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2006年12月31日 - 2007年1月6日

2007年1月 6日 (土)

大雪です

 今年は暖冬。例年のような猛烈な寒さがない。昨年末に一度雪が積もりましたが、正月0716に帰省して戻ってきたときには完全に消えていました。しかし今日の雪は大雪です。大粒の湿った雪が昨夜から降り続いています。午前中に近所の人たち総出で雪かきをしましたが、今は誰も雪かきをしていません。止むまではいくらやっても切りがないと諦め顔。

 上田は全国でも雨が少ないことで有名な地域。当然雪も少ない。20センチ以上積もることはまず滅多にありません。でも今回は20センチを悠々越えそう。こうなると雪かきも大変ですが、寒いところなので北側の建物の影になっているところは雪がいつまでも残り、夜間に凍結して氷になってしまいます。氷の上ではスタッドレスも大して役に立ちません。数年前に、氷の上にまた新雪が積もり非常に滑りやすい状態になっているときに、信号で止まっていた車に追突してしまったことがあります。あの時は待ち合わせの時間ぎりぎりであせっていた。いつもならかなり手前からポンピング・ブレーキをかけるのですが、気が急いているので思わずぐっとブレーキを踏み込んでしまいました。もう滑り出したらどうしようもない。「あ、あ、あ」と言っている間にドスン。幸い大したスピードではなかったので相手の車のバンパーを壊しただけで済みました。苦い思い出です。

 雪が降ればスキーという楽しみもあるのですが、このところ忙しくてなかなかいけません。去年は一度も滑りませんでした。長野に来て初めて覚えたスキー。一時はかなり夢中になっていましたが、年々遠ざかっています。かつてはリフト乗り場前にとんでもない行列が出来ていたものですが、最近はスキー、スノボー人口もがた減り。待つこともなくすいすいとリフトに乗れてしまいます。楽だけどさびしい気も。今年は何とか一度はスキーに行ってみたい。

(写真はゴブリン亭の庭)

0716_2

正月は読書三昧

  年末にまた頑張ってレビューを書いてしまったので、正月は骨休み期間に。正月の1日と2日は実家で箱根駅伝を見るのが年中行事。三が日は全く映画を観ず、パソコンにも触らなかった。「無菌状態」のままひたすら読書。『風の影』と『本所しぐれ町物語』は前からちびちび読んでいた。ブログに時間をとられてまとまった時間が取れなかったのだが、やっとこの正月に読み終えた。『葉桜慕情』は昨年の正月に読んだ『花びら葵』に続く”口中医桂助事件帖”シリーズ第四弾。著者は従兄弟の奥さんで、今回は本人のサイン入り本をいただいた。『パイオニア・ウーマン』は帰りの電車の中で読んだ。まだ途中。

カルロス・ルイス・サフォン『風の影』上下、(集英社文庫)
  これは実に面白かった。ロバート・ゴダード風ゴシック・ロマン、あるいはドイツロマン派のE.T.A.ホフマン風幻想文学という評もあるが、僕は子供時代に読みふけった江戸川乱Cutwindow3_1 歩の少年探偵団シリーズを連想した。顔のない不気味な怪人、アルダヤ家の廃墟や地下の納骨堂などはまさにその世界。まあ、全体としては確かに『リオノーラの肖像』の頃のロバート・ゴダードに一番近いか。恋愛を絡めた伝奇ロマンといった小説である。ジャンルはともかく、昨年読んだ中ではこの本と『ダ・ヴィンチ・コード』がダントツで面白かった。

  スペイン映画というと内戦時代が何らかの形で関係しているものが多い。その後フランコの独裁が続いていただけに、中国の文革以上に大きな傷を残している。この小説も語りの現在時点は第二次大戦直後だが、内戦時代に殺された一人の小説家の謎をめぐってストーリーが展開する。謎自体は案外底が浅く、途中である程度見当がついてしまう部分もある。しかし二重三重に謎が絡まり、探ってゆくに連れて謎が謎を生み渦巻いてゆくという展開で、容易に全貌が明かされない。否応なく読者はその渦に引き込まれてしまう。

  謎の中心にいるのはフリアン・カラックスという小説家。タイトルの『風の影』というのはその作家が書いた小説の名前でもある。少年ダニエルが「忘れられた本の墓場」でたまたま『風の影』という本を手に入れたのが発端である。上巻は盲目の美少女クララに対する幼いダニエルの恋心が描かれたりして多少間延びする部分がある。しかしフリアン・カラックスに興味を持ったダニエルが彼のことを調べ始めるあたりからぐんぐん引き付けられる。

  全編を覆う暗い雰囲気が秀逸。舞台となったバルセロナを影と暗闇が常時覆っている。建物や施設などの道具立てと登場人物の造形がうまい。「忘れられた本の墓場」という摩訶不思議な場所、老人の掃き溜めのような陰気で妖気漂う養老院、フリアン・カラックスの本を探し出してすべて焼き払っている顔のない謎の男、いたるところに現われてはダニエルたちを脅してゆくフメロという刑事の不気味さ。ダニエルと一緒にフリアンの謎を探るフェルミンがキャラクターとして出色。悲惨で謎めいた過去を持つ男で体中にミミズ腫れなどの傷がある。陽気でおしゃべりな男でなかなか詩的な話もする。ダニエルの恋愛指南役的な役回りも。女性は美女ばかりだが、謎に満ちたヌリアが抜群の存在感である。調べてゆくほどにダニエルがフリアンと重なってくる展開も興味深い。読者は何重にも折り重なった謎の深みにはまり、最後の最後にやっと解放される。どことなく文学的深みも感じさせる傑作。

藤沢周平『本所しぐれ町物語』(新潮文庫)
  藤沢周平には『日暮れ竹河岸』、『霧の朝』、『海鳴り』、『時雨のあと』、『驟り雨』、『夜消える』、『橋ものがたり』など一連の市井物がある。『本所しぐれ町物語』は江戸の市井の人々を描いた連作長編。魅力的なタイトルだが、正直言っていまひとつ引き込まれなかった。途中で中断して『風の影』を読み始めたのはそのためである。最初の「鼬(いたち)の道」から違和感があった。上方に行ったきり音信不通になっていた弟がひょっこり呉服商の兄の元に戻ってきて、兄夫婦の生活に暗い影を落としてまた去ってゆく。それだけの話。だからなんだ?他にも浮気の話や泥棒の話しも出てくるが、どれも味わいが少ない。

  どこかそれまでの藤沢周平の作品と違う。どうも男はふらふらとしてだらしなく、女ばかりがしっかりしている。それはそれでいいのだが、話が面白くない。狂言回しの役を務める地獄耳の万平やまるで「おしん」を思わせるおきちなど素材としていいキャラクターも登場するのだが、話に味わいや深みがない。つまらないわけではないし、最後まで読めるのだが、どこかさらっとしすぎて面白みに欠ける。彼の市井物が持っているしっとりとした味わいがない。たぶんそれが一番の不満なのだろう。枯れて乾いた藤沢周平がそこにいる。

和田はつ子『葉桜慕情』(小学館文庫)
  こちらも連作長編。〈いしゃ・は・くち〉を開業している″口中医″藤屋桂助が活躍する江戸版シャーロック・ホームズ・シリーズ。悪の親玉″そちも悪よのう″岩田屋が次々と仕掛けてくる難事件を桂助の推理で見事に解決してゆく。しかし岩田屋そのものには手が出せない歯がゆさも最後に描かれる。事件も変化に富んでいて、推理にも無理がない。すいすいと読める。

  ひょうひょうとした桂助と彼にほのかな恋心を寄せる志保、自分も志保に惚れながらも志保の気持ちにさっぱり気づかない桂助に「じれってえ」思いをしながら手足となって桂助の捜査を助ける鋼次、いつものコンビが好調。特に求愛者が現われて揺れ動く志保の女心がよく描かれている。直情型の鋼次のせりふや独白はちょっと紋切り型過ぎるが、合いの手程度なのでそれほど気にはならない。

  一番気になったのは最後の第五話「直山柿」、全体のクライマックスとなる毒殺犯との対決部分が説得力を欠いていること。意外性を狙ったのだろうが、設定に無理がある。あんな無理な設定にする必然性が感じられない。山本一力の『大川わたり』の最後の展開もかなり強引だと感じたが、最後の詰めが甘いと全体の印象が悪くなってしまう。その点が残念だった。

  しかし見逃せないのは、その「直山柿」で面白い要素が導入されていることである。飢饉倉の役人を務める下倉藩士佐藤亀之助。彼の語った飢饉の時の農民の惨状は全編の中で際立った衝撃度を持つ。その話は桂助の「飢えを治せる医者など、この世にいないのですからね」、あるいは道順(志保の父)の「病はざまざまだが、亡くなってゆく人たちの数の多さからいえば、飢えが一番多い病かもしれぬ」という言葉とつながってゆく。だが残念ならがここでは充分展開されずに終わっている。亀之助の語った話はあまりにも重く衝撃的なために、結果的に作品の中で浮き上がってしまっている。ただ、この最後のエピソードは次回作につながってゆく気配なので、次の作品で全面的に展開されるのかもしれない。テーマ的に亀之助の言葉と響き合う内容を持つ『藩医宮坂涼庵』(未読)という本を新日本出版社から出している人なので、農民問題を正面から取り上げれば、白戸三平の『カムイ伝』に匹敵するとんでもない傑作を生むかもしれない。どんな内容になるのか楽しみだ(全然違う方向に行ってしまうかもしれないが)。

ジョアナ・ストラットン『パイオニア・ウーマン』(講談社学術文庫)
  国の歴史を読んで一番面白いのは恐らくアメリカと中国だろう。波乱万丈、歴史そのものが壮大なドラマである。アメリカで一番面白いのは開拓時代である。先住民たちの「豊Ride2 かな」暮らし、自然と共に生きてきた彼らがほとんど荒らさなかった自然の豊穣さと美しさ、開拓の苦労、様々な伝説や英雄譚やほら話(トール・テイル)、探検隊の冒険、奴隷制の問題、南北戦争、金鉱の発見とゴールドラッシュ、フロンティアの消滅と海外への進出、急激な工業化と摩天楼の出現、等々。西部劇でおなじみの保安官やカウボーイばかりが開拓時代のイメージではない。いや、カウボーイのイメージでさえ、現実は西部劇のイメージとは大幅に違う。例えば(これは現代の話だが)「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」でメキシコ人のカウボーイが出てきたし、「黒豹のバラード」では黒人のカウボーイが出てきたが、実は当時のカウボーイには黒人やメキシコ人あるいは日本人や中国人などが多数含まれていたのである。しかしハリウッド映画では彼らはみんな画面から排除され、勇ましく荒々しい白人だけが画面を占領していた。

  藤沢周平が平侍の日常を描いたように、少しも勇ましくない開拓者の日常をリアルに描いた名作がある。ローラ・インガルス・ワイルダーが書いた有名な『大草原の小さな家』シリーズである。このシリーズはどれも読み物としてすばらしいばかりではなく、実にリアルに開拓者の労働、自然の猛威、質素で考えられる限りの智恵を絞ったぎりぎりの生活、それでいて何もない中で楽しくたくましく生きようとしていた人々の暮らしを余すところなく描いている。NHKドラマのチープなイメージを持っている人も多いだろうが、これは紛れもない開拓者小説の金字塔である。当時の生活が眼に浮かぶように描き出されていて、下手な文学作品よりはるかに面白い。

  今回実際にその時代を生きた女性たちの手記をまとめた『パイオニア・ウーマン』を読んで、ローラ・インガルス・ワイルダーの小説がいかにリアルで正確だったかが改めて確認された。また、その手記そのものが実に面白く、興味が尽きない。上に書いたように、現実そのものがドラマだったのである。

  それらの手記は長い間屋根裏に眠っていた。それらを集めたのは著者の曽祖母ライラ・デイ・モンローだった。彼女自身1884年にカンザスに入植して、開拓時代の生活を経験した。「そこで出会った開拓地の女性の強さとしなやかな生き方に心を打たれ」、「開拓地の女性の生活を記録し、遺産を保存する」事業に取り掛かかったのである。最初の方に彼女の写真が掲載されているが、これは強烈に引き付けられる写真である。椅子に座って本を読んでいる姿を写しただけの写真だが、彼女の凛とした美しさに眼を奪われる。「美しさ」と言ったのは単に美人だという意味ではない。もちろん美人なのだが、そこにいるのはイギリスの19世紀の中上流婦人たち、「人形の家に住む家庭の天使」ではない。彼女の美しさは、人間のちっぽけさをいやというほど思い知らされる自然の猛威と耐えがたいほどの労働(家事や子育てだけではない)を潜り抜けてきた人だけが持つ強さとしなやかさを持った美しさなのである。今これだけのしっかりとした芯を持ち、かつ厳しさと優しさをあわせ持った女性はいない。そう思えてくる。1枚の写真がそれだけのことを語っている。彼女は何も自分では出来ない「人形妻」ではなく、まさに大地に生きた「開拓地のパイオニア・ウーマン」である。

  『パイオニア・ウーマン』はカンザス州に入植した約800人の女性の貴重な証言を集めたものである。著者の曾祖母が集め、祖母がタイプして索引と注を付けたが、彼女も仕事に追われその後出版されることなく屋根裏に埋もれていた。著者が偶然原稿を発見したことで現代によみがえったのである。著者の意図(それは著者の曾祖母の意図でもある)は次の言葉から窺うことができる。「概して歴史は・・・家庭でおこる種々雑多なことを手際よく処理した腹のすわった女性たちについてはまったく触れていないのです。」しかし厳しい開拓地の生活は女性たちの労働力や智恵、忍耐、そして優しさがなければ到底耐えがたく継続できなかったものである。その埋もれかけた女性たちの歴史を著者は文字通り掘り出してきたのである。

  当時の名もない女性たちの生の声は心を打つものがある。「人は都会で人間に触れ、荒野では神と触れ合います。」ほとんど身一つで開拓地に乗り込んだ女性たちの不安感は並大抵のものではなかった。「父が建てた、たった一間の芝土の家の前に、幌馬車から降り立った時の母の顔を忘れることが出来ません。生涯、なにごとにもしっかりと耐えた母でしたが、この時は、荒涼とした土地を声もなくじっと見つめた後、父の肩に身を投げかけて我を忘れたように泣きました。」しかし彼女たちはそれに耐えた。彼女たちも強かったが、そこにあったのはただ厳しいだけの生活ではなかったからだ。「苦労ばかりの生活に思えるでしょうが、けっこう充実した毎日でした。新しい土地を征服するときめき、素晴らしい自然、大草原の魅力などで胸がはちきれそうになって、不満なんてどこかに行ってしまったのです。低く連なる丘、なにもさえぎるもののない地平線、絶え間なく吹く風に流されてゆく雲。開拓精神は、いまだに家族中に引き継がれています。」

  時に自然が疲れを癒してはくれたが、それが過酷な労働であることに変わりはなかった。それでも彼女たちは畑仕事に、裁縫に、食事作りに、そして子育てに必死で働いた。なぜならそれは生きるがための戦いだったからである。「開拓民の女性にとって家庭とは、今までにない過酷な労働そのものだった。しかも、生き延びるための労働である。・・・気づいてみると、女性と男性の立場がほとんど平等になっていたのだった。」「暑い時期には、水は何より必用でした。一マイル先に泉があり、この水は冷たく、良質で臭いもありませんでした。母は二つのバケツを天秤棒で肩にかつぎ、十五年間毎日、水を運びました。」自然は容赦しない。時には一人で家を守る不安と寂しさに気が狂ってしまう女性もいた。それでも開拓は進んだ。よりよい生活を求めて彼女たちはたゆむことなく努力し続けたのである。

  「新しい土地を征服するときめき」という言葉には、活字になることを意識した「公式の」表現が感じられるが、同時に「マニフェスト・デスティニー」の響きも感じられる。アメリカの領土拡大は神が与えた「明白な使命」であるとする考え。彼らは征服者であった。原住民(ネイティヴ・アメリカン)を「征伐」し、やがては北米大陸を越え、米西戦争をへてプエルトリコ、グアム、フィリピンなどを手に入れ、さらにはハワイも領土にする。その精神は「世界の憲兵」を自認する現在にも引き継がれていると言える。彼女たちの誇らしげな声にそのおぼろげな響きを聞き取ることも可能だろう。

  映画を観る眼は映画だけによっては十全には養われない。このような文献、いや生の経験と接することによって、現実の中にドラマを見出し、平凡な生活の中に非凡な人生を感じ取り、日常生活の中に歴史を見て取る眼が養われるのである。是非おすすめしたい本である。

2007年1月 1日 (月)

推手

1991年 台湾・アメリカ 1996年1月公開
評価:★★★★☆
監督:アン・リー
製作:テッド・ホープ、ジェームズ・シェイマス、アン・リー、エミリー・リウ
脚本:アン・リー、ジェームズ・シェイマス
撮影:ジョン・リン 音楽:チュイ・シャオソン  
出演:ラン・シャン、ワン・ボー・チャオ、ワン・ライ、デブ・スナイダー、ハーン・リー

 アン・リー監督作品はこれまで「いつか晴れた日に」(1995)、「グリーン・デスティニー」Cliptoso2 (2000)、 「ブロークバック・マウンテン」(2005)の3本を観た。「いつか晴れた日に」と「ブロークバック・マウンテン」は優れた作品だと思う。「グリーン・デスティニー」はアカデミー賞を取るほどの作品とは思わないが、結構楽しめた。初期の3本を観ていなかったのは当時何となくウォン・カーウァイとイメージがダブっていたからである。僕はウォン・カーウァイの作品が苦手なのでどうも手が出なかった。先日レンタル店に行ったら「推手」(1991)、「ウェディング・バンケット」(1993)、「恋人たちの食卓」(1994)の3本が棚に並んでいた。9月にDVDが出ていたはずだが、なぜかそれまで気が付かなかった。3本とも観るつもりなので、まず順番通り「推手」から借りてきた。

  想像していたのとはだいぶ違うタイプの作品だったが、なかなかいい映画だった。出だしがいい。中国人の老人(ラン・シャン)が一人静かに太極拳をしている。しかし建物の感じはどう見ても中国ではない。白を基調とした清潔で整頓された部屋。まずこれだけで違和感がある。しばらく老人の動きを映した後、キャメラの角度が変わると金髪の若い女性(デブ・スナイダー)が映る。彼女はパソコンで何か書いている。さらにキャメラの角度が代わると彼女がいるのは老人の隣の部屋だということが分かる。二つの部屋の間のドアは開いているので、互いが見えるはずだが、互いに相手を全く意識していない感じだ。

  老人は一通り太極拳を終えると、時間をもてあまし気味にビデオを見るがどれもつまらないらしく、すぐ交換して次のを見る。やっと気に入ったのが見つかってヴォリュームを上げる。それは京劇のビデオだった。あの甲高い声があたりに響き渡ると、我慢しかねた金髪女性がヘッドホーンを取り出し老人に差し出す。なぜか互いにほとんど口を利かない。しかし老人が興に乗って声を出して歌い始めると、女性のイライラが爆発する。

  非常に優れた導入部分である。この二人はいったいどういう関係なのか。なぜこの二人 が同じ家の中にいるのか、なぜこんなにも沈黙が支配しているのか、という疑問が観客の中に自然と浮かんでくる。実は、この不思議な非日常的雰囲気と空気感が彼らの日常だったのである。場所はニューヨーク。老人の名前は朱。金髪女性は老人の息子アレックス(ワン・ボー・チャオ)の嫁で、老人は1ヶ月前から息子夫婦の家に厄介になっていたのである。夫婦の間には息子のジェレミーがいる。息子のアレックスと孫のジェレミーは英語と中国語が話せて通訳の役が果たせるが、二人がいない昼間は老人と嫁のマーサ2人きりになってしまう。それぞれ自国語しか離せないのでほとんどコミュニケーションが取れない。この導入部がそのままこの映画の主題を暗示している。

  移民を主題にした映画はこれまでもいくつかあった。「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」(2006)、「スパングリッシュ」(2004)、「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」(2002)、「アメリカン・ラプソディ」(2001)、「ジョイ・ラック・クラブ」(1993)、「グリーン・カード」(1990)、「わが心のボルチモア」(1990)、「エル・ノルテ 約束の地」(1983) 、「ディープ・ブルー・ナイト」(1984) 等々。たいていは不法入国者の苦労、差別問題、異文化のぶつかり合い、故国への思いなどが主題だった。「推手」がユニークなのは異文化間のディスコミュニケーションや老いた父の扶養問題、さらには老人の居場所という問題を一家族の物語の中に描き込んでいる点である。人種や文化の違いというギャップにさらに世代の違いを加えている。したがって、特に前半は、舅と嫁、板ばさみの息子というホーム・ドラマの様相を呈する。さらに後半はアメリカの中の中国人コミュニティーに老父が自分の居場所と伴侶を見つけるまでの「さすらい」が描かれる。

 つい先日見たばかりの「胡同のひまわり」でも父親が散々息子に迷惑をかけ、最後には家を出て行く。息子への迷惑のかけ方はぜんぜん違うが、老人が家を出て自分の人生を見出してゆく点は同じである。他人に頼らない老人の生き方、この点は日本とはだいぶ違う。世界中に中華街を作ってきた中国人とやっと最近になって大衆が海外へ出始めた日本人との違い。

 それでも前半のホームドラマは日本でもなじみのテーマなので映画に入りやすい。無意識のうちに観客の視点は最初に映った老人の視点に重なる。あの清潔な家。違う文化のTaiwan001視点から見ると同じものがそれまでと違って見えるから面白い。「胡同のひまわり」を観た直後だったせいもあろうが、彼らの住むああいう清潔な家はどこか生活感がないと思えてくる。中国の薄汚れて埃っぽい家のほうが使い込んだ生活感があって人間的な感じがする。あの部屋では老人も落ち着かないはずだ。導入部の後はマーサと朱老人(朱老人というより「朱大人」と表現したくなる。人間国宝チュウ・シュイ〔朱旭〕など素晴らしい人生の厚みを感じさせる名優が中国には多い)のまったく反りの合わないちぐはぐな日常が事細かに描かれる。食べるものが違う。野菜ばっかり食べているマーサと自分で肉料理を作って食べている朱老人。朱老人が中華なべで食事を作っているとマーサが手を伸ばして彼の足もとや頭の上の棚から皿などを取るシーンが象徴的だ。一緒にいながら全く別の料理を別々に作っている。ほとんど言葉も交わさないすれ違いの生活。

 文化の壁はかくも大きく厚い。同じ中国人同士でも、例えば「ジャスミンの花開く」の第2章で、莉(チャン・ツィイー)が労働者と結婚して夫の両親と同居する場面があるが、寝室に便つぼを置く習慣になじめず臭いから何とかして欲しいと夫に訴えるシーンが出てくる。同じ中国人でも生活のレベルが違うとギャップが生じる。ましてや人種と世代が違う舅と嫁ではまるで異星人同士。それまで夫や息子と平穏に暮らしていたマーサにとってはまったくの闖入者である。夫や息子がいれば通訳してもらえるが、面倒くさがってまともに通訳しない。野菜しか食べないマーサをあげつらって朱老人が「わしは肉を食べてるが太ってないぞ」と言うのをマーサが聞きとがめて、何と言ったのかと夫に聞くが、夫は適当にごまかしてしまう。逆のケースもある。まるで「ククーシュカ ラップランドの妖精」を観ている感じでこのあたりは可笑しい。

 マーサと朱老人だけの時は沈黙が支配する「真っ白い」コミュニケーション不全状態、4人そろった時は二ヶ国語が飛び交うがそれでも充分なコミュニケーションが取れない。一家の間に次第に亀裂が生じて行く。クライマックスは朱老人が迷子になったとき。お前が外に出すからだとアレックスは荒れ狂い、台所をめちゃくちゃにして外に飛び出してゆく。ぐでんぐでんに酔って夜帰ってきて(既に老父は警察に保護され戻っていた)トイレの壁に頭を打ち付けて穴を開けてしまう。アレックスの父への思いは深い。心から尊敬し、これまで育ててもらったのだからこれからは自分たちが父の世話をするのは当然だと譲らない。しかし、作家であるマーサは義父が家にいるせいで気が散ってさっぱり小説が書けないという、これまた深刻な悩みを抱えている。誰も悪者はいないのだが、否応なく亀裂が深まってゆく。ただでさえ親の扶養は大きな負担なのだが、カルチャー・ギャップが絡んでいるため問題はさらに拡大する。誰も迷惑をかけたいとは思っていないのに、誰かが傷ついてしまう。誰の言い分も理解できるが、解決が見出せない。安易に登場人物を善玉悪玉に分けなかったことが、ドラマの葛藤をより深く深刻なものにしている。

 どこにも居場所がない朱老人だが一つだけ気の休まる場所がある。チャイナタウンで太Tree 極拳を教える時である。朱老人は太極拳の達人。倍ぐらいある大きな男もはじき飛ばしてしまう。太極拳の会場で朱老人は陳夫人(ワン・ライ)と出会う。この出会いが結果的にはターニングポイントだった。このまま朱老人が息子一家と同居し続けるのも困難だし、かといってマーサの親の助けを借りてより広い家に引っ越すこともアレックスが拒んでいる。にっちもさっちも行かないどん詰まりの状況。考えに考えてアレックスが目をつけたのはこの陳夫人。何とか父と陳夫人がうまくいってくれれば。しかしそんな思惑を陳夫人は察していた。それを聞いて朱老人は一人黙って家を出る。レストランでの皿洗いのエピソードを経て、朱老人はチャイナタウンで新たな太極拳の教室を開く。そして陳夫人との再会。ニューヨークの路上で空を見上げる2人。

 日本のテレビドラマ向きの題材だが、アン・リー監督は日本のドラマのように人間関係をドロドロには描かない。互いに言いたいことは言い合う、時には怒りを爆発させるが最後は落ち着くところに落ち着く。朱老人は同胞の中に居場所と伴侶を見出し、息子夫婦はより広い家に引越しいつでも父を迎えられる余裕を作る。他民族が互いにある程度触れ合いながらも別々に共存しているアメリカ社会。家族も同じこと。互いに一定の距離を置いて付き合う。困難を見つめつつも新しいスタートを予感させるラストがいい。

 「スパングリッシュ」のレビューでも書いたが、日本人には自国の文化よりアメリカの文化の方が上だという意識が働く。早くアメリカになじもうとする、アメリカに同化しようとする。朱老人に比べると若い世代のアレックスはそれに近いが、同じではない。自分のルーツは中国人であることを忘れない。息子のジェレミーには週末中国語を習わせている。皿洗いしていたレストランで一暴れして監獄に入れられた父にアレックスが面会に行く。息子がさめざめと泣く場面はいい場面だ。息子の父親への思いが伝わってくる。人間は自分が育った文化の外には簡単に出られない。ましてや老人の場合はなおさらそうである。人の厄介にはなりたくない。例え家族でも。無理に相手に合わせようとするのではなく、自分にあった環境を見出すのが一番。太極拳の達人でも問題が錯綜した現実の中では「無の境地」には至れない。そういう描き方がいい。無理をすることはない。自分のままでいればいい。そうできる場があればいい。

 何といってもラン・シャンの好演が光る。人生の厚みを感じさせる表情と佇まい。朱老人には文革時代の決して忘れられないつらい記憶がある。「胡同のひまわり」のシャンヤンの父親もそうだが、中国のあの世代には誰にも深い心の傷がある。決して癒えることはないが、それに押しつぶされずに今を生きてゆこうとする人々。中華街にいれば安全というわけではない。中華街にも朱老人を雇ったレストランの経営者のような男がいる。しかしいい距離を保っている朱老人とアレックス一家は何とかうまくやってゆけるだろう。新居のベッドルームでアレックスがマーサに「推手」を教えている。相手の力を利用しながらバランスを取って相手を倒すのだと。マーサが「結婚と同じね」と口を挟むところが面白い。人間関係はバランスが肝心、この映画はそう言っているようだ。

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2006年12月31日 (日)

ジャスミンの花開く

2004年 中国 2006年6月公開 Mado_renga_g
評価:★★★☆
原題:茉莉花開
監督:ホウ・ヨン
脚本:ホウ・ヨン、ツァン・シャン
撮影:ヤオ・シャオファン
出演:チャン・ツィイー、ジョアン・チェン、チアン・ウェン
   ルー・イー、リィウ・イェ

 長年映画を観ていると観る前から大体どんな映画か見当がついてくるものである。もちろん予想とかなり違うことも少なくないが、この映画はほぼ予想通りの映画だった。一言で言えばチャン・ツィイーの魅力をたっぷりお見せしますよという映画。チョン・ジヒョン主演の「僕の彼女を紹介します」と同じタイプ。3部構成になっているが、特に第1章ではチャン・ツィイーのかわいらしさが強調され、キャメラがなめるように彼女の体を映し出す。チャイナドレス独特のスリットからのぞく足がやけに何度も映されるのだ。確かにサービス満点。だが、かわいらしさといっても「初恋のきた道」の時の初々しさはさすがにない。かといって大人の女の色気もさほどはない。僕としてはもっと別のサービス、つまりきちんとしたドラマが見たいのだが、女優を見せるための映画だからドラマに厚みはない。チャン・ツィイーが3役、ジョアン・チェンが2役を演じてそれなりに頑張ってはいるのだが、いかんせんドラマ自体が痩せていたのでは凡庸な作品にとどまらざるを得ない。どうも全体にただ原作のストーリーを追っているだけという印象なのだ。だからドラマにあまり味わいがない。

 ドラマの設定自体は決して悪くないと思う。“ジャスミン”にあたる中国語“茉莉花”を三つに分解し、茉(モー)、莉(リー)、花(ホア)という3人の女性の名前に当てている。茉(モー)の物語は電影黄金時代だった1930年代。時代背景として日本軍の侵攻が描かれている。莉(リー)の物語は1950年代から60年代にかけて。後半は文革期に差し掛かっているようだ。花(ホア)の物語は1980年代に設定されている。監督のホウ・ヨンは「初恋の来た道」、「至福のとき」の撮影監督だった人なので、かなり色彩を意識している。茉(モー)の物語は緑、莉(リー)の物語は赤、花(ホア)の物語は青で統一している。一番視覚的に分かるのは服の色。それぞれのヒロインが着る服の色がはっきり色分けされている。ややこしい構成なので最初に分かりやすく各章の登場人物をまとめておこう。

第1章 1930年代
  母(ジョアン・チェン)、茉(チャン・ツィイー)、茉の愛人(チアン・ウェン)
第2章 1950年代から60年代
 茉(ジョアン・チェン)、莉(チャン・ツィイー)、莉の夫(ルー・イー)
第3章 1980年代
 茉(ジョアン・チェン)、花(チャン・ツィイー)、花の夫(リィウ・イェ)

 ほぼ50年にわたる女系家族の物語だが、ユダヤ人一族を3世代にわたって描いたイシュトヴァン・サボー監督「太陽の雫」のような雄大さは感じない。なぜなら歴史的背景が文字通り「背景」にとどまっており、物語の展開にほとんど絡んでいないからである。第1章の茉(モー)の物語に出てくる日本軍の侵攻は、茉のパトロンである映画会社社長(チアン・ウェン)が会社を放り出して香港に脱出するきっかけに使われているに過ぎない。第2章では莉(リー)の夫が共産党員だったために、莉やかつて映画スターになり損ねた母茉(モー)の「ブルジョア意識」が強調される程度。むしろ子供が埋めない莉の苦悩と姑の嫁いびりが強調されている。第3章では上海の現代的な生活が強調されているが、展開されるのはやはり夫との関係である。つまり歴史は背景に退き、女3代の結婚をめぐるドラマが展開されている。第1章も第2章もその間に何年か時間が経過しているはずだが、さっぱり時間の流れが感じられない。

  歴史が退いた代わりに「運」が強調される。娘が母親似だと言われて茉(モー)が言った「私に似てる?だったら運なんていいもんですか」という言葉が象徴的に使われている。生まれたての莉の額にあるあざを見て茉の母(ジョアン・チェン)は「縁起がいい印だ」と言うが、結局莉は不妊症を苦にして自殺してしまう。では何が「運」を左右しているか。男とのめぐり合わせである。第1章で茉はパトロンの社長に逃げられ捨てられた形になる。彼女の母は愛人を作るが、その愛人が茉に手を出したので、母親は自殺してしまう。第2章では不妊のせいで精神に異常をきたした莉に追い詰められ夫が自殺、莉もあとを追うように自殺(?)する。第3章では離れて暮らす花の夫が浮気して、結局離婚。花は雨の中道端で子供を出産する。

  3人の女(茉の母も含めると4人)は皆男とうまくいかない。人が簡単に死んでゆく。それなのにさっぱり葛藤は描かれない。莉の母で花の祖母(花は養子だが)にあたる茉が娘と孫に「男はね、よく選ばないとダメなのよ。安売りしちゃダメよ」とか「子供は軽々しく産むものじゃないわ。私はそのために一生を誤ったんだから」などと意見をするが、彼女自身スターの卵だった若い頃をいつまでも忘れられない女性である。死ぬ時まで自分の写真が表紙を飾った映画雑誌や映画会社の社長にもらったジャスミンの香水瓶を離さない。娘や孫が家に連れてくる恋人をかつて自分があこがれていた映画スターの名前で呼ぶ。どこか現実離れしている。だから娘にも孫にも彼女の言葉は説得力を持たない。常に母と娘(孫)だけの片親家族、言い換えれば常に父親不在である。娘はいつも浅はかで軽はずみな結婚をしてしまう。莉の夫は真面目な人物だから、必ずしも男運が悪いというわけではない。女の方にも原因があり、様々な要因に流されて不幸な道をたどる。不幸が堂々巡りしている。なんだか誰が振っても同じ目しか出ないいんちきサイコロを振っているようで、説得力に欠ける。ドラマとして緊張感がなく、苦悩も通り一遍である。

 ただ、最後まで悲惨なわけではない。第3部の花も離婚や祖母の死を経験するが、自力で子供を出産した彼女は実家の写真館を出て新しい時代を象徴する高層マンションに移る。土砂降りの中で生まれた娘(また娘だ!)も元気に育っている。ここにわずかな希望が描かれている。ホウ・ヨン監督も「幼かった女性がだんだんと成熟していくという過程を〔原題の〕“開”に込めています」とかたっている。確かに映画スターを夢見た世間知らずの茉や、気が強くて後先のことを考えずに行動する莉に比べると、花は落ち着いた聡明そうな感じの娘である(その象徴としてメガネをかけている)。しかし、彼女の幸福を保証するものは何もない。時代が変わって女性が生きてゆく条件はよくなっただろうが、だからといって高層マンションに引っ越せば幸せになれるわけでもないだろう。あるのは漠然とした希望だけである。何が女性の、あるいは家族の幸福を支えるのかをもっと描かなければ、また「運」に流されるだけである。

 母・祖母役のジョアン・チェンはさすがにうまい。ただドラマそのものに厚みがないので彼女を充分活かしきれてはいない。実家の写真館は建物としても重厚感があって、映画の中でひときわ「存在」を主張していた。時代の変化によって装いを変えている(一時1階を葬儀屋に貸していた)。文革の時代から名前を「紅旗写真館」に変えているところは芸が細かい。その時々に映される家族写真も味わい深い。ラストで花が見る家族の幻想よりもこの歴代の写真を次々に映し出す方が効果的だったのではないかと思った。

ユナイテッド93

2006年 英米 2006年8月公開
評価:★★★☆
原題:UNITED 93
監督・製作・脚本:ポール・グリーングラス
脚本:ポール・グリーングラス
撮影:バリー・アクロイド
出演:コーリイ・ジョンソン 、デニー・ディロン、タラ・ヒューゴ 、サイモン・ポーランド
    デヴィッド・ラッシュ、ハリド・アブダラ、ポリー・アダムス、オパル・アラディン

 「アメリカ、家族のいる風景」のレビューを書いたとき、その時点ではまだ観ていなかった「ワールド・トレード・センター」と「ユナイテッド93」について次のように書いた。「限定された状況をどのように描いたか気になる。現場の混乱や緊張感に焦点を絞ればサスペンスや臨場感は盛り上がるが、その分広い社会的視野がスクリーンの外に追いやられる。単なるサスペンス映画、アクション映画に終わっていなければいいが。」結論から言えば「ユナイテッド93」は懸念したとおりの作品だった。

  純粋にサスペンス映画として観れば、結構よくできている。テロリストたちの点描、ごく普通の空港の様子から始まり、予定より30分以上も離陸が遅れている間に、他の2機の飛行機がワールド・トレード・センターに激突、さらにはペンタゴンにも1機が墜落、一方でハイジャックの可能性に気づいた管制塔や軍は必死で情報を集めようとするが事態を掴みきれず大混乱に陥っている。ようやく離陸したユナイテッド航空93便では乗客たちが新聞を広げ、携帯をかけ、食事をしている。やがて爆弾を手に持ったテロリストたちが93便をハイジャックする・・・。

  非常にリアリティのあるドキュメンタリー・タッチで、ハラハラしながら画面に見入ることにDeep_blue_moon3_1 なる。管制センターの巨大スクリーンにはもう何度も見慣れたあの黒煙を上げるワールド・トレード・センターが映し出されている。管制官や軍の関係者たちはあわただしく走り回り、モニター画面を見つめて何度も大声で呼びかけ、緊張した面持ちで打ち合わせをしている。電話を掛けまくり、舌打ちをし、命令を発し、また電話をかける。同時間に数千機もの飛行機が飛んでいて全体を把握しきれないあせり。膨大な量の情報が入ってきていながら肝心なことがつかめない焦燥感。軍との連絡もうまく取れない。軍は軍で戦闘機を飛ばそうにも手配に手間取る。攻撃許可を得ようとしても、判断を下す肝心な高官たちがつかまらない。誰もが混乱していた。映画の特に前半までのドキュメンタリー・タッチの生々しさはかなりの出来ばえである。前編をほぼリアルタイムで描いたことも迫真性を盛り上げる上で効果的だった。また、有名俳優を一人も使わなかったことも功を奏している。特定の人物を英雄的視するのではなく、その場の状況全体に眼を向けられるからである(同時に安上がりでもあるが)。

  しかしこれだけ現場に密着していながら、いや密着しているがゆえに、大状況が何も見えてこない。テロリストが祈りを上げている場面から始まるが、何故に彼らがこのような行動に打って出たのか、なぜかくも多くの一般人が犠牲にならなければならなかったのか、それこそ肝心なことは何も語られない。ただ行動とその推移だけが臨場感たっぷりに映し出される。9・11テロはアメリカばかりかその後の世界情勢を大きく変えてしまった。アフガン、イラクと続いたアメリカのテロ報復攻撃。それに追随したイギリスを始めとする多くの国々。政治面ばかりではない。映画の分野でも昨年から今年にかけて9・11後を反映したシリアスな作品が多数公開された。その中で「ワールド・トレード・センター」(こちらは未見)と「ユナイテッド93」は9・11そのものを描いたという点でユニークな存在である。しかしあれから5年もたつというのに単なる再現ドラマを作るというのはどういうことか。もちろんあの日起こったことは忘れてはならないことである。いや、忘れようにもあの信じがたい映像は今でも眼に焼きついている。だが、9・11を描くのなら、なぜアメリカがそれほどまで憎まれるのかというそれ以前の状況についても、さらには、アフガン、イラク侵攻と続いたその後の状況と混乱も視野に入れるべきだろう。

  犠牲者への鎮魂という意味はあったかもしれない。しかし製作側の意図が何であったにせよ、結果的にはむしろテロへの反撃を助長する映画になっているという見方すら可能である。あの日93便の中で何が起こっていたのか。今となっては誰にも分からない(戦闘機に撃墜されたという説もある)。生存者は一人もいなかった。当然映画の後半は想像である。ドキュメンタリーを観ているようなリアリティは後半薄れる。代わって別のリアリティが現われてくる。想像によって作られたドラマの迫真性である。前半のドキュメンタリーは後半になってドラマに変わる。乗客がテロリストたちに襲いかかるあたりが一番作り物めいている。そのドラマが描いたのは何か。テロリストに対する乗客の反撃である。いつの間にか気づかないうちに典型的なアメリカ映画になってしまっている。この映画が批判したのはいたずらに混乱するばかりで的確に事態を把握できないテロ対応体制の不十分さである。「93便が墜落して4分後に、ハイジャックされたということが判明した」という最後の字幕がそれを示している。テロは許されるべきではないし、それへの充分な対策も必要だ。しかしテロへの反撃と対応策を強調するだけならアフガンやイラクへの侵略行為を追認することになる。

 もちろん、この映画が犠牲者をだしにして単なる娯楽映画を作ったとまで言うつもりはない。理不尽なテロにあったときに、自衛のために反撃する権利は誰にでもある。当然誰もが生き延びようとしただろう。しかし大状況が一切描かれていないために、9・11後の文脈においてみると上記の様な観方が可能になってしまうのである。優れた演出力を示していただけに、現場の臨場感作りに終始したことが惜しまれる。

映画レビュー以外の記事一覧

  映画レビューとそれ以外の記事をはっきり分けることにしました。映画レビューは「映画レビュー一覧 あ~さ行」、「映画レビュー一覧 た~わ行」に収め、80年代までの映画については、また別に「名作の森(日本映画)」、「名作の森(外国映画)」に掲載しています。映画レビュー以外は「映画レビュー以外の記事一覧」として独立させました。
 なお、2007年の10月に別館ブログ「ゴブリンのつれづれ写真日記」を作りました。それ以降に書いた写真日記は一部の記事を除きそちらのブログにのみ掲載しております。 

【エッセイ・日記・その他】
蒼い時と黒い雲
アクセス数が10万を突破しました
浅間サンライン
浅間サンライン脇道探索 「せせらぎ公園」を発見
浅間サンライン脇道探索 ワイナリー「ヴィラデスト」
新しい壁紙集を作りました
ある陶芸家の話
馬坂橋は沈下橋だった
浦野川散策
浦野川散策その2 橋を撮る
浦野川散策その3 上流の沓掛川と田沢川をゆく
浦野川散策その4 醤油久保橋を撮る
大雪です
過去4ヶ月間のアクセス数ベスト20
喫茶「すみれ屋」へ行く
喫茶店考
記事別年間アクセス数ベスト20(2006年)
映画レビュー一覧 あ~さ行
映画レビュー一覧 た~わ行
鹿教湯の五台橋を撮る
壁紙を作りました
神川探索
韓国てくてく旅行記①
韓国てくてく旅行記②
韓国旅行に行ってきました
完成間近のリンドウ橋を撮る
「五十音順記事一覧」の作り方
「小林いと子人形展」を見てきた
ゴブリン壁紙
小諸探索① 布引渓谷~布引観音
小諸探索② 大久保橋~「茶房読書の森」再訪~大杭橋
小諸の懐古園へ行く
最近聞いたCDから
最近CDを買いまくっています
茶房「読書の森」へ行く
産川探索 その1 鞍が淵を撮る
産川探索 その2 沢山湖へ行く
塩田の文教地区を歩く
塩野神社の神橋
シセルとディー・ディー・ブリッジウォーターに酔う
自然運動公園へ行く
信濃デッサン館、無言館、浦野川散策+α
しばらく北海道に行ってきます
正月に読んだ本(2006年)
正月は読書三昧(2007年)
白目は白い
神秘の池
大法寺に行く
待望の連休
中国旅行記 中国の旅は驚きの連続だ
中国旅行記余話
中国旅行記06①
中国旅行記06②
中国ばてばて旅行記07
ちょっと一息
嬬恋の田代湖へ行く
夏の夜のバロック・コンサート
七尾の青柏祭を見てきました
庭の枯葉~生活のゆとり
庭のテラスで読書、至福の時
パニのベランダで伊丹十三を読む
ハープ橋を撮る
バロック・コンサート2日目
番屋川・鹿曲川探索 御八城大橋を撮る
久々にコレクターの血が騒いだ
久々の温泉
広島に行ってきました
不思議な空間のゴブリン
不思議の町祢津
冬の不動滝
冬を見てきた
ブログ開設1周年を迎えました
ブログとホームページの違いに驚く
別所温泉を撮る
ボストン滞在記 その1
ボストン滞在記 その2 ビーコン・ヒル
ボストン滞在記 その3 ボストン点描~街の表情
ボストン滞在記 その4 ボストン・コモン
ボストン滞在記 その5 パブリック・ガーデン
ボストン滞在記 その6 チャールズ川散策
ボストン滞在記 その7 ニューベリー・ストリートを歩く
ボストン滞在記 その8 フリーダム・トレイルを行く
ボストン滞在記 最終回
北海道ミニ旅行記

道の向こうに何があるか
メアリ・ローズ・ガーデン
名作の森(外国映画)
名作の森(日本映画)
望月探索 望月橋と弁天窟を撮る
谷根千そぞろ歩き
「夢がない橋」発見!?
依田川探索 その1 馬坂橋を撮る
連休前半終了 水槽替えと庭の手入れ
路地へ
路地裏探索 その2

【小説・読書】

イギリス小説を読む①キーワーズ
イギリス小説を読む②『高慢と偏見』
イギリス小説を読む③『ジェーン・エア』
イギリス小説を読む④『余計者の女たち』
イギリス小説を読む⑤『エスター・ウォーターズ』その1
イギリス小説を読む⑥『エスター・ウォータズ』その2 
イギリス小説を読む⑦『夏の鳥かご』
イギリス小説を読む⑧イギリスとファンタジーの伝統
イギリス小説を読む⑨『土曜の夜と日曜の朝』
お気に入り写真集 1
お気に入り写真集 2
帰省中に読んだ本
正月は読書三昧(06年)
定年ゴジラ
飢餓海峡
ハリー・ポッターの新作が面白い
路地の匂い 町の音

【映画関係記事】
「アース」を観てきました
アニメ三昧
あの頃こんな映画があった 1988年
あの頃名画座があった(改訂版)①
あの頃名画座があった(改訂版)②
あの頃名画座があった(改訂版)③
あの頃名画座があった(改訂版)④
あの頃名画座があった(改訂版)⑤
あの頃名画座があった(改訂版)⑥
あの頃名画座があった(改訂版)⑦
あの頃名画座があった(改訂版)⑧
「蟻の兵隊」を観ました
「硫黄島からの手紙」を観ました
岩波ホール上映作品 マイ・ベスト50
映画の小道具
映画の日に「劔岳 点の記」と「火天の城」を観てきました
エキストラ出演した「青燕」のDVDが出ました!
「エディット・ピアフ 愛の讃歌」を観ました
NHKの「韓流シネマ 抵抗の軌跡」シリーズが面白い
NFB傑作選
「延安の娘」を観ました
「王と鳥」をDVDで観ました

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」と「めがね」を観てきました
「狩人と犬、最後の旅」を観ました
カレル・ゼーマン作品集
韓国映画の流れ
「記憶の扉」と「ふくろうの河」を観ました
今日「フラガール」を観てきました
傑作TVドラマ「第一容疑者」
この間観た映画、これから観る予定の映画
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ゴブリンの映画チラシ・コレクション④
ゴブリンの映画チラシ・コレクション⑤
ゴブリンの映画パンフ・コレクション①
ゴブリンの映画パンフ・コレクション②
ゴブリンのおすすめイギリス映画 マイベスト150+α
Golden Tomato Awards発表
Golden Tomato Awards発表 その2
第9回Golden Tomato Awards発表
第9回Goldenn Tomato Awards発表 その2
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最近上田でもいい映画が観られるようになった

最近観た映画50本の評価点
最高の映画資料「ぴあシネマクラブ」
サッチャーの時代とイギリス映画①
サッチャーの時代とイギリス映画②
「サン・ジャックへの道」を観ました
残念、上映時間を間違えた
3人の映画人を偲んで
「シシリーの黒い霧」を観ました
シネコン初体験
14才までに見ておくべき映画50
小冊子「CINEMA APIED」を紹介します
資料・日本と諸外国の映画環境①
資料・日本と諸外国の映画環境②
05年にDVD化されたおすすめ旧作
「007 カジノ・ロワイヤル」を観ました
先月観た映画(08年1月)
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先月観た映画 採点表(13年3月)
先月観た映画 採点表(13年4月)
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先月観た映画 採点表(13年6月)
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「それでもボクはやってない」を観てきました
ただいま「山猫」のレビューを準備中
近頃日本映画が元気だ
「父親たちの星条旗」を観ました
「中国の植物学者の娘たち」を観ました
「長江哀歌」を観ました
DVDを出してほしい映画
DVDを出してほしい映画 その2
ドイツ映画ベスト100
「トゥヤーの結婚」を観ました
「トランシルヴァニア」を観ました
「ドリームガールズ」を観てきました
トルコ映画の巨匠ユルマズ・ギュネイ①
トルコ映画の巨匠ユルマズ・ギュネイ②
2005年公開外国映画の概況
2005年DVD/ビデオ マイ総合ランク
2005年公開映画マイ・ベストテン
2006年公開映画を振り返って
2006年公開映画マイ・ベストテン
2006年に公開された主な日本映画
2006年に公開された主な外国映画
2007年公開映画マイ・ベストテン
2007年に観た主な映画
2008年公開映画マイ・ベストテン
2008年主要公開作品
2009年に観た映画 マイ・ベスト50
2008年に観た主な映画
2010年に観た映画 マイ・ベスト50
2011年に観た映画 マイ・ベスト50
2012年に観た映画 マイ・ベスト60
「母たちの村」を観ました
「春にして君を想う」を観ました
「パンズ・ラビリンス」を観ました
漂流するアメリカの家族
「ヒロシマナガサキ」を観ました
「ファミリー」を観ました
「武士の一分」を観てきました 
「プルートで朝食を」を観ました
「ブロークン・フラワーズ」を観ました
年末から06年新春にかけて出る注目すべきDVD
変貌著しい世界の映画
便利フリーソフト「映画日記」紹介
細田守監督のアニメ「サマーウォーズ」が話題に
HPに「ソ連/ロシア映画作品年表」を掲載
ポール・ニューマン追悼
「迷子の警察音楽隊」を観ました

「マッチポイント」を観ました
「ミス・ポター」と「天然コケッコー」を観てきました
「ミリキタニの猫」を観ました
「麦の穂をゆらす風」を観ました

「夕凪の街 桜の国」を観てきました
ユーリ・ノルシュテイン作品集
4つ星半以上をつけた映画一覧
「ラストゲーム 最後の早慶戦」と「ザ・マジックアワー」を観ました

朗報!ケン・ローチ監督の中期傑作群がついにDVD化
「六ヶ所村ラプソディー」の上映会に行ってきました
「ONCE ダブリンの街角で」を観ました
 

記事別年間アクセス数ベスト20

 「年間」といってもココログでアクセス解析機能が使えるようになったのは今年の6月からなので、正確には集計が始まった5月からの8ヶ月分です。リストを見てもらえば一目瞭然ですが、一番の特徴は上位を日本映画が占めていることです。ベスト5のうち4本、ベスト10のうち6本が日本映画です。その下のベスト20までの10本には3本が入っています。特に「武士の一分」にいたっては12月16日に記事を載せたばかりですから、わずか半月で17位に入ってきています。ついでに言えば、その6日後の12月22日掲載の「ナイロビの蜂」が次点に入っているのも驚きです。

 アクセス数は記事の内容とはあまり関係なく、むしろ人気度や話題性の反映ですから、それだけ日本映画が注目されていたということでしょう。映画のレビューだけに絞れば「父と暮らせば」がベスト10に入ってきますので、その場合はベスト10圏内に日本映画が7本も入っていることになります。2006年は日本映画が映画ファンの間で完全に定着した年だと言えそうです。

 もう一つの顕著な特徴は「イギリス小説を読む」シリーズがいくつか上位に食い込んでいることです。8月と12月に増えていますから、恐らくどこかの英文科でレポート課題が出ているのでしょう。内容はまったくの雑文ですから大して参考にはならなかったと思いますが。「ズール戦争」も間違いなくレポートがらみでしょう。どなたか来年あたり「ゴブリンとは何か?」というレポート出していただけませんかねえ。

 それから人によってはトップページではなく、特定の記事のページをブックマークしている可能性があります(僕自身かつて経験があります)。その場合、僕のブログに入る度にその記事にアクセスすることになりますので、それで上位に来ているものもありそうです。たとえば、″驚異的な″「ロング・セラー」である「ミリオンダラー・ベイビー」(05年11月22日掲載)と「ヒトラー最期の12日間」(06年2月5日)はその可能性があります。2本ともかなり力を入れて書いたレビューなので、長く読まれているのはそのせいだと自分では思いたいのですが、恐らく上記の理由によるものと推察されます。

 個人的にうれしいのは「拝啓天皇陛下様」が16位に入っていること。あまりブログで取り上げられない映画だけに逆に集中したと思われます。過去の優れた作品を継続的に取り上げてゆくことは大事だと思います。僕ぐらいの世代がブログ人口の中で占める割合は少ないでしょうから、過去の名作を取り上げるのはむしろ義務だと考えるべきでしょう。新作に追われてなかなか古い映画を観る機会がないのですが、手元に1000本近いDVDコレクションがあるので、来年からは折を見て「~強化月間」を設けようと思います。ちなみに、今月は「中国映画強化月間」でしたが、あれこれ浮気してしまいましたので来年の1月まで延長します。日本映画(小津安二郎、黒澤明、溝口健二、今井正、木下恵介、成瀬巳喜男などの個人月間も含めて)を始め、やりたい企画は山ほどあります。取り上げられるのは月にせいぜい数本でしょうが無理しない範囲で頑張ってみたいと思っています。

 来年もまたよろしくお願いいたします。

■アクセス数ベスト20(5月1日~12月30日)
1  ALWAYS三丁目の夕日
2  フラガール
3  嫌われ松子の一生
4  イギリス小説を読む『ジェイン・エア』
5  博士の愛した数式
6  カーテンコール
7  プライドと偏見
8  ヒトラー最期の12日間
9  イギリス小説を読む「キーワーズ」
10 かもめ食堂 Dec0302
11 ミリオンダラー・ベイビー
12 父と暮らせば
13 旅するジーンズと16歳の夏
14 ランド・オブ・プレンティ
15 天空の草原のナンサ
16 拝啓天皇陛下様
17 武士の一分
18 イギリス小説を読む『高慢と偏見』
19 ズール戦争
20 スタンドアップ
次点 ナイロビの蜂

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