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2008年6月22日 (日)

「ONCE ダブリンの街角で」を観ました

Mmf1  アメリカの映画情報サイトRotten Tomatoesの第9回Golden Tomato Awardsで、「ONCE ダブリンの街角で」はLimited Release部門とミュージカル部門で1位に選ばれた(「第9回Golden Tomato Awards発表」参照)。当然大いに期待して観た。結果はその高い期待を上回る傑作だった。とにかく映画の中で歌われる曲がどれも素晴らしい。音楽映画として1級品と言ってよい。同時に実にさわやかな恋愛ドラマでもある。音楽と映像とストーリーが見事に結びついている。深みはないが、今年一番気に入った映画の一つだ。ミュージカルや音楽映画を大量に作っているアメリカ映画でもこれを越えるものはほとんどないだろう。

 「ONCE ダブリンの街角で」はアイルランド映画。アイルランドといえば音楽が街中に溢れた国。リバーダンスを思い浮かべる人もいるだろう。急速調の音楽に合わせて歌い踊る人々。「ゴブリンのこれがおすすめ 38」(アイリッシュ/ケルト・ミュージック+ブリティッシュ・トラッド特集)でも紹介したが、ザ・チーフタンズ、アナム、アルタン、カパケリ、キーラ、クラナド、ソーラス、デ・ダナン、ルナサなどのグループ、ヴァン・モリソン、ドロレス・ケーン、メアリー・ブラック、モイア・ブレナン、モーラ・オコンネル、エンヤなどの歌手を輩出してきた。もっとポップ系ではザ・コアーズがあるし、ヒーリング系ではナイトノイズがある。ロック系ではシン・リジィ、ロリー・ギャラガー、ブームタウン・ラッツ、U2、ウォーターボーイズなど。アイルランドと音楽は切っても切り離せない関係にある。

 アイルランドと音楽映画といえば、まず思い浮かぶのはあの傑作「ザ・コミットメンツ」。その「ザ・コミットメンツ」にアウトスパン役で出演していたグレン・ハンサードが「ONCE ダブリンの街角で」の主人公を演じている。彼の歌はギター片手に歌うフォーク・ロック系。これが実にいいのだ。映画で歌われる曲はほとんど彼の作曲した曲らしい。

  街頭で彼が歌っていると、彼の音楽に惹かれたピアニストの女性が現れる。チェコ移民という設定になっているが、それはヒロインを演じている歌手のマルケタ・イルグロヴァがチェコ在住のシンガー・ソングライターだから。全く知らなかった人だが、グレン・ハンサードと共演したCDも作っているという。地味な顔立ちだが、なかなかの美人だと思う。もちろん声も歌もいい。

  彼女はグレン・ハンサードのデモCD製作に協力することになる。その間に非常にいい関係になるが、彼女には実は夫がいた。彼女は最後に夫の元に戻る。切ないがさわやかな別れ。こういう地味な恋愛ドラマはアメリカではなかなか作れない。そこが却ってリアルに感じるし、味わい深いものがある。小品という作りだがぜひともおすすめしたい映画である。この作品はレビューを書きます。

「ONCE ダブリンの街角で」(06年、ジョン・カーニー監督)★★★★☆
 出演:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ、ヒュー・ウォルシュ

<おまけ>
■音楽映画マイ・ベスト15(90年代以降)
「ONCE ダブリンの街角で」(06年、ジョン・カーニー監督)
「今宵、フィッツジェラルド劇場で」(06年、ロバート・アルトマン監督)
「トランシルヴァニア」(06年、トニー・ガトリフ監督、フランス)
「ドリームガールズ」(06年、ビル・コンドン監督)
「風の前奏曲」(04、イッティスーントーン・ウィチャイラック監督)
「アマンドラ!希望の歌」(02、リー・ハーシュ監督、南アフリカ、アメリカ)
「僕のスウィング」(02、トニー・ガトリフ監督、フランス・日本)
「歌え!フィッシャーマン」(01、クヌート・エーリク・イエンセン監督、ノルウェー)
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(99、ヴィム・ヴェンダース監督、ドイツ他)
「海の上のピアニスト」(99、ジュゼッペ・トルナトーレ監督、米・伊)
「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」(98、アナンド・タッカー監督)
「ガッジョ・ディーロ」(97、トニー・ガトリフ監督、フランス・ルーマニア)
「ブラス!」(96、マーク・ハーマン監督、イギリス)
「風の丘を越えて」(93、イム・グォンテク監督、韓国)
「ザ・コミットメンツ」(91、アラン・パーカー監督、イギリス)

「ONCE ダブリンの街角で」のレビュー

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コメント

豆酢さん コメントありがとうございます。
レビューを書き上げるまでにはまだ時間がかかりそうですが、必ず書くつもりです。
この映画は本当におすすめですよ。音楽の好みはあるでしょうが、音楽とラブ・ストーリーが無理なく結びついているために好き嫌いを越えてしまうと思います。「ザ・コミットメンツ」同様、長く記憶にとどまる作品だと思います。

おお!私はこの映画は未見なんです。
他のブログ様でも、絶賛されている記事をたくさん見かけます。ゴブリンさんがレビューを書かれるということは、またも期待度が上がってしまいますね。
ぜひDVDでじっくり観てみたいと思います。ゴブリンさんのレビューも楽しみ!

下の記事の話題ですが、「トーチソング・トリロジー」DVD発売はうれしい。やっとですね!これは早速購入しなければ。

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