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2007年4月22日 - 2007年4月28日

2007年4月24日 (火)

「硫黄島からの手紙」を観ました

  このところ映画は観てもレビューを書けない日々が続いている。完全に輸入超過状態。Orora1 気はあせっても筆は進まない。何とか観た直後の感想を連発してその場をしのいでいる。「ローズ・イン・タイドランド」、「王と鳥」、「ドリームガールズ」、「母たちの村」、そして「硫黄島からの手紙」。たまる一方だ。何とか「母たちの村」だけでも本格的レビューを書きたい。

  昨年公開された映画は既に50本は観ていると思うが、それでも注目すべき作品でまだ観ていないものが結構ある。「父親たちの星条旗」、「麦の穂をゆらす風」、「カポーティ」、「マッチポイント」、「うつせみ」、「サラバンド」、「王の男」、「007/カジノ・ロワイヤル」、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」、「ブラック・ダリア」、「楽日」、「ブロークン・フラワーズ」、「プルートで朝食を」、「イカとクジラ」、「ダーウィンの悪夢」、「明日へのチケット」等々。ハ~、ため息が出る。この調子じゃ、昨年のマイ・ベストテンが完成するのは6月になりそうだ。

  さて、「硫黄島からの手紙」。知り合いがどこか物足りないと言っていたが、確かにそう感じた。141分が3時間くらいに感じた。だらだらとしているわけではないし、退屈でもない。しかし何か物足りない。日本軍の扱いは実に公平だし、戦場と国にいる家族をつなぐカットによって残してきた生活の重さも描きこんではいる。戦闘場面は期待したほどではなかったが、ドラマと演出のメリハリさえしっかりしていればこれは大きな欠陥ではない。だがその人間ドラマにもう一つインパクトがないのだ。ほぼ全滅した日本軍側から描いていながら、悲壮感もむなしさもあまり感じない。別にそう描かなければならないわけではないが、どこか淡々としている。栗林中将(渡辺謙)と西中佐(伊原剛志)の人物描写は見事で強く印象に残ったが、西郷(二宮和也)と清水(加瀬亮)は掘り下げが足りない。役者の演技や存在感にしても前の二人とは格の違いを感じてしまう。この辺もマイナスポイントだ。

  恐らくクライマックスに欠けるのが一番の原因なのだろう。退屈な場面はほとんどないのだが、どうもメリハリがないのだ。この長さの作品ならば2箇所は山場がほしい。しかし全体に同じような調子で流れてしまう。どの場面も悪くはないのだが、ぐっと心に迫るものがない。記憶に残る場面やせりふも少ない。だから淡々とした印象を受けるのだろう。なぜそうなるのか。思うにこの映画は主題を絞りきれていないのではないか。5日で終わると思われた圧倒的に不利な戦いを36日間も持ちこたえさせた日本軍の勇敢さ、知略を描きたかったわけではない。アメリカ映画だから当然日本人の愛国心をくすぐる描き方にはなっていない。戦争の犠牲者として日本兵を描いたわけでもない。確かに、単なる「顔のない敵」としてではなく、それぞれの人格を持った人間として日本兵を描こうとした意図は伝わってくる。彼らは何を考え、戦場に来る前はどのような生活をし、どのような悩みを持ち、どのように戦い、どのように死んでいったのか。そこに焦点を当てたい。それは分かる。その意味で、アメリカ映画としては日本人を良く描いていると思う。ほとんど不自然さを感じなかった。しかしどこか深みに欠ける。ステレオタイプ的な描写も所々見受けられる。焦点が絞りきれないから山場が作れず、焦点が拡散してパノラマ的になってしまう。そういうことではないか。

  日本人を描いたアメリカ映画としては出色だが、作劇上の問題点をいくつか感じる映画である。もっとテーマを明確にして焦点を絞り込み、クライマックスを設けてメリハリをつけていたらとてつもない傑作になっていたかも知れない。

「硫黄島からの手紙」 ★★★★
 2006年 クリント・イーストウッド監督 アメリカ

2007年4月23日 (月)

「母たちの村」を観ました

  先日「ゴブリンのこれがおすすめ 36」でアフリカ関連映画を取り上げたのは「母たちのFan3_2 村」を観る予定だったからである。それを書いた直後に白石顕二著『アフリカ映画紀行』(2000年、つげ書房新社)を手に入れた。まだきちんと読んでいないが、そこに取り上げられている映画の数には驚く。50本取り上げられているが、僕が知っているのは「チェド」1本である。これほどアフリカ映画を観ている人は世界でも珍しいのではないか。何しろアフリカに住んでいる人たちでさえアフリカ映画を観る機会は少ないのである。アフリカでは大都市の映画館ですら欧米、インド、エジプトの映画で占められているらしい。では彼はどこでアフリカ映画を観たのか。アフリカを始め各地の映画祭で観たのである。なるほどこれは名案だ。特にフランスではアフリカ映画祭が盛んらしい。日本でも白石氏自身がかかわってきた「東京アフリカ映画祭」や各地の上映会なども開催されるようになり、アフリカ映画はわずかながらも認知されるようになって来た。

  しかし映画祭が開かれているとはいえ、広く劇場公開される作品はほとんどない。アフリカ映画が岩波ホール以外で長期上映されることは滅多にないと言っていいだろう。「母たちの村」もやはり岩波ホールで上映された作品である。これまで観た「エミタイ」、「チェド」、「アモク!」はどれも悪くないが、傑作だと思うものはなかった。しかし「母たちの村」は期待をはるかに上回る傑作だった。僕は戦う映画が大好きだが、「母たちの村」は戦う女の映画として「スタンドアップ」に勝るとも劣らない出来である。傑作、力作ぞろいだった昨年の洋画の中でも上位に入ることになるだろう。

  アフリカにおける女性器の切除手術はだいぶ前から日本でも知られていた。まあ当時はアフリカの奇習という扱いだったと思う。性器を縫い付けてしまうとはなんて野蛮な習慣だと仰天したものだ。ユダヤ教などで行われる男性の割礼は宗教的意味合いが強いと思われるが、女性器割礼は女性の性欲を減退させるため、つまり男性への服従を強いる意味合いが強いと感じる。当然フェミニズムの標的になるわけで、1995年に翻訳が出たアリス・ウォーカー(スピルバーグの「カラー・パープル」の原作者)の『喜びの秘密』でこの問題が扱われ、当時話題になった。

  女性器割礼があることは知っていても、それがどのように行われ、女性たちはそれをどう受け入れていたのか、それにどのような意味合いがあるのかは分からない。「母たちの村」はそれらを具体的に描き出してゆく。その点で「それでもボクはやってない」に通じるものがある。具体的に描かれてこそ伝わるのである。手術の結果命を落とすものが少なからずいること、手術を恐れて逃げ出す子供がいること、割礼師たちのおどろおどろしい姿(何度か独特の仮面をかぶった映像が差し挟まれるが、その恐ろしさは「なまはげ」など比ではない)、ビラコロ(割礼を受けていないもの)に対する差別、手術を受ける子供たちの悲鳴、男性に絶対服従の父権制的社会(主人や目上の男性を女性は跪いて迎える)、等々。

  とにかくアフリカ独特の風俗、風習、習慣が強烈なインパクトと共に目に飛び込んでくる。中でも色彩が強烈である。大胆に使われた原色が目に鮮やかだ。独特の衣装とそのデザインのユニークさ。褐色の肌に原色が似合う。日本では考えられない色使い。形の美しさ。女性ならずとも目を引かれる。

Gen1_2   しかし、「母たちの村」は「それでもボクはやってない」のようにただ戸惑い翻弄されるだけではない。「母たちの村」は戦う映画である。その点では「スタンドアップ」により近い。実際、どちらも似た展開になる。共に1人の女性が男たちの不当な扱いに抗議して立ち上がり、次第に仲間の協力を得て覆してゆくという展開である。「スタンドアップ」のシャーリーズ・セロン同様、主演のファトゥマタ・クリバリが圧倒的な存在感を示している。「スタンドアップ」ではあからさまなセクハラ攻撃が描かれるが、「母たちの村」ではあからさまと言うよりは昔から続いてきた当然のことという現れ方をする。男たちはただ「割礼は大昔から伝えられたイスラムの定めだ」と決め付けるばかり。

  直接圧力をかけてくるのは村の女たちである。赤い衣装に身を包み、峻厳な表情で立ちはだかる割礼師たちの不気味さ。「スタンドアップ」同様、女たち自身が「伝統の儀式」を当然のこととして受け入れてきたのだ。割礼は「神の定めた伝統」という目に見えない圧力で締め付けてくる。宗教的盲目性が迷信のような考え方と結びつき、テレビやラジオを女性から取り上げるという行動に出る。女性から楽しみを奪う、外の世界の知識が入り込むことを断ち切るというのは性的支配の論理である。しかし手術が元で死ぬ子供や身投げをして自殺する子供が後を絶たず、女性たちはヒロインのコレを支持する側に回り、男たちに立ち向かう。強い視線で男をにらみ、堂々と村の長老たちに言い返すコレに深い共感を覚えずにいられない。ラストのクライマックスで、コレの「ワッサー、ワッサー」という叫び声に応えて、女たちは歌い始め、踊り出す。「アマンドラ 希望の歌」を思い起こさせる感動的なシーンだ。アフリカの人々は心を奮い立たせる時、体全体を使ってリズムを取り歌いだすのである。「女性たちは素晴らしい 女性たちは生命を産む。」

  映画全体から映像とドラマの持つ力強さがはじけだしてくる。特定の地域の特定の儀式を超えて、深く人間的感情に訴えてくる。日本ではじめて公開されたアフリカ映画「エミタイ」の上映から22年。ついにアフリカから世界でも最高水準の傑作が出現した。

 「母たちの村」 ★★★★★

「母たちの村」のレビュー

2007年4月22日 (日)

これから観たい&おすすめ映画・DVD(07年5月)

【新作映画】
4月14日公開
 「クィーン」(スティーブン・フリアーズ監督、英・仏・伊)
4月21日公開
 「こわれゆく世界の中で」(アンソニー・ミンゲラ監督、英・米)
 「ドレスデン、運命の日」(ローランド・ズゾ・リヒター監督、独)
 「明日、君がいない」(ムラーリK.タルリ監督、オーストラリア)
4月28日公開
 「バベル」(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督、仏・米・メキシコ)
 「STRINGS 愛と絆の旅路」(アンデルス・ルノウ・クラウン監督、デンマーク他)
 「モンゴリアン・ピンポン」(ニン・ハオ監督、中国)
4月下旬より
 「日本の青空」(大澤豊監督、日本)
5月12日公開
 「スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい」(ジョー・カーナハン監督、英・仏・米)
 「眉山」(犬童一心監督、日本)
 「初雪の恋 ヴァージン・スノー」(ハン・サンヒ監督、日本・韓国)
5月19日公開
 「主人公は僕だった」(マーク・フォースター監督、米)
 「パッチギ!LOVE&PEACE」(井筒和幸監督、日本)
5月25日公開
 「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」(ゴア・バービンスキー監督、米)

【新作DVD】
4月25日
 「カオス」(トニー・ジグリオ監督、加・英・米)
 「カクタス・ジャック」(アレファンドロ・ロサーノ監督、メキシコ)
 「クリムト」(ラウル・ルイス監督、オーストリア・他)
 「天上の恋人」(ジャン・チンミン監督、中国)
 「ストロベリーショートケイクス」(矢崎仁司監督、日本)
 「明日へのチケット」(エルマンノ・オルミ他監督、伊・英・イラン)
 「トリノ、24時からの恋人たち」(ダビデ・フェラーリオ監督、伊)
4月27日
 「フィッシング・ウィズ・ジョン」(ジョン・ルーリー監督、米)
 「手紙」(生野慈朗監督、日本)
5月2日
 「恋するレストラン」(マルティン・コールホーベン監督、オランダ)
5月3日
 「父親たちの星条旗」(クリント・イーストウッド監督、米)
5月4日
 「イン・マイ・カントリー」(ジョン・ブアマン監督、英・南ア・他)
 「リメンバー・ミー」(ガブリエレ・ムッチーノ監督、伊・仏・英)
5月11日
 「ブラック・ダリア」(ブライアン・デ・パルマ監督、米・独)
 「五月の恋」(シュー・シャオミン監督、台湾・中国)
5月23日
 「007 カジノ・ロワイヤル」(マーティン・キャンベル監督、英・他)
5月25日
 「キャッチボール屋」(大崎章監督、日本)
 「エンロン」(アレックス・ギブニー監督、米)
 「シャーロットのおくりもの」(ゲイリー・ウィニック監督、米)
 「みえない雲」(グレゴール・シュニッツラー監督、ドイツ)
5月26日
 「サラバンド」(イングマール・ベルイマン監督、スウェーデン)

【旧作DVD】
4月25日
 「らせん階段」(45、ロバート・シオドマク監督、米)
 「ナビゲーター ある鉄道員の物語」(01、ケン・ローチ監督、英・独・スペイン)
 「ブレッド&ローズ」(00、ケン・ローチ監督、英・他)
 「マイ・ネーム・イズ・ジョー」(98、ケン・ローチ監督、英・他)
4月28日
 「美しき結婚」(82、エリック・ロメール監督、フランス)
 「海辺のポーリーヌ」(83、エリック・ロメール監督、フランス)
 「飛行士の妻」(81、エリック・ロメール監督、フランス)
 「怪人マブゼ博士」(33、フリッツ・ラング監督、ドイツ)
5月3日
 「トーク・レディオ」(88、オリバー・ストーン監督、米)
5月18日
 「評決」(82、シドニー・ルメット監督、米)
5月25日
 「レッズ」(81、ウォーレン・ビーティ監督、米)
 「オール・ザット・ジャズ」(79、ボブ・フォッシー監督、米)
5月26日
 「グル・ダッド傑作選 DVD-BOX」(グル・ダッド監督、インド)

  新作では何より「クィーン」が観たい。ダイアナ妃が亡くなった時たまたま僕はイギリスのIt01 ブライトンにいて、その日のうちにロンドンのケンジントン・パークへ行って人々が献花している様子を見てきた。大好きなヘレン・ミレンがエリザベス女王を演じているのも注目。話題の「バベル」と「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」の出来も気になる。連休を控えて他にも注目作がいっぱい。
  新作DVDでは、「父親たちの星条旗」が目玉。ケン・ローチ、「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ競演の「明日へのチケット」も楽しみだ。他に中国やイタリア作品が結構あるので期待したい。未公開作品だが、アパルトヘイトの実態を描いた「イン・マイ・カントリー」も拾い物の可能性あり。
  旧作DVDでは何と言ってもエリック・ロメール作品とケン・ローチ作品が目玉。ケン・ローチ作品は長いこと待たされました。BOXはすぐ手に入らないとしても個々の作品はレンタル店に並びそうだ。「レッズ」、「トーク・レディオ」、「評決」もやっとDVDに。見逃していたらこの機会に観ておいて損はない。伝説の監督といわれるインドのグル・ダッド作品もBOXで出る。どんな作品なのか気になる。

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