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2007年10月26日 (金)

サン・ジャックへの道

2005年 フランス 2007年3月公開
評価:★★★★☆
原題:Saint Jacques...La Mecque
監督・脚本:コリーヌ・セロー
製作:シャルル・ガッソ
撮影:ジャン=フランソワ・ロバン
美術:アントワーヌ・フォンテーヌ
出演:ミュリエル・ロバン、アルチュス・ド・パンゲルン、ジャン=ピエール・ダルッサン
    マリー・ビュネル、パスカル・レジティミュス、マリー・クレメール
    フロール・ヴァニエ=モロー、ニコラ・カザレ、エメン・サイディ

星の道~さわやかな風がそよぎ、山々は美しく、心も足取りも重い

037_2    「サン・ジャックへの道」は「ラストマップ/真実を探して」と同じようなシチュエーションから始まる。親の残した遺言により無理やり旅に出されることになるのである。しかし「サン・ジャックへの道」の旅は「ラストマップ/真実を探して」の旅よりはるかに長く、遠く、過酷だった。フランスのル・ピュイからスペインの西の果て、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの巡礼の旅。全行程1500キロ。それも「道まかせ」というツアー名の通り、羊や牛たちが群れる平原を突っ切り、岩だらけの山を越えて行くような難路ばかり。一日平均七時間歩き続けて2ヶ月間の旅。その上に「旅の仲間」は仲の悪いことこの上ない。昔から会うと喧嘩ばかりしているクララ(ミュリエル・ロバン)、ピエール(アルチュス・ド・パンゲルン)、クロード(ジャン=ピエール・ダルッサン)の3姉弟。信仰心もなく、それぞれが家庭内の深刻な悩みやストレスを抱えている。

 3人がそれぞれ巡礼に出ることを断る冒頭のシーンが面白い。これでもかと行けない理由を並べ立てる。夫が失業中のクララ。妻に見捨てられ、酒びたりで一文無しのクロード。中でもすさまじいのはピエールだ。会社の社長で片時も携帯電話と薬を手離せない仕事人間。妻はアルコール依存で自殺願望がある。2ヶ月も家を空けられるはずはない。食いつかんばかりに身を乗り出し、機関銃のようにがなりたてる。これだけ反対しておきながら出発の日には3人ともちゃんとやってくるのが可笑しい。母の遺言に示された条件とは「3人がサン・ジャックの巡礼ツアーに参加すること」。結局、「家庭の事情」を抱える3人は莫大な遺産が欲しかったのだ。

 集合場所に集まったのは全部で9人。楽しい山歩きと勘違いして参加した女の子2人組み、エルザとカミーユ。その女の子が目当てで参加したサイッド。そして彼の従兄弟のラムジィ。彼はサイッドにだまされてメッカへ巡礼に行くと思い込んでいる。人を疑うことを知らない純真な若者で、メッカへ行けば失読症が直ると信じている。常に頭をバンダナ(スカーフ?)で隠している謎めいた女性マチルド(マリー・ビュネル)。そしてこの巡礼の旅「道まかせ」のガイド役ギイ。年齢も人種も宗教も違う不揃いな人々。純粋に巡礼を望んでいるのはラムジィだけという先行き不安な取り合わせ。出発して早々、何かにつけて不平ばかり言って駄々をこねるピエールにクララが食って掛かり、取っ組み合いの大喧嘩。旅の一行ばかりか、観ているこちらも先が思いやられる。

 サンティアゴ・デ・コンポステーラについては、公式サイトに次のような説明がある。サンティアゴ・デ・コンポステーラのコンポステーラとは、「星の平原」という意味を持つ。サンティアゴはフランス語ではサン・ジャックとなる。この巡礼路を題材とした映画にルイス・ブニュエル監督の「銀河」(68)があり、書籍ではパウロ・コエーリョの『星の巡礼』など多数ある。

 そうか、「銀河」の主人公たちもサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指していたのか。もっともこちらはいかにもブニュエルらしいハプニングだらけの奇想天外で摩訶不思議な世界。「銀河」と呼ばれる巡礼路にはキリスト、マリア、死の天使まで現れる。宗教に対する皮肉な目が鮮明だ。シュールな映画だが不思議な魅力がある。人間なんて不完全なもんさ、あたふたする人間たちを見る目は冷淡ではない。「サン・ジャックへの道」は確かに「銀河」と共通する面がある。共に宗教的な枠組みを持っていながら、実に人間くさい映画なのだ。

Fk84  「銀河」の主人公たちが歩んだ道が「銀河」と呼ばれているのに対して、「サン・ジャックへの道」の一行が通った道は「星の道」と呼ぶのがふさわしい(山崎 脩著『旅 スペイン巡礼星の道』という本もある)。クララ、ピエール、クロードたちが経験したのはどんな旅だったのか。ゆったりとしたテンポは「ストレイト・ストーリー」に似ているが、トラクターで旅をするよりもさらにゆったりとしたペースだ。おおらかさにユーモアをまじえた味わいはカナダ映画「大いなる休暇」を連想させる。「長い散歩」のような思いつめたところはない。全体に明るく軽い。強烈なキャラクターを寄せ集め、ギクシャクしながらも最後には姉弟の絆が強まって行くという展開は「リトル・ミス・サンシャイン」に似ている。

 「星の道」を歩む旅。だが、それは必ずしも旅情を感じる旅ではない。少なくとも参加しているものにとっては。彼らには最初自分のことしか見えていなかった。「誰も彼も自分のことばかりだ!きれいな景色も見てやしない。帰りたいのは俺のほうだ!」案内人ギイが悲鳴を上げるのももっともだ。それは、昼間は口論に疲れ、夜は悪夢にうなされる旅だったのだ。仕事や家庭内の問題に追い立てられ、自分のことにばかり気をとられている人間にはゆったりと星空や夕焼けを見上げる暇もない。「歩く」ということの意味はそこにあった。それも1人ではなく反りの合わない同伴者と一緒に歩くということの。「月曜日に乾杯!」の主人公はストレスに耐え切れず、自ら「休暇」を取って旅に出た。「サン・ジャックへの道」の3人は遺言に背中を押されるようにして旅に出たのではあるが、ストレスにまみれていた点は同じだ。「人生は、時々晴れ」のタクシー運転手(ティモシー・スポール)は何もかもいやになって一時仕事を放棄した。みんな人生の重さに押しつぶされそうになっている。

  「サン・ジャックへの道」を観て久々に思い出した映画のタイトルがある。「旅の重さ」(斎藤耕一監督、1972)。巡礼の旅に出ながらもピエールたちは「人生の重さ」を背負っていた。彼らの足取りが重いのはそのためでもある。この旅はいらないものを捨ててゆく旅だった。ただの巡礼者になった今、社長という肩書きも金もおごりも役に立たない。頼めるのは仲間の助けだけである。汗と共に毒素を体外に吐き出してゆく過程。ゆっくりしたペースの旅なので、道中互いの性格があからさまに表れる。軋轢が生まれるがまた触れ合いもある。対立から和解へ。様々な人との出会いというよりも同伴者との触れ合いに重点が置かれている映画だ。互いによく知ってはいるが、仲の悪い姉弟を主要登場人物に設定した狙いはそこにある。

旅の力

 ピエールは途中で誤って薬を捨ててしまった。「薬がないと生きてゆけない」と大騒ぎを始める。誰かが「何の薬なの?」と聞くと、クララとクロードが「人生に耐えるための薬さ」と答えている。ピエールにとって薬は人生のストレスから身を守る鎧だった。しかしいつしか彼は薬なしでやってゆけるようになっていた。足取りも軽く、すたすたと坂道を上れるようになっていた。登場した時の彼は人を小ばかにし、あからさまに差別発言をするいやな奴だった。

  自分を見つめなおし、他人を捉えなおす旅。他人と共にすごす濃密な時間。ゆったりとSwiss9_3 お湯に浸かって疲れを取るように、自分たちのストレスを取り除いてゆく旅。それは他人のつらさを知る旅でもあった。「村の写真集」や「山の郵便配達」に込められたメッセージと同じ物がそこにあった(歩きではないが「ストレイト・ストーリー」をこれに加えてもいいだろう)。ゆったりとしたペースで歩いているからこそ見つけられるものがある。ギイとピエールがそれぞれに家庭の事情があることをぶつけ合うシーンがある。他の人たちが息を呑んで見つめている。こういうことをきっかけに互いの事情が理解できるようになってゆく。ピエールだってただわがままなだけではない。仕事に追われ、家には自殺願望の妻がいる。牛の糞まみれになって彼が妻に携帯で電話するシーンが印象的だ。弟のクロードだって、好んで失業しアル中になっているわけではない。何も持たずに参加し、ちゃっかり金を借りたりしているが、根っからの怠け者ではない。

  日本から逃れてきた人たちが「かもめ食堂」で出会い、そこでのんびり、ほのぼのとした生活を送るうちに生きる力を得ていったように、9人の巡礼者たちも不満、不平、対立を経て心の平安を得るにいたる。川の水は流れてゆくにしたがって川自体の浄化作用できれいになってゆく。「道まかせ」ツアーにも浄化作用があったようだ。それが「旅の力」なのだろう。彼らが旅の途中でリュックから荷物を捨ててゆくシーンが象徴的だ。「亀も空を飛ぶ」の少女が背中に人生の苦悩の象徴を背負っていたように、彼らのリュックの中には人生のしがらみや苦悩や煩悩がぎっしりと詰まっていたのである。

  ピレネー山脈の手前(フランスとスペインの国境地帯)まで来たとき、案内人のガイは3人に彼らの旅はここまでだと伝える。遺言ではここまで来ればいいと書かれていたのだと。サンティアゴ・デ・コンポステーラまで行く必要はない。クララとクロードはほっとして帰ろうとするが、何とピエールが旅を続けると言い出す。「途中でやめたくない。巡礼のお陰で病気が治った。サンティアゴを見たい。・・・失敗の連続。俺の人生は最悪だ。酒びたりで自殺願望の妻しかいない。生きる権利もないと?初めて無心で何かをやろうとしてるんだ。みんなと一緒にいたい。」引きずられるようにして他の二人も旅を続ける。

  このあたりから「旅の重さ」が取れ、だんだんコミカルな展開になってゆく。とんでもなく早い時間に元気いっぱいで出発して途中でへばってしまうテレコム管理職の若い男や、大いびき3人男が登場して笑わせる。途中宿を借りるために寄った教会では白人以外は泊めないと拒否する神父がいたり、願い事を書いた紙をチェックして捨てたり書き換えたりする修道女たちが描かれたりする。

  しかし染み付いた煩悩は簡単には取れないもの。シュールな夢が何度も描かれる。荒野のドア、迷路、マチルドの顔をかたどった石、黒服の人物、様々な動物に歩く巨大なAの文字。中でもすべてを失った男クロードはピエール以上に苦悩を引きずっていた。「あなたは死に向かってる。私は生きたいの」とマチルドに言われてしまう。耐え切れずやめていた酒を飲みだす。しかしその後のピエールとクララの対応がそれまでと違っていた。酔っ払ってひっくり返ったクロードをギイがかついでくると、ピエールとクララがさっと立ち上がって両脇から支えた。ようやく姉弟は一つになったのだ。

 一行はようやく目的地サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着する。旅の最後の地はヨーロッパ最西端のフィニステレ岬。地の果てである。ここで悲しいが感動的な場面が待っていた。ラムジィが母の死を知り嘆き悲しむ場面だ。夕陽が映える海を背景に、母の死を知って嘆き悲しむラムジィの姿が映し出される。ここはそれまでに映し出されたどんな美しい風景よりも美しいシーンだった。彼が心から悲しんでいたからだ。疑うことを知らない彼は感情を素直に表す。ある墓地で墓碑銘を読んで彼は本気で悲しんでいた。「お母さんが亡くなったなんて、悲しいでしょう?」今度は自分の母親をなくしたのだ。彼がそもそもメッカに行きたいと願ったのは、字が読めるようになって母を喜ばせたいと思ったからだった。しかし映画は彼の泣く顔を映さなかった。画面は彼を遠景で映している。光り輝く海を背景にして彼のシルエットだけを映した。これが素晴らしい効果を上げている。

0070_3    ラムジィは3兄弟以外の登場人物の中では最も重要な役割を担っている。クララに人間的優しさを取り戻させたのは彼なのである。字を覚えたいというラムジィにクララはこっそり字を教え始める。この無償の教育を通じてクララは教師としての初心を取り戻してゆく。同時にラムジィも字を覚えることで人間的に成長してゆく。字を覚えるという行為は人間の成長に不可欠のものである。NHKドラマ「大地の子」でも映画「拝啓天皇陛下様」でも字を習う場面は感動的だった。ピエールは仕事に振り回されていたが、クララは字を教えるという教師本来の仕事をすることで生き生きとしてくる。同様に、ラムジィも神の力によってではなく人の助けと自分の努力で字が読めるようになった。そういう描き方になっているところが素晴らしいのだ。

 旅が終わった後クララたちの母親が登場する。弁護士らしき男が母の残した家を訪れた3人に言う。「お母様はあなたが育った家が売られる前に来て欲しかったのです。」窓辺には去って行く3人を見送る母の背中が。ラムジィの母親への思いが3人の子供たちを憂える母の思いにつながってゆく。まるで毛利元就の「三本の矢」のような話なのだが、姉弟の結束だけが説かれているわけではない。日々の生活の中で自分も他人も見失っている状況を見直すことが必要だった。旅の後彼らはまた日常生活に戻ってゆく。彼らが抱える家庭の問題は解決されていない。しかしこれからは3人で力を合わせて乗り越えてゆくのだろう。

 コリーヌ・セロー監督は、無償でラムジィに字を教えたクララの例があるように、意味のある仕事ならそれに打ち込むこと自体を否定してはいない。お金だって否定していない。宿に泊まれなかったとき、ピエールは自腹を切ってみんなを一流ホテルに泊まらせた。「みんな兄弟。一緒に泊まるべきだ。」一行は久々に風呂に入り、うれしそうにベッドに飛び乗った。仕事もお金もそれ自体を否定しているのではなく、そういうものに埋もれて自分を見失ってしまうことに警鐘を鳴らしているのだ。

 全体のストーリー展開を見れば、この映画は実に単純な映画である。「予定調和」へ一直線に向かっているだけと揶揄されかねない。それでもこの映画には観客の心をひきつける魅力がある。基本的には、最初は遺産目当てだった巡礼が、いつの間にか人間として生まれ変わるための旅になって行くというテーマ自体に共感するからである。しかしそれだけではない。「リトル・ミス・サンシャイン」ばりに強烈な個性を一堂に集め、話の展開にメリハリをつけている。それにユーモラスなドタバタ調のトーンと宗教などに対する皮肉をトッピングして飽きさせない工夫をしている。

 もう1点重要な要素がある。自然の美しさだ。画面に映し出されるフランスの田舎は実に美しい。日本ではパリの美しさばかり強調されるが、フランスは農業大国なのである。しかし、重要なのは、本来人を癒す自然の美しさも9人の巡礼者たちの目には入っていないということだ。足元しか見ていないからだ。彼らは疲れ果て、いがみ合ってばかりで風景を楽しむ余裕などない。われわれはフランスの田舎の美しさを堪能すると同時に、その美しさが少しも目に入っていない一行の、不平を言いながら重い足取りでだらだら歩く姿を見つめることが出来るのである。この映画的効果が見事だった。

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コメント

kimion20002000さん コメントありがとうございます。
フランスには時々こういうどこか滑稽でとぼけた味わいの映画が出てきます。それでいてしっかりと人間の変化も温かい目で描いている。宗教者に対する皮肉な視点もあります。
こういう映画は簡単な様でいて案外作るのは難しいのかもしれません。役者がみんなうまい。わいわいがやがや喋り捲るのもフランス映画らしいですし、ヒューマンな視線をそのまま出すのではなく、意固地で頑固な個性的人間のぶつかり合いを通して描くあたりもフランス的だと感じました。
日本人がこういう旅を描くと精神修練のようになってしまいがちですね。「ロード88」や「長い散歩」などは思いつめたようにして旅に出ます。彼我を比較すると色々考えさせられます。

こんにちは。
なんか、可笑しい映画でしたねぇ。
ひとつの映画に、いろんな手法がつまっているような気がしました。ちょっと、日本の巡礼を題材にすると、思いっきりコメディか、ストイックな内面映画か、緊張感あるドキュメントタッチかというようなつくりが想起され、この監督のような料理は難しい様な気がします。

ななさん TB&コメントありがとうございます。
僕は車の点検はこまめにやっていますが、人間も同じですね。体だけではなく心にも知らず知らずのうちに老廃物がたまってゆくのでしょう。
半年ほど前からデジカメを持っていろんな物を撮りまくっているのですが、カメラを持って歩いているとそれまで見落としていたものに気づきます。関心を持つといろんなものが見えてくるのですね。自分のことで精一杯のときは他人が見えていないのでしょう。年に一度は心の洗濯。それが出来るようになってこそ、真に豊かな国になるのかもしれません。

ゴブリンさん はじめまして
「虎猫の気まぐれシネマ日記」のななといいます。
TBが反映されないと思って諦めてましたが,
反映されてたので嬉しいです。
ゴブリンさんの記事はとても深くて読み応えがありますね。
私もこの作品はDVDになってやっと見たのですが,とても爽やかな感動を覚えました。
いくつになっても,人の心は変わっていく可能性はある,ということや,旅の持つ不思議な連帯感や達成感,そして人生の荷物を下ろしたり,そこから解き放たれたりすることの必要性を教えてもらえた,素敵なさくひんだったと思いました。

GMNさん TB&コメントありがとうございます。
「予定調和」と言われようが、こういう素直に共感できる映画は好きですね。
「女はみんな生きている」は痛快でした。確かに相当強引な展開ではありますが、どうしようもない男どもを女たちがやり込めてゆくあたりは胸がすっきりします。「サン・ジャック」とはやや違う作風ですが、いろんなタイプの作品が作れてこそ一流。次の作品が待ち遠しいですね。

展開はベタですけど、仰るとおりそれが予定調和でありきたりだなって不満に思えるわけじゃないのがいいですね。何か捻った事をやって驚かせるのではなく、ありきたりな展開をきちんと面白く見せてある所に感心しました。
「女はみんな生きている」なんかは割ととんでもない展開だったので、逆にこちらは飾らない良さがいいですね。

シャーロットさん コメントありがとうございます。TBが入りにくくて申し訳ありません。
それぞれが変わってゆくプロセスが見所ですね。ピーターもクララも旅の途中からどんどん表情が変わって行きます。表情から険が取れてゆくのですね。その点クロードは最初から飄々としてあまり態度が変わらない。このあたりの描き分けもうまいと思いました。
フランスもスペインもとても素敵でしたね。旅情を誘われます。でも巡礼は勘弁かな。仕事もあるし、休みも取れないし・・・、ああピエールたちみたいだ。

こんばんは。TBありがとうございました。
お返事が大変遅くなり大変申し訳ないです。どうも相性が悪くて何度試してもコチラからは反映されないようで;
…コメントだけで失礼します。ごめんなさい。
巡礼の旅ってもっと神聖なものなのでしょうが、本作では遺産相続のためという結構俗っぽい理由でしたね。でもそれがとても共感できてしまう内容で大変面白かったです。
何かを得ようと思ったらそれまでの荷物を捨てないとならないし、それぞれがシンプルな姿に段々と変化していくあたりも興味深く。
なかなか旅に出れない私は、素晴らしい景色を一緒に歩いて堪能しちゃった気分でした。

ぺろんぱさん コメントありがとうございます。
様々なタイプの人間を描き分けるコリーヌ・セロー監督の力量はすごいと思いました。まあ、こんなに簡単に人間は変わらないとも思うのですが、でもそれだからこそ、この映画にさわやかさを感じるのでしょうね。
自分も旅に出たくなったと感想を書いておられる方もたくさんいました。そう感じさせるのも映画の力なのでしょうね。

こんにちは。
TBをありがとうございました。
いつも丁寧で深いご考察に感じ入っております。
数々の映画と引き合うところがあるのも(観ていない作品もありましたが)興味深く読ませて頂きました。

数多くの真髄を着く表現をされている中でも、「ラムジィも神の力によってではなく人の助けと自分の努力で字が読めるようになった。そういう描き方になっているところが素晴らしいのだ」と記されているところ、特にハッとさせられました。
「神の世界」を背景画にしつつ、とことん「人間」を描いた作品だと思いました。

ありがとうございます。

綾里未優さん はじめまして。TB&コメントありがとうございます。
まだ映画を観始めたばかりだということですが、ある意味でうらやましいですね。だって、これから何百本という素晴らしい映画との出会いが待っているのですから。ぜひたくさんのいい映画と出会ってください。
「ストレイト・ストーリー」もこの映画も素晴らしい映画でした。
僕は最近あまり星を見ていないのですが、夕方ごろに夕焼けや世界が青く見える「蒼い時」を出来るだけ味わうようにしています。人間は時々肩の力を抜いて、自然の中に身を沈めることが必用ですね。古くからの巡礼も、あるいはそんな意味があったのかもしれません。

はじめまして。
TBありがとうございました。
とても、詳しく内容が書かれていてすごいです。
たくさん、映画をご覧になっているのですね。
私は最近になってぽつぽつと観始めたので、あまりたくさんは知らないのですが、参考にさせていただきます。
あ。ストレイト・ストーリーだけは観ていました。
そちらの感想も大変面白く拝見しました。
確かにこのお話を観た時に私も『ストレイト・ストーリー』を連想しました。
もっと、ゆったりとしたテンポですが、旅をしていくうちに自分の中の物を見つめなおす……そんな雰囲気も似ていたのかもしれません。
長くなってしまいましたが、この辺で。

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