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2007年8月 3日 (金)

「あるいは裏切りという名の犬」短評

2004年 フランス 2006年12月公開
評価:★★★★
監督:オリヴィエ・マルシャル
脚本:オリヴィエ・マルシャル、フランク・マンクーゾ、ジュリアン・ラプノー
共同脚本:ドミニク・ロワゾー
製作:フランク・ショロ ジャン=バティスト・デュポン 他
製作総指揮・編集:ユグー・ダルモワ
撮影:ドゥニ・ルーダン
出演:ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、ヴァレリア・ゴリノ
   アンドレ・デュソリエ、ロシュディ・ゼム、ダニエル・デュヴァル
   ミレーヌ・ドモンジョ

  しかしフランスのフィルム・ノワールも最近はだいぶアメリカ寄りになったものだ。めまぐるしい展開でどんどん引き込まれては行くが、その分かつてのフランス映画が持っていた独特のノワールな雰囲気や味わいが薄れた。観終わって1週間もたつとほとんど忘れてしまっている。もっともアメリカナイズされるのはどこの国も同じで、韓国映画は言うに及ばず、「HERO」、「LOVERS」、「PROMISE」など中国映画もその傾向が顕著だ。フランス映画も「ヴィドック」、「ジェヴォーダンの獣」などが現れ、リュック・ベッソンもすっかりフランスらしさを失ってしまった。

 フレンチ・ノワールらしさが残っているのは友情と裏切りというテーマと主人公のタイプTatatemy129 か。ダニエル・オートュイユとジェラール・ドパルデューという主演の2人はかつてのリノ・ヴァンチュラを彷彿とさせる。鼻がでかく曲がってすらいるところも似ている(ドパルデューに至っては鼻の域を超えもはやデキモノである)。ともに堂々たる存在感を示してはいる。惜しむらくはドパルデューの人物描写が浅いこと。なぜ彼が裏切り行為に走ったのかが十分描かれていない。説明不足というのではなく、人物の掘り下げが浅い。かつて親友同士であったが、同じ女性を愛したためにしこりが残り、今は次期長官の座を狙うライバル同士という設定もありきたりだ。その分彼の内的葛藤が十分描けず、ドラマがやせてしまった。とってつけたような説明(あるいは暗示)だけではドラマは深まらない。それでもアメリカ映画にはない濃厚な人物描写には魅了がある。さっそくハリウッドがリメイクに飛びついたそうである。いつまでそんな安易な姿勢を取り続けるのか。全くあきれてしまう。

 キャストで驚いたのはミレーヌ・ドモンジョ。「隠された記憶」のアニー・ジラルドにも驚いたが、ミレーヌ・ドモンジョがまだ現役でやっていたとは!名女優というタイプではなく、ブリジット・バルドーなどと並んでコケティッシュなお色気路線で売っていた女優だ。ジャンヌ・モローもそうだが、フランス女優はしぶとい。

 最後にフレンチ・フィルム・ノワールの代表的な作品を挙げておく。厳密なノワール作品ばかりではなく、周辺の作品もあえて挙げてある。

「モンパルナスの夜」(ジュリアン・デュヴィヴィエ、33)
「犯罪河岸」(アンリ・ジョルジュ・クルーゾー)
「現金に手を出すな」(ジャック・ベッケル、54)
「男の争い」(ジュールス・ダッシン、55)
「筋金(ヤキ)を入れろ」(アンリ・ドコワン、55)
「死刑台のエレベーター」(ルイ・マル、57)
「マンハッタンの2人の男」(ジャン・ピエール・メルヴィル、58)
「穴」(ジャック・ベッケル、60)
「太陽がいっぱい」(ルネ・クレマン、60)
「墓場なき野郎ども」(クロード・ソーテ、60)
「ピアニストを撃て」(フランソワ・トリュフォー、60)
「地下室のメロディー」(アンリ・ヴェルヌイユ、62)
「いぬ」(ジャン・ピエール・メルヴィル、63)
「皆殺しのシンフォニー」(ジャック・ドレー、65)
「生き残った者の掟」(ジョゼ・ジョバンニ、66)
「ギャング」(ジャン・ピエール・メルヴィル、66)
「皆殺しのバラード」(ドニス・ド・ラ・パトリエール、66)
「サムライ」(ジャン・ピエール・メルヴィル、67)
「さらば友よ」(ジャン・エルマン、68)
「シシリアン」(アンリ・ヴェルヌイユ、69)
「雨の訪問者」(ルネ・クレマン、70)
「仁義」(ジャン=ピエール・メルヴィル、70)
「ボルサリーノ」(ジャック・ドレー、70)
「狼どもの報酬」(ジョルジュ・ロートネル、72)
「狼は天使の匂い」(ルネ・クレマン、72)
「リスボン特急」(ジャン・ピエール・メルヴィル、72)
「ラ・スクムーン」(ジョゼ・ジョバンニ、72)
「暗黒街のふたり」(ジョゼ・ジョヴァンニ、73)
「ル・ジタン」(ジョゼ・ジョヴァンニ、75)
「掘った奪った逃げた」(ジョゼ・ジョバンニ、79)
「ディーバ」(ジャン・ジャック・ベネックス、81)
「仕立て屋の恋」(パトリス・ルコント、89)
「ニキータ」(リュック・ベッソン、90)
「レオン」(リュック・ベッソン、94)
「列車に乗った男」(パトリス・ルコント、02)

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コメント

kimion20002000さん いつもコメントありがとうございます。こちらからなかなか訪問できなくて恐縮です。
実はこの夏のテーマはフランスのフィルム・ノワールなのです。あるところでジャン・ピエール・メルヴィルの話をすることになっていて、いろいろと観直したり新たに観たりしています。でも、いつもながら直前になってあわててやり始めたのでまったく準備が間に合いません(笑)。
この間フランスの「マンハッタンの二人の男」、「影の軍隊」、「墓場なき野郎ども」、「いぬ」、「仁義」、アメリカの「ギルダ」などを観ました。前にドイツの「M」を取り上げたのも実はこの一環なのです。また根が浮気性なので、中国映画の「孔雀」などを合間に観たりして、さっぱり集中できません。
もっと観なければならないのですが、フランスのノワールものは意外にレンタル店に置いてないことが分りました。いずれ観た映画の何本かはレビューを書こうと思っています。お楽しみに。

こんにちは。
そうね、フレンチノワールのリストを眺めても、なんか、独特の気品というかアクというか、一癖ありますね。
ところで、ドパルデューの鼻のたんこぶは、良性腫瘍?ちょっと、びっくりしちゃいますねぇ(笑)

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