パンズ・ラビリンス
2006年 メキシコ・スペイン・アメリカ 2007年10月公開
評価:★★★★★
原題:EL LABERINTO DEL FAUNO
監督、脚本、製作:ギレルモ・デル・トロ
撮影監督:ギレルモ・ナバロ
美術:エウヘニオ・カバレロ
音楽:ハビエル・ナバレテ
出演:イバナ・バケロ、セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、ダグ・ジョーンズ
アリアドナ・ヒル、アレックス・アングロ、ロジャー・カサメジャー
フレデリコ・ルピ、マヌエル・ソロ
このレビューの「前書き」にあたる「『パンズ・ラビリンス』を観ました」という記事で、この映画が内戦の悲痛な現実や「内戦の影」を描く一連のスペイン映画の系統に属するものであることを強調した。ダーク・ファンタジーという呼び方ではファンタジーの系統に入ってしまうからだ。もちろん、この作品はリアリズムとファンタジーがまれに見るほど見事に結合した作品であって、ファンタジーの要素を過小評価するつもりはない。そのことはこの映画からファンタジー部分を抜いて、リアリズム部分だけで作られた場合を想像してみれば分かる。山に立てこもって抵抗を続けるゲリラとフランコ軍との戦いを描いただけではどう考えても物足りない。
この作品におけるリアリズム部分とファンタジー部分は表裏一体のものである。その二つが結びつき、絡み合うことで、単純に二つを足しただけ以上の効果が発揮されている。「パンズ・ラビリンス」を批評する時、この2つの部分の関係とその組み合わせから得られる効果がどんなものであるかを解明する必要がある。
二つの部分が対比的に使われていることは明らかである。現実の世界で展開される残虐な行為と嘘や苦痛のない地下の国の対比。ファンタジーの世界は過酷な現実から逃れるためにオフェーリアが作り上げた仮構の世界。優しい父と母のいるやすらぎの世界。ファンタジーの世界と対比されることによって、暴力でもって殺しあう現実世界の愚かさが批判されている。
「嘘や苦痛のない地下の国」という設定は確かに批判力を持っている。それは一種の理想の世界であり、理想主義は理想とは程遠い現実を批判する力を持つ。しかし、同時にそれは空想的だという限界ももつ。もし単純な対比だけであれば、この映画はこれほど優れたものにはならなかっただろう。この二つの世界は対比的であると同時にまた並行世界でもあった。オフェリアが「逃避」した地下の世界は恐ろしい怪物の住むぞっとする世界でもあり、彼女はその中で3つの試練を課されるのだ。決して安楽な世界ではない。どこに逃げても過酷な現実が彼女を追ってくる。「パンズ・ラビリンス」においては現実世界もファンタジー世界も、どちらも過酷な世界なのである。地上も地下も、迷宮の中も外も「約束の地」ではなかった。それが「パンズ・ラビリンス」の冷厳な現実である。ファンタジーの世界は決して甘い夢の世界ではなく、むしろ悪夢の世界だった。アニメ「ニモ」(1989)のような“ナイトメアランド”と“スランバーランド”の単純な色分けではない。「パンズ・ラビリンス」の世界ではまどろみ(スランバー)の中でも悪夢を見るのだ。
主人公の少女オフェーリア(イバナ・バケロ)が死すべき運命であることは彼女の名前そのものが既にして暗示していた。『ハムレット』のオフィーリアは溺死するのである。ラビリンスの中の妖精たちも1998年のイギリス映画「フェアリーテイル」に出てくるような羽の生えた天使のごとき妖精ではない。それに近いものも出ては来るが、それさえも最初はナナフシの姿をしていた。オフェーリアが「妖精はこんな姿よ」と本の挿絵を見せたためにナナフシはそれに合わせて変化したのである。それは彼女の願望の写し絵に過ぎなかった。ラビリンスのほとんどすべての住人は恐ろしい、あるいはおぞましい姿をした怪物や化け物だった。それはまさに「ロード・オブ・ザ・リング」の竜、トロル、ゴブリン、オーク、ゴラムなどが出てくる世界である。そもそも妖精とはほとんど日本の妖怪に近いもので、キャサリン・ブリッグズの有名な『妖精事典』や『妖精 Who’s Who』を見てもそのほとんどが日本人には妖怪にしか思えない存在である。竜、トロル、ゴブリン、オークなども分類上は妖精なのだ。
「パンズ・ラビリンス」ではこれにギリシャ神話のパン(ダグ・ジョーンズ)やヨーロッパに古くから伝わるマンドラゴラ、ジャバ・ザ・ハットの親戚のような巨大なガマガエル、さらにペイルマンと呼ばれる独創的な怪物まで加わる。まさに妖怪やおぞましい怪物のオンパレード。地底王国の使いであるパンでさえも本当に信じられるのか疑わしく思えてくる。オフェーリアを除けばファンタジーに付き物のかわいいキャラクターなどは出てこない。その分オフェーリアのかわいらしさが際立つのだが(オフェーリア役のイバナ・バケロはまさに第2のアナ・トレントだ)。
結末も当然ハッピーエンドではない。この映画は、その意味でダーク・ファンタジーと言うよりもアンチ・ファンタジーである。ファンタジーの中にも容赦なく現実が入り込んでくる。暴力と恐怖は現実の世界だけではなく、オフェリアが逃げ込んだファンタジーの世界にもあふれている。そして彼女が出会う3つの試練もまた現実の世界の戦いに呼応している。泥だらけになって巨大で醜い敵と戦い、敵の誘惑と戦い(レジスタンスに裏切りは付き物だ、また天井の穴から危機一髪脱出するのは「影の軍隊」を想起させる)、自己犠牲を払う。
現実もファンタジーの中もオフェーリアにとっては試練の場だった。この点が重要だ。彼女はただ逃避したのではなく、自ら試練に立ち向かった。それは王女になるためというよりも王国を復活させるためだったのではないか。現実世界でも大人たちは過酷な試練にさらされていた。オフェーリアの母カルメン(アリアドナ・ヒル)は夫が戦死し、自分と娘が生きるためフランコ軍のヴィダル大尉(セルジ・ロペス)と再婚した。彼女は「ボルベール」に出てくる母親像とは全く違う。ヴィダル大尉にすがって生きることしかできない。本が好きで想像力豊かな娘と違って母親は物語の力などあっさり否定する。生きるためにはたとえ残虐な男でも力のあるものに頼る。これもまた現実である。
しかしオフェーリアには実母に変わる存在がいた。ヴィダル大尉の身の回りの世話をしているメルセデス(マリベル・ベルドゥ)だ。弟は反政府ゲリラの一員で、彼女も秘かにゲリラを支援している。実母のカルメンと違って、彼女はオフェーリアが語る妖精の話に耳を傾ける。そして自分も子供の時には妖精が見えたと話す。その上で大人になった今は見えないと付け加えるのだ。メルセデスは大人になったオフェーリアなのである。この映画は1944年という歴史のある時点を描いているが、実は内戦からフランコの独裁時代、そして独裁が終りスペインに民主主義が戻るまでの長い歴史が象徴的に描きこまれているのである。この点はまた後に触れる。
オフェーリアと重なるのはファシスト軍との勝ち目のない闘いという試練に立ち向かっているゲリラたちやその協力者であるメルセデスだけではない。カルメンの看病をしているファレーロ医師(アレックス・アングロ)もオフェーリアと重なってくる。彼は捕まって拷問を受けているゲリラの一人に薬を打ち安楽死させる(口封じでもある)。それを見抜いたヴィダル大尉が問い詰める。「従う方があんたのためなのに。わからん、なぜそうしなかった。」医師「何の疑問も抱かずひたすら従うなんて心のない人間にしか出来ないことだ。」去って行くフェレイロ医師を大尉が後ろから撃つ。オフェーリアも義父の大尉を父とは認めず、彼の言葉に何度も逆らった。握手のため大尉が手を差し出した時、オフェーリアは左手を差し出す。右手が本を持っていてふさがっていたからだが、わざわざ持ち替えることをしなかった。ファレーロ医師がメルセデスに何かを手渡したのを目撃した時も、それを誰にも話さなかった。彼女は自分で判断し行動したのである。
現実の世界を支配しているのは冷酷無比なヴィダル大尉である。無実の農民親子を撃ち殺した時も少しも動揺を見せない。捕らえられたゲリラに彼が拷問を加えるシーンでは薄ら寒い空気が画面に満ちる。彼の行くところ残虐なシーンがついて回る。彼自身が口を切られ、それを自分で縫い合わせるシーンなどは下手なホラー映画以上に不気味である。彼はまさに「死」であった。オフェーリアにとっても、メルセデスにとっても、フェレイロ医師にとっても、ゲリラたちにとっても、そして大尉に庇護されているカルメンでさえも、生きること自体が苦しみだった。オフェーリアが幻想世界を自分で作り出したのも無理はない。オフェーリアの幻想の世界はその意味で現実が生み出したものなのである。
しかしこの映画はその幻想世界を単なる逃避的で無力な世界だとは描かなかった。むしろ想像力は創造力であり、未来を生み出すものとして暗示されている。メルセデスやフェレイロ医師やゲリラの戦士たちも未来を思い描くからこそ希望を持ち続けられるのだ。
オフェーリアは弟を生かすために自分の命を失った。そのように選択することによって彼女は王女として「魔法の王国」に戻ることができた。その王国はどこにあるのか?ここでファンタジーはもう1回転する。冒頭に出てくる魔法の国の物語が重要な意味を帯びてくる。人間の世界にあこがれていた地下の国のお姫さまは、地上に憧れある日地上に出る。しかし日の光を浴びてお姫様はすべての記憶をなくし、そして死んだ。しかし父王はいつか姫の魂が他の肉体に乗り移り、別の時代に戻ってくると信じていた。
「魔法の王国」とは民主主義を回復したスペインなのである。長い間地下に潜んでいた時代の王国とはフランコ独裁政権下のスペインであった。ファシストによる独裁はオフェーリアが死んだ後も75年まで続くのだ。「弟よ、あなたの外の世界は、決して平和じゃないわ。」オフェーリアが母のお腹の中にいる弟に言った言葉は、1944年にだけ当てはまるのではない。手のひらに目玉をつけた怪物ペイルマンはまさに独裁政権の監視の「目」を象徴している。
しかし、その独裁政治もいつかは終わる。人々は苦しみつつも未来を思い続けた。想像力が生きる力を生む。スペインに再び民主主義が戻った時、彼女の「王国」は地上に帰ってくるのだ。「ゲルニカ」のように。(注)「一粒の麦もし地に落ちて死なずば、ただ一つにてあらん、死なば多くの実を結ぶべし。」彼女は死して未来の種を生んだのである。その芽はメルセデスの子守唄を聞いて育ったのだ。
(注)「ゲルニカ」はパリ万博に出品された後、ニューヨーク近代美術館に保管されていた。フランコ政権は「ゲルニカ」のスペイン返還を求めたが、ピカソはスペインに再び民主主義が戻るまで決して戻してはならないと伝えたという。「ゲルニカ」は独裁者フランコの死後、1981年にスペインに返還された。
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とんちゃんさん、コメントありがとうございます。リンクの件は反省しなければならないのは僕の方です。「私では相互リンクの対象にはならなかったのかなぁとその時はかなり落ち込みました。」という文を読んで愕然としました。そのような気持ちにさせてしまっていたことに全く気づきもせず、リンクのことも恐らく忘れていたのです。自分の無神経さにいたたまれない思いでした。ですから、その点についてはひたすらお詫びする以外にありません。
とんちゃんさんのブログも立派なものですよ。実を言うと、僕は大部分の方にはTBを送るだけでコメントを書いていないのです。申し訳なく思いつつも、いつもお世話になっている方やよくコメントをいただく方にしぼってコメントをしているというのが実情です。「とんとん亭」はそういう位置づけにあるのです。卑下することはありませんよ。これからもどうかよろしくお願いいたします。
投稿: ゴブリン | 2008年4月23日 (水) 02:28
ゴブリンさん、
(*_ _)人ゴメンナサイ
めっちゃ気を使わせてしまいました。
正直、私が始めてゴブリンさんのBLOGを知った時に
凄い!めっちゃ凄い!と勝手に惚れちゃって、私の駄BLOGでも多少の効果があれば、なんですがコレは色んな方に紹介したい!と本気で思いました。
正直映画にはほとんど興味のないお友達に(でも読むのは好き、というネット好きなお友達)
私が書いたレビューと比べて、凄くない?と数名の
同じ映画のレビューを読んで貰いました。
そしたら圧倒的にゴブリンさんのが凄い!という。
鼻が高かったです(なんでやねん笑)
実は、密かに勝手にゴブリンさんの記事を映画ブロガー
さんにも「この人、すごくね?」みたいに紹介して
いました^^
なので、私なんぞには雲上の方。
なのにコメントを下さる。それだけで充分有難き幸せなのに、私って、短気でヤキモチ焼きでホント駄目な
人間です・・・。
ついつい悔しくなってしまい、要らぬ事まで書いて
しまいました(追記のコメント)
それでも、優しいゴブリンさんに感謝です。
一生、ついて行きますので、今後とも宜しくお願いします。もういじけたりしません(笑)
リンクの件、遠まわしに催促するような真似で、
あざとい私をお許し下さい。
そして、とても嬉しいです!!
光栄です。逆に恥ずかしくもありますが^^
勿論、直ちにリンクしますので!本当にごめんなさい
&有難うございました★
投稿: とんちゃん | 2008年4月22日 (火) 20:26
とんちゃんさん TB&コメントありがとうございます。そして、リンクの件申し訳ありません。大変失礼なことをいたしました。幾重にもお詫びします。改めてこちらからリンクのお願いに窺いますので、どうかまたリンクしてくださるようお願いいたします。
レビューのことでそれほど悩むのはすごいことですよ。単に感想を書き留めるだけだったり紹介するだけだったらそんなに悩みません。向上心があるから悩むのでしょう。それは素晴らしいことです。
僕はもう40年以上映画を見続けていますが、レビューを連続して書き始めたのはほんの数年前です。最初は日記に7、8行程度あらすじと感想を書き留めることから始めました。本格的にレビューを書き始めるまでには1年以上かかりました。
長いこと継続して映画を観続けたことと、本を読み続けてきたこと、大学で文学研究を学んだことが僕のレビューの下地になっていると思います。
あせることはないですよ。急がば回れ。どんどんいろんなところに寄り道してください。映画でも本でも音楽でも旅行でも、自分の経験したことでレビューの下地や肥やしにならないものはありません。文章力よりもものの見方考え方。そして何よりも映画を楽しむことです。自分がどこに感動したのか、どのようにわくわくしたのか、自分や他の観客を感動させた映画の力の根源は何か、それを言葉で表現する。僕がやっているのはそれだけです。
迷いつつ模索しつつ継続することが大事だと思います。お互いにいろんなものを吸収して、よりよいレビューを書くよう努力しましょうよ。
投稿: ゴブリン | 2008年4月20日 (日) 19:25
追記ですが、私も以前ゴブリンさんにリンクの件を
申し出ましたが、一方的にリンクしていたので
だいぶ前に、リンク欄からはずさせていただきました。
私では相互リンクの対象にはならなかったのかなぁと
その時はかなり落ち込みました。
一歩でも、近づけるように、この後も頑張ります。
が、文才も知識もないので、難しい大きな「壁」です。
私なんぞが、一丁前にレビューなんか書いていいのか
悩む「迷宮」に入り込んで1年過ぎようとしています。
今は、もうやぶれかぶれです^^
投稿: とんちゃん | 2008年4月20日 (日) 14:21
素晴らしいですね。
ゴブリンさんのレビューは、とっても長いので(失礼!
悪くとらないでくださいね^^)斜め読みで、TBしちゃいました。
毎日、忙しくてゆっくり読む暇がないのが残念です。
そして、今じっくり読ませていただきました。
今月は私、仕事が激務で映画館には足を運べない状況なので、そのせいもあって先週DVDで観た「パンズ・ラビリンス」を今も引きずっています。
ゴブリンさんのレビューが余りにも深く濃いので
自分のが恥ずかしくなります。前にも同様の事を書いた
と思いますが^^
「魔法の王国」とは民主主義を回復したスペインなのである。の下りは、本当に頭が下がります。
大好きな映画について、これだけ解釈をできたら、私なら映画評論家を目指しているところですが・・・。
尊敬します。素晴らしいです。
妖精=妖怪・・・そんな事も考えが及びませんでした。
有難うございます、最高のレビューを読ませていただきました。
投稿: とんちゃん | 2008年4月20日 (日) 14:15
真紅さん、kimion20002000さん、豆酢さん
コメントありがとうございます。TBを反映しなくて申し訳ありません。どうもメンテナンス以降TBが入りにくくなってしまいました。困ったものです。
<真紅さん>
僕も昨年公開映画の中でトップを争う出来だと思います。「ミツバチのささやき」はぜひ観て下さい。同じビクトル・エリセ監督の「エル・スール」もおすすめです。
<kimion20002000さん>
僕なりに解釈してみたのですが、kimion20002000さんが記事の中で指摘されていた「謎」にはほとんど手をつけていません。まだまだいろんな仕掛けがありそうです。
<豆酢さん>
はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
この映画は20世紀のスペインが歩んできた苦悩の歴史に思いを馳せながら見る事が絶対に必要でしょうね。その意味で豆酢さんさんがご自分の記事でスペイン内戦の説明を詳しく書いているのは大事なことだと思いました。
リンクの件はもちろんOKです。こちらからもリンクさせてください。これからもよろしくお願いいたします。
投稿: ゴブリン | 2008年4月15日 (火) 02:25
TBありがとうございました。はじめてコメントさせていただきます。豆酢と申します。
素晴らしい映画の、素晴らしい映画評を読むことに勝る幸せはありません。ゴブリンさんが丁寧に展開されている論調には、深く深く納得するばかり。
この作品は、背景にあるスペイン内乱の悲劇をある程度理解せねば、その奥底にある悲痛な暗喩に気づかぬままになってしまいます。それでは、この重層的な映画の魅力が半減すると思うのです。DVDがリリースされてから時間も経ちますが、いまだに映画の各シーンが脳裏に蘇ってきますね。それぞれのシーンの裏にはなにがあるんだろうと考える自分がいるのですよ。奥深い作品でした。
こちらからもTBさせていただきましたが、うまくいきましたでしょうか。
それから、実に勝手なお願いなのですが…。
もしよろしければ、ゴブリンさんのこのブログを拙宅(「豆酢館」)からリンクさせていただけないでしょうか。
ご検討くださると嬉しいです。
投稿: 豆酢 | 2008年4月14日 (月) 21:25
TBありがとうございます。
再び。
こういうレヴューをみれて、嬉しいです。
1.オフェーリア(イバナ・バケロ)が死すべき運命であることは彼女の名前そのものが既にして暗示していた。
2.メルセデスは大人になったオフェーリアなのである。
3.「魔法の王国」とは民主主義を回復したスペインなのである。
このあたりの解読の仕方が好きです。
で、メルセデスの子守唄で締めるのは、ちょっとポエティックでとてもいいですね。
投稿: kimion20002000 | 2008年4月14日 (月) 18:11
ゴブリンさま、こんにちは! TBありがとうございました。
こちらからはまた反映されていないようで、すみません。
文句なしの五つ星ですね。私もこの映画は昨年観た中でぶっちぎり、ダントツの一位でした。
物語が重層的な構造になっているため、様々な解釈が可能だとは思うのですが、「メルセデスは成長したオフェーリア」という文章に納得です。
また「ダークファンタジーというよりアンチファンタジー」という説も、その通りですね。
この映画を観て『ミツバチのささやき』を思い出したという方が何人かいらっしゃって、未見なので観てみなければと思っています。
ではでは、また来ますね。
投稿: 真紅 | 2008年4月14日 (月) 17:21