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2007年10月12日 (金)

塩田の文教地区を歩く

 午前中ちょっと時間が空いていたので駆け足で撮影に行ってきた。近場という以外に特に場所は決めていなかったが、ふと思いついて鴻の巣に行くことにした。行ったのは二度目だが、やっぱり間近に見るとかなりの奇観だ。茶色い岩肌がむき出しになり、それが風雨によって侵食されて急峻な崖になっている。足元には小砂利がたまり至極歩きにくい。足を滑らせないように気をつけながら近くまで登ってみる。よく海岸にある奇岩のように鋭く針のようにとがっている岩もある。岩といっても角の取れた丸い小砂利と砂の塊なので、恐らくひっかけばぼろぼろ崩れるのではないか(もちろん触ってはいないが)。ここはかつて海底だったところで、後に隆起してこんな様相を呈するようになった。よく探せば、砂利の間に貝が見つかるかもしれない。下から見上げると、空の青さと薄茶色の崖の色のコントラストが素晴らしい(快晴の日の上田は雲ひとつなく真っ青に晴れる)。

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<写真>
鴻の巣(6枚)

 今日は日差しが暑い。途中で上着を脱いでも体中汗だくになった。横の方に回り込むと遊歩道に出る。以前来た時にそっちにも行ってみたが、確か展望台まではいかなかったと思う。時間があれば展望台まで行って写真を撮ってみたかった。残念ながら今日は崖だけで我慢する。ここは深沢七郎原作『楢山節考』(ならやまぶしこう)の二度目の映画化作品(83年の今村昌平監督版、ただし僕は58年の木下恵介監督版しか観ていない)で、老人を谷底に突き落すシーンのロケ地になったところだ。突き落すシーンはテレビで何度か見たことがあるが、どのあたりで撮ったのかは分からなかった。そう言えば、その撮影の時放ったカラスがそのまま住みついてしまったという話を聞いたことがある。

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<写真>
鴻の巣(3枚):断崖を見上げる、足もとに積る小砂利、案内板

 その後「いにしえの丘公園」に行ってみた。このあたりは上田市の中でも独特の雰囲気があるところだ。上田には信州大学の繊維学部、長野大学(私立)、上田女子短期大学、県工科短大の4つの高等教育機関がある。そのうちの信州大学を除く3つが塩田地区に集中している。またそのあたりはリサーチパークと呼ばれる企業の研究所等が集中している地域でもある。信州の学海と呼ばれる塩田地区の中でも特に文教的雰囲気があり、またきれいに整備されているところで、ゆっくりと散歩するにはもってこいの場所である(坂道が多いのが玉に瑕だが)。いにしえの丘公園向かいの駐車場に車を停め、まずすぐその横に建っている旧宣教師館を写真に撮った。この建物は明治37年(1904年)にカナダ・メソジスト派新参町教会の婦人宣教師の住宅として、上田城跡に近い丸堀に建てられたが、平成5年に塩田地区にそっくり移設されたものである。移設されてすぐに中に入ったことがある。「アメリカン・コロニアル様式」の洋館で、室内は飾りすぎず実にシンプル。しかし細かい所に装飾が施されていて、アンティークな家具とよくマッチしていた。

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<写真>
旧宣教師館(2枚)、いにしえの丘公園

 いにしえの丘公園は古墳公園である。古墳時代後期(6-7世紀)頃に作られた塚穴原(つかあなはら)第1号、第2号古墳、他田塚(おさだづか)古墳の3基がある。インターネットで調べてみたら、他にも近辺には下之郷古墳群と呼ばれる古墳が40基ほどもあるらしい。そんなにあったのかと正直驚いた。公園の真ん中に前方後円墳をまねた塚が作られている。小さな公園だが、この一帯の雰囲気に合っていて和みのスポットになっている。

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<写真>
いにしえの丘公園(6枚)、下段真中は他田塚古墳

 その後駐車場の下にある「上田市技術研修センター」とその中にあるレストラン「リチェルカ」の写真を撮る。「リチェルカ」は眺めの素晴らしいテラスがあって女性に人気である。昼食時に行くとおばさん軍団に占領されていることは珍しくない。今日は写真だけ撮って素通り。隣の工科短大に行く。ここはうらやましいほど欝蒼とした緑に囲まれている。2、3枚写真を撮ってまたいにしえの丘公園の方に引き返す。今度はいにしえの丘公園前の坂道をさらに登って「マルチメディア情報センター」へ行く。ちょうど小学校の生徒がバス2台を連ねて見学に来ていた。ちょっと中を覗くと子供たちが楽しそうだったので、断って内部も撮らせてもらった。

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<写真>
リチェルカ、工科短大、マルチメディア情報センター

 ここも4、5枚写真を撮っただけですぐ出る。車に戻り帰ろうと思ったが、せっかくここまで来たのでついでに「ふるさとの森」にも行ってみることにした。「リチェルカ」のあたりから「マルチメディア情報センター」の横あたりまでがちょっとした散歩コースになっている。駐車場から旧宣教師館の裏側に入るとすぐ橋が見えた。細い川が流れているのだ。水量はいつ来てもわずか。ちょろちょろとしか流れていない。その橋の先にも小さな橋があった。小さくてなかなかかわいい橋だ。川に沿って上流側に歩いてみた。何か所かおかれている金属製の手すりには鳥の形の飾りがついていて、これがまたなかなかかわいい。散歩道には枯れ葉が積もり、あちこちにキノコが生えている。「マルチメディア情報センター」の横あたりには階段状に石を並べたスペースがある。野外コンサート会場のような作りだが、それにしては狭い。そこで何か催しが行われたとは聞かないし、前から何に使うのか不思議に思っていたところだ。そのあたりで散歩道は終わっている。短いコースだが、ちょっとぶらつくにはいいところだ。

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<写真>
ふるさとの森(9枚)

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