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« 傑作TVドラマ「第一容疑者」 | トップページ | 資料・日本と諸外国の映画環境② »

2005年11月16日 (水)

資料・日本と諸外国の映画環境①

<カナダ>fan-2
  モントリオール市郊外にあるカナダ国立映画制作庁(NFB)は、年間の経費約44億円をすべて国費でまかなう映画制作機関だ。
  カナダは映像産業への手厚い保護がある。まず制作費の3割以上を国が投資する制度。昨年のカナダ映画約60本のうち22本が適用を受けた。その資金運用を国から委託されているテレフィルムカナダによると、今年の総予算は約178億円。フランソワ・マセロラ代表は「あくまでも出資だが、返ってくるのは1割程度」という。映像を国が支援する目的のひとつは「カナダ文化の保護」。国内で上映されているのはハリウッド映画が9割以上。人口は3000万人余、映画館入場料700~800円では、カナダ映画を作っても国内だけでは資金の回収は難しい。「カナダの映像文化は歴史が浅い。守らないと消えてしまうおそれがある」とマセロラは話す。
  このほか、州や連邦政府の資金援助や税金の返還制度もあり、すべてを使えば、制作費の約1割の手持ち資金で、かなり大規模な映画が作れてしまう。
  プロデューサーや監督たちは、こうした制度なしではカナダで映画は作れないと口をそろえる。しかし、援助が得られないと・・・。ベテランプロデューサーのロジェ・フラビエは昨年、2本の長編を企画したが、国と州政府から援助を断られ1本も作れなかった。
          「北のハリウッド カナダ映画事情」下  「朝日新聞」 01年4月24日

<デンマーク>
  デンマークは人口わずか530万人(日本の約20分の1)、長編映画の制作費を国内で回収することは至難の業。それに他の欧州諸国同様ハリウッド映画の重圧がある。
  にもかかわらずこの数年間製作は長編20本台に伸び、1999年と2000年には人口の5分の1に当たる100万人動員の作品が1本ずつ出、海外映画祭の受賞も相次ぎ、海外市場からの収益も伸びた。一番有名なのは2000年のカンヌ映画祭グランプリをとり、日本でも大ヒットの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(監督ラース・フォン・トリアー)。
  その要因には国立映画学校の人材育成、政府とテレビ局の積極的助成、トリアーらの映画運動「ドグマ95」があげられていて、政府は2000年に前年の倍額1900万ドル(25億円)の政策補助を出し、国営テレビも「ドグマ95」のような運動を支援、「ドグマ95」は「技術的なことより人間ドラマを」のきびしい原則、国情に合ったコストで良質な映画を目指すなど学ぶべきことが多く、考えさせられる。

<ニュージーランド>
  ニュージーランドには1970年代末まで映画産業は存在しなかった。映画はあったが、自国の映画は50年代に1本、60年代に2本と事実上ゼロに等しかった。それが70年代末、政府がニュージーランド・フィルム・コミッション(NZFC)を創設、国産映画の製作に投資しはじめてから、ニュージーランド映画の新しい人材が出現、国際的にも注目されはじめる。このNZFC発足25年間に150本の作品が登場、ピータ・ジャクソンも国の出資で第1作を撮り、超大作「ロード・オブ・ザ・リング」にいたった。また「ワンス・ウォリアーズ」(1994)でデビューしたリー・タマホリがハリウッドに招かれ、「007」最新作を監督したのも、その延長線上にある。 また、ニュージーランドの先住民マオリの映画も注目を集めている。
  ・1994年「ワンス・ウォリアーズ」(リー・タマホリ監督
  ・2003年「クジラの島の少女」(ニキ・カーロ監督)
  →隣のオーストラリアでもアボリジニを描いた「裸足の1500マイル」(2002年)が
       作られている(監督は白人のフィリップ・ノイス)。

<日本>
  日本の劇映画の製作は、1887年に年間300本を切って以来、300本を回復出来ていない。映画の撮影所も大船撮影所の閉鎖に続き、縮小・移転などが推し進められようとしている。国家の支援もイギリスのフィルムカウンシルの支出は約86億円、フランス国立映画センターの映画関係支出は280億円となっている。
  →山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」は京都の太秦撮影所で撮影
   →日本は30億円に満たない。   
  →また支援の内容も制作資金への助成にとどまっている。
     撮影所の老朽化・縮小・閉鎖、映画人の著作権、人材養成機関の設立など

  日本の映画環境は大都市と地方都市では大きな較差がある。ある調査によると、東京では封切り映画の98%が公開され、大阪は76%、名古屋は65%など、他方下関はわずか5%、鳥取は9%、いわきは12%である。

・日本の文化政策の貧困 →フィルムセンターの火災(1984年9月3日)
  フィルムセンターは昔一度火事で焼けている。この火事はまさに日本における映画文化の貧困さを象徴していた。84年の9月3日、多分いつもより比較的涼しい日だったのだろう、フィルム保管庫のクーラーを止めていたところ可燃性フィルムが自然発火してしまった。予算をケチってクーラーを止めたために貴重なフィルムを一部消失してしまったのである。fan-3当時新聞でそれを知ったときにはしばし呆然としたものだ。
 そもそも古いフィルムは発火しやすく、フィルム保管庫はいわば弾薬をかかえているのと同じである。オランダ視聴覚アーカイヴの可燃性フィルム保存庫は海辺の砂丘地帯の窪地にある。第二次大戦中にナチス・ドイツ軍のトーチカとして建設されたものをフィルム保存庫に改造したのである。保存庫は、職員が働いている隣室とは反対側の壁を比較的弱くしてあり、「最悪の事態」が生じた時にはそちらへ爆風が逃げてゆく構造になっている。トーチカを選んだのはそれが頑丈だからだが、周りに人家が少ないことも考慮に入れていたのだろう。
  昔のトーチカを改造して使う。これくらい保存に気を使わねばならないほど可燃性フィルムはデリケートなものなのである。そのクーラーを切るとは!フィルムセンターの所員の責任ではない。国立のフィルム・ライブラリーに貧困な予算しかつけない文化政策に問題がある。日本の文化予算は能や歌舞伎などの伝統文化の維持にほとんどをつぎ込み、映画などという「大衆文化」にはおこぼれ程度しか回ってこない。果ては、予算を増やすどころか、これでもまだ多いとばかりに2001年には独立法人にしてしまった。自国の映画産業をアメリカ映画の侵食から守るためにクォータ制をとっている国もあるというのに、国自らが映画文化の首を絞めてどうする。ここ数年予算は増えてきており、多少の理解も進んだようだが、松竹の大船撮影所閉鎖などの逆行現象は止まらない。映画は製作会社だけのものではない。国民の財産なのだ。製作だけではなく、上映、保存、修復など一連の事業を含めて対策を考えるべきものである。映画は後世に伝えるべき優れた文化遺産なのだという認識を、政府も国民の間でも確立することが今一番必要なことだ。

・キネマ旬報映画総合研究所所長 掛尾良夫氏談
  「日本では年300本弱の邦画が公開される。しかし一握りの作品以外は全くビジネ
  スになっていない。韓国は70本程度だが、産業としてはずっと健全。」
                    「プロデューサー元年」中 05年1月5日(朝日新聞)

・経済産業省 特定サービス産業動態統計速報
 2004年の映画館売上高
   1557億円(前年比マイナス2.5%)2年ぶりに前年を下回る。
 映画館の入場者数
   アニメ 前年比42.8%増  →「ハウルの動く城」の大ヒット
   邦画  前年比11.3%増  →「世界の中心で、愛をさけぶ」のヒット
   洋画  前年比10.3%減  →それでも洋画は入場者全体の55%を占める。

<イギリス>
  1988年は「日本における英国年」で、第11回東京国際映画祭に協賛する形で10月24日から11月8日にかけて東京で「英国映画祭」が開催された。画期的なことである。また2000年の4月4日から9日まで東京の草月ホールで「ケルティック・フィルム・フェスト」が開催された。南北アイルランド、スコットランド、ウェールズというケルト圏の映画を集めた催しである。これもそれまでは考えられなかった企画である。さらに、「トレイン・スポッティング」「ブラス!」「フル・モンティ」「エリザベス」「秘密と嘘」「リトル・ダンサー」「シーズン・チケット」等々、次々と話題作が公開されている。特に「秘密と嘘」が1997年度『キネマ旬報』年間ベストテンの第1位に選ばれたことは特筆すべきことである。それほど話題にはならないとしても、毎月のようにイギリス映画が公開される。こんなことは80年代、いや90年代の前半までも考えられなかったことだ。なぜイギリス映画はこれほど急激に活況を呈するようになったのだろうか。
  1982年にイギリス映画界にとって画期的な出来事が二つ起きている。一つはイギリス映画「炎のランナー」がアカデミー作品賞を受賞したことである。もう一つはテレビ局のチャンネル4が出来たことである。この局は映画制作に力を入れることを念頭に置いて作られた局である。これ以降メジャーな配給会社による映画とチャンネル4によるインディペンデントな小品映画が並行して作られ、少しずつ成功作が生まれてくる。86年の「マイ・ビューティフル・ランドレット」は中でも印象深い作品である。その他にもジェームズ・アイヴォリーの文芸映画、デレク・ジャーマン、ピータ・グリーナウェイのアート系映画などが次々に生まれた。「インドへの道」や「ミッション」などの大作も作られた。こうしてデビッド・リーンやキャロル・リードといった巨匠が活躍した時代から、怒れる若者たちの時代60年代を経てその下降線をたどり、低迷の70年代を送ったイギリス映画界は、80年代の回復期を経て、90年代に入りついに復活し、イギリス映画は再び黄金時代を迎えたのである。1989年には30本しか製作されなかったのが、90年代前半には50本以上になり(92年は47本、93年は69本、95年は78本)、96年128本、97年112本と、96年以降は年間100本以上のイギリス映画が製作されているのである。このような好調の背景には、映画制作にかかわる事情の変化が関係している。前述したチャンネル4と公共放送のBBCが車の両輪となり、映画制作を支えている。他にもグラナダ・テレビとITCなどのテレビが劇映画を製作している。また、宝くじの売上金を映画制作に融資する制度も映画製作本数の増加に大きく貢献している。また、ブレア首相率いる労働党内閣も映画振興政策に力を入れている。ブレア首相は初めて映画担当大臣を置き、映画制作の資金調達と若手映画人育成に力を入れだした。制作費1500万ポンド以下の作品を非課税扱いとした。
  さらに、イギリスという国家がイングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの4つの地域からなっていることを考えたとき重要なのは、これらの影響がイングランド以外の地域にも及んでいるということである。90年代以前はイングランド以外の地域ではほとんど映画の製作は行われていなかった。しかし90年代に入り、スコットランドでは宝くじ収益金のほかに、短編映画の助成金、グラスゴー映画基金、スコティッシュ・スクリーンなどの映画機関の援助が得られるようになった。ウェールズでは82年にウェールズ第4言語テレビチャンネルが設立され、宝くじ基金やウェールズ・アーツ・カウンシルなどの助成金制度などとあわせて映画制作やウェールズ国際映画祭などを支えている。北アイルランドでも、90年代に北アイルランド・フィルム・カウンシルが設立され、宝くじ基金とBBC北アイルランドと共に映画制作を援助している。こういったことがすべてあいまって80~90年代のイギリス映画の好調を支えているのである。
              ゴブリン「80~90年代のイギリス映画:不況の中の人間像」
<参照資料>
小林義正「ケルト圏の最新の映像を集めた意欲的な催しーーケルティック・フィルム・フェ
  ストの上映作品」、『シネ・フロント』No.248
大森さわこ「最近英国映画事情」、『キネマ旬報』No.1274
品田雄吉「イギリス映画の今を探る」、同上

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