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2006年4月11日 (火)

やさしくキスをして

Sdfai209 2004年 イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督;ケン・ローチ
原題:Ae Fond Kiss
脚本:ポール・ラヴァティ
撮影:バリー・エイクロイド
音楽:ジョージ・フェントン
美術:マーテイン・ジョンソン
プロデューサー:レベッカ・オブライエン
出演:エヴァ・バーシッスル、アッタ・ヤクブ、アーマツド・リアス
    シャムシャド・アクタール 、シャバナ・バクーシ
    ギザラ・エイヴァン、ゲイリー・ルイス、デヴィッド・マッケイ
    シャイ・ラムザン、ジェラルド・ケリー、ジョン・ユール
    スンナ・ミルザ 、パーシヤ・ボカリー

  2005年1月9日に書いた「2003年以降の世界の映画」という文章で、「現在はアメリカ、中国、韓国が横綱クラス、イランとイギリスそしてフランスが大関クラス」とランク付けをした。同じ文章の中で、イギリスはここ数年低迷気味だったが、2004年に久々の快作「カレンダー・ガールズ」が登場、「この勢いで早く角番を脱してほしい」と書いた。つまりイギリスを角番大関だと見ていたわけだ。しかし、2005年公開のイギリス映画の充実振りを見れば、イギリスは角番を脱して今や堂々たる正大関に復帰したことが分かる。今はむしろ中国映画やイラン映画の公開数が減っていることが気になる。今年の2月7日に書いた「2005年公開外国映画の概況」でもイギリス映画の活躍に言及している。そのときはまだ「Dearフランキー」と「運命を分けたザイル」しか観ていなかったが、その後「ラヴェンダーの咲く庭で」、「ヴェラ・ドレイク」、「オリバー・ツイスト」(06年公開)、「やさしくキスをして」と観てきた。いずれも4星、5星クラスの秀作ぞろい。イギリス映画がまた上向きになってきたことはもはや疑いない。

  事のついでに「2000年代イギリス映画マイ・ベスト15」を次に挙げておこう。特に順位はつけていない。

シーズン・チケット(2000) マーク・ハーマン監督
リトル・ダンサー(2000) スティーブン・ダルドリー監督
ブリジット・ジョーンズの日記(2001) シャロン・マグワイア監督
ゴスフォード・パーク(2001) ロバート・アルトマン監督
SWEET SIXTEEN(2002) ケン・ローチ監督
人生は、時々晴れ(2002) マイク・リー監督
ベッカムに恋して(2002) グリンダ・チャーダ監督
運命を分けたザイル(2003) ケヴィン・マクドナルド監督
カレンダー・ガールズ(2003) ナイジェル・コール監督
真珠の耳飾の少女(2003) ピーター・ウェーバー監督
ディープ・ブルー(2003) アラステア・フォザーギル、アンディ・バイヤット監督
ヴェラ・ドレイク(2004) マイク・リー監督
Dearフランキー(2004) ショーナ・オーバック監督
やさしくキスをして(2004)  ケン・ローチ監督
ラヴェンダーの咲く庭で(2004) チャールズ・ダンス監督

  ケン・ローチ監督の作品がこの中に2本入っている。「ブレッド&ローズ」(2000)はまだ観ていないが、これも期待できそうだ。次にケン・ローチ監督の「マイ・ベスト5」を挙げておく。こちらは順位つき。

1 レディバード・レディバード(1994)  
2 SWEET SIXTEEN(2002)
3 リフ・ラフ(1991)  
4 やさしくキスをして(2004)
5 カルラの歌(1996)

  名作と言われる「ケス」(1969)に対する僕の評価はあまり高くない。暗い映画で、主人公の少年にあまり共感できなかったからだ。一番暗いのは「マイ・ネーム・イズ・ジョー」(1998)。とても好きになれない。オムニバスの「セプテンバー11」(2002)は映画全体としては大していいとは思わなかったが、世界貿易センタービルがテロリストに攻撃されたその日と同じ9月11日(1973年)に起こったチリのクーデターを主題に、記録映画風に撮ったケン・ローチの短編はその中でも出色の出来だった。「レイニング・ストーンズ」(1993)はビデオで、「夜空に星のあるように」(1968)はDVDで持っているがまだ観ていない。「大地と自由」(1995)も未見。

  一貫してイギリスの労働者階級を描いてきたことで知られるケン・ローチだが、「やさしくキスをして」はアイルランド人女性とパキスタン移民2世の男性を主人公に民族問題を扱っている。タイトルどおり恋愛を描いているが、そこはケン・ローチ、アイリッシュの女性とパキスタン人男性のカップルなので習慣や文化や宗教の違いといった民族問題が絡んできて非常に重い作品になっている。イギリスはアメリカほどではないが移民の国である。ロンドンなどの大都会ではかなりの数の黒人や東洋人が住んでいる。かつての植民地が第二次世界大戦後に独立して以降、旧植民地から大量の移民がイギリスに流れ込んできたからだ。インドやパキスタンからの移民も当然多い。インドからの移民を主人公にした「ベッカムに恋して」とパキスタン移民を主人公にした「ぼくの国、パパの国」という傑作が日本でも公開された。いずれも民族の相違に基づく文化や習慣の違い、さらには親の世代と子の世代のギャップがテーマに織り込まれている。しかし「ベッカムに恋して」は深刻ではなく明るい色調で楽観的に描かれている。むしろ映画のタッチとしては、最後まで世代間ギャップの問題が解決されずに終わる「ぼくの国、パパの国」に近い。「ベッカムに恋して」は人情味があって素晴らしい映画なのだが、ケン・ローチは「やさしくキスをして」で現実はそんなに甘くないぞと重く厳しい問題提起をした。

  恋愛は個人の問題である。しかし結婚となると親が口を挟んでくるものである。ましてや異なる民族間の恋愛、結婚となると個人のレベルを超えて家族、ひいては民族間の問題へと発展する。日本でも在日コリアンと日本人の結婚を考えれば、それが多くの困難を伴う問題であることは理解できるだろう。「パッチギ!」はまさにそういう問題を扱った映画だった。アイリッシュの女性とパキスタン移民二世の男性との恋愛も同様の、あるいはそれ以上の困難を伴うものだった。スコットランドのカソリックの高校で音楽を教えるロシーンには別居中の夫がいる。彼女はあるきっかけで教え子の女子生徒タハラの兄カシムと知り合い、たちまち恋愛関係になる。しばらくは順調に付き合っていたが、あるときカシムは、自分には親が決めたジャスミンという婚約者がいることを打ち明ける。ロシーンは、それでは私とのことは単なる遊びだったのかと腹を立てるが、それでも感情の嵐が過ぎ去った後、互いに分かれられないほど愛し合っていることに気づく。しかし同時に彼らの前には大きな困難が立ちふさがっていることも次第に明らかになってくる。

  厳格なイスラム教徒であるカシムの両親は白人で異教徒であるロシーンとの結婚を頑として認めない。旧植民地からやってきた移民である両親たちはイギリスで散々辛酸をなめて来たに違いない。当然差別もされてきただろう。彼らを支えてきたのは同じパキスタン移民のコミュニティーであり、イスラム教徒としての誇りである。息子と白人で異教徒の女性との結婚を認めることはそのイスラム社会からも疎外され孤立することを意味する。実際カシムがジャスミンとの婚約を破棄し家を出て行ったために、イスラム教徒の社会で家族は 孤立し姉の縁談が破談になってしまった。カシムの姉ルクサナがロシーンに直談判に来るAngels4_1 場面がある。彼女はロシーンに「永遠の愛を誓えるのか?」と迫る。愛はいつかはさめる。やがては弟を捨ててしまうだろう。だがそのために自分たちはイスラム社会から締め出されてしまう。そんな結婚をとても認めるわけにはいかないと。重要なのは彼女の説得が何らかの打算に基づくものではないということだ。異教徒のあなたに私たちの家族をばらばらにする権利、私たちの幸福を奪う権利があるのか?この彼女の訴えは心からのものであり、家族の気持ちとして当然のものでもあるだけに、古臭い考えだとして簡単に振り払うことは出来ない。ロシーンも永遠に彼を愛するとは答えられなかった。だが彼女はルクサナの訴えを聞き入れなかった。彼女にはまた彼女なりの考え方があった。彼女もまた自分たちの幸福を他人が、たとえ愛している相手の家族であっても、横槍を入れてこわしてしまうことなど認められなかったのである。

  きっぱりと自分の立場を守るロシーンに比べると、家族の和を大事にするカシムはロシーンと家族の板ばさみにあって悩み苦しむ。愛を取るのか家族を取るのか。どちらも彼にとって大事なものだけに悩みは深い。彼の葛藤が深刻なのは愛も家族も両方とも捨てられないからである。自分にとっての幸せが家族の不幸になる。両立は不能である。彼がこれほど悩んでいるのに対して、ロシーンは自分の権利ばかり主張していて自分勝手だという意見が結構ある。我を通すよりも和を重んじる傾向がある日本人には確かにそう見える。「パッチギ!」のような状況を考えてみればいい。「お前はそれでいい。だが家族はどうなるんだ。」結局それで押し切ってしまう。ずっとそうしてきたのだ。

  ロシーンはそういう考えに流されたくなかったのである。他人の都合で自分の幸福をあきらめたくはない。何も他人を押しのけて我を通すつもりはないが、そうしなければならないのなら仕方がない。自分から身を引くことはしない。そういう意味では彼女は合理主義者なのだ。だが利己主義者ではない。だから彼女はカシムの家族を理解したいと言う。そうは言ってもカシムの悩みの深刻さに比べると確かに彼女の認識は甘い。「カシムの家族を理解したい」という言葉も心からのものだったかというと疑問もある。そういう意味ではパキスタン人移民には「白人にはわからない」歴史があるというカシムの言葉に重みがある。しかし彼女も試練を乗り越えている。彼女はアイリッシュだからカソリックである。彼女の勤めている学校もカソリック系である。しかし戒律の厳しいカソリックの学校では教区の神父から「信仰証明書」をもらわなければ臨時教員から常勤教員にはなれない。異教徒と同棲している彼女を教区の神父は認めなかった。彼女はカソリックではない学校に転勤することを余儀なくされた。

  ロシーンとカシムの関係を単なる白人と東洋人の関係と見るのは正確ではない。彼女は長い間イギリスの植民地にされてきたアイルランド出身なのである。宗教もカソリックだから、プロテスタントが主流のイギリスでは少数派である。彼女も差別されてきたのだ。彼女が自分を譲らないのは彼女の性格もあるだろうが、家族が身近にいないためにより自由に判断できるからでもある。彼女に両親がいたら、彼女の両親もカシムとの結婚に反対しただろう。この場合は差別意識が当然絡んでいるはずだ。ケン・ローチが扱っているのはこういう何重にもがんじがらめになった世界なのである。簡単には解決が見出せない。

  彼女の考え方を示唆する重要な場面がある。音楽の授業のときに彼女はビリー・ホリデイの名曲「奇妙な果実」を流している。「奇妙な果実」とはリンチを受け木に吊るされた黒人の死体を意味している。彼女はこの曲をかけながら木に吊るされた黒人の姿などを描いたスライドを生徒たちに見せている。彼女の伝えようとしたメッセージは明らかだろう。彼女が思想的にラディカルであるかどうかは分からない。しかし教室でこのような授業を行っていることと、決して自分の意志を曲げない彼女の姿勢とはつながっている、少なくともこれだけは言える。

  白人と有色人種との違いはあるが、元植民地出身で少数派同士の恋愛。それに家族や世代の問題、民族、文化、宗教、価値観などの違い、そして差別などの問題が複雑に絡まりあう。カシムの苦悩も、ロシーンの頑固な姿勢も、カシムの家族の願いも、どれも理解できる。カシムの婚約が決まり、カシムの姉の結婚も決まり、うれしそうに家の増築に励む父親の気持ちは本当によく分かる。その喜ぶ両親を前にして心が揺れ動くカシムの気持ちにも共感できる。一方で、自分でつかんだ幸せをどんなことがあっても手放したくないというロシーンの信条も理解できる。それでいて弟と別れて欲しいと必死に訴える姉の気持ちにも心を揺り動かされる。誰が正しく、誰が間違っているか単純には判断できない。誰の言うことも理解できる。理解できるからこそ解決が見出せない。観ていて歯がゆくなるほどだ。ケン・ローチはこのような深刻な問題をわれわれに投げかけている。問題を一面的にではなく、多面的に描き出したケン・ローチのアプローチの仕方は賞賛すべきである。アメリカ映画のような単純な善と悪の判断は下さない。

  民族問題や差別問題が絡むだけに状況は『ロミオとジュリエット』以上に深刻である。いたるところに二人をさえぎる壁が存在する。誰も悪人は存在しないのに壁が作られてしまう。映画は最後まで結論は下さない。しかし最後は希望をかすかに感じさせる終わり方になっている。ロシーンとカシムが互いの愛を確認しあうシーンで終わるのだ。ケン・ローチが描く苦いラブ・ストーリー。ほんのちょっと後味に甘さが残るのが救いである。

  時に現実に圧倒されそうになりながらも、二人は最後まで分かれようとはしなかった。二人がその後どうなるかは分からない。だが迷い悩みつつも二人は自分たちの道を歩んでゆくのだろう。イスラム教徒を描きながら、ケン・ローチは9.11後に顕著になった敵対的な描き方をしなかった。現実の厳しさはなくならない。しかし二人が歩むであろう茨の道に流れるのはロバート・バーンズの詩による甘く切ない「Ae Fond Kiss...(やさしいキス)」の調べだ。

やさしいキスを そしてお別れ
さようなら それは永遠
胸は張り裂け 涙絞りつつ
あなたを思えば 嘆きと溜息が・・・

  彼らは険しい道を決して彼らだけで歩んでゆくのではない。振り返れば後ろにはカシムの妹タハラの姿が見えるはずだ。彼女は自分に対する差別には体を張って対抗した。カシムとロシーンが出会ったきっかけは、白人の男子生徒がタハラを「パキ、パキ」とパキスタン人に対する差別語で呼んだことである。彼女は男の子たちをどこまでも追いかけていった。彼女には兄にない強さがある。彼女も親の反対を押し切り、地元グラスゴーの大学ではなくエジンバラ大学に進学することを宣言する。自分の目指すジャーナリズム学部はエジンバラ大学にしかないからだ。両親の悩みがまた増える。子供は親の思うようには育たないものだと分かっていても、親としては一抹の寂しさと悲しみを禁じえないだろう。いや、それどころか家族崩壊の危機である。カシムとロシーンに焦点を当てているので両親の苦悩は間接的にしか描かれないが、子どもを持つ人が見れば身につまされるだろう。同じ血が流れていても子どもはイギリスで育っている。時代の流れは否応なく人々を押し流してゆく。同じ姉妹でも親に言われるままに結婚を決めた長女のルクサナと末娘のタハラの価値観には大きな開きがある。この映画は時代に押し流されてゆかざるを得ない人々にささげた哀歌(エレジー)なのである。明日は見えない。しかし確実に変化はやってくる。

 カシムたちが進んでゆく長く険しい道にはかつてそこを歩んだ何人もの足跡が残されているはずだ。カシムとロシーンの前にもたくさんの人が歩んできた道であり、タハラの後に続く者も次々に現れるだろう。最後に魯迅の「故郷」からの一節を引用して終わろう。

 「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」

 

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コメント

真紅さん TB&コメントありがとうございます。
このところケン・ローチをまとめて御覧になっているようですね。僕もケン・ローチのボックスを買いました。早く観たいのですが、なかなか時間が許しません。
この映画は主人公二人を取り巻く様々な、何重もの困難を描いています。でも、最後にかすかな希望が描かれているので、決して絶望的な気持ちにはなりません。安易な解決は与えていませんが、しかし2人の絆もまた簡単には切れない。妹のタハラも自分の道を歩き始めている。映画は解決を提示しないまま終わります。それはリアルでもあります。人生は続く。人生のそれぞれの段階に困難がある。喜びも苦しみも悲しみもある。困難のない人生など無い。映画はそう言っているように思えます。

ゴブリンさま、こんにちは。TBさせていただきました。
ケン・ローチの作品はDVD化されているものが少なく、なかなか観ることができません。
最近DVD-BOXが出ましたが、旧作のDVD化をどんどん進めてほしいですね。
さてこの作品、タイトルとは大違いな苦い物語でした。
家族と恋人の間で揺れるカシムを責められず、かと言って改宗を拒むロシーンも責められません。
宗教というものが、生活や人生の奥深く浸透している彼らに驚きました。
日本人の感覚とは、全く異なるのでしょうね・・。
私もタハラに変革の希望を託したいです。ではでは。

カオリさん コメントありがとうございます。TBはうまく入らなかったようです。どうも最近調子が悪いようです。申し訳ありません。

「奇妙な果実」を教室で聞かせるカシーンには、同じ差別されるものとしての共感があるのでしょう。ケン・ローチの最新作「麦の穂をゆらす風」ではアイルランド問題をかつてないほどシビアに描いているようです。

今の時点でケン・ローチはデヴィッド・リーンと早くも並んで、イギリスを代表する巨匠になったのではないでしょうか。

こんばんは。「奇妙な果実」って、そういう意味のものだったのですね。なにか物騒な物を見せているなあとしか思わなかったのですが・・・

解決はしていないし難しい。
でも前に進まなければ社会は変わらない。・・・

タハラも応援したくなりました。
TBさせていただきました~

mimiaさん コメントありがとうございます。
面白いですね。僕は「人生は時々晴れ」の方が最後にかすかな希望があるので好きです。
何を「暗い」と感じるかは人によって違うのですね。いずれにしてもケン・ローチとマイク・リーは今のイギリス映画を支えている二本柱だと思います。今年はどんなイギリス映画と出会えるのか、とても楽しみです。

歌が二人を結びつける出会いは私のツボでしたね。

私もケン・ローチ大好き!『ケス』からのFanです。『ジョー…』も『自由…』も暗いけれど好きです。どの作品も心の自由を求めてやまない気持ちが伝わってきて心にしみる。でも一押しはやっぱり『カルラ…』かな。

マイク・リーの暗さのほうが私は堪えます。『人生は時々晴れ』の時はもうしんどくてしんどくて…。笑わない(微笑まない)ことがこんなに辛いことだとは思いませんでした。

かえるさん コメントありがとうございます。
マイケル・ウィンターボトムは僕も5本くらい観ているのですが、「日陰のふたり」が一番好きですね。
かえるさんは新作中心に観ておられるようですから「ミリオンズ」や「愛をつづる歌」もご覧になったのですね。僕はまだ観ていないのですが、楽しみにしています。
また時々お寄りください。

私のケン・ローチ作品myベストは『カルラの歌』なんですが、てっきりそれと同じような結末を思い浮かべていたので、カシムとロシーンの選択は嬉しかったです。
イギリスの監督というと、ケン・ローチ、マイク・リーにマイケル・ウィンターボトム作品も大好きです。去年は個人的には、ダニー・ボイルの『ミリオンズ』、サリー・ポッターの『愛をつづる詩』も気に入りました。

kimion20002000さん コメントありがとうございます。
イギリス映画界はキャロル・リードやデヴィッド・リーンなど数多くの巨匠を輩出してきましたが、アメリカの影になってしまいがちでした。90年代以降「ブラス!」、「フル・モンティ」、「リトル・ダンサー」など話題作が次々に生まれ、日本でもファンが増えたのではないでしょうか。
次々に新しい監督が現れ、しかも名前からするとアングロ・サクソン系ではない人もかなり含まれています。そこが韓国映画と違うところで、実に様々な角度からイギリスを描いている。そこが面白いと思うのです。

TBありがとう。
ゴブリンさんの評で、この映画の本質は、つきていると思います。

僕のblogには、あんまりあげてないけど、イギリス映画は、それぞれの監督が、いい影響の与え方をしているようですね。ゴブリンさんのランクをみて、いろいろ考えるところがありました。

「セプテンバー11」にしても、僕は、ケン・ローチのアプローチが一番好きでした。

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