最近のトラックバック

お気に入りホームページ

お気に入りブログ 2

  • とんとん亭
    いい映画をたくさん観ているとんちゃんさんのブログ。映画の魅力を丁寧に語っています。
  • 新・豆酢館
    カテゴリーが実にユニーク。関心の広さと深さとユニークさが魅力です。
  • 虎猫の気まぐれシネマ日記
    猫が大好きなななさんのブログ。とても丁寧に、詳しく映画を紹介しています。
  • 犬儒学派的牧歌
    一見近寄りがたいタイトルですが、とても読みやすくまた内容の濃いレビューに出会えます。
  • TRUTH?ブログエリア
    GMNさんの充実したブログ。アメコミに強い方ですが、映画の記事もすごい。読ませます。
  • It's a Wonderful Life
    kazuponさんのブログ。観ている映画がかなり重なっているのでとても参考になります。
  • no movie no life
    洋画、邦画を問わず幅広くご覧になっています。しかも取り上げている映画は良質なものばかり!
  • 日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々
    おいしい物といい映画が大好きな方。味わいのある映画を選ぶ確かな目をお持ちです。
  • 再出発日記
    邦画を洋画と同じくらい観ておられます。社会的視点をしっかりとお持ちで、大いに勉強になります。
  • 藍空放浪記
    アジア映画を中心に幅広く映画をご覧になっています。レビューも長文で深い考察に満ちています。

お気に入りブログ

« 2007年12月2日 - 2007年12月8日 | トップページ | 2007年12月16日 - 2007年12月22日 »

2007年12月9日 - 2007年12月15日

2007年12月14日 (金)

ドレスデン 運命の日

2006年 ドイツ 2007年4月公開
評価:★★★★
監督:ローランド・ズゾ・リヒター
製作:ニコ・ホフマン、サーシャ・シュヴィンゲル、ニコラス・クラエマー
脚本:シュテファン・コルディッツ
撮影:ホリー・フィンク
音楽:ハラルド・クローサー、トーマス・ワンカー
出演:フェリシタス・ヴォール、ジョン・ライト、ベンヤミン・サドラー
    ハイナー・ラウターバッハ、カタリーナ・マイネッケ、マリー・ボイマー
    ズザンネ・ボルマン、カイ・ヴィージンガー

  「ドレスデン 運命の日」はだいぶ評価が分かれている。理由は明確だ。クライマックスでPhoto あるドレスデン空襲の場面はかなりリアルに再現されている。英軍作戦本部でのドレスデン空襲決定から爆撃部隊の出撃、そして爆撃機の編隊が次第に目標点へと近づいてゆくプロセス。それと運命の時が迫っていることを知らないドレスデン市民の人間模様が交互に描かれ、次第に緊張感が高まってゆく展開。爆撃が始まり地獄絵図のような惨状。そして最後に描かれる平和への祈りが込められた聖母教会の再建記念式典へといたる部分は力強い演出で、見事だといっていい。実際、見終わった直後はかなり高い評価点を付けようと思ったほどだ。

  しかし日を追うにつれ、様々な評価を読むにつれ、この映画の欠点が明確になってくる。主だった登場人物であるアンナ(フェリシタス・ヴォール)、その婚約者である医師アレクサンダー(ベンヤミン・サドラー)、英軍パイロットのロバート(ジョン・ライト)、アンナの父カール(ハイナー・ラウターバッハ)、この4人の間で展開されるメインのドラマが稚拙で貧弱なのだ。ドイツ人のアンナとイギリス兵のロバートが愛し合うという設定にした意図は明確である。『ロミオとジュリエット』のように敵対関係を愛が乗り越えるというテーマを織り込みたかったのだ。また、本来爆弾を落とす側にいるはずのロバートを逆にその爆弾の雨が降り注ぐ下に置いた意図も明確である。しかし、アンナとロバートが惹かれあってゆく過程が実に安易で、まるでハリウッド映画並のご都合主義的展開なのである。中心となる人間ドラマがありきたりのメロドラマ並みに貧弱であったことがこの作品の価値を著しく引き下げてしまった。

  一言で言えば、傑作になり損ねた作品である。しかし、それを認めた上でなお、この作品は真面目に検討する価値があると思う。

* * * * * * * * * * * * *

  映画を観た後にあれこれ調べてみて初めて知ったことだが、「ドレスデン 運命の日」は映画として作られたものではなく2夜連続のテレビドラマとして作られたものだった。2006Tuki1 年の3月に放送され、1200万人もの人が観たといわれる。歴史上有名なドレスデンの空襲がいかにドイツ人にとって大きな心の傷になっているかこの数字が示している。日本人にとっての広島、長崎に相当するものだろう。しかもドイツはナチス時代に他国やユダヤ人に対して行ってきたことを犯罪として認めてきただけに、自国の国民がこうむった被害をこれまで映画の中で描くことを慎んできた。戦後60年以上たってようやくこのような作品が現われたのである。これまでもいくつか作られてはいたが、日本では公開されていなかったということではないようだ。これについては監督自身がインタビューに答えて明確に語っている。「第2次世界大戦後、ドイツの映画人はまず罪の意識に向き合うことから始めました。ドイツが他の国々にどのような被害を与えたのかということを自ら捉えることに力を注いだのです。従って初めてこの映画で被害者としてのドイツ人という視点を盛り込むことになったのです。」ドイツの側から第二次大戦を描いたベルンハルト・ヴィッキ監督の「橋」やヴォルフガング・ペーターゼン監督の「Uボート」という戦争映画の名作はあったが、戦争の惨禍の中で呻吟する一般市民を描いたのはこれが初めてなのである。

  空襲の場面にテレビ番組としては異例なほどの予算をかけているのは、それだけドイツ人が待ち望んでいた映像作品だったということだろう。しかしその反面、ドラマが貧弱になってしまった。映画ではなくテレビ番組だったということが一定の制約として働いたのかもしれない。空襲による大規模な被害といえば日本人にとっては東京大空襲と広島・長崎がすぐ思い浮かぶ。あるいは、ピカソの絵で有名になったスペイン戦争時のゲルニカ爆撃、日本軍による重慶爆撃などを思い浮かべる人もいるだろう。僕らの世代にとっては北ベトナムに対する大量爆撃のニュース映像はいまだに記憶に新しい。時代が移って、イラクではピンポイント爆撃が話題になったが、それでも大量の誤爆が指摘された。ましてや無差別のじゅうたん爆撃ともなれば文字通り大量殺戮である。ドレスデンの爆撃では市街の85%が破壊され、3万とも15万とも言われる一般市民の犠牲者が出たとされる。

  この大量殺戮をローランド・ズゾ・リヒター監督はどのように描いたのか。それを考えるにあたって、黒木和雄監督の「TOMORROW 明日」と比較してみるのは有益だろう。黒木監督は原爆の惨禍を直接描かなかった。8月8日から翌日の原爆投下の瞬間までの長崎市民の生を描いた。彼らが死んだことではなく、生きてきたことに焦点を当てた。原爆で亡くなった人の数だけ人生が空しく消えていったのである。彼らに「明日」は来なかった。実に新鮮な視点で、この視点が「TOMORROW 明日」をユニークな作品にしていた。「ドレスデン 運命の日」もこれに近い描き方を試みている。ドレスデンの市民たちはその命を絶たれるまでどのように生きていたのか、それを描くことにかなりの時間を費やしている。この「生」の部分があったからこそ、最後の延々と続く爆撃の場面がより強烈に観る者に迫ってくるのである。もっとも、それだけに主要登場人物たちが全員生き残るという展開には疑問も残るのだが。

  「TOMORROW 明日」は実にユニークな視点を持った作品だったが、残念ながらあまりに淡々とした描き方であり、一部中だるみして平板になってしまったうらみがある。一方、「ドレスデン 運命の日」はあまりに性急にアンナとロバートの恋愛を描いてしまったために、ドラマが陳腐なラブ・ロマンスのようになってしまった。アンナの父とアレクサンダーのエピソードもとってつけたようで説得力に欠ける。むしろよく描けていたのは、アンナの友人であるマリア(マリー・ボイマー)とその夫ジーモン(カイ・ヴィージンガー)のエピソードである。マリアは周りからしきりに早く離婚した方がいいと言われている。よほどひどい夫なのだろうと観客は思うが、実はジーモンはユダヤ人であったことがだいぶ後になって分かってくる。アーリア人と結婚していたためにかろうじて強制収容所送りにならずにすんでいたのである。この展開が見事だ。特に素晴らしい場面がある。いよいよ敗色が濃くなってきた時、何とか生き延びていたユダヤ人たちにもついに「呼び出し」がかかる。その手紙をユダヤ人たちに届けるつらい役割を担わされたのはジーモンだったのである。戦場から一人生還した渥美清が、戦友たちの遺書を届けるために遺族たちを訪ね歩く「あゝ声なき友」(今井正監督)を思わせる痛切な場面である。

  「TOMORROW 明日」のようにあまりに淡々とならず、かつ「ドレスデン 運命の日」のような安易なロマンスに流れないようにするにはどうすればよかったのか。一つ考えられるのはロバート・アルトマン作品のような群像劇に仕上げる方法である。出来るだけ多くの一般市民を登場させ、かつそれぞれのエピソードに生き生きとした輝きを与える。アンナとロバートの相愛は暗示するにとどめる。ロバートの手当てをするアンナのほほの汚れをロバートがおずおずと手でぬぐうシーンがある。控えめな描写だけに逆に印象的だ。ここまででやめておくべきだった。下手なドラマなどやめて、代わりに普通の市民の日常をもっと描きこむべきだった。もちろん群像劇の名手ロバート・アルトマンの域に達するのは至難の業だが、アルトマンの群像劇とあの空襲シーンが一つにつながったならば、この作品はとてつもない傑作になっていただろう。

  空襲前のドラマが説得力を持たないのは、「TOMORROW 明日」と違って、死んでいった人々の生を描くことではなく、クライマックスの空襲シーンまでの間を持たせる要素として作られていたからではないか。日常描写から突然のカタストロフィへという展開は近いItam10 ものがあっても、描き方がやはり違うのだ。基本的にこの映画の狙いはドレスデンの空襲がいかにすさまじく、悲惨なものであったかを描くことにあった。監督自身が次のように語っている。「夢や希望を持つ若い人たちに この映画を見てもらい、同じように希望を持っていた当時の若者の夢が一夜にして失われたという忌まわしい事実を知って欲しい。」確かに空襲の場面は相当な迫力である。逃げ惑う人々、崩れ落ちる建物。燃え盛る炎が空気を吸い上げ、激しい気流が起こり、人間がまるで蟻地獄のように炎の中に引き寄せられてゆく。しかし爆撃のすさまじさだけを描いているのではない。地下の防空壕の中で窒息死していた人々。まだ生きている人々も薄くなりつつある空気と迫り来る死に耐え切れず、若い兵士に「撃って早く楽にして」ほしいと懇願する。泣きながら市民を撃つ若い兵士。その防空壕に入ることを許されなかったユダヤ人たち。

  崩れてきた瓦礫に足を挟まれて動けなくなったロバートをアンナが助け出すあたりはハリウッド映画のような描き方で感心しないが、苦しみながら死んでいった人々の姿を丁寧に描きこんでいったことがこの空襲の場面を単なるスペクタクルを超えた悲劇にまで高めている。何人の人が死に、どれだけの建物が破壊されたかという数字だけでは、あの日ドレスデンで何があったのかを正確には理解できない。映画や小説の強みは一人ひとりの人間の生と死に焦点を当てて描くことが出来るという点にある。彼らは死の直前までどのように生き、どのような恐怖にさらされ、どのような苦しみを味わい、いかにして死んでいったのか。われわれはそれらを彼らと共に感じ、体感するのである。さらに、われわれは彼らに出来なかったことまで出来る。すなわち、あの日起こったことの意味を捉えなおすことである。この映画の持つ意味はまさにそこにある。

  大空襲の前の部分でも、ただ単にアンナとロバートのラブ・ロマンスだけが描かれていたわけではない。敗戦間近だというのに映画館のニュース映画はV1ロケットをイギリスに撃ち込み、反撃が始まったと報道している。アンナとアレクサンダーの結婚式に招かれてきた将校はこれからドイツの反撃が始まるなどと声高らかに話している。まるっきり当時の日本と同じだ。しかし違いもある。着ている服や食べ物など見ると、ドイツは戦時中の日本よりもはるかに豊かだったことが分かる。もんぺをはいて芋を食べていた日本とは雲泥の差だ。もっとも酒に困っていたアンナたちが試験管でアルコールを調合しているシーンもあったが。アルコールを片手にレコードに合わせて陽気に踊っているところはいかにもドイツ娘。これも当時の日本ではまずありえない図だ。もちろん当時の抑圧的な状況も描きこまれている。逃亡兵を匿った女性や瓦礫から物を盗んだ男があっさりと憲兵隊に銃殺される場面が差し挟まれている。「ヒトラー最期の12日間」でも描かれていた混乱した状況。

  爆撃が止んだ後、奇跡的に助かったアンナとロバートは地上に出る。廃墟となった教会の上に登ったロバートが見下ろしたドレスデンの街。見渡す限り瓦礫の山だった。“エルベのフィレンツェ”と讃えられた美しい街は一夜にして廃墟の街に変わってしまった。「戦場のピアニスト」の有名な場面を想起させる。廃墟となったブコバルの街を空撮で延々と映し出す「ブコバルに手紙は届かない」のラストシーンほどの衝撃はないが(どこまでいっても廃墟が続く実写映像は言葉を失うほど衝撃的だった)、無差別爆撃のすさまじさは充分伝わってくる。しかしラストで感じるのは空しさや絶望ではない。平和への祈りである。再建された聖母教会を祝う式典の映像をバックにアンナのナレーションが流れる(現代のアンナが教会の塔から街を眺めている)。「45年2月の出来事の理解は難しい。生き延びたものは新たな物を創る義務を負う。後ろばかり見ても影しか見えない。」式典で挨拶した人物は「皆に平和あれ」という言葉をいくつもの言語で繰り返す。

  教会は元通り再建された。しかしわれわれが創らねばならない「新たな物」とは新しい建物ではない。戦争のない世界である。その課題はいまだに達成されていない。

人気blogランキングへ

2007年12月13日 (木)

最近CDを買いまくっています

Rose_c04w  12月に入って狂ったようにアマゾンでCDを買いまくっています。これまでアマゾンでは随分たくさんDVDを注文しましたが、そのあおりでCDまでは手が回りませんでした。最初は1枚だけ注文するつもりだったのですが、一旦始めたらもう止まらない。たまりにたまった鬱憤を晴らすかのように検索しまくり、注文しまくった。そしてその次の日も、そのまた翌日も。毎日山のようにCDが届く。送料だけで1万円を超えたでしょう。

 多少の参考になるかもしれませんので、この間入手したCDのリストを挙げておきます。まだそのほんの一部しか聴いていないのですが、満点をつけたものには◆印をつけておきます(今後も満点をつけた場合は追加してゆきます)。言うまでもなく僕の好みを反映していますので、あくまで参考として受け止めてください。

【ロック/ポップス/ヴォーカル/その他】
アーロ・ガスリー&ピート・シーガー「プレシャス・フレンド」
アン・マッキュー「アメイジング・オーディナリー・シングス」
エイミー・マン「ザ・フォーゴトン・アーム」◆
オホス・デ・ブルッホ「バリ」
ケリ・ノーブル「フィアレス」 ◆
ジェス・クライン「シティ・ガーデン」
ジェス・クライン「ストロベリー・ラヴァー」◆
ジョアンナ・ニューサム「ミルク・アンド・メンダー」
ティム・バクリー「ザ・ベスト・オブ」
ドノヴァン・フランケンレイター「ムーヴ・バイ・ユアセルフ」◆
デイヴィッド・バーン「グロウン・バックワーズ」
デビッド・シルビアン「ブレミッシュ」
ナタリー・マクマスター「ブルー・プリント」
フィオナ・アップル「エクストラオーディナリー・マシーン」
ベラ・フレック&ザ・フレックトーンズ「テン・フロム・リトル・ワールズ」
モザイク「ライヴ・フロム・ザ・パワーハウス」
ロバート・ランドルフ&ザ・ファミリー・バンド「カラーブラインド」
ロバート・ワイアット「クックーランド」
ローラ・ニーロ「飛翔」

【ソウル/R&B/ブルース】
シリーナ・ジョンソン「チャプター3:ザ・フレッシュ」
スーザン・テデスキ「ホープ・アンド・デザイアー」 ◆
スーザン・テデスキ「ライヴ・フロム・オースティン」◆
ディー・ディー・ブリッジウォーター「ディー・ディー・ブリッジウォーター」◆
メイヴィス・ステイプルズ「ウイル・ネヴァー・ターン・バック」
ラッシェル・フェレル「インディヴィジュアリティ」
ローネイ「アイ・リメンバー」

【ジャズ】
エディ・ヒギンズ・トリオ「魅惑のとりこ」◆
ガブリエラ・アンダース「ウォンティング」
シェリル・ベンティーン「トーク・オブ・ザ・タウン」◆
シェリル・ベンティーン「シングス・ワルツ・フォー・デビー」
ジェーン・モンハイト「テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ」◆
セリア「ポート・オブ・コール」
ダイアン・リーブス「リトル・ムーンライト」◆
藤井郷子「スケッチズ」
ブラッド・メルドー・トリオ「デイ・イズ・ダン」
ボブ・ミンツァー「バップ・ボーイ」◆
マンハッタン・トリニティ「ミスティ」◆
マンハッタン・トランスファー「クドゥント・ビー・ホッター」◆
サントラ「僕のスウィング」◆

【ケルト・ミュージック/ブリティッシュ・トラッド】
ヴァシュティ・バニヤン「ルック・アフタリング」◆
ヴァシュティ・バニヤン「サム・シングズ・ジャスト・スティック・イン・ユア・マインド」
ヴィッキィ・クレイトン「イン・フライト」
サンディ・デニー「サンディ」◆
シャロン・シャノン「チューンズ」◆
ジョン・レンボーン「ザ・ナイン・メイデンズ」
ジョン・レンボーン「ア・メイド・イン・ベドラム」◆
VA「ケルティック・タイド」◆

« 2007年12月2日 - 2007年12月8日 | トップページ | 2007年12月16日 - 2007年12月22日 »

ゴブリンのHPと別館ブログ

フォト
2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ