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2005年8月28日 (日)

モディリアーニ 真実の愛

【製作年度】2004年
【製作国】英仏米伊独ルーマニア
【スタッフ】
 脚本:ミック・デイヴィス  
 監督:ミック・デイヴィス  
 音楽:ガイ・ファーレイ  
 撮影:エマニュエル・カドッシュ
【出演】
 アンディ・ガルシア、エルザ・ジルベルスタイン、オミッド・ジャリリ
 エヴァ・ヘルツィゴヴァ 、ウド・キア、イポリット・ジラルド、スージー・エイミー

 久々に映画館で映画を見た。それも日比谷のシャンテ・シネ3で。1時30分の回は長蛇の列が出来ていたので回避し、4時15分の回の切符を買う。座席指定になっていた。前からそうだったっけ?最後にシャンテ・シネに入ったのはもう10数年前だから覚えていない。

 それはともかく、映画の出来は今ひとつだった。はっきり言ってジャック・ベッケルの「モンパルナスの灯」より数段劣る。事実をかなり無視した作り物のドラマ構成が興醒めだ。病死ではなく暴漢に殴り殺されたり、ピカソと芝居気たっぷりに張り合ったり、劇的に盛り上げようとすればするほど、ハリウッド的演出の薄っぺらさが目立ってしまう。芸術家としての悩みはほとんど描かれず、ただ単に酒におぼれた破滅型の人物としてきわめてステレオタイプ的に描かれる。だいたいアンディ・ガルシアは画家に見えない。イタリア系とはいえモディリアーニがあんな派手な振る舞いをするだろうか?特に前半はドラマ展開がもたつき退屈だった。

 当時のエコール・ド・パリの雰囲気もよく出ているとは言えない。画家たちがみんなそれらしく見えない。ピカソは本当にあんな感じだったのか。ジャン・コクトーもピカソの腰巾着のようだ。モディリアーニがユダヤ系で、そのためにジャンヌの父が彼との結婚を激しく拒絶するエピソードも出てくるが、これも単なるエピソード以上の扱いを受けていない。モディリアーニの内面の葛藤が全くといっていいほど描かれていないからだ。ただ外面的に酒におぼれたり、麻薬に耽ったりする様子を描いているだけだ。

 ただ美術コンテストにそれぞれの画家が挑むあたりからは俄然盛り上がってくる。モディリアーニ、ピカソ、ユトリロ、キスリング、ディエゴ・リベラなどの製作過程が入り乱れるようにしてカットバックでつながれてゆく。軽快な音楽(「アヴェ・マリア」という曲らしい)に乗って、それぞれの画家がそれぞれの題材に向かい合う様子がテンポよく流れてゆく。この一続きの場面は秀逸だ。そしてコンペの当日最後に覆いがとられるモディリアーニが描いた絵、ジャンヌをモデルにした絵が素晴らしい。目に青い瞳が入れられている。その絵を見てピカソが思わず拍手をするが、確かにこの絵はインパクトがあった。実際の作品には瞳が描かれてはいないのだが、「君の魂が見えたら、その瞳を描こう」というせりふが前に伏線として張られていたために効果は抜群だ。

 しかし素晴らしいのはそこまで。その後はただのお涙頂戴に堕してしまう。結婚証明書をようやく手に入れ、コンテスト会場に向かう途中モディリアーニは暴漢に襲われる。血だらけでジャンヌの元に転がり込んだ彼は、破れた証明書を彼女に手渡す。いかにも受け狙いの安っぽい演出。このように全体にハリウッド調演出が興をそいでいる。6カ国が共同で製作しているのだから、もっとヨーロッパ調の作りに出来たはずだ。ピアフの「バラ色の人生」などがうまく使われていて、音楽の使い方には感心するところもあるが、如何せんドラマが薄っぺらでは全体としてみれば平板な出来だと言わざるを得ない。

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映画」カテゴリの記事

コメント

 晴薫さん リンクしていただきありがとうございます。 「雨の日の日曜日は・・・」は「輝け!相互リンク第1号」です。これからもどうぞよろしく。

「お気に入りブログ」にリンクして戴きありがとうございます。
私のブログの方にもリンク張らせて戴きます。

私のリンクにはゴブリンさんのように、紹介コメントがありませんが、勘弁して下さいね。

絵もお好きなんですね。
私も好きです。
モディリアーニ、イイですよね。
簡単な美術史をまとめた記事があるのですが、TBさせて戴きますね。

それから銀の森のゴブリンという名前も素敵だと思います。
俺のより良いなぁ(笑

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9月7日(水)TOHOシネマズ岐阜にて モディリアーニの画といえば、私が一番先に思い出すのは『おさげ髪の少女』。なぜなら、名古屋市美術館に常設している作品ので、本物を何度か見たことがあるからだ。独特な画風で、優しい色使い。他の作品を見ても、そこに描かれている....... [続きを読む]

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