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2020年3月23日 (月)

ダニエル・デフォー著『ペスト』の新訳が出た

 新型コロナウイルスの大流行のおかげでアルベール・カミュの『ペスト』が良く売れていると何度か新聞などで目にした。カミュの『ペスト』は1940年代のアルジェリアを舞台にした不条理文学である。この作品は当時の実存主義との関連で論じられることが多かった。そういう時代の産物なので、非常に抽象的、哲学的な内容だったように記憶している。
 一方、よりリアルに疫病禍を描いた作品として英文科出身の僕が思い浮かべるのはダニエル・デフォーの『ペスト』である。1665年にロンドンを襲ったペストの惨禍をドキュメンタリー的リアリズムで描いた傑作である。1665年当時のデフォーは5歳だったが、そこはあの『ロビンソン・クルーソー』の著者でもあるデフォーのこと、自分のかすかな記憶のみならず、様々な体験談や記録を調べてまるで見てきたように書くのはお手の物である。ペストは黒死病と恐れられ、中世に何度か猖獗を極めた時にはヨーロッパの人口の3分の1が死亡したともいわれている恐ろしい疫病である。デフォーの描写はリアルですさまじい。ヴァーチャル・リアリティという言葉が流行っているが、どんなに似せて作ろうが、ヴァーチャルというのは所詮作り物である。文学でいえば、精緻で、具体的で、冷徹な筆のみがリアリティを描きうる。
 しかしダニエル・デフォーの『ペスト』は長い間絶版だった。僕が持っているのは中央公論社の『新集 世界の文学』第2巻(昭和46年発行、初版、定価750円)に収められたものである。『ロビンソン・クルーソー』の縮訳版との組み合わせ。読書記録ノートによると、1974年4月5日に買って、翌年の2月12日から3月6日にかけて読んでいる。ちょうど英文科の学生だったころだ。デフォーの代表作が二つ入っているのだからまさにお徳用版である。しかしそれでも時の流れには逆らえない。かつて大流行した世界文学全集はとうの昔に過去の遺物と化し、古本屋の棚の常連となった(今では古本屋の棚からも消えつつあるが)。中公文庫やほかの出版社からも『ペスト』の訳は出ていたが、今はいずれも絶版。
 この中央公論社版『ペスト』を時間があるときに少しずつ読み進めているが、なにせ上下2段に分かれていて、当然活字も小さい。しかも印刷が薄くて、還暦をとうに超えた身には読みにくくて仕方がない。もっと活字が大きくて読みやすいものがこの機会に出てこないかと思っていたら、なんと出ました。今日の新聞の1面下の広告欄で見つけましたよ。研究社の『ペストの記憶』(3500円)。邦題は違うが、間違いなくダニエル・デフォーの『ペスト』である。しかも新訳だ。何か大きな出来事や注目されることが起こると、待ってましたとばかり関連書籍が発売されるが(分かりやすい例は、小説などが映画化がされるとその原作が突然発売されるという例)が、この新訳も辛抱強く何年も待ち続けて満を持していたのかもしれない。この新訳の実物はまだ見ていない。すでに持っている本なので、よほど字が大きくて見やすいとか読みやすい訳になっているといったことがなければ買うつもりはないが、まだ読んだことがない人にはおすすめします。

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