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2006年9月24日 - 2006年9月30日

2006年9月29日 (金)

ゴブリンのこれがおすすめ 28

ジャン・ギャバン(1904-1976)
■おすすめの10本
「ヘッドライト」(1955)
「現金に手を出すな」(1954) Arttmomiji2003w
「港のマリィ」(1949)
「霧の波止場」(1938)
「獣人」(1938)
「大いなる幻影」(1937)
「望郷」(1937)
「我等の仲間」(1936)
「どん底」(1936)
「地の果てを行く」(1935)

■こちらも要チェック
「地下室のメロディー」(1963)
「冬の猿」(1962)
「フレンチ・カンカン」(1954)
「ゴルゴダの丘」(1935)
「白き処女地」(1934)

キャサリン・ヘプバーン(1907-2003)
■おすすめの10本
「黄昏」 (1981)アカデミー主演女優賞
「トロイアの女」 (1971)
「冬のライオン」 (1968) アカデミー主演女優賞
「招かれざる客」 (1967) アカデミー主演女優賞
「アフリカの女王」 (1951)
「アダム氏とマダム」 (1949)
「フィラデルフィア物語」 (1940)
「赤ちゃん教育」 (1938)
「ステージ・ドア」 (1937)
「勝利の朝」 (1933) アカデミー主演女優賞

■こちらも要チェック
「旅情」 (1955)
「大草原」 (1947)

■気になる未見作品
「愛の調べ」 (1947)
「女性No.1」 (1942)
「偽装の女」 (1937)

オーソン・ウエルズ監督(1915-1985)
■おすすめの10本
「フェイク」(1975)
「フォルスタッフ」(1966)
「わが命尽きるとも」(1966、出演)
「審判」(1963)
「黒い罠」(1958)
「オセロ」(1952)
「上海から来た女」(1947)
「ストレンジャー(ナチス追跡)」(1946)
「偉大なるアンバーソン家の人々」(1942)
「市民ケーン」(1941)

ヴィットリオ・デ・シーカ監督(1901-1974)
■おすすめの10本
「悲しみの青春」 (1971)
「ひまわり」 (1970)
「アルトナ」 (1963)
「昨日・今日・明日」 (1963)
「ふたりの女」 (1960)
「屋根」 (1956)
「ウンベルトD」 (1951)
「ミラノの奇蹟」 (1951)
「自転車泥棒」 (1948)
「靴みがき」 (1946)

■こちらも要チェック
「ああ結婚」 (1964)
「ロベレ将軍」 (1959、出演)
「終着駅」 (1953)

黒澤明監督(1910-1998)
■おすすめの10本
「赤ひげ」(1965)
「天国と地獄」(1963)
「椿三十郎」(1962) Arttonbo1250wc
「用心棒」(1961)
「蜘蛛巣城」(1957)
「七人の侍」(1954)
「生きる」(1952)
「羅生門」(1950)
「野良犬」(1949)
「酔いどれ天使」(1948)

■こちらも要チェック
「まあだだよ」(1993)
「デルス・ウザーラ」(1975)
「隠し砦の三悪人」(1958)
「素晴らしき日曜日」(1947)
「わが青春に悔なし」(1946)

今井正監督(1912-1991)
■おすすめの10本
「仇討」(1964)
「武士道残酷物語」(1963)
「キクとイサム」(1959)
「米」(1957)
「純愛物語」(1957)
「真昼の暗黒」(1956)
「にごりえ」(1953)
「どっこい生きてる」(1951)
「また逢う日まで」(1950)
「青い山脈」(1949)

■こちらも要チェック
「越後つついし親不知」(1964)
「ここに泉あり」(1955)
「ひめゆりの塔」(1953)

■気になる未見作品
「婉(えん)という女」(1971)
「山びこ学校」(1952)

  ジャン・ギャバン、1930年代フランス映画の名作にことごとく出ていた男。そう思えてくるくらい30年代の彼の活躍はすさまじかった。ジャン・マレーもギャバンもあまり演技がうまいとは言われないが、30年代の名作における彼の存在感は演技云々を超える、僕はそう思う。ピエール・ブラッスール、ジャン・ルイ・バロー、ルイ・ジューヴェ等の名優と並べても遜色はない。
  演技派女優といえばキャサリン・ヘプバーンが本命。美男美女ひしめく当時のハリウッドにおいて、決して美女とはいえないキャサリン・ヘプバーンとベティ・デイヴィスはその並外れた演技力でひときわ異彩を放っていた。もうこんな女優たちは現れないだろう。
  監督としてのオーソン・ウエルズに対する僕の評価はそれほど高くない。むしろ神話化されすぎていると思う。「市民ケーン」に対する異常に高い評価が後の彼の創作を相当に制限していたのではないかと思う。カフカに挑んだり、かなり無理をしている。正直言えば、俳優としての彼に親しみを感じる。彼は一級のシェイクスピア役者だ。しかし、そうは言っても独特の境地を開いた異才の監督であることは間違いない。
 ヴィットリオ・デ・シーカはロッセリーニ、フェリーニ、ヴィスコンティと並ぶイタリアの巨匠。極めて庶民的で、温かさとユーモアが持ち味。作品の評価は別にして、僕が一番好きなイタリアの監督はデ・シーカだ。ピエトロ・ジェルミ監督同様、俳優としても一流だった。しかし、それにしても40年代から60年代のイタリア映画の勢いは一体どこに行ってしまったのか。マストロヤンニが死んだ時、僕はイタリア映画も死んだと感じた。かつてフランスと並ぶヨーロッパの2大映画大国だったイタリア映画界の復活を願って止まない。
  黒澤明と今井正。いまさら何も言うことはない、日本を代表する大監督たち。ベストの10本はすべて傑作。50年代は30年代と並ぶ日本映画の最盛期だったが、この二人だけで「キクとイサム」、「米」、「真昼の暗黒」、「にごりえ」、「生きる」と5本がキネ旬の年間ベストテン1位を獲得している。他にも小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男、木下恵介、稲垣浩、山本薩夫、吉村公三郎なども覇を競っていたのだから、ものすごい時代だったわけだ。こんな時代はもう来ないだろう。

2006年9月26日 (火)

これから観たい&おすすめ映画・DVD(06年10月)

【新作映画】
9月23日公開
 「フラガール」(李相日監督、日本)
 「薬指の標本」(ディアーヌ・ベルトラン監督、仏・独・英)
 「風のダドゥ」(中田新一監督、日本)
 「記憶の棘」(ジョナサン・グレイザー監督、アメリカ)
9月30日公開
 「カポーティ」(ベネット・ミラー監督、アメリカ)
 「涙そうそう」(土井裕泰監督、日本)
 「夜のピクニック」(長澤雅彦監督、日本)
 「そうかもしれない」(保坂延彦監督、日本)
10月4日公開
 「ワールド・トレード・センター」(オリバー・ストーン監督、アメリカ)
10月7日公開
 「六ヶ所村ラプソディー」(鎌仲ひとみ監督、日本)
10月14日公開
 「16ブロック」(リチャード・ドナー監督、アメリカ)
 「サンキュー・スモーキング」(ジェイソン・ライトマン監督、アメリカ)
 「ハリヨの夏」(中村真夕監督、日本)
10月中旬
 「明日へのチケット」(ケン・ローチ監督、他、英・伊・イラン)

【新作DVD】
9月22日
 「プロデューサーズ」(メル・ブルックス監督、アメリカ)
 「すべてはその朝始まった」(ミカエル・ハフストーム監督、アメリカ)
 「タブロイド」(セバスチャン・コルデロ監督、メキシコ・エクアドル)
 「ステップ!ステップ!ステップ!」(マリリン・アグレロ監督、米)
 「ベロニカは死ぬことにした」(堀江慶監督、日本)
 「好きだ、」(石川寛監督、日本)
 「風の前奏曲」(イッティスーントーン・ウィチャイラック監督、タイ)
10月4日
 「RENT レント」(クリス・コロンバス監督、アメリカ)
 「チェケラッチョ!!」(宮本理江子監督、日本)
10月6日
 「リトル・イタリーの恋」(ジャン・サルディ監督、オーストラリア・英)
 「隠された記憶」(ミヒャエル・ハネケ監督、オーストリア他)
 「ぼくを葬る」(フランソワ・オゾン監督、フランス)
 「ダンサーの純情」(パク・ヨンフン監督、韓国)
10月12日
 「インサイド・マン」(スパイク・リー監督、アメリカ)
 「アンジェラ」(リュック・ベッソン監督、フランス)
10月13日
 「明日の記憶」(堤幸彦監督、日本)
10月20日
 「寝ずの番」(マキノ雅彦監督、日本)
 「グローリー・ロード」(ジェイムズ・ガートナー監督、アメリカ)
 「間宮兄弟」(森田芳光監督、日本)
10月25日
 「ココシリ」(ルー・チューアン監督、香港・中国)

【旧作DVD】
9月22日
 「武蔵野夫人」(51、溝口健二監督、日本)
 「西鶴一代女」(52、溝口健二監督、日本)
9月29日
 「貴族の巣」(69、アンドレイ・ミハルコフ・コンチャロフスキー監督、ソ連)
 「虹の世界のサトコ」(52、アレクサンドル・プトゥシコ監督、ソ連)
 「サルタン王物語」(66、アレクサンドル・プトゥシコ監督、ソ連)
9月30日
 「アレクサンドル・ソクーロフ DVD-BOX」
 「父 パードレ・パドローネ」(77、パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督、イタリア)
10月12日
 「モ′・ベター・ブルース」(90、スパイク・リー監督、アメリカ)
10月21日
 「メトロポリス」(27、フリッツ・ラング監督、ドイツ)
10月25日
 「ゲット・オン・ザ・バス」(96、スパイク・リー監督、アメリカ)
10月27日
 「溝口健二 大映作品集①1951-1954」

  このラインナップの充実ぶりはどうだ!劇場新作に良さそうなものが結構ある。特にアメリカ映画に注目作が多い。アメリカ映画は完全に復調したようだ。日本映画にも期待できそうな作品が並ぶ。
 新作DVDではタイ映画「風の前奏曲」、中国映画「ココシリ」をはじめ、日本や韓国映画Arttukiusagi2001b を含めたアジア映画に期待作が多いのはうれしい。
  旧作DVDもすごい。溝口のDVDがついに出る。今年最大のプレゼントだ。名作「貴族の巣」をはじめとするソ連映画3作、フリッツ・ラングのサイレント名作「メトロポリス」、「ドゥ・ザ・ライト・シング」と並ぶスパイク・リーの傑作「ゲット・オン・ザ・バス」、タヴィアーニ兄弟の「父 パードレ・パドローネ」と傑作群がずらりと並ぶ。このところの旧作DVD化の勢いは加速度を増してきた。年内に後何が出てくるのか、ぞくぞくするような期待が膨らむ。ボーナスが出たら買い捲りそうだ。

中国旅行記・06②

<食事・レストラン編>

フフホト
  前回書いたように、フフホトでは酒でひどい目にあった。滞在中の半分は体調不良だったのでろくに食事が食べられなかった。それでも二つの貴重な経験をした。一つ目はフフホトに着いた日の夜、初めてモンゴル料理を食べたこと。疲れていたので案内の人にホテPhoto_13 ル近くで食事したいと言うと、本当にすぐ横の羊肉料理の店に案内してもらった。店に入るとすぐプーンと香辛料の匂いがしてきた。以前上田でタイ料理の店に入ったことがあるが、僕には香辛料がきつすぎて美味しいとは思わなかった。不安がよぎったが、案の定、モンゴル料理も香辛料の匂いがきつくて僕の舌には合わなかった。それでもどうしても食べられないというわけではない。
  羊肉料理と言っても日本で言うしゃぶしゃぶのような物だった。鍋の中を二つに仕切って、辛いスープと甘いスープに分けてあるのが面白い。二通りの味を楽しめるというわけだ。辛いほうは本当に辛い。甘いほうでも充分辛い。その鍋に肉や野菜をどんどんぶち込む。最後は乾麺。ものすごい量だが、みんな結構食べた。あの匂いさえ気にならなければ、決して悪くはない。

  フフホトでの一番の思い出は「北国の春」というレストラン。これが素晴らしい。ダウンした翌日でまだ調子が悪かったが、無理してでも行ってよかったと思った(残念ながらデジカメを持っていかなかったので写真がない。右上の写真は「大召寺」前の広場。)
  とにかくものすごく広い。中はいろいろなコーナーに分けられている。植物が仕切り代わりに植えられている。入った瞬間は植物園を連想した。食べる前にまず中を案内された。
  いやあ、すごい発想だ。動物園のように猿やウサギやワニなどの檻がある。その隣はさながら水族館。珍しい魚や大きなエビが入った水槽が並んでいる。これらを囲むように食事をする場所が配置されている。これらの間をつなぐ通路も様々に工夫がされていて、まるで探検隊のような気分だ。
  中を半分ほど見物した後テーブル席に案内された。そこは四方を常緑樹で仕切ってある。ちょうどハリー・ポッター・シリーズ5作目で三大魔法学校の対抗試合の舞台となった迷路のような感じ。天井にはびっしりと小枝がさかさまに吊り下げられている。白く塗られているので冬のようなイメージだ。
  胸のむかつきはまだ収まらず、ここでもほとんど食べられなかった。固形物は野菜しか口に入らず、後はヨーグルトとお茶ばかり飲んでいた。また馬乳酒のイッキ飲みをやってPhoto_18 いたが、半病人の僕だけ許してもらった。食事の後、まだ見ていないコーナーを見物。いかにも中国風の壁で仕切られた一角には中国風の部屋が作らてれおり、その中にもテーブル席がある。別の様式だが、やはり中国風の部屋がずらりと並んでいるコーナーもある。とにかく広い。見て回るだけで楽しい。いろいろ工夫して変化をつけているところが素晴らしい。これは日本に導入しても人気を得ると思った。もっともこれだけの敷地を確保するのは困難だろうが(その分値段も高くなるだろうし)。
  「北国の春」は中国で抜群に有名で、日本の曲というとまずこれが思い浮かぶそうである。また、内蒙古は中国内では北国になるので、その意味も込めて名付けられているらしい。

大連
  今年も「天天漁港」に行った。ただし去年行ったのとは違う店舗。大連に5、6軒あるようだ。言葉が通じないので大変だったが、漢字を紙に書いたりして何とかなるものだ。フフホトでは馬乳酒しか飲んでいなかったので、ビールがやけにうまかった。
  2日目はホテルの近くの「老菜館」で現地の人たちと食事会。大衆的だが美味しい店だとのこと。天天漁港と同じようにここも入り口で食材や魚を選ぶ方式。ここでは白酒が出る。アルコール度が36度くらいということなので、馬乳酒と同じくらい強い酒だ(瓶が素敵だったので空き瓶をもらってきた)。充分回復していたので何とか胃はもってくれた。幸いPhoto_14イッキはなし。所変われば習慣も変わる。もてなしの心は同じだが、酒をすすめる強引さが違う。料理はとても美味しかった。
  今年の新しい経験は初めて高級そうなレストランで食事をしたこと(右の写真)。これだけ高級になる と値段が高いだけでなく、料理の量が少ない。しかし日本人には丁度いい量だ。3人ともくたくたで食欲もあまりない。味は悪くなかったが、値段ほどの価値があるとは思えなかった。高級といっても日本人だから払えないわけではない。しかし、こんな高級店よりももっと庶民的な店で食べ残すほどの量を頼むほうが僕らには向いている。メニューだけ見てすいませんといって帰ればよかったかなとも思うが、こんな店には日本ではまず入れないのでいい経験ではあった。

  3日目の夕食はタクシーに乗って海岸近くの店へ行った。途中泊まっているホテルの近くを通ったが、目的地はずっと先だった。なんと山の中へ入ってゆく。かなり遠かった。着いたところは海の近くどころか、まさに海岸べりにある「石槽山庄海鮮飯店」(右下の写真)。ここならうまいに違いない。場所は正確には分からないが、中心街から南西方向に当たる老虎灘景区の海岸沿いあたりと思われる。建物は市場か海の家を大きくした感じ。庶民的で安っぽい作りだ。しかし建物を食べるわけではない。高級店は一回でたくさん。料理がうまければ問題はない。
  入り口に料理の材料や魚(エイもあった)やエビなどが並べてあり、それを見て選ぶ。Photo_15 「天天漁港」や「老菜館」のように大連にはこの手の店が多い。魚は生簀に入っているのではなく台の上に並べられている。海に面した、大きさも形も体育館のようなところが食事をする場所。テーブルがずらりと並べてある。実用性オンリーの実に殺風景な店だ。大連とハルピンのビールを頼む。ずっと青島ビールを飲んでいたので違うのを飲みたかったのだ。ご飯も頼んだが、日本のように茶碗に入れて出てきたのには驚いた。山盛りだった。中国人もこうやって米を食べるのか!同僚の一人がご飯にスープをかけて食べたら、中国人も同じことをやると案内してくれた人が言っていた。これにもびっくり。うまかったが、その日は散々歩いて疲れていたのであまり食べられなかった。

  滞在最後の日。旅順に行った後、食事は大連に戻ってすることにした。案内されたのは「麦子大王」という店。正確な場所は分からないが、中心街から南西方向の西*区長春路にある(*は日本語にない字)。案内してくれた人はせんべいを食べましょうと言っていたが、むしろパンやケーキに近いものだった。麺作りを実演していた。麺といっても日本のような細長いものではなく、太くて短い麺である。大きなパンの塊のような麺の塊を左手に持ち、右手に持ったナイフで麺1本分だけをさっと削り取って鍋に投げ込む。台に置いて同じPhoto_16太さに切るのとは違った野性味がある。しかも削った麺が正確に鍋の中に飛んでゆくのもすごい。見事な技だった。その横では捏ねた小麦粉のようなものを手で引き伸ばす実演もやっていた。これがまた独特のやり方。こちらも台を使わず、両手をぐっと広げて塊を細く引き伸ばし、次に手を狭めて二つに折る。さらには器用にその2本を振ってよじらせる。そのよじったものの両端を持ってまた横にぐっと引っ張って伸ばす。その繰り返し。これもまた練達の技。後で気づいたが、麺をよじるのは、ただ二つに折っただけでは伸ばした時に1本にならないからだろう。ねじってあれば互いにくっついて伸ばせば1本になる。伝統の技ともなればさすがに考え抜かれている。
  前菜や他の料理を入り口近くの見本を見て注文。大連で入った店の多くがこの方式だった。これらの店はサンプルとして置いてあるのは材料で、出来上がった料理そのもの ではない。したがってテーブルに出てきた時には新鮮な驚きがある。あの材料がこんな風に料理されて出てくるのか!この意外性が楽しい。こんなの注文していないぞと一瞬思ったことさえある。完成品のサンプルでは最初から手の内を見せているようなもので、この驚きがない。面白い工夫だと思った。魚などは選ぶ時に、これは煮て、これは刺身になどと料理方法を注文できるのも面白い。もっとも刺身の場合は、日本ほど生で食べる習慣がないからだろう、日本では刺身で食べられるものでもそれはできませんと言われることもある。(左上の写真は労働公園からの眺め。)
  「麦子大王」で出てきた料理はどれも美味しかった。特に例の麺がうまかった。みんな汗びっしょりになって味わった。秋用の服で夏のように暑い大連に来たので、毎日ホテルに戻ってきた時には汗で体中ぐしょぐしょになっていた。秋の長野からそのままの服装で沖縄に行ったようなものだ。
  その日の夕食は一昨日行った老菜館へまた行ってみた。滞在7日目ともなるとみんな疲れているので、遠くまで食べに行く気力がないからだ。入るとすぐ何人かの視線を感じる。一目で日本人と分かるようだ。あちこちで「日本人だ」と中国語で言っているのが聞こえる。ここは子供連れで家族そろって食べに来るような店なので、昨日のように特別席ではなく一般席で日本人が食べて行くのは珍しいのだろう。食欲もあまりないので、3人でビールを5本と料理を4皿食べただけ。しかも主食抜き。頼んだ料理が少ないから、常時1Photo_17 皿か多くても3皿しかテーブルに並んでいない。ほとんど料理を頼まず、ビールばかり飲んでいる印象の日本人。中国ではテーブルに置ききれないほどの料理を頼み、大量に残飯を残して帰る。食べきれる量だけ頼んで残さず食べる日本人とは根本的に考え方が違う。一人で食べに行ける店は思いつかないと中国の人が言っていた。3人いても4皿しか頼まないのでは中国人の目には奇異に映っただろう。食欲のない外国人はコンビニでカップラーメンを大量に買い込んでホテルで食べるしかないのか?(左の写真は中山広場からの眺め。手前の緑色の箱は郵便ポスト。)
  最後に余談を1つ。4皿頼んだが、最後に出てきたのは最初に食べたアサリみたいな味の白い貝だった。実はチャーハンを頼んだのだが、なぜかこれが出てきた。とても美味しかったので2度目の貝料理も全部食べたが、日本人の発音とはいえどうしてチャーハンが貝料理になるのか?まあ、これも面白い経験だった。言葉や習慣は分からなくても、色々経験してみるのは面白い。

2006年9月25日 (月)

中国旅行記・06①

観光編

はじめに
  24日の夕方無事中国から上田に帰ってきました。いやもう疲れました。今年は出来るだけタクシーを使わずに歩いて移動したので、帰ってきたら同僚から顔が細くなったと言わPhoto_4 れました。美味しいものをたくさん食べてきましたので胴回りのほうは保障できませんが。しかしそのおかげで、大連についてはだいぶ地理がわかってきました。また、旅順に行けたのは今年の収穫でした。なぜか土曜日には大連から東京への直行便がないので、その日を旅順観光の日にして日曜日に帰ることにしたからです。
  去年の旅行記は中国事情という内容になりましたので、今年は「観光編」と「食事・レストラン編」の2回に分けて書くことにします。
  この旅行記を書くに際しては、日ごろから「そら日記」というフリーソフトを使って日記を書く習慣をつけておいたのが幸いしました。日記を書く習慣、これはおすすめです。
  なお、今回の中国行はあくまで仕事です。その合間に観光をして食事をしたということですので、くれぐれも誤解なきよう。

フフホト
  フフホトで初日に大失敗。昼食の時に馬乳酒(アルコール度30数度)でイッキ飲みを何Photo_5 度も迫られ、夜またがんがん飲まされてついにダウン。翌日まで尾を引いてしまった。その初日の夕方に現地の方の案内で博物館とお寺を回ったが、朦朧としていたのでほとんど覚えていない(汗)。というわけですので詳しい説明が書けません。写真で我慢してください。
  「内モンゴル博物館」は世界最大の恐竜の骨が展示されていた。ものすごく大きい。恐竜の名前?もちろん覚えていません。それからマンモスの骨もあった。
  お寺は去年も行った「大召寺」だと思うが記憶がはっきりしない。有名な観光地だが二日酔いでふらふらしていたのであまり印象は残っていない。いや、正確には行ったことPhoto_6 すら写真を見るまで忘れていた。 (右の写真はフフホトの街。こんな風に道端でよく人が腰掛けている。)

大連
  フフホトから北京経由で大連へ。大連で泊まった「大連フラマ南山花園ホテル」は素晴らしいホテルだった。超高層の近代的ビルが立ち並ぶ大連では5階建てのホテルは小さく見えるが、瀟洒で派手過ぎないところが良い。見かけの豪華さで客を釣ろうというはったりがない。旧日本人街の近くで、ホテルの周りの雰囲気もいい。
  しかし大連は暑かった。フフホトは17、8度だったが、なんとこちらは30度。フフホトでは半そでシャツに長袖のワイシャツでも午前中は上着が欲しいくらいだったが、こちらは何もしていなくても汗が噴出す。夏服を持ってこなかったので連日汗だくだった。
 ホテルの近くの旧日本人街を毎日歩いて通った。ほとんど新しいきれいな建物に建てPhoto_7 替えられている。しかし人気はない。高すぎて売れないらしい。所々古い昔の建物が残っていてこちらには人が住んでいる。すすけていてボロボロだが、形が凝っていてどことなく風情がある。大連版「同潤会アパート」といったところだが、建物はこちらの方がずっとしゃれている。中でも楓林街がいい。両側の新しい家が美しく、途中に小さな公園があったり屋台が出ていたりしてこのあたりの道の中では一番気に入った。
  またホテルの近くには大きな池を囲むように作られた「児童公園」がある。ここでうれしい発見をした。以前パソコンの壁紙に大連の写真を使っていた。非常に美しい写真で、大連のどこで撮ったのかずっと気になっていた。児童公園を通った時それがこPhoto_8こだと気づいた。今回の旅で出来たらどこなのか見つけたいと思っていただけに、発見できてうれしかった。
  大連はまたチャン・イーモウ監督の「至福のとき」の舞台である。これも行く前に映画を見直しておきたかったが、残念ながらその時間が取れなかった。
  大連に来て3日目の午前中で仕事が終わり、その日の午後はタクシーでテレビ塔へ行った。ここからは市内が見渡せる。坂の途中で前のタクシーが停まっているのでそこで下りるのかと思ったが、そこで切符を買う仕組みになっていた。塔の展望台まではエレベーターで上がる。展望台からの眺めは素晴らしかった。大連の街が一望できる。街中を 歩いている時には見えなかった海も見える。360度眺めてみたが、どこを見ても美しい。日本の街のように雑然としていない。建物に調和が取れている。それでいて変化にもとんでいる。それぞれの一角ごとに違った形と色の建物が並んでいるのだ。ロシアとの関係の深い街なので建物や街並みは西洋的だ。洒落た建物が多い。特に色使いがうまいと思う。旧日本人街すら日本的な雰囲気は皆無。中心部にある旧満鉄病院(左の写真)にも行ったが、ここも赤レンガでできた西洋風の実に立派な作りの建物だ。土台からしてPhoto_9 どっしりとしている。今も現役の病院(現在は「大連鉄路医院」となっている)。こういう古い建物がいたるところに残っていて、超近代的なビルと隣り合っている。様式はすべてヨーロッパ風。そういう街なのだ。山の上を除いて、山の谷あいまで建物が立ち並んでいる。大都会である。
  塔を下りてスキーのリフトと同じもの(二人乗り)で下まで降りる。一人20元。これが楽しかった。一緒に乗った同僚が高所恐怖症で、怖さを振り切るためかずっとしゃべり通しだった。観覧車が右下に見えている。下りると労働公園。射的などのゲーム、観覧車、ジェットコースター、池など色々あって、楽しめそうな公園だった。池のあたりはここだけ異次元のように中国的で、赤く塗った門や東屋のような木造の建造物が目に付いた。公園を歩いていると汗だくになった。通りを渡って大連駅のほうに向かう。去年の旅行記にも書いたが、中国は道が広い上に、車が信号などどこ吹く風で走ってくるので、道を渡るのはほとんど命がけだ。交通量の激しいところでは中国人の若い5人連れが手をつないで横に並んで渡っていた。列から一歩はみ出ても遅れても危険が伴う。すれすPhoto_10 れに車が走ってくるからだ。渡りきれないと車が飛び交う道の真ん中で止まり、隙を見て渡りきる。車が来ていても強引に渡ることもある。何せ片道3車線もある広い道だ。怖くて日本人にはとてもまねできない。中国人は信号が赤でも渡るが、日本人は青でも怖い。合理的なイギリス人は信号が赤でも車がこなければ渡るが、信号を無視してとんでもない方向からびゅんびゅん車が走ってくる中国ではまったく事情が違う。しかも右側通行なので車が反対方向から来るから、慣れないとこれも怖い。
  道を渡るとすぐマイカルがある。その横を通って去年歩いた道に出る。懐かしい。位置関係がだいぶ分かるようになって来た。ものすごい人ごみだった。駅前の地下街に入る。ここも懐かしい。相変わらず人が多く、中は迷路のようだ。大連の人でも迷うそうである。日本語コーナーに行く。日本語を話したい人たちが群がっている。同僚が調子に乗ってしばらく話し込んでいた。
  足が棒のようになっていたので地下街の喫茶店に入る。アイスコーヒーを飲んだ。地上に出て大連駅を確認。勝利公園横の有料トイレにはじめて入る。トイレ横の小屋にいるおばさんにお金を渡すとトイレのドアを開けてくれるしくみ。なんと自動ドアだ。おばさんのいる小屋にスイッチがあるようだ。案内の人が料金を払ってくれたが、金額を確認し忘れた。用を足している時に出る時どうするのか心配になったが(こんなところに閉じ込められたくない)、出口の横にある目立つ赤いボタンを押したらドアが開いた。ちょっと冒険した気分。面白かった。

旅順
  中国滞在最後の日に車で旅順に行った。大連から1時間弱くらい。途中星海公園を通Photo_11 る。ここも去年行ったところで懐かしい。車から降りなかったが、公園をぐるっと一周した。そこから西に向かう。旅順は遼東半島の先端部分にある街である。大連の街並みはなり先まで続いていたが、さすがに山に入ると街並みは途切れる。代わりに農家の家が並んでいる。もちろんビルではなく、長屋のように同じ建物が何棟か並んでいる。もちろん農家といっても木造ではない。フフホトでも大連でも寺を除いて木造の建物は見かけなかった。薄茶色の壁で屋根は赤いものが多い。映画「古井戸」に出てくるような石を重ねて建てたものもあったが、これは住居ではないかもしれない。
  案内をしてくれた人が旅順の街中に不案内なので、路上に車を止め、タクシーに乗った。大連に比べると旅順の街はだいぶ古い建物が多い。むしろ、超高層ビルが立ち並ぶ大連の方が特殊なのだろう。上海などの経済発展著しい大都市と地方の格差はますます大きくなるばかりだ。旅順は軍港があるので有名な203高地を除いて外国人は入れない。博物館は行けるかと思ったがタクシーの運転手に聞くとこれもだめだった。残念ながら博物館はスキップして203高地へ向かう。途中旅順駅で写真を撮った。緑色の小さな駅だった。反対側は港。灰色の軍艦が1隻停泊していた。普通の船もたくさんあった。
  203高地はそれほど高いところではなかった。途中の店が並んでいるところで車を降り、頂上まで歩いて上る。有料で一人30元。担架を改良したような駕篭に客を載せて頂上まで運んでゆく商売があった(肩に担ぐのではなく、担架のように腰の両脇で持つ)。値段は10元。誘われたがもちろん乗らなかった。
  有名な激戦地も今は観光地。土曜日ということもあって人は多かった。ほとんどは日本人。日本語があちこちから聞こえる。大きな鉄の塊のような大砲が残されている。港に停泊中のロシア艦隊に大損害を与えたと説明書きにあるが、霧がかかっていて港は見えない。かなり遠くにあるのだろう。そんな遠くまで弾が届くとは思えないのだが。
  頂上まで往復1時間と聞いたが、上ってみると大して時間はかからない。頂上に銃弾をかたどった忠魂碑が立っている。横には砲身が二つある野戦砲も置かれている。後は普通の観光地と変わらない。土産物屋が並び、観光客が写真を撮っている。頂上からの眺めは悪くはないが、あいにく今日は霞がかかってよく見えない。
  山を下り、タクシーで街中に戻る。また案内してくれた人の車に乗り換える。来る時は南側の道を通ってきたが帰りは北側の道を行くことにした。大連と旅順の間には3本道があって、もう一本真ん中の道がある。案内してくれた人は北側の道に出るまでの道順を知らなかったので、タクシーの運転手が途中まで先導してくれた。とても親切な運転手さんPhoto_12 だった。後で聞いたのだが、旅順でタクシーを利用する人は少ないらしく、行きと帰り(上っている間の待ち時間も含めて)とも利用してくれた僕らは上客だったらしい。午前中だけで今日一日分を稼いだと上機嫌だったそうだ。
  余談だが、北の道を行ったのは理由があった。実は刑務所を脱獄した男が二人逃走中らしく、あちこちで軍隊が検問をしていたのである。来る時も反対側の車線で検問をしていた。北の道は一番古い道なので検問はあまり厳しくないだろうとのタクシーの運転手のアドバイスだったのである。それでも途中一度検問にあった。しかし運転手が女性なのでフリーパス。脱獄犯は丸刈りだから、どう見ても僕らは怪しくは見えないしね。

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