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2006年5月21日 - 2006年5月27日

2006年5月25日 (木)

ゴブリンのこれがおすすめ 13

フィルム・ノワール
■おすすめの20本 Car1
「M」(フリッツ・ラング、31)               
「モンパルナスの夜」(ジュリアン・デュヴィヴィエ、33)   
「深夜の告白」(ビリー・ワイルダー、44)          
「飾窓の女」(フリッツ・ラング、44)            
「ローラ殺人事件」(オットー・プレミンジャー、44)     
「第三の男」(キャロル・リード、49)            
「アスファルト・ジャングル」(ジョン・ヒューストン、50)  
「サンセット大通り」(ビリー・ワイルダー、50)       
「都会の牙」(ルドルフ・マテ、50)             
「男の争い」(ジュールス・ダッシン、55)          
「狩人の夜」(チャールズ・ロートン、55)          
「いぬ」(ジャン・ピエール・メルヴィル、63)        
「サムライ」(ジャン・ピエール・メルヴィル、67)      
「仁義」(ジャン=ピエール・メルヴィル、70)        
「さらば愛しき女よ」(ディック・リチャーズ、75)
「ハメット」(ヴィム・ヴェンダース、83)
「レザボア・ドッグス」(クェンティン・タランティーノ、91) 
「レオン」(リュック・ベッソン、94)            
「L.A.コンフィデンシャル」(カーティス・ハンソン、97) 
「シン・シティ」(ロバート・ロドリゲス&フランク・ミラー、05)

■こちらも要チェック
「マルタの鷹」(ジョン・ヒューストン、41)
「幻の女」(ロバート・シオドマク、44)
「チャップリンの殺人狂時代」(チャールズ・チャップリン、47)
「現金に手を出すな」(ジャック・ベッケル、54)
「マダムと泥棒」(アレクサンダー・マッケンドリック、55)  
「現金に体を張れ」(スタンリー・キューブリック、56)
「成功の甘き香り」(アレキサンダー・マッケンドリック、57) 
「エヴァの匂い」(ジョゼフ・ロージー、62)         
「地下室のメロディー」(アンリ・ヴェルヌイユ、62)
「袋小路」(ロマン・ポランスキー、66)           
「シシリアン」(アンリ・ヴェルヌイユ、69)
「チャイナタウン」(ロマン・ポランスキー、74)
「グロリア」(ジョン・カサベテス、80)
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(ガイ・リッチー、98)

■気になる未見作品
「筋金(ヤキ)を入れろ」(アンリ・ドコワン、55)
「殺人鬼に罠をかけろ」(ジャン・ドラノワ、57)
「リスボン特急」(ジャン・ピエール・メルヴィル、72)
「暗黒街のふたり」(ジョゼ・ジョヴァンニ、73)  

 「男の争い」のレビューで「フィルム・ノワール」の特徴を次のようにまとめてみた。「文体はハード・ボイルドで、登場人物は男の場合ギャングか犯罪者が多く、女はファム・ファタル、かつ黒いあるいは暗い色調を基調にし、さらに何らかの犯罪が絡んだ映画。」もちろん定義しようとすればこれで足りるわけはない。例外はいくらでも出てくる。しかし定義とはそんなものだ。隣接のジャンルにはサスペンス映画、ギャング映画、金庫破り映画やその他犯罪映画全般があるので、どこまで含めるかは選ぶ人による。ということで、ここでは「フィルム・ノワール」の代表作ばかりではなく、人によっては「これは違うだろう」と感じるものまで含めている。
 このジャンルに興味のある人は、本館HP「緑の杜のゴブリン」のmiscellanyコーナーにより網羅的な「フィルム・ノワール」作品リストを収録しているので、そちらも参照してください。

2006年5月21日 (日)

旅するジーンズと16歳の夏

2005年 アメリカ Gogo_2
原題:The sisterhood of the traveling pants
監督:ケン・クワピス
原作:アン・ブレイシェアズ『トラベリング・パンツ』(理論社)
製作:デブラ・マーティン・チェイス、デニース・ディ・ノービ
    アンドリュー・A ・コソービー、ブロデリック・ジョンソン
脚本:ディーリア・エフロン、エリザベス・チャンドラー
撮影:ジョン・ベイリー、A.S.C.
美術:ゲイ・バックリー
作曲:クリフ・アイデルマン
出演:アンバー・タンブリン、アメリカ・フェレーラ、ブレイク・ライブリー
    アクレシス・ブレーデル、ブラッドリー・ホイットフォード
    ナンシー・トラビス、 レイチェル・ティコティン、ジェナ・ボイド、レオナルド・ナム

 ずっと気になっていた映画だが、タイトルがいかにも「わたしB級映画です」と強く主張しているので手が出なかった。どこかモリー・リングウォルドやリヴ・タイラーが出ていたキャピキャピ映画を思わせるタイトルとジャケットの雰囲気。それでも観てみようと思ったのは、「カゴメのシネマ洞」でカゴメさんがほめていたから。果たして期待をはるかに上回る素晴らしい映画だった。カゴメさんありがとう。

 16歳の女の子4人を主人公にしたガールズ・ムービーなのだが、他愛のない恋愛ごっこを描いたキャピキャピ乙女映画ではない。4者4様の大人への旅立ちとそこで出会う苦悩、そして変わらぬ友情というしっかりとした物語の骨格を持ち、4人それぞれの人間的成長がくっきりと描き分けられている。

  最近ガールズ・ムービーが増えてきた気がする。「スウィングガールズ」「犬猫」「下妻物語」「リンダ リンダ リンダ」、「NANA」。どれもよくできている。先日レビューした「青空のゆくえ」は中心人物が男の子なので正確にはガールズ・ムービーとは呼べないが、主人公たちに真摯に向き合っている姿勢には好感が持てた。これらの日本の映画はどちらかというとキャピキャピ寄りだが、韓国の「子猫をお願い」は「旅するジーンズと16歳の夏」に近いテーマを持っている。こちらも、高校出たての5人の女の子たちが社会に出ても互いに友情を保とうと努力する映画である。社会の中に足場を十分築けず、浮遊しながらも精一杯生きようとする女の子たちを丁寧に描き分けていた。

  欧米の古い映画では有名な「若草物語」があるが、他にはあまり思い当たらない。女性映画が増えてくるのはようやく80年代になってから。しかし描かれる女性たちはずっと年齢層が上だ。「マグノリアの花たち」、「森の中の淑女たち」、「ガールズ・ナイト」、「キャリア・ガールズ」、「ジョイ・ラック・クラブ」等々。10代では人生の苦悩を描くには若すぎるのだろう。比較的最近のものでは「靴に恋して」「カーサ・エスペランサ」「カレンダー・ガールズ」、「8人の女たち」、「ポーリーヌ」、「彼女を見ればわかること」、「クレールの刺繍」「サマリア」「ラヴェンダーの咲く庭で」など。確かに(キャピキャピ系を別にすれば)10代の女の子を主人公にしたものはほとんどない。日本でもキャピキャピ系ではないものというと、中原俊監督の「桜の園」(90年)あたりまでさかのぼらなければならない(そういえば木下恵介監督の「女の園」というのもあった)。こう見てくると「子猫をお願い」や「旅するジーンズと16歳の夏」はかなり貴重な存在であることがわかる。

  「旅するジーンズ」という不思議なタイトルは、1本のジーンズを女の子4人が代わる代わる穿いてゆくことからきている。ティビー、カーメン、ブリジット、リーナの4人は性格も体型も違うが、なぜかそのジーンズは4人の誰が穿いてもぴったりと合ってしまう。4人が古着屋でその不思議なジーンズを発見したのは夏休みに入る直前。夏休みにリーナは祖父母の住むギリシャへ、カルメンは別れて暮らす父親のもとへ、ブリジットはメキシコでのサッカー・キャンプに参加する予定。ティビーだけは地元に残り、人生の惨めさを綴ったドキュメンタリー映画(ミジメンタリー)を製作するつもりだ。子供のころから(いや正確にはまだ胎児のころから)ずっと一緒に育ってきた彼女たちが初めて別々にすごす夏。しばしの別れを目の前にして出会った不思議なジーンズ、このジーンズには幸運をもたらしてくれる力があるのではないか。そう思った4人は、それぞれ1週間ずつはいて次の人に送ることにした。幸運のジーンズに願いを託し、4人は別々の道を歩みだす。

  その後に続く4人それぞれのストーリーが実によく描けている。原作はアン・ブレイシェアズの『トラベリング・パンツ』。原題は ”The Sisterhood of the Traveling Pants” だから、直訳すれば「旅するパンツ姉妹団」。未読だがなかなかいい出来らしい。映画は一部変更があるが、ほぼ原作に沿っているようだ。また4人を演じる女優たちがそれぞれに魅力的である。自由奔放なブリジット役のブレイク・ライブリー、内気なリーナ役のアクレシス・ブレーデル、皮肉屋のティビーに扮するアンバー・タンブリン、明るい性格のカーメンを演じるアメリカ・フェレーラ。いずれも新進女優たちばかり。中でもブレイク・ライブリーは初めての映画出演だった。

  それぞれ誰かに似ているのが面白い。アンバー・タンブリンは土屋アンナ、アクレシス・ブレーデルはヘレナ・ボナム・カーター、アメリカ・フェレーラは青木さやか、いやむしろ「ブリジット・ジョーンズ」の時のレニー・ゼルウィガーに似ている。ブリジット役のブレイク・ライブリーは金髪ですらりと足が長い典型的なアメリカ美人タイプ。その分一番個性に欠ける。ついでに言うと、リーナがギリシャで出会う大学生コストス役のマイケル・レイディもアントニオ・バンデラスを若くした感じだ。

  ブレイク・ライブリーが個性に欠けることもあって、4つのエピソードの中ではブリジットのものが一番弱い。ブリジットはメキシコのサッカ―キャンプに参加する。美人でスポーツ万Jewelgrape1 能の彼女は最初から誰よりも目立つ。すぐさま美男子のコーチに目をつけ積極的に迫ってゆく。典型的なアメリカ娘の行動パターン。新鮮味ゼロ。これだけならまったく魅力がないが、彼女の明るい笑顔の裏には自殺した母親の影が付きまとっていた。コーチのエリック(マイク・ヴォゲル)を口説き落としても満足できない。「幸せな出来事のはずなのに、むなしいのはなぜ?」。彼女の心にぽかりとあいた穴はどんなに陽気に振舞っても美形のコーチを口説き落としても埋められはしない。より重要なのは魔法のジーンズでもその穴を埋められなかったことだ。

  魔法のジーンズは4人の間を一巡するが、これを穿いてうまくいったものはいない。リーナはギリシャに行って大学生のコストスと出会う。たちまち彼に惹かれるが、彼女には越えなければならない二つの壁があった。ひとつは自分自身の内気な性格。白い家が並ぶ美しいサントリーニ島でスケッチをしているが、周りの恋人たちからは目をそらしている。服装も体の線を隠すような地味な服を着ている。もうひとつは彼女の祖父母の家とコストスの家の間にある確執。あの家の者とは付き合ってはならないと彼女は釘を刺される。しかし隠れて彼と会ううちに彼女は少しずつ大胆になってゆく・・・。4人の中で一番繊細な感じのリーナのエピソードが僕は一番好きだ。

  4人の中で一番つらい経験をしたのはカーメンである。彼女は別居している父親を訪ねてサウス・カロライナに行く。しかし彼女を待っていたのは父親との久々の水入らずの時間ではなく、予想しなかった大きなショックだった。父親はリディア(ナンシー・トラビス)という女性と同棲していた。しかも彼女には二人の連れ子がいた。カーメンは4人の中で一番陽気でみんなの支えのような存在であるが、この予想外の展開には激しく動揺してしまう。冷たく扱われてはいないが、居場所のない彼女は父親の下を去る。父親と電話で話したときに、「まるで私を不良品のように交換しようというの?」と泣きながら訴えるシーンには胸が詰まった。カーメンはプエルトリコ系で体型も4人の中で一番太っている。典型的な白人であるリディアたちと出会って彼女の劣等感が爆発する。カーメンを演じるアメリカ・フェレーラが実に魅力的だ。

  一人地元のメリ―ランドに残ってスーパーでアルバイトをしているティビーのエピソードも秀逸。彼女はたまたま偶然が重なりベイリー(ジェナ・ボイド)という少女と知り合う。ベイリーは小生意気な女の子で、ずうずうしくティビーが撮っていたビデオの撮影についてくる。最初のうちは迷惑がって「この子もジーンズと一緒に送っちゃいたい」などと言っていたティビーだが、ベイリーが白血病であることを知ってから態度が変わってゆく。一人だけどこにも行けず、いじけて「ミジメンタリー映画」を撮っていた彼女に転機が訪れる。このように話自体はよくある難病物である。その限りではありきたりの展開なのだが、救いはティビーの性格である。髪の一部をブルーに染め、鼻にピアスをした、一見パンク姉ちゃん風の外見。全身から「やってらんねーよ」的オーラを放ちながら(眉間に値札をペタッと貼り付けるシーンが面白い)、それでいて結構まじめなところがある。生意気で彼女の神経を逆なでするベイリーに手を焼きながら、それでいて突き放すわけでもない。ベイリーを見る目つきが少しずつ変わってゆく。心の変化が表情に表れてゆく。「幸せは大きく成功した時よりちょっとした時にかんじるもの」というベイリーが病床で語ったせりふもいいが、ベイリーと出会ってどんどん変わってゆくティビーの方が感動的だ。演じたアンバー・タンブリンは土屋アンナに顔が似ているだけではなく、役柄も「下妻物語」の白百合イチゴを思わせる。このアンバー・タンブリンも非常に魅力的だった。

  いつも4人で一緒にいたときには経験することがなかった苦い現実。その現実の前では魔法のジーンズも役に立たない。彼女たちはそれぞれの問題に自分ひとりで立ち向かわなければならない。そして彼女たちはみな乗り越えた。自分たちの前に立ちふさがった問題を。そして同時に自分たちを閉じ込めていた殻を破ることができた。夏休みを終えて久々に4人そろった彼女たちにはもうジーンズは必要なかった。ジーンズそのものには何の力もない。それは単なる「願掛け」に過ぎない。「ロング・エンゲージメント」でオドレイ・トトゥが何度もやっていたまじないのようなものだ。しかし、見方を変えれば、そこには別の力が込められていたともいえる。4人の友情だ。ジーンズそのものには何の力もないが、そのジーンズはいつしか4人の友情の象徴的存在になっていた。彼女たちは悩みながらも独り立ちしていった、しかしその「独り立ち」は親友たちの支えがあってこそできたのである。4人は再会したときに互いに変わらない友情の絆を確認しあった。もう魔法のジーンズがなくても自分で問題を乗り越えてゆける、そこに彼女たちの本当の成長があった。

  監督はケン・クワピス。彼の映画を観るのはこれが2本目。最初に見たのは妻マリサ・シルバとの共同監督作品である「ヒー・セッド、シー・セッド/彼の言い分、彼女の言い分」(91年)。ケヴィン・ベーコン、エリザベス・パーキンス主演のコメディ。未公開作品だがこれもなかなかの佳作だった。

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