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2007年3月25日 - 2007年3月31日

2007年3月31日 (土)

16ブロック

2006年 アメリカ 2006年10月公開
評価:★★★★☆
原題:16 Blocks
監督:リチャード・ドナー
脚本:リチャード・ウェンク
撮影:グレン・マクファーソン
出演:ブルース・ウィリス、モス・デフ、デヴィッド・モ-ス、ジェナ・スターン
   ケイシー・サンダー、シルク・コザート、デヴィッド・ザヤス、コンラッド・ブラ

 これはいい!このところいい映画に出ていないと思っていたブルース・ウィリスだが、これ004323 は久々の秀作。「ダイ・ハード」と並ぶ彼の代表作になるだろう。「16ブロック」はいろんな意味で「ダイ・ハード」シリーズの対になる作品である。「ダイ・ハード」から18年。「なんで俺がこんな目に合うんだ」という運の悪さは共通だが、たった一人で悪党グループを壊滅させたタフガイ刑事ジョン・マックレーンは、「二日酔いで、足が悪く」、頭髪がだいぶ後ろに後退し、キューピーのように下腹がぷっくりと出たへたれ刑事ジャック・モーズリーに「加齢」なる変身。このへたれ具合が何とも良い。まるでトマス・H・クックの小説を読むような味わいなのだ。事件現場の見張り役に「誰か暇な奴を呼べ!」ということで呼ばれたのがこの酔いどれジャック。つまりはそういう存在だ。ふらふらと夜勤から署に戻って最初にやるのは机の引き出しから酒ビンを取り出すこと。ところが酒ビンは空だった。まことに冴えない、見るからにしょぼくれた男である。ヒーローからアンチヒーローへ。このひねりがこの映画の最大の魅力である。観客の脳裏には、意識するしないにかかわらず、「ダイ・ハード」のイメージが否応なく重なってくる。だからこそ、このへたれぶりが生きてくるのである。

 ひねりやねじれはそれだけではない。ジャックがやっと非番になってふらふらしながら帰ろうとしているところへ、裁判の証人を裁判所まで連れて行けとの上司の命令。朦朧とした状態で断ろうとするが、結局手当てのない超過勤務を請け負ってしまった。眠たげな顔に「やってらんねーよ」的グダグダ感濃厚。とはいえ、たった16ブロック先まで車で送って行くだけのこと。15分で済むはずだった。ところがとんでもない陰謀に巻き込まれて・・・という「レイヤー・ケーキ」のような展開になってゆく。10時までに証人を法廷に連れてゆかなければ裁判は不起訴となってしまう。時限サスペンスの要素がまず付け加えられている。しかも「24」シリーズのようにリアルタイムで進行してゆく。さらに、「ダイ・ハード」シリーズでは他の警官からのバックアップがあったが、何と「16ブロック」では同僚の警官に追いかけられ命を狙われるのだ。このねじれも効いている。彼が護送する証人とは警官仲間が子供の口に銃を突っ込んでいるところをたまたま見てしまった男なのである。エディが証言すれば警察の不祥事が表沙汰になり、かつ仲間が有罪にされてしまう。それを防ぐためにジャックの上司も含むグループが証人を消そうと躍起になっていたのだ。ほとんどシチュエーションはイーストウッドの「ガントレット」と同じ。違うのは主人公の性格付け。一方は精悍で、一方はすっかりくたびれている。

 さらに証人であるエディ・バンカー(モス・デフ)という男がこれまたユニークなのだ。しゃべることしゃべること。何しろ最初に登場するのは彼の姿ではなく彼の声なのである。豚箱の中でやたらと喋り捲っているのだが、その声の主の姿はジャックの位置からは見えない。見えるのは鉄格子から突き出されている両手だけ。この登場のさせ方が実に秀逸。ジャックならずとも先を思いやられる。男二人の組み合わせというのは反りの合わないデコボココンビが多い。「48時間」がすぐ思い浮かぶ(もっともこちらは警官同士だが)。白人が黒人を護送するというシチュエーションなら「さらば冬のかもめ」というアメリカン・ニューシネマの逸品がある。このおしゃべりエディーを演じるのがモス・デフ。ラッパーだからしゃべるのはお手の物。なんだかんだと訳の分からないことを並べ立て、誰彼かまわず謎々を問いかけるのがうざい。なにせ「銀河ヒッチハイクガイド」の超オタクな世界にすっかりなじんでしまう人ですから。中年のへたれ警官に口ばかり達者なこそ泥兄ちゃん(以外にまともだということは後で分かってくるが)のコンビが、武装警官に追われ必死で逃げ回る。ヒーローもへったくれもない。脂汗流して悪い足を引きずり、ハアハア息切れしながらの逃走。情けなさ横溢。そこがいいのである。相手の弾は当たらないが、こちらの弾も当たらない(少なくとも急所には)。あれだけ大騒ぎして誰も死者は出ない。ばたばたと敵を倒すヒーローでない分、戦いは粘っこくリアルだ。

 あとはもうカーチェイスも織り交ぜた追いかけっこになる。あれだけ人の多いニューヨーTrump_jb クの街なのになぜか追っ手にすぐ見つかってしまう。「人民の海の中へ」戦術が使えない。ジャックはエディを連れて勝手知ったる裏通りを逃げ回るが、すぐ近くの裁判所になかなか近づけない。まるでカフカの「城」である。しかしエディを狙っているのがもと相棒のフランク(デヴィッド・モ-ス)だと分かったあたりからよれよれジャックの顔に活力がみなぎってくる。もっとも、形勢が不利なことにかわりはない。あまつさえ一時エディに逃げられてしまうハプニングまで起こる。やっと見つけると「あんたといたら危険だ。ずっとあんたの仲間に追われている」と言われる始末。

 この二人のやり取りの中からこの映画のテーマが見えてくる。立ち直ってケーキ屋をやりたいと言うエディと人間はそう簡単に変われるものではないと言うジャック。これに対するエディの反論が面白い。「チャック・ベリーも強盗で服役したけど改心した。バリー・ホワイトはタイヤ泥棒。300本もタイヤを盗んだけどバリーも改心した。”人が変われない”ってのは嘘だ。」なかなかいいせりふなのだが、時と場合をわきまえていない。せっかく警官に取り囲まれたバスから逃がしたのに、エディはこのせりふを言うために戻ってきたのだ!「エディ、台無しだ。」ジャックがぼやくのももっともだ。このあたりに、颯爽と敵をかわすヒーロー映画のパターンをこわそうという仕掛けがよく表れている。「おしゃべりエディ」がだんだんエディ・マーフィーのイメージに重なってくる。必死で逃げ回っているわりにどこか滑稽なのだ。

 エディの気持ちが少しずつ理解できてくるように、ジャックの落ちぶれている理由も見えてくる。ジャックは元相棒のフランクから「元に戻れ」と言われたが、あれはどういう意味だとエディに問われる。これにジャックが答えたのはラスト近くだ。かつてはジャックもフランクたちの仲間だったのである。彼が「暇な奴」呼ばわりされているのはそのせいなのだ。すっかり「窓際族」に追いやられて自棄酒を飲む毎日。説明はないがそんな背景が読み取れる。そんな落ちぶれ刑事が命を狙われる危機に追い詰められてアドレナリンと共に正義感も噴出してきた。最後には彼自らが証人として裁判所に出頭する覚悟を固める。

  落ちぶれ者同士が出会い、命がけで行動をするうちに人間として立ち直ってゆく。そういうストーリーになっているのである。「トランスアメリカ」「リトル・ミス・サンシャイン」とその点でつながる映画である。ロード・ムービーと言うにはあまりに短い道のりだが。16ブロックという短い二人旅。直線距離にすれば短いが、散々あちこち逃げ回り、息せき切って疾走した2時間弱の間に、彼らはそれまでの何年分もの経験をし、「変わって」ゆく。ジャックは自分もかつて不正警官の仲間だったと打ち明けた後、エディに「俺はお前と会う運命だった。吉兆だ」と言う。いつの間にか二人の間には絆が作られていた。だからラストがさわやかなのだ。事件からしばらくたった頃、エディがジャックに誕生祝のケーキを贈ってきた。そのケーキには「チャック・ベリー バリー・ホワイト エディ・バンカー ジャック・モーズリー」そして「People Can Change」と書かれていた。添えられていた写真にはエディの開いたケーキ屋が映っている。その名前は“EDDI&JACK’S GOOD SIGN BAKERY”になっている。それに続くエンディング・ロールではバリー・ホワイトの「キャント・ゲット・イナフ・オブ・ユア・ラブ、ベイブ」が流れるというサービスぶり。いやいや、楽しめる映画でした。

 監督のリチャード・ドナーはテレビ時代にマックイーンの「拳銃無宿」やビック・モローの「コンバット」を作っていた人。僕らの世代には懐かしい番組だ。映画でも「オーメン」、「スーパーマン」、「グーニーズ」、「リーサル・ウェポン」など次々とヒットを飛ばした。70~80年代あたりがピークか。「16ブロック」は久々の快作である(「あれだけ大騒ぎを起こして警察はどうやってもみ消すつもりだったんだ」など、突っ込みたいところは色々あるが)。

 ブルース・ウィリスは何本も観たが、いいと思うのは「ダイ・ハード」シリーズと「シン・シティ」、そしてこの「16ブロック」くらい。最近渋さが出てきたのでこれからがむしろ楽しみだ。悪徳警官フランク役のデビッド・モースもしっかり存在感を示した。顔は覚えているがどんな役だったかは覚えていない、そんな役者だった。この作品での役は記憶に残りそうだ。バリー・ホワイトにも一言。彼は一貫して「愛」をテーマに歌ってきた人。彼の魅力はソフトでセクシーな低音。僕が持っているのは「愛の炎(Just Another Way to Say I love You)」というレコード1枚だけだが、これがなかなかいい。チャック・元祖ロックンローラー・ベリーほど有名ではないが、今でも聞いてみる価値はあります。

2007年3月28日 (水)

韓国てくてく旅行記②

3日目

Photo_68  9時40分ごろホテルを出る。今日初めて地下鉄に乗った(切符は窓口で降りる駅のアル ファベットつづりを見せて買った)。狎鴎亭洞(アックジョンドン)で下りる。初め て漢江の南に行った。地下鉄の駅を出るとすぐ横に「現代(ヒュンダイ)デパート」があった。そこから漢江までの間に「現代」と書かれた同じアパート群が何棟も並んでいた。ヒュンダイがごっそり土地を買い占めたのだろう。

 まっすぐ漢江に向う。「現代デパート」横の道は東湖大橋に続いていた。歩いて対岸まで渡ったらかなり距離があるだろう。思った以上に大きな川だ。もちろ ん川を渡らずに江南側の川岸に下りる。曇っているので対岸はかすんでいる。対岸は川岸に道路が走っているようなのでこちら側のように遊歩道があるのか分からない。1時間半くらい遊歩道をぶらぶPhoto_67 ら歩いてみる。対岸に向って左側に歩いていったのだが、流れがあまりにも緩やかなのでどちらが上流なのか分からなかった。後で調べたら右側が上流なので、下流方向に歩いていたことになる。片道で2キロは歩いただろうか。橋を二つほど越えた。グエムルが最初に現われた西江大橋はさらにずっと先だ(撮影は橋の袂にある漢江市民公園で行われた)。そのせいか(?)泳いでいるグエムルは見かけなかった。

  船を係留した水上レストランやはしけの上に建物を載せたような形の水上レストランが歩いた範囲で3つあった。歩いている人は少ない。自転車やローラースケートで走って行く1_3 人がほとんど。歩いている人もぶらぶら散歩というよりも健康ウォークをしている感じ。さすがに観光客は僕ら以外にはいない。広い川原には露店、テニスコート、植物の苗や樹木を育てている一角、トレーニング器具をいくつも並べた一角、休憩所などが並んでいる。なかなか変化に富んでいる。休日はさぞたくさんの市民がやってくるのだろう。

 平日のせいか、露店は閉まっているところが多い。開いている露天で初めて韓国のタバ 2_8 コを買った。色々見比べて買おうと思ったのだが、なぜか店先には並んでいない。タバコがほしいと言うと最初にダンヒルを出してきた。もっとタールの少ないものをと英語で言うと「The One」を出してきた。名前からしてタールが1mgなのだろうと判断してそれを買う。パッケージを見ると確かにタールが1mgと書いてある。それにしても「The One」とは分かりやすい名前だ。味はいつも吸っているマイルドセブン1とほとんど同じ。そういえばこっちも分かりやすい名前だな。

 散歩道をまた引き返して元の東湖大橋まで戻る。橋の上に上がるとはっきりと気温が数度上がるのが分かる。川原は風もあり涼しかった。橋の上は暑いくらいだ。「現代デパーPhoto_69 ト」まで戻り、ついでなのでデパートに入ってみた。ここも日本のデパートと同じ。当然何も買わない。屋上に「SKY DOME」があるというポスターがあったので上がってみる。看板の写真がイギリスの庭園風だったので心を惹かれたのである。しかし実際に行ってみると写真とはだいぶイメージが違っていた(写真は夏に撮ったようだ)。四隅の一つに喫茶コーナーを設け、他のスペースにはガゼボ(東屋)1基を配した芝生のガーデンになっている。空中ガーデンにいるのだが、下が見えないので屋上にいる感覚はない。コーヒーを頼んでしばし休憩する。

Photo_66  狎鴎亭洞(アックジョンドン)を中心とする江南(カンナム)地区は最近開発が進んでいる地域のようだ。デパートを出て狎鴎亭洞へ行ってみようとしたがうまく場所が分からなかった。腹が減っていたので、適当に見つけた店に入る。サムゲタンを注文する。スープの中 にご飯をつめた鶏肉が丸のまま入っている。大汗をかいたがおいしかった。店を出た後同 僚と別行動をとった。僕はもう一度狎鴎亭洞へ行ってみることにした。地図を見直して大体の見当がついていた。10分ほど歩いて到着。渋谷か青山のような感じの若者が多い地域だった。途中初めてコンビニに入り絆創膏をPhoto_63買う。靴擦れしていたかかとに貼った。コンビニは日本より品数は少なかったが、雰囲気も置いてあるものもほとんど日本と同じだ。島山公園の近くにカフェが集まった一角があると書いてあったが、それらしき店はあまりない。結局どこにも入らず島山公園で休憩しただけ。こういうところはあまり僕には縁のない街だ。公園で写真を1枚撮っただけで引き返し、ホテルに戻る。

2_6

 夜は宮廷料理を食べることにした。前日行った「景福宮」(キョンボックン)の北西にある「石坡廊(ソッパラン)」という店を予約する。2時間くらいホテルでゆっくりしてからホテルを出た。ホテルの前でタクシーを拾う。運転手は場所を知らないようだった。「石坡廊(ソッパラン)」に電話を入れて運転手に場所を教えてもらう。これは便利な手だ。何度かタクシーでこの手を使った。あるところでUターンしたと思ったら突然止まった。何とそこが「石坡廊」だった。狭いが立派な庭がある。そこは大院君の別荘だったもので、レストランとして使わ れている部分はその離れ座敷だったらしい。建物はどことなく中国風である。10万、13万、15万ウォンの3コースがPhoto_59あったが、一番高いのをすすめられるままに頼んでしまった。一つひとつの料理はそれほど量は多くはないが、何せたくさんでてくるので最後はもう食べきれないほど。何とかほとんど食べたが腹が パンパンだった。蜂蜜の入った伝統酒が特においしかった(僕は酒飲みだが甘党なのである)。税金なども入れて全部で2万円近くを1食で使ってしまったが(汗)、料理自体は特別おいしいとは思わなかった。600円のビビンバの方が僕の口にはあっている。こんな無茶なお金の使い方は普段なら絶対にしないが、旅行中のためか思わず贅沢をしてしまった。ただこんなことは滅多に1_4経験できるものではないので、味はともかくそういう経験ができたこと自体には満足だった。一つ残念なことはデジカメのメモリーが一杯になってしまい、最初のあたりまでしか写真が撮れなかったことだ(撮れなかった部分は同僚の撮った写真を使わせてもらった)。

 「石坡廊」を出た後タクシーで南大門まで行く。今日もまた汗だく。この3日間で一番暑い日だった。南大門だけ見てすぐまたタクシーでホテルに戻る。シャワーで汗を流す。疲れて4_2 いたのでもう外には出なかった。夜同僚が近くのコンビニで韓国のビールを買ってきた。2種類あったが、どちらも味は似たようなもの。まあ普通のビールだ。

 翌日は朝早く起きて日本に帰っただけ。以上ゴブリンの韓国滞在記でした。

韓国てくてく旅行記①

はじめに

5_2   同僚と二人で韓国のソウルへ行ってきた。二人とも韓国へ行くのはこれが始めて。韓国語も話せないし、ハングルも読めない。しかし3月1日にプレオープンしたホテルに泊まると いう格安のツアーがあったので、逃す手はないと飛びついたのである。空港からホテルまでは行き帰りともガイドは付くが、それ以外は二人でソウルの街に放り出される形。どこへ行くかも事前に二人で相談していなかった。それでも何とかなるだろうとあまり心配もせずに出かけていった。

 個人的にもどうしてもここに行きたいとか、これが食べたいとかいうものがあったわけではない。僕は旅行好きでも食通でもない。ただ、韓国映画は結構観ているし、実際どんなところなのか見てみたいという漠然とした関心はあった。距離も近いので、短期間でしかも安く行ってこれるという魅力もある。旅程は行ってみて決めるという旅だったが、かなり楽しめた旅行だった。今回の旅行記は日程順にそのまま見たり、食べたりしたものを書いてゆこうと思う。

1日目
  1時55分発の大韓航空便でソウルへ向う。インチョン空港で他のツアー客と合流。僕らPhoto_44 以外は全員女性。この時期旅行に出られる男は珍しいわけだ。われわれと同じツアー企画の客は他にいない。送迎バスで都心部へ。途中漢江を渡る。漢江は思ったよりも大きな川だった。ホテルに行く前に免税店とソウル市内一番の繁華街明洞(ミョンドン)に短時間立ち寄った。明洞は20分くらい歩いて観て回っただけ。夜でもかなりの人込みだった。まさに不夜城。泊まったホテルは「ベストウェスタンプレミアホテル国都」。3月1日に仮オープンしたばかりの真新しいホテルなのでさすがにきれいだ。部屋はツイン。ベッドと机の間が狭いが、まあ充分な広さ。

  夕食を食べるために明洞の「シンソンソルロンタン」という店まで歩いてゆく。スープのようなもの(意外に薄味)ともう一品を頼む。キムチとご飯がサービスで付く。おいしかった。Photo_45 言葉が全く話せないので心配していたが、何とかなるものだ。英語よりも日本語の方が通じる感じだった。

  今回の韓国旅行は散々歩いた。去年の中国旅行もかなり歩いたが、今回は仕事がないので文字通り歩き通しだった。靴擦れができたりしてきつかったが、反面街中がよく観察できた。店を出て、タクシーを捕まえてソウルタワーへ行く。韓国のタクシーには一般タクシーと模範タクシーがある。模範タクシーの方が料金は高いが、運転手は外国語が話せるらしい。着いたばかりでうまく区別が付かないのだが、幸いたまたま模範タクシーに乗った。運転手の案内つきで1_2 ソウルタワーを回る(片言の日本語)。夜景がきれいだったが、昼間にも見たかった。夜では全景がわからない。夜景を写真に撮ったのだが、残念なことにうまく映らなかった。夜景よりもきれいだと思ったのはタワー自体。ライトアップされており、その色がまた刻々と変わる。シャッタータイミングが難しく、これもうまく撮れなかった。帰りも同じタクシーでホテルまで送ってもらった。料金は35000ウォン(100ウォンが12円くらい)。戻ったのは11時ごろ。

2日目
 7時起床。8時半ごろホテルを出る。乙支路に沿って明洞まで行く。ホテルの場所は地下鉄2号線の乙支路3街駅と乙支路4街駅の中間辺りにある。昨日Photo_46 明洞巡りをした時に見かけた「お粥」の看板が出ている店に入る。カボチャのお粥を頼んだ。甘くておいしかった。その後「景福宮」(キョンボックン)へ向う。今日は5つある王宮のうち4つを回る計画だ。途中鐘路タワー手前で「普信閣」を見かけたのでちょっと寄って写真を撮った。また歩いている途中で、韓国映画によく出てくるカップ麺が表に積んである店を見かけたのでこれも写真に撮った。Photo_47

  ほどなく「景福宮」に着く。地図があるのでさほど迷わなかった。駐車場脇から中に入ると大きな門(興禮門)の前でたまたまバッキンガム宮殿の衛兵の交代のような儀式をやっていた(守門将交代儀式と呼ぶらしい)。写真を何枚か撮る。入場料(3000ウォン)を買って正面の門から中に入る。中の敷地は驚くほど広大だった。たくさんの建物や門が何重にも重なっており、行っても行ってもまた別の建物がある。丁度小学生の団体が見学に来ていて、クラス 毎にガイド(?)を囲んで輪になり説明を聞いていた。こういう授業はいいと思った。建物を見ていて一つ気になったのは門や建物の屋根に付いている動物の形を模したと思われる飾りのようなもの。日本の鬼瓦のようなものはない。恐らく同じような役割と思われる。

  敷地内にある「国立民俗博物館」にも入る。昔の風俗を再現したジ 4 オラマ、昔の衣装、食べ物、様々な器具、昔の家などが展示されていた。非常に興味深かった。入り口近くの喫茶コーナーでコーヒーを飲む。隣の席は中国人だった(言葉で分かる)。観光客は圧倒的に日本人が多いので、中国人は珍しい感じがした。同じ狭い喫茶コーナーに日本人、中国人、韓国人がいたことになる。博物館を出て、先ほど見逃していた「香遠亭」にも行ってみる。池の中に建っているお堂のようなもので、実にいい眺めだった。後でよく調べたらもう一つ池に浮かぶ慶会楼という有名な楼閣があったのを見逃していた。残念。

Photo_53
 













  次の王宮「昌徳宮」に向う途中「キョンホカルビ」という店で昼食をとる。ビビンバを頼んだ。5000ウォン。キムチなど小皿が5つも付いていた。心配したほど辛くない。滞在中にいくつもの店に入ったが、日本でなじみのキムチはどこの店でも出てきた。味も日本のものとさほど変わらないと思った。それとよく出てきたのがサイコロ状に切っPhoto_50 た大根のキムチ。これもおいしかった。600円でかなり贅沢な食事ができた。

 「昌徳宮」(チャンドックン)では言語別のガイドツアーがあり、たまたま着いてすぐ英語のツアーがあったのでそれに参加した。実に詳しい、しかも有意義な解説で感心した。この日一番充実した見学だった。ガイドの方の英語も見事で、質問にも適切に答えていた。ただ同じ説明を繰り返すだけの日本のガイドとは違う。西洋人は街であまり見かけなかったが、さすがに英語ガ3 イドの時間に集まって来た人は20人近くいた。屋根の上の動物を模した不思議な飾りの意味はここで説明されていた。予想通り鬼瓦と同じような魔よけで、飾りの数が多いほど重要な建物だということだった。その王宮で一番重要な建物には11個付いているらしい。

  使用人たちが住む一角も見られた。以前「3人の映画人を偲んで」という記事の中でロバート・アルトマンの「ゴスフォード・パーク」に触れた際、イギリスのブラ12 イトンで見た「プレストン・マナー」のことを書いたことがある。どこでもお屋敷の住人が住む贅沢な空間と使用人が住む一角は画然と天と地ほどの差で区切られている。ここでもそうだった。使用人たちが住んでいた一角は見るからに貧弱な作り。狭くて中は何もない。男女の住む場所が画然と分かれている。入る門が違う。男の門のほうが少し高くなっている。ただ二つの区画の間に建つ建物は中で通じている。そりゃそうだろう。

  ガイドの説明はしばしば観光客に質問を投げかける形で行われ、考えさせるようになっていたことにも感心した。例えば、使用人が通る門は低くなっているのはなぜか、水魚門と16 いう名前が付けられているのはなぜかなど。前者の答えは、使用人が門をくぐる時礼をして(つまり腰をかがめて)くぐるので低くなっている、後者は二つとも切り離せない関係にあるのでリレイションシップを表しているとのこと。出口近くでガイドさんが大きな木の根元に猿がいるのが分かりますかと聞いた。すぐ分かった。根っこに彫刻を施したのだろうか?天然のままだとしたらすごい。隠し絵のようで面白かった。

  次に3つ目の王宮「宗廟」(チョンミョ)に向う。しかし周りを塀が囲んでいて入り口が見つ2_7 からない。右往左往した後警官に聞いてやっと分かる。敷地のほぼ反対側にあった。入り口に向う途中で大覚寺を見かけたので写真を一枚撮った。やっと「宗廟」の入り口に着く。入場料は1000ウォン。ここはあまり面白くなかった。京都の三十三間堂のような横長の建物で祭礼に使われるようだ。広さもさほどなく、あまり変化もない。何より先に見た二つの王宮があまりに見事だったのでどうしても見劣りがしてしまう。

  もう一つ観る計画だったがその頃にはだいぶ歩き疲れていたのですっかり忘れていた。Photo_54 一旦ホテルまで歩いて戻る。途中電気店が並ぶ細い路地を通った。まるでかつての秋葉原のようで面白かった。ずっと歩きとおしだったので疲れたが、地理がだいぶ分かってきた。小一時間休憩して外出。明洞の「コムソッチプ」という焼肉店に行く。約15万ウォンのセットとマッコリという白酒のような酒を頼んだ。マッコリは甘みがあっておいしい。アルコール度は結構高い気がした。焼肉は食べるのに夢中で写真を撮るのを忘れてしまった。この店の特徴なのか、それとも韓国では一般にそうPhoto_52 なのか分からないが、店員が肉を網に載せるシステムになっている。それはいいのだが、どんどん網にのせるので焦げないようにこちらもどんどん食べなければならない。もっとゆっくり食べたいのだが、主導権はあちらにあるのでどんどん食べるしかない。早すぎて追いつけないほどではないが、もっとゆっくり味わいながら食べたかった。

  その後タクシーで東大門市場へ行く。市場といっているが、実際には屋台が並んでいる一帯のことである。サッカー場の近くから清渓川の間にずらっと屋台が並んでいる。ものす2_2 ごい人込み。ざっと観て回ったが特にほしいものはない。清渓川のところまで来たので川に下りてみた。川沿いの遊歩道をしばらく歩いてみる。トイレを借りたくなってデパートに入った。ついでに中を見て回ったが、日本とほとんど同じで特に新鮮味はなかった。11階に映画街があり、チラシを貰ってきた。その後またしばらく屋台を回る。

  帰りは地下鉄にしようと思ったが、コインがないのでまた歩いて戻る(自販機はなぜか紙 幣が使えない)。20分ぐらい歩いてようやく到着。いやはや、今日1日で数ヶ月分くらい歩いた感じだ。かかとに靴擦れができていた。ホテルについてやっと人心地がした。翌日は江南(カンナム)地区に行き、漢江を見ることにした。(↓下の写真は「景福宮」で撮ったもの)

26_2

2007年3月25日 (日)

韓国旅行に行ってきました

  しばらくブログの更新が滞っていましたが、実は3泊4日の日程で韓国旅行に行っており10 ました。実質観光できたのは2日間と少しでしたが、半年分くらいはその間に歩きました。ガイドもない、同僚と男二人の旅。ショッピングなどはほとんどせず、見て回り食べ回り歩き回りの旅でした。いやあ疲れた。今日上田の街に出て、話が通じ、文字がすべて理解できることがどれほど安心できることかとつくづく感じたしだい。この旅行についてはまた後日ブログにまとめる予定です。仕事で行った中国と違って今回は完全な観光。写真もたくさん撮ってきました。どうぞお楽しみに。

  「夫婦善哉」以後映画を2本見ました。日本映画「ゆれる」と韓国映画「私の頭の中の消しゴム」。「ゆれる」は兄弟の心理のずれを描いている。悪い出来ではないが、いまひとつ胸に迫ってこない。兄を告発した形になった弟が昔の家族ビデオを見て反省するという展開が安易だと感じた。「私の頭の中の消しゴム」も悪い出来ではないが、韓国映画のラブ・ロマンスにつき物の泣かせる演出があきれるほど過剰だ。あまりに意図が見えみえなので身構えてしまい、全く泣けなかった。「八月のクリスマス」のような映画はもう撮れないのか。

  「ゆれる」★★★★
  「私の頭の中の消しゴム」★★★☆

  「紙屋悦子の青春」、「トンマッコルへようこそ」、「心の香り」、「夫婦善哉」とこのところまた以前のような長いレビューになってしまったので、「夫婦善哉」のレビューを書き終えた後はせっせと読書にふけっておりました。もう長いこと中断していた『ハリー・ポッターと謎のプリンス』もその間に読み終えました。面白かった。最後の山場は完全に引き込まれていました。ある重要人物の死はなんとなく予感していたが、それでもやはり残念でした。最後の第7巻が今から待ち遠しい。

これから観たい&おすすめ映画・DVD(07年4月)

【新作映画】
3月24日公開
 「ブラックブック」(ポール・バーホーベン監督、オランダ・ベルギー、他)
 「素粒子」(オスカー・レーラー監督、ドイツ)
3月31日公開
 「あかね空」(浜本正機監督、日本)
 「檸檬のころ」(岩田ユキ監督、日本)
4月7日公開
 「ブラッド・ダイヤモンド」(エドワード・ズウィック監督、米)
 「オール・ザ・キングスメン」(スティーブン・ザイリアン監督、独・米)
4月14日公開
 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(松岡錠司監督、日本)
 「ツォツィ」(ギャビン・フッド監督、英・南ア)
 「BRICK」(ライアン・ジョンソン監督、アメリカ)
 「ボンボン」(カルロス・ソリン監督、アルゼンチン・スペイン)
 「輝ける女たち」(ティエリー・クリファ監督、フランス)
 「恋しくて」(中江裕司監督、日本)
4月28日公開
 「あしたの私のつくり方」(市川隼監督、日本)
 「ストリングス 愛と絆の旅路」(アンデルス・ルノウ・クラルン監督、デンマーク・他)
4月28日~5月5日開催
 「イタリア映画祭」(有楽町朝日ホール)

【新作DVD】
3月23日
 「記憶の棘」(ジョナサン・グレイザー監督、アメリカ)
 「家の鍵」(ジャンニ・アメリオ監督、伊・仏・独)
4月4日
 「エコール」(ルシール・アザリロビック監督、ベルギー・仏・英)
4月6日
 「ウィンター・ソング」(ピーター・チャン監督、香港)
4月18日
 「王の男」(イ・ジュンイク監督、韓国)
 「ユア・マイ・サンシャイン」(パク・チンピョ監督、韓国)
 「プラダを着た悪魔」(デビッド・フランケル監督、アメリカ)
 「ファミリー」(イ・ジョンチョル監督、韓国)
4月20日
 「時をかける少女」(細田守監督、日本)
 「百年恋歌」(ホウ・シャオシェン監督、台湾)
 「硫黄島からの手紙」(クリント・イーストウッド監督、米)
4月25日
 「麦の穂をゆらす風」(ケン・ローチ監督、独・伊、他)

【旧作DVD】
3月21日
 「米」(57、今井正監督、日本) N64
3月23日
 「赤線地帯」(56、溝口健二監督、日本)
 「雨月物語」(53、溝口健二監督、日本)
 「噂の女」(54、溝口健二監督、日本)
 「お遊さま」(51、溝口健二監督、日本)
 「祇園囃子」(54、溝口健二監督、日本)
 「山椒大夫」(54、溝口健二監督、日本)
 「近松物語」(54、溝口健二監督、日本)
 「偽れる盛装」(51、吉村公三郎監督、日本)
 「夜の河」(56、吉村公三郎監督、日本)
3月24日
 「ピーター・グリーナウェイ初期作品集①」(ピーター・グリーナウェイ、英)
 「ドクトル・マブゼ」(22、フリッツ・ラング、ドイツ)
 「下郎の首」(55、伊藤大輔監督、日本)
3月26日
 「ヨーク軍曹」(42、ハワード・ホークス監督、アメリカ)
4月4日
 「王と鳥」(80、ポール・グリモー監督、フランス)
4月13日
 「ダーティー・メリー クレイジー・ラリー」(74、ジョン・ハフ監督、米)
4月25日
 「ケン・ローチ傑作選 DVD-BOX」
 (「マイ・ネーム・イズ・ジョー」、「ブレッド・&ローズ」、「麦の穂をゆらす風」、他)
4月28日
 「ルネ・クレール DVD-BOX」
 (「自由を我等に」、「ル・ミリオン」、「夜の騎士道」)

 新作は今のところ様子見。「オール・ザ・キングスメン」はロバート・ペン・ウォーレン原作の再映画化。ロバート・ロッセンの往年の傑作を越えられるか?新作DVDの注目作は何と言っても「硫黄島からの手紙」と「麦の穂をゆらす風」。「王の男」を始めとする韓国映画も見逃せない。ホウ・シャオシェン監督久々の「百年恋歌」も気になる。日本映画では「時をかける少女」が一押し。
 旧作DVDは花盛り。溝口の傑作群がバラで続々出る。今井正の名作「米」、吉村公三郎の代表作「偽れる盛装」と「夜の河」、伊藤大輔のリアリズム時代劇「下郎の首」が出るのもうれしい。84年にACTで観た「やぶにらみの暴君」(55年)。80年に「王と鳥」として再編集され公開された。これも早く観たい。ケン・ローチとルネ・クレールのBOXも是非。

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