても」も当時よく耳にした。B.J.トーマスの代表曲だが、作曲はバート・バカラック。当時のバカラックは日の出の勢い。「小さな願い」や「サン・ホセへの道」など有名曲がずらり。いろんな人が彼の曲を歌っていた。そういえば、バカラックの曲を集めたLPも持っていたような気がする。あの頃は毎日のように何かしら彼の曲が流れていた。

 ダイアナ・ロスとシュープリームスをはじめとするモータウン系も当時よく流れていた。70年代初めにはスリー・ディグリーズとスタイリスティックスが日本で大流行した。前者の「天使のささやき」や「ミッドナイト・トレイン」、後者の「愛がすべて」、「ユー・アー・エヴリシング」、「フロム・ザ・マウンテン」などよく聴いた。ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」など懐メロも当時よく流れていた。中でもコニー・フランシスはあの声が好きで、「ヴァケイション」、「ボーイ・ハント」、「カラーに口紅」など、どれを聴いても良いと思ったものだ。

 そういえば高校生の時トム・ジョーンズとエンゲルベルト・フパーディンクが好きだった。テレビで「トム・ジョーンズ・ショー」と「エンゲルベルト・フパーディンク・ショー」まで放送していたくらいだから、日本でもかなり人気があったのだろう。前者の「思い出のグリーン・グラス」や「デライラ」、「アイ(愛の告白)」、後者の「ラスト・ワルツ」と「太陽は燃えている」は中でもお気に入り曲。そうそう、「太陽は燃えている」はシングル盤を持っていたっけ。トム・ジョーンズもベスト盤LPかシングル盤を持っていた気がする。トム・ジョーンズのカンツォーネ曲が好きで、そういえばプレスリーもミルバの名曲「この胸のときめきを」をカバーしていた。この頃はカンツォーネやシャンソンもよく聞いた。当時はレコード店の棚の一角をカンツォーネやシャンソンが占めていた。それくらい日本でもなじみがあった。ジリオラ・チンクエッティはかなり人気があったし、ドメニコ・モドゥーニョの「ヴォラーレ」はアメリカでグラミー賞を取っている。ボビー・ソロの「ほほにかかる涙」、ウィルマ・ゴイクの「花咲く丘に涙して」、トニーダララの「ラ・ノビア」などは今聞いても名曲だと思う。しかしなかなか良いカンツォーネ名曲集が手に入らない。少なくとも3枚組くらいのがほしい。ましてや個々の歌手のCDなどなおさら手に入りにくい。シャンソンでは5枚組の名曲集をアマゾンで入手した。これだけあるとさすがに名曲がかなり網羅されている。それでも欲しいのが何曲か抜けていて、別途手に入れる努力をしなければならない。

 そうそう、70年代はシャンソン以外のフレンチポップもかなり流行っていた。「シェリーに口づけ」で知られるミッシェル・ポルナレフも当時よくラジオで流れていて、次々にヒットを飛ばしていた。他にもシルヴィ・バルタン、ダニエル・ビダル、ナナ・ムスクーリ、フランソワーズ・アルディ、ジョニー・アリディも当時はよく耳にしたものだ。

 日本の音楽にも最後に少し触れておこう。僕が大学に入学したのは1973年だが、その当時大学生協のレコード売り場でドーンと平積みにされていたレコードがあった。井上陽水のアルバムだ。「断絶」、「センチメンタル」、「氷の世界」。60年代は吉田拓郎の人気が絶大だったが、70年代は井上陽水の時代だった。今では想像もできないくらい圧倒的な人気があった。毎日どこかで彼の曲を聴かない日はなかったと言ってもいい。「人生が二度あれば」、「傘がない」、「東へ西へ」、「夏祭り」、「氷の世界」、「心もよう」。彼の曲は時代の雰囲気に見事にマッチしていた。どこの学生下宿でも朝から部屋にこもって一日中陽水を聴いていた学生がいたものだ。彼のレコードやCDを買うことになるのは何年も後になってからだが、そんな僕の耳にもいやでも彼の歌が入ってきた。もちろん彼の歌は好きだった。今では何曲かカラオケで歌うものもある。あれからほぼ半世紀。その間ほぼ第一線にい続けた。いまだ現役。いわば日本音楽界のクリント・イーストウッド。「ブラタモリ」のテーマ曲「女神」と「瞬き」は毎回聴くたびに名曲だと思う。この2曲は「プロジェクトX」で使われた中島みゆきの「地上の星」と「ヘッドライト・テールライト」と並んで、番組主題曲の頂点に位置するものだと断言しておきたい。

   ・・・・・・・・・・・・・・

 「コレクター人生」を書いたときはここまで詳しく思い出さなかったが、ちょっとしたきっかけでこれだけ芋づる式に連想がつながる。今の若い人たちはほとんど洋楽を聴かないようだが(映画もほとんど日本映画中心らしい)、もっと関心を広げてほしいな。僕は(映画を例にとると)70年代の半ばにはすっかり名作主義になっていて、昔の名作映画を中心に観ていたが、70年代初めは観られる映画は全部観ていた。だから1年で300本以上の映画を観られたわけだ。今こうやって振り返ってみれば、音楽もそうだったことが分かる。B級映画、いやC級映画も含めて、あらゆるものをむさぼるように観てみる時期があっていい。音楽もまた同じ。初めから視野を狭めてしまうべきではない。

 

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