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2013年8月23日 (金)

ゴブリンのこれがおすすめ 40  中南米映画

中南米映画

<おすすめの中南米映画>
「ル・コルビュジエの家」(2009) ガストン・ドゥプラット、他、監督、アルゼンチン
「瞳の奥の秘密」(2009) フアン・ホセ・カンパネラ監督、スペイン・アルゼンチン
「闇の列車、光の旅」(2009) ケイリー・ジョージ・フクナガ監督、メキシコ・米
「ルイーサ」(2008) ゴンサロ・カルサーダ監督、アルゼンチン・スペイン
「永遠のこどもたち」(2007)  J・A・バヨナ監督、スペイン・メキシコ
「フランシスコの2人の息子」(2005) ブレノ・シウヴェイラ監督、ブラジル
「ウィスキー」(2004)  フアン・パブロ・レベージャ、他監督、ウルグアイ・アルゼンチン
「娼婦と鯨」(2004) ルイス・プエンソ監督、アルゼンチン・スペイン
「僕と未来とブエノスアイレス」(2003) ダニエル・プルマン監督、アルゼンチン、スペイン、仏、伊
「シティ・オブ・ゴッド」(2002) フェルナンド・メイレレス監督、ブラジル・仏・米
「フリーダ」(2002) ジュリー・テイモア監督、米・加・メキシコ
「オリンダのリストランテ」(2001) パウラ・エルナンデス監督、アルゼンチン
「アモーレス・ペロス」(1999) アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、メキシコ
「セントラル・ステーション」(1998) ヴァルテル・サレス監督、ブラジル
「クアトロ・ディアス」(1997) ブルーノ・バレット監督、ブラジル
「ラテンアメリカ光と影の詩」(1992) フェルナンド・E・ソラナス監督、仏・アルゼンチン
「スール その先は・・・愛」(1988) フェルナンド・E・ソラナス監督、アルゼンチン
「100人の子供たちが列車を待っている」(1988) イグナシオ・アグエロ監督、チリ
「ナイト・オブ・ペンシルズ」(1986) エクトル・オリベラ監督、アルゼンチン
「オフィシャル・ストーリー」(1985) ルイス・プエンソ監督、アルゼンチン
「タンゴ―ガルデルの亡命」(1985) フェルナンド・E・ソラナス監督、仏・アルゼンチン
「蜘蛛女のキス」(1985) ヘクトール・バベンコ監督、アメリカ・ブラジル
「追憶のオリアナ」(1984) フィナ・トレス監督、フランス、ベネズエラ
「アルシノとコンドル」(1982) ミゲル・リティン監督、ニカラグア
「アントニオ・ダス・モルテス」(1969) グラウベル・ローシャ監督、ブラジル
「黒い神と白い悪魔」(1964)  グラウベル・ローシャ監督、ブラジル
「エル」(1952)  ルイス・ブニュエル監督、メキシコ
「忘れられた人々」(1950) ルイス・ブニュエル監督、メキシコ

<中南米関連の映画>
「チェ28歳の革命」(2008) スティーヴン・ソダーバーグ監督、米・仏・スペイン
「ボーダータウン 報道されない殺人者」(2006)  グレゴリー・ナヴァ監督、米
「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」(2006) トミー・リー・ジョーンズ監督、米・仏
「スパングリッシュ」(2004) ジェームズ・L・ブルックス監督、アメリカ
「モーターサイクル・ダイアリーズ」(2004) ヴァルテル・サレス監督、英・米
「カーサ・エスペランサ」(2003) ジョン・セイルズ監督、アメリカ・メキシコ
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(1999)  ヴィム・ヴェンダース監督、独・米・仏・キューバ
「カルラの歌」(1996)  ケン・ローチ監督、イギリス
「愛と精霊の家」(1993) ビレ・アウグスト監督、ドイツ、デンマーク、ポルトガル
「クール・ランニング」(1993)  ジョン・タートルトーブ監督、アメリカ
「戒厳令下チリ潜入記」(1988) ミゲル・リティン監督、スペイン
「ミッション」(1986)  ローランド・ジョフィ監督、イギリス
「サルバドル~遥かなる日々」(1985) オリバー・ストーン監督、アメリカ
「エル・ノルテ 約束の地」(1983) グレゴリー・ナヴァ監督、アメリカ
「ミッシング」(1982)  コンスタンタン・コスタ=ガヴラス監督、米
「メキシコ万歳」(1979) セルゲイ・M・エイゼンシュテイン、他、監督、ソ連
「戒厳令」(1973)  コンスタンタン・コスタ=ガヴラス監督、仏・伊
「黒いオルフェ」(1959) マルセル・カミュ監督、フランス・ブラジル

<気になる未見作品>
「偽りの人生」(2012) アナ・ピターバーグ監督、アルゼンチン・スペイン・独  
「幸せパズル」(2010) ナタリア・スミルノフ監督、アルゼンチン・仏
「チェ39歳 別れの手紙」(2008) スティーヴン・ソダーバーグ監督、仏・スペイン
「今夜、列車は走る」(2004) ニコラス・トゥオッツォ監督、アルゼンチン
「ビハインド・ザ・サン」(2001) ウォルター・サレス監督、ブラジル
「バスを待ちながら」(2000) ファン・カルロス・タビオ監督、キューバ、スペイン・メキシコ・仏
「サンチャゴに雨が降る」(1975)  エルヴィオ・ソトー監督、フランス・ブルガリア

<こちらも要チェック>
「エル・トポ」(1970) アレハンドロ・ホドロフスキー監督、メキシコ

 僕が最初に観た中南米の映画はミゲル・リティン監督の「アルシノとコンドル」である。1986年の2月15日に岩波ホールで観ている。監督のミゲル・リティンは後に衝撃的なドキュメンタリー映画「戒厳令下チリ潜入記」を撮った人として知られている人だ。80年代は世界中の様々な映画が日本に入ってきた時期で、70年代までは外国映画と言えばアメリカ、フランス、イタリア、イギリス、ソ連の映画がほとんどを占めていていた。それ以外と言えばインドのサタジット・レイ監督、スペインのルイス・ブミュエル、ポーランドのアンジェイ・ワイダやイエジー・カワレロウィッチ、アンジェイ・ムンク、ロマン・ポランスキー、デンマークのカール・ドライエル、スウェーデンのイングマル・ベルイマン、ギリシャのジュールス・ダッシンなどの巨匠の作品が入ってくるだけだったと言っても過言ではない。

 それが80年代に入り様々な国の映画が公開されるようになった。スイス、ハンガリー、トルコ、ベトナム、ユーゴスラビア、チェコ、ポーランド、ギリシャ、等々。エジプトやセネガルなどのアフリカ映画も入ってきた。才能ある多くの映画人がナチスに追われて亡命したため長い間停滞していたドイツ映画が「ニュー・ジャーマン・シネマ」と呼ばれて復活したのも80年代。独裁者フランコの下で長い間苦難を強いられていたスペイン映画も、フランコ死後の80年代に一気に黄金期を迎え、各種映画祭で次々にグランプリを獲得した。名作「黄昏の恋」(1982)はスペイン映画として初めてアカデミー外国語映画賞を獲得している。

 80年代最大の収穫は中国映画の公開である。「中国映画祭」を毎年開催していた池袋の「文芸坐」が果たした役割は非常に大きい。中国でも映画を作っていたのかと当時びっくりしたものだが、その質の高さに仰天したものだ。韓国映画が公開され始めたのも80年代の末頃だ。88年に「旅人は休まない」、「鯨とりコレサニヤン」、「ディープ・ブルー・ナイト」が公開されている。しかしこの時期の韓国映画は今と比べるとまだ珍品扱いだった。僕が韓国映画を観はじめたのは90年代からであり(80年代はまだ観ていなかったので)、同じころに公開され始めた台湾映画と当時はほとんどごっちゃになっていた。

 ラテン・アメリカ諸国の映画もやはりこの80年代に日本で公開されるようになったのである。恐らくそれ以前には「アントニオ・ダス・モルテス」が公開された程度ではないだろうか(1970年『キネマ旬報』ベストテン11位)。それが80年代になって何本も公開されるようになったのである。87年9月には三百人劇場で「メキシコ時代のルイス・ブニュエル特集」が組まれている。翌88年には草月ホールで「ラテンアメリカ映画祭」が開かれた(10月5日から13日まで)。

 以後、アルゼンチンとブラジルとメキシコを中心として、数は少ないが中南米の映画はほぼ毎年何本かは日本に入ってきている。「変貌著しい世界の映画」という記事に2006年現在の世界の映画製作本数比較を乗せたが、アルゼンチンは13位で74本、続く14位がブラジルで70本である。年間でこれだけの製作本数があるのだから、アルゼンチンやブラジルは映画大国といって良い。その割には日本での公開本数が少ないが、それは必ずしも質の問題だけではなく、馴染が少なく華やかなスターもいない中南米の映画を輸入するのにためらいを持つ日本側の問題もかかわっていると考えるべきだ。実際、中南米映画の水準は決して低くはない。僕の個人的なベスト5は「闇の列車、光の旅」、「フリーダ」、「セントラル・ステーション」、「100人の子供たちが列車を待っている」、「オフィシャル・ストーリー」だが、いずれも欧米の名作群と並べても全く遜色ない堂々たる傑作だ。

<追記>
 80年代の映画公開状況については「あの頃名画座があった(改訂版)①~⑧」と「あの頃こんな映画があった 1988年」を参照してください。左上にある「アーカイブ」の「映画レビュー以外の記事一覧」にリンクがあります。「あの頃こんな映画があった 1988年」は71年から87年までを取り上げた僕の映画自伝「あの頃名画座があった」シリーズの後続企画でしたが、88年をまとめたところで中断。いつか時間ができたら89年以降もまとめてみたいのですが、はたしていつのことになるやら。

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