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2005年10月 4日 (火)

コッポラ幻の処女作「ディメンシャ13」

1963年 アメリカ 原題:Dementia 13 SD-cut-mo3-17
【スタッフ】
製作:ロジャー・コーマン
脚本:フランシス・コッポラ
監督:フランシス・コッポラ
撮影:スチュアート・オブライエン
【出演】
 ウィリアム・キャンベル、ルアナ・アンダース、バート・パットン
   メアリー・ミッチェル  パトリック・マギー、エスニ・ダン

  全く知らない作品だったが、たまたま中古屋で見つけて買った。「夜歩く男」「都会の牙」と同じ「ハリウッド・クラブ 幻の洋画劇場」シリーズの1本。「幻の・・・」と銘打ったものにろくなものはないが、このシリーズは本物だ。他に「淑女超特急」「ヒズ・ガール・フライデー」「雨」「キートンの蒸気船」「キートンの大学生」など、現在8本所有。「ディメンシャ13」を買った決め手はフランシス・フォード・コッポラ監督の劇場処女作だということ。ジャケット裏に「サスペンス・ホラーの傑作」とあっては買わないわけに行かない。ロジャー・コーマンの製作で、映画のアイデア自体は彼のものである。若いコッポラの才能を見抜き監督に抜擢したそうだ。

  作品の趣としては「レベッカ」と「白い恐怖」を合わせ、それにゴシック・ホラー風の味付けをしたというところか。白黒にしたのは低予算のためだろうが、アイルランドの古城を舞台にしたサスペンス・ホラー作品なので、影を生かしたモノクロ撮影はむしろ効果的だといえる。タイトルの「ディメンシャDementia」とは「狂気、精神異常」のこと。謎解きのキー・ワードとなっている。13の意味は明確ではない。自分なりの解釈はあるが、それを言うとネタばれになる可能性があるので控えておこう。

  この作品、参考にしようと思ってネットで調べてみたが、まともなレビューは一つもない。同じ短い紹介文があちこちで使われているだけだ。しかもそれが間違っている。「アイルランドのとある古城でひとりの娘が殺された。その数十年後、まるで殺された娘の崇りかのように、この古城の住人たちが次々と惨殺されていく…。」まず娘は殺されたわけではない。事件が起こるのは「数十年後」ではなくせいぜい10年後程度。「次々と惨殺」といっても殺されるのは二人だけ。本当にこの映画を見て書いたのか、かなりいい加減だ。

  冒頭、ジョンとその妻ルイーズが小船に乗っている。ジョンは心臓が弱く、漕いでいるうちに発作を起こしてあっけなく死んでしまう。ルイーズは夫を水に沈め、彼の母親宛に偽の手紙を書いてまだ彼が生きていると思わせる。そして何食わぬ顔で夫の母親が住むアイルランドの古城に現れる。そこにはジョンの弟たち、リチャードとビリーもいた。リチャードは婚約者を連れてきていた。実は彼らの下にもうひとり妹のキャリーがいて母親に溺愛されていたのだが、不慮の事故で庭の池でおぼれて死んでしまった。母親はその痛手から立ち直れず、毎年子供たちを集めて末娘キャリーの追悼式を行っていたのである。

oldcast-entr-b1   その古城の佇まいがなんとも不気味である。古城はかつて盛んに書かれたゴシック・ロマンスにも頻繁に舞台として用いられた。普段使っていない部屋が無数にあり、夜ともなれば幽霊でも出そうな雰囲気を自然にかもし出す。古ければ古いほど、隠している古い秘密や代々伝えられてきた一族の暗い歴史が秘められている感じがする。ホラーにはもってこいの舞台、まさに定番である。30年間誰も足を踏み入れていない「開かずの間」などがあったりすればなお良い。古城には血なまぐさい秘密と怨念が染み付いている。そんな気がする。埃をかぶった部屋に置かれたなにやらわけの分からない、いわくありげな彫刻や道具、謎めいた秘密を漂わせる先祖代々の肖像画。ホラー映画の小道具に事欠かない。低予算映画には都合がいい舞台である。城さえ借りれば、小道具を含めて必要なものはそこに揃っているのだから。

  ルイーズが「開かずの間」となっているキャリーの部屋に夜忍び込んで人形を取ってくるあたりはなんとも不気味だ。ルイーズはその人形を池に沈めて時間がたつと水面に浮かび上がらせようとたくらむ。恐らく母親をショック死させようとたくらんでいたのだ。そうすれば遺産が転がり込んでくる。何しろ長男の嫁である。夫のジャックが生きているように見せかけたのはそこに狙いがあったからだ。しかし水にもぐったとき彼女は池の底であるとんでもないものを発見する。その後彼女は忽然と城から姿を消す。

  この城の広大な庭に時々忍び込んで猟をしている近所の男。手には猟銃を持っているが、30年間撃ったことはない。その彼が銃を2発はなった。何かを見つけたのだ。撃った後しばらく様子を伺い、茂みの中に這って分け入ってみるとそこにキャリーが横たわっていた・・・。

  とまあ、こんな感じで展開してゆく。他に登場するのは城の雇い人が2、3人、それとこの家の主治医。いずれもどこか怪しげであるのは言うまでもない。以上に挙げた登場人物の中の一人が探偵役を果たす。やがて追い詰められた犯人の魔の手は次の犠牲者に迫り・・・。

  サスペンスやホラーの常套手段があちこちで使われている。薄暗く複雑に入り組んだ城の、何が出てくるか分からない雰囲気は秀逸だが、観客をドキッとさせる手法は常套的で今ひとつ効果的ではない。犯人も明かされる前に見当がついてしまう。しかしカット割りや効果音の使い方はなかなかのもので、処女作としては上出来だといえよう。傑作「ゴッドファーザー」(1972年)が生まれるのはこの9年後である。

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