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2008年3月 2日 (日)

「アース」を観てきました

2007年、ドイツ・イギリス、2008年1月公開
監督:アラステア・フォザーギル 、マーク・リンフィールド
評価:★★★★

 1日は映画の日。映画の日が土日と重なる機会は少ないので、逃してはならないと思って電気館で記録映画「アース」を観てきました。

Artiruka05200wa   「WATARIDORI」、「皇帝ペンギン」、「ディープ・ブルー」、そして「アース」。「ディープ・ブルー」から4年を経て、再びそのスタッフが「プラネットアース」というより広い視点から、さらに地球温暖化問題という視点を盛り込んで、新たなネイチャー・ドキュメンタリー映画を届けてくれた。前にも書いたが、僕はこの種のドキュメンタリーが好きだ。テレビの番組でも見かけたらまず最後まで観てしまう。「シルクロード」、「世界わが心の旅」、「世界遺産」などのシリーズ、あるいは動植物や昆虫などの生態を描いた番組。まだ見ぬ街やふだん身近に見ることのない生き物の世界に否応なく魅せられてしまう。中でも、イギリスBBC製作のドキュメンタリー番組はどれも質が高く必見である。映画も上記の他に、ジャック=イヴ・クストー監督の「沈黙の世界」(56年)を始め、「アトランティス」(91年、リュック・ベッソン監督)、「地球交響曲」(92年、龍村仁監督)、「地球交響曲第二番」(95年、龍村仁監督)、「不都合な真実」(06年、デイビス・グッゲンハイム監督)などのドキュメンタリーを観てきた。

 日常生活では決して見られない驚異の世界。遠い異国の街や深海や極地の氷の世界などに人が魅せられてしまうのは日常性からの脱出という願望があるからだろう。どんなに移動手段が発達しても日々の生活は一定の地域内に限定されている。それでも、異国の街は旅行に出かければ一応見ることは可能である。しかし、深海や高山や極地の世界は、月から見た地球の映像同様、一般の人には直接目にすることがまずできない世界だ。ほとんどの人にとって、そういった場所は記録映像でしか見ることができないのである。人を容易に寄せ付けないこれらの場所は映像関係の技術や機材の発達があって初めて記録できるようになった。だから人々は画面に引きつけられてしまうのだ。

 最近よくテレビで「驚異の映像」が流されるが、宇宙全体から見れば小さな点にしか過ぎない地球も、そこに住む小さな人間にとってはそれ自体が宇宙といってもいいくらい巨大である。誰もがそのごく一部しか見ていない。地球上にはまだまだ未知の世界、信じられないような光景がいくらでもあるのだ。げに、ドキュメンタリー映像を観ることは未知との遭遇なのである。しかし、「アース」はただ自然の驚異に目を瞠っていればいい映画ではない。映像に人間は一人も映っていない。だが常にその映像の背後に人間の活動が影を落としているのだ。「アース」はみて驚き、かつ考えさせられる映画なのである。

Photo  イギリスの映画史を見ると数多くの古典的ドキュメンタリー作品に出会う(去年有名な「エヴェレスト征服」がDVDになった)。その伝統は世界に名高いBBCのドキュメンタリー番組に脈々と受け継がれている。映像プロデューサー、自然誌学者、動物学者であるデヴィッド・アッテンボロー(俳優・監督として有名なリチャード・アッテンボローの弟である)に案内されて次々に展開される驚くべき映像を眺めた人も多いだろう。「アース」の監督アラステア・フォザーギルとマーク・リンフィールドは共にBBCで数多くの番組を作ってきた人たちである。BBCはJIS規格以上に信頼と安心の印。そのベテラン2人が最新の機器を駆使して撮ったのだから悪かろうはずはない。

 とにかく壮大な企画だ。北極から南極へと進む地球縦断の旅(何と奈良県吉野山の桜の開花も出てくる)。ノルウェーの北方に位置する島コン・カールス・ランドでホッキョクグマの親子を撮り(撮影クルーの立ち入りが許可されたのはこれが初めてだそうである)、同じくノルウェーのスヴァールバルでほとんど体重を支えられないほど薄くなった流氷上を進むホッキョクグマをヘリで空撮し、カナダのノースウェスト・テリトリーではオオカミたちがカリブーの群れに襲い掛かる一部始終を撮り、ボツワナのチョベ国立公園でライオンの群れによるゾウ狩りを撮った(超高感度カメラによる夜間撮影が驚くほど鮮明だ)。

 記憶に残る印象的な場面がたくさんある。冬眠から覚め穴の外に出てきたホッキョクグマの小熊たちがおっかなびっくりで雪の急斜面を降りたり登ったりするかわいいしぐさ、流氷が余りに薄くて何度も足が氷を突き破ってしまい、最後には流氷の間を泳いで行くホッキョクグマのオス。画面の端から端まで広がるタイガの針葉樹林、世界一の高峰ヒマラヤを命がけで越えてゆく渡り鳥(アネハヅル)たちの姿、巨大な象に襲いかかるライオンの群れ、水を求めて乾いた大地を延々と移動する象たちの過酷な旅(「皇帝ペンギン」を連想させられる)、群れからはぐれた象の親子を襲う猛烈な砂嵐、オットセイを口にくわえて水面を高々とジャンプする巨大なホオジロザメ、大洋を悠々と泳ぎ回るザトウクジラの親子。チーターに追われ必死で逃げるガゼルの子どもの映像には思わず「走れ!逃げろ!」と心中で叫んでいた。初めて見る鳥も出てくる。パプアニューギニアの熱帯雨林に住むカタカケフウチョウの求愛行動は実にユニークだ。羽飾りをぱっと広げると鏡餅に目と口を描いたようなユーモラスな形に早や変わりする。

 おやおや、ほとんど全部挙げているではないか。まあ、映画館の大画面で観る映像は見慣れた光景でも大迫力の魅力ある映像に変えてしまう。人間を除く様々な生き物が登場するが、主役はやはり地球だ。必死で生きる生き物たちを観ていると、生き物たちばかりではなく地球自体が生きていると感じてくる。雪を割って芽が出てきて、木々に緑の葉がつき、花が咲き、花と葉が散り、色とりどりだった山がやがて茶色に変わり、雪に覆われてゆく。四季の移り変わりを一気に早回しで観ると、生きている地球の息遣いが聞こえてきそうだ。

 冒頭に出てくるナレーション(英語版はパトリック・スチュワート、日本語版は渡辺謙)が印象的だ。地球の地軸が傾いているからこそ地球には四季のうつろい、寒暖の差、そして生命が生み出されることになったのだと。地軸が傾いているから、生命が生息するための完ぺきな条件がそろったのだ。しかしその絶妙のバランスを人間の活動が壊しかけている。地球温暖化が深刻度を増している。北極の氷が融け始め、氷の上ではなく海を泳いで獲物を探すホッキョクグマ。下手すると溺れてしまう。やっとセイウチの群れを見つけたときには体重が半分に減っていた。やせ細り空腹状態で倒せる相手ではない。最後の力を振り絞って襲い掛かるも、振り切られる。力尽きセイウチの群れの間に倒れこむホッキョクグマの姿に、壊れゆく地球の姿が象徴されている。温暖化で氷が融けてゆく。水の惑星地球が水に溺れようとしている。46億歳の地球が病み衰えようとしている。「まだ遅くない」、最後のメッセージが重くのしかかってくる。

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コメント

cyazさん コメントありがとうございます。TBが入りにくくて申し訳ありません。
もう10年くらい前になるでしょうか、テレビでシベリアのタイガが融け出している衝撃的な映像を見ました。あちこちに水溜りができ、ぶくぶくとメタンガスが噴出している。永久凍土地帯が融けだしているという事実はショッキングでした。
その後深刻な事態は進む一方です。氷河が小さくなり、極地の氷がどんどんなくなってゆく。地球規模で異変が起きています。
われわれに出来る事は少ないのですが、危機意識の輪が広がり、世論を動かすことが必要でしょう。最終的に政府や企業を動かさなければ何も変わりません。ブログを書き続けることが少しでも力になればいいですね。

ゴブリンさん、こんにちは^^
TB、ありがとうございましたm(__)m
環境破壊や地球温暖化、人が自らの手で犯してしまっているミスを、利便という人間の身勝手で彼らを窮地に追い込んでしまっているんですよね。 こういう映像が少しでも阻止することに役立てればと思います。
TB何度か試みましたが反映しませんでしたm(__)m
URL置いていきます。
http://blog.goo.ne.jp/cyaz/e/703f34a8674c1ab2e2a123641e58d0e3

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