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2020年6月28日 (日)

これから観たい&おすすめ映画・BD(20年7月)

【新作映画】公開日
6月5日
 「燕 Yan」(今村圭佑監督、日本)
 「ルース・エドガー」(ジュリアス・オナー監督、アメリカ)
6月12日
 「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」(グレタ・ガーウィグ監督、アメリカ)
6月20日
 「ドヴラートフ レニングラードの作家たち」(アレクセイ・ゲルマンJr監督、ロシア)
 「はちどり」(キム・ボラ家督、韓国・アメリカ)
6月26日
 「ワイルド・ローズ」(トム・ハーパー監督、イギリス)
7月3日
 「レイニデイ・イン・ニューヨーク」(ウディ・アレン監督、アメリカ)
 「MOTHER マザー」(大森立嗣監督、日本)
 「のぼる小寺さん」(古厨智之監督、日本)
7月10日
 「グッド・ワイフ」(アレハンドラ・マルケス・アベヤ監督、メキシコ)
 「バルーン 奇跡の脱出飛行」(ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ監督、ドイツ)
7月11日
 「プラネティスト」(豊田利晃監督、日本)
7月17日
 「悪人伝」(イ・ウォンテ監督、韓国)
 「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」(フランソワ・オゾン監督、フランス)
 「リトル・ジョー」(ジェシカ・ハウスナー監督、オーストリア・英・独)
7月18日
 「誰がハマーショルドを殺したか」(マッツ・ブリュガー監督、デンマーク・ノルウェー、他)
7月24日
 「追龍」(バリー・ウォン監督、中国・香港)

【新作DVD・BD】レンタル開始日
6月24日
 「ひとよ」(白石和彌監督、日本)
6月26日
 「読まれなかった小説」(ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督、トルコ・仏・独・ブルガリア・他)
7月3日
 「エクストリーム・ジョブ」(イ・ビョンホン監督、韓国)
 「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」(レジス・ロワンサル監督、仏・ベルギー)
 「グリンゴ/最強の悪運男」(ナッシュ・エドガートン監督、米・メキシコ・豪)
 「荒野の誓い」(スコット・クーパー監督、アメリカ)
 「だれもが愛しいチャンピオン」(ハビエル・フェセル監督、スペイン)
 「トスカーナの幸せレシピ」(フランチェスコ・フラスキ監督、イタリア)
 「ハスラーズ」(ローリーン・スカファリア監督、アメリカ)
 「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督、韓国)
 「野生の呼び声」(クリス・サンダース監督、アメリカ)
 「フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて」(クリス・フォギン監督、英)
 「マイ・フーリッシュ・ハート」(ロルフ・ヴァン・アイク監督、オランダ)
 「幼い依頼人」(チャン・ギュソン監督、韓国)
 「幸福路のチー」(ソン・シンイン監督、台湾)
7月8日
 「キャッツ」(トム・フーバー監督、英・米)
 「私の知らないわたしの素顔」(サフィー・ネブー監督、フランス)
 「男はつらいよ お帰り 寅さん」(山田洋次監督、日本)
 「mellow メロウ」(今泉力哉監督、日本)
7月10日
 「ブレッドウィナー」(ノラ・トゥーミー監督、アイルランド・カナダ・ルクセンブルク)
7月15日
 「iー新聞記者ドキュメント」(森達也監督、日本)
 「ラストレター」(岩井俊二監督、日本)
7月22日
 「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」(ライアン・ジョンソン監督、アメリカ)
8月5日
 「1917 命をかけた伝令」(サム・メンデス監督、イギリス・アメリカ)
 「ザ・ピーナツバター・ファルコン」(タイラー・ニルソン、他、監督、アメリカ)
 「スキャンダル」(ジェイ・ローチ監督、アメリカ)
 「ダンサー そして私たちは踊った」(レヴァン・アキン監督、スウェーデン・仏・他)
 「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」(クラウス・ハロ監督、フィンランド)
 「影裏」(大友啓史監督、日本)
 「静かな雨」(中川龍太郎監督、日本)
 「his」(今泉力哉監督、日本)
8月19日
 「ヲタクに恋は難しい」(福田雄一監督、日本)

【旧作DVD・BD】発売日
6月26日
 「オリヴィエ・アサイヤス監督 Blu-ray セット」(94,96, 98、フランス)
  収録作品:「冷たい水」「イルマ・ヴェップ」「8月の終わり、9月の初め」
 「忘れられた人々」(1950、ルイス・ブニュエル監督、メキシコ)
7月3日
 「グエムル 漢江の怪物」(2006、ポン・ジュノ監督、韓国)
7月22日
 「ブルース・ブラザーズ」(1980、ジョン・ランディス監督、アメリカ)
 「ポン・ジュノ傑作選 Blu-ray BOX」(00-09、ポン・ジュノ監督、韓国)
  収録作品:「ほえる犬は噛まない」「殺人の記憶」「母なる証明」
7月31日
 「アニエス・ヴァルダ作品集―映画の自画像」(54, 75, 19、アニエス・ヴァルダ監督、仏)
  収録作品:「ラ・ポワント・クールト」「ダゲール街の人々」「アニエスによるヴァルダ」、他

*色がついているのは特に注目している作品です。

 

 

2020年6月 2日 (火)

ゴブリンのこれがおすすめ49 写真集

【ゴブリンのお気に入り写真集】

アフロ『世界の天空の城』(青幻舎、2016年)
岩下哲典、塚越俊志『レンズが撮らえた幕末の日本』(山川出版社、2011年)
内山りゅう『水の名前』(平凡社、2007年)
及川さえ子編『ここだけは行ってみたい 秘境を巡る景色』(東京印書館、2007年)
木村聡『赤線跡を歩く』(ちくま文庫、2002年)
木村ゆり『Saudade』(幻冬舎、2019年)
栗田貞多男『信州百水』(信濃毎日新聞社、2001年)
小荒井実『しぶき氷の世界』(歴史春秋出版、1999年)
佐藤健寿『奇界遺産』(エクスナレッジ、2010年)
佐藤秀明『川物語』(本の雑誌社、2003年)
佐藤秀明『路地の記憶』(小学館、2008年)
世界の絶景調査委員会『地球とは思えない世界の絶景』(宝島社、2015年)
竹下育男『月の夜に』(小学館文庫、1999年)
武田雄二『英国木造建築の美』(グラフィック社、1994年)
千房雅美『世界の路地裏100』(ピエ・ブックス、2005年)
辻丸純一『ビアトリクス・ポターが残した風景』(メディアファクトリー、2010年)
野村哲也『パタゴニアを行く』(中公新書、2011年)
野村哲也『パタゴニア』(風媒社、2010年)
野村哲也『悠久のとき』(中日新聞社、2002年)
野呂希一『文字の風景』(青青社、1999年)
野呂希一、荒井和生『心の風景』(青青社、2001年)
野呂希一、荒井和生『続 言葉の風景』(青青社、2002年)
藤田治彦『ナショナル・トラストの国 イギリスの自然と文化』(淡交社、平成6年)
平野 暉雄『日本の名景 橋』(光村推古書院、2000年)
平野 暉雄『橋を見に行こう』(自由国民社、2007年)
星野道夫『アークティック・オデッセイ』(新潮社、1994年)
星野道夫『新装版 Alaska 風のような物語』(小学館、2010年)
星野道夫『長い旅の途上』(文芸春秋、2003年)
星野道夫『森と氷河と鯨』(世界文化社、2006年)
星野道夫『悠久の時を旅する』(クレヴィス、2012年)
藤田洋三『世間遺産放浪記』(石風社、2007年)
藤田洋三『世間遺産放浪記 俗世間編、』(石風社、2011年)
前沢淑子『前沢淑子写真集 イタリア・くらしのうた』(本の泉社、2018年)
前田真三・前田晃『二人の丘』(講談社、2007年)
増田正『英国のカントリーサイド』(集英社、1997年)
水谷章人『信濃路』(日本写真企画、2016年)
水野克比古『京都雪景色』(光村推古書院、平成25年)
八木沢高明『フクシマ2011、沈黙の春』(新日本出版社、2011年)
山田哲司『天空の軌跡(光村推古書院、平成24年)
吉村和敏『MAGIC HOUR』(小学館、2010年)
WANDERLUST編『世界のさんぽ道』(光文社、2019年)
『いつかは行きたい美しい場所100』(日経ナショナル・ジオグラフィック社、2013年)
『かさねいろ 風景にみる日本人の心』(求龍堂、2009年)
『世界でいちばん素敵な夜空の教室』(三才ブックス、2016年)
『地球一周 空の旅』(パイ インターナショナル、2011年)
『地球 不思議の旅』(パイ インターナショナル、2012年)
『地平線』(パイ インターナショナル、2011年)
『日本の美しい秘境』パイ インターナショナル、2018年)
『日本の自然風景 50人の写真家たち』(日本カメラ社、平成23年)
『別冊太陽 土門拳 鬼が撮った日本』(平凡社、2009年)
『別冊太陽 木村伊兵衛 人間を写しとった写真家』(平凡社、2011年)
『別冊歴史読本 異国人の見た幕末明治JAPAN』(新人物往来社、平成15年)
クレマン・シェルー『アンリ・カルティエ=ブレッソン20世紀最大の写真家』(創元社、2009年)
スーザン・ヒル『シェイクスピア・カントリー』(南雲堂、2001年)
ソール・ライター『ソール・ライターのすべて』(青幻社、2018年)
ベルンハルト・M. シュミッド『道のむこう』(ピエ・ブックス、2002年)
ベルンハルト・M. シュミッド『道のかなた』(ピエ・ブックス、2006年)
ベルンハルト・M. シュミッド『世界の橋』(ピエ・ブックス、2006年)
ユージン・スミス『ユージン・スミス写真集』(クレヴィス、2017年)
ロバート・キャパ『ロバート・キャパ スペイン内戦』(岩波書店、2000年)
ロバート・キャパ『ロバート・キャパ 決定版』(ファイドン、2004年)
ロバート・キャパ『ロバート・キャパ 時代の目撃者』(岩波書店、1997年)
ロバート・キャパ『ロバート・キャパ写真集 訳・解説沢木耕太郎』(文芸春秋、1992年)
ロバート・キャパ『ロバート・キャパ写真集 [戦争・平和・子どもたち] 』(JICC出版局、1991年)
サンニ・セッポ、他『フィンランド・森の精霊と旅をする』(プロダクション・エイシア、2010年)
Alfred Stieglitz, Camera Work (TASCHEN, 2018)
Shaen Adey, Jane Burton Taylo, OUTBACK Australia (New Holland, 1998)
Sigrugeir Sigrujönsson, LOST IN ICELAND (FORLAGID, 2002)

■ベルンハルト・M. シュミッド『道のむこう』(ピエ・ブックス、2002年)
1冊目に取り上げるにふさわしい写真集を選びました。風景の見方に関して目を開いてくれた写真集です。タイトルは『道のむこう』。ベルンハルト・M・シュミッドという写真家が撮った道の写真集です。この人は道ばかりを撮った写真集を何冊も出しています。この『道の向こう』という写真集は非常に啓発的で、これに刺激を受けて「道の向こうに何があるか」というエッセイを書いてしまったほどです。もう1冊同じ出版社から出ている『道のかなた』も持っています。この人は橋フェチでもあるようで、下で紹介するように橋の写真集も出しています。
 彼の写真集に刺激を受けて自分でも時々道の写真を撮ってみるのですが、納得のゆく写真はまだ1枚も撮れていません。理由は簡単。日本では北海道にでも行かなければ遠くまで続く道の写真など撮れないからです。山に囲まれた信州ではまず見晴らしのいい道など望めませんし、電線や看板などが写らない道の写真を撮るなどほとんど不可能だからです。

■『地球一周 空の旅』(パイ インターナショナル、2011年)
 世の中にはいろんな写真集がありますが、この写真集がとりわけユニークなのは何とすべて空撮で撮った写真だということ。この写真集を発見した時は、ガツンと殴られたような衝撃を受けました。そういう発想は全く思いつきもしなかった。
 世の写真家は戦場であれ、人跡まれな秘境であれ、まずは自分の足で踏み入れて、その場に立って写真を撮る。そうするものだと思い込んでいた。なるほど空から撮るのか。写真の重要な要素の一つはアングルだと思いますが、空から見降ろして撮れば人間の目の高さから撮るのとは全く違う映像が撮れるはずです。目からうろこの写真集です。ドローンという言葉が耳になじむようになったのは2016年ごろからだと思いますが、それ以降空撮映像は良く観るようになりましたが、写真集となると今でもさすがに珍しい。
 表紙は有名なモン・サン=ミシェルの写真です。見慣れた景観ですが、なかなか上から見た写真にはお目にかからない。いつもと違う角度から見るといろんなことが分かります。なるほど、こんな風になっていたのかと感心することしきり。
 そのほか同じような建物が視界いっぱい立ち並ぶ都市空間や色違いの花が幾何学状に植えられたオランダの花畑など、空からでないとその全容が分からないようなものがこれでもかと載っています。中国の羅平にある光景はそのページを開けた時しばし目を疑いました。こんな風景が本当にあるのか?一面の菜の花畑が広がる黄色い大地のあちこちにコーンのような円錐形の山が点在している。何とここはカルスト地形なのだそうです。そうか、それであんな形の山が、と頭では納得しても、まるでおとぎの国のような感覚は消えません。もう20年以上前になるだろうか、中国のある地域に初めてNHKのテレビキャメラが入って、山水画に出てくるようなあのとがったごつごつした山々が映像で映し出された時には驚嘆したものです。水墨画の世界は実在したのか!しかしまあ中国は奥深い。まだまだアッと驚くような地域があるに違いない。この写真集を見てそう思いました。

■スーザン・ヒル著『シェイクスピア・カントリー』(南雲堂、2001年)
 これは純粋な写真集というよりは写真と文章がコラボレーションしている本です。シェイクスピア・カントリーを紹介しているのはイギリスの有名な女性作家スーザン・ヒル。彼女の本は数冊持っていますが、今のところ読んだのはこの1冊だけです。
 この本の魅力は数々のすばらしい写真が見られるだけではなく、シェイクスピア・カントリーの近くで育ったスーザン・ヒルのその地域に対する思いが込められた文章が読める事です。大判の本で文章の量も相当ありますが、面倒なら写真を眺めるだけでも十分楽しめます。
 ストラットフォード・アポン・エイヴォン、チッピング・キャムデン、ケニルワース、ウォリックなどシェイクスピアゆかりの様々な地域、その地域の自然やお城やお屋敷、そして街並みなどが取り上げられています。日本でも有名になった「世界で一番美しい村」コツウォルズもシェイクスピア・カントリーの一部ですから当然言及されています。
 この地方の紀行文はたくさん出ていますが、これほど豊富な写真が付けられているものはありません。しかも大判の本ですから写真の迫力が違う。イギリスやシェイクスピアに関心のある方は、いやない方でも、ぜひご覧になってください。

■武田雄二『英国木造建築の美』(グラフィック社、1994年)
■辻丸純一『ビアトリクス・ポターが残した風景』(メディアファクトリー、2010年)
■藤田治彦『ナショナル・トラストの国 イギリスの自然と文化』(淡交社、平成6年)
■増田正『英国のカントリーサイド』(集英社、1997年)
 僕はイギリスを紹介する月刊誌『mr partner』(株式会社ミスターパートナー発行)を定期購読しています。なかなか時間がなくてじっくり眺める機会がないのですが、いつか仕事を辞めたらたまりたまった本や雑誌をのんびり読みふけってみたいと思っています。その点文章が少ないのでさっと見られるのが写真集である。スーザン・ヒルの『シェイクスピア・カントリー』を紹介したついでに、イギリス関連の写真集をまとめて紹介しておきましょう。
 国土の7割が森林におおわれている日本と違って、同じ島国でもイギリスは森林が国土の1割程度しかありません。高い山もなくイギリス最高峰のベン・ネビスの標高は1,334mにすぎないのです。テムズ川は全長346キロもあり、日本なら信濃川についで2番目に長い川にあたります。しかし水源の標高は驚くなかれわずか110メートルしかない!オックスフォード高地をゆったりと流れるこの川を見れば、いかにイギリスがなだらかな地形の国かわかる。
 したがってイギリスの田園風景とはほとんど森林のない小高い草原がうねうねと続いている風景なのです。そこにはパブリック・フットパスと呼ばれる遊歩道が何本も張り巡らされ、大地主が所有する他人の土地ながら歴史的に獲得した「通行権」によって誰でも散歩ができるのです。高い山も木もなく、なだらかな草原が続くイギリスの田園地帯は見晴らしがよく、実に美しい。イギリスはまた水路が発達した国です。産業革命がおこり世界最初の工業国家となったイギリスは、製品を運ぶために水路を張り巡らした。なだらかな丘ばかりだから舟で物を運ぶのは陸路より楽なのです。そしてこれまたイギリスで発達したナショナル・トラストにより、歴史的な建物や景観を買い取り開発から守ることも連綿と続けられてきました。
 イギリスの田舎はまた建物が美しい。『英国木造建築の美』や『英国のカントリーサイド』にたくさん写し出されているハーフ・ティンバーという建築様式が独特の美しさを醸し出している。建物の壁を白一色に塗りつぶしてしまうのではなく、わざと木材(ティンバー)を壁から浮き出させ、それが独特の模様を形作るのである。壁に半分しか埋め込まないのでハーフ・ティンバーと言うわけです。日本の古民家でも時々見かけます。茅葺の屋根が残っている建物も結構あります。80年代に首相を務めたイギリス最初の女性首相サッチャー首相の、「サッチャー」という名は屋根ふき職人のことです。茅のことをthatchというのです。茅葺屋根は冬暖かく夏涼しい屋根です。
 ナショナル・トラストが守ってきた景観遺産がいかに美しいものであるかは『ビアトリクス・ポターが残した風景』を見ればわかります。ビアトリクス・ポターゆかりの湖水地方が取り上げられていますが、ビアトリクス・ポター自身がナショナル・トラストの創立者の一人なのです。

■内山りゅう『水の名前』(平凡社、2007年)
 『水の名前』。写真集にしては変わったタイトルですが、内容もなかなかユニークです。池、川、湖、海、田んぼ、湧水、水滴、金魚鉢など水に関わる様々な題材を取り上げている写真集です。水中写真も多用されています。
 しかし真にユニークなのはそれぞれのページに付けられた小見出しです。「雨水」、「川遊び」、「秋の川」といった一般的なものだけではなく、「小濁り」、「花筏」、「水桜見」、「水中林」、「水影」、「水烟る」、「花の雨」、「水毬」などといった素晴らしい響きの言葉を次々に生み出す感覚がすごい。それぞれのページに付けられたエッセイのような文も良い。写真の美しさだけではなく、言葉の響きの美しさにも魅了される写真集です。

■星野道夫『新装版 Alaska 風のような物語』(小学館、2010年)
 一時期星野道夫の本を夢中になって読み漁った時期がありました。何冊も読んでいると、結構同じ話を何度も語り直していることに気付きますが、それでも飽きる事はありませんでした。
 それまでアラスカの紀行文というと野田知佑の『ユーコン漂流』、『ゆらゆらとユーコン』、『北極海へ』などしか読んだことはありませんでした。そういえば、野田知佑と椎名誠も一時期読みふけったものです。ただ野田知佑の場合はカヌーによる川下りの話ですので、ユーコン川やマッケンジー川の話に限られていました。また川が凍結していない時期の話に限られていたわけです。
 それに対して星野道夫はアラスカに住みつき、誰もいない厳冬の原野に一人で数カ月も過ごして写真を撮るなどということもしていたわけです。彼の文章は時に詩的な響きを帯びます。感性の鋭さが彼の文章の魅力です。しかしなんといっても彼の本の魅力はその写真の素晴らしさです。およそ日本の日常生活とは程遠い世界が放つ光、その壮大さと躍動感、野生動物の素顔、等々。原野に分け入らなければ決して撮れない写真。その魅力は圧倒的でした。時に詩的な響きを帯びる文章と圧倒的な迫力の写真、星野道夫の本の魅力はこの二つが結び付いた魅力です。
 文章に限って言えば、『長い旅の途上』が一番好きです。最初に読んだ星野道夫の本だからということもあるでしょう。彼の本の中で一番多く線を引いた本です。他の本を読んでいると繰り返しが多いので、前に読んだことがあるエピソードは当然線を引きません。『長い旅の途上』は遺稿集として編集されたもので、単行本未収録の文章を可能な限り収録したものであるから、結果的に網羅的になったのかもしれない。星野道夫という人物の関心のあり方や考え方が一番良く分かる本だと思います。そうそう、タイトルもまたいいのです。アラスカという土地とそこに住む人々と動物の生活を文章に刻み、写真に記録することをライフワークと考えていたであろう彼の本にふさわしいタイトルだと思うからです。
 ただ残念なことは、僕が持っている星野道夫の本は文庫本が多いため、どうしても写真が小さくなってしまうことです。「ブックオフ」で大量に買い込んだのがたまたま文庫本だったのです。単行本は『長い旅の途上』など2、3冊しかありません。写真集にふさわしい大型本は1冊もありませんでした。写真集『星野道夫の宇宙』(朝日新聞社)を手に入れたいのですが、アマゾンでも見つかりません。
 それが先日、文庫で持っていた『アラスカ 風のような物語』の新装版が出ていることに気付きました。さっそくアマゾンで入手しました。ぱらぱらとめくってみると、掲載されている写真が文庫版とだいぶ違うことに気付きます。一部同じ写真もありますが、ほとんどは文庫版と違う写真です。どのような事情で写真を入れ替えたのかは分かりません。単行本から文庫本になる時小さいサイズの写真を多めに入れたのを、新装版にする時に元の単行本の写真に戻したということなのか。ただ大型本になった新装版には、文庫本には収めにくいスケールの 大きい写真が増えていることは確かです。いずれにしても、星野道夫が撮った写真は膨大な数だったということはできるでしょう。これだけ入れ替えが可能なのですから。

■星野道夫『アークティック・オデッセイ』(新潮社、1994年)
 『新装版 Alaska 風のような物語』を手に入れた直後に、『アークティック・オデッセイ』も入手しました。こちらは本格的な写真集で、文章はあまり付いていません。ホッキョクグマ、カリブー、クジラ、オオカミ、オーロラや氷河など、素晴らしい写真がぎっしり詰め込まれています。一家に一冊置いておきたい大型写真集です。

■ロバート・キャパ『ロバート・キャパ スペイン内戦』(岩波書店、2000年)
 あのあまりにも有名な写真、頭部を撃ち抜かれ倒れる瞬間の人民戦線兵士を撮った「崩れ落ちる兵士」が収録されていますが、それは収録されたたくさんの写真の中の1枚にすぎない。それほどキャパが取材したスペイン内戦の初集大成版には素晴らしい写真があふれています。
 戦場の緊迫した様子が収められた写真もいいのですが、何と言っても僕は人物を撮った写真に心を引かれる。写真集の扉におさめられた10歳前後と思われる銃を背負った少年、おどけた表情で笑いかけている若い兵士、何かを食い入る様に見つめている兵士たち、固い決意でじっと前を見つめる兵士、茫然とした顔で瓦礫の中にたたずむ女性、子供を抱きかかえ不安そうに前を見つめる若い母親、銃を背負い頭にスカーフを巻きつけたひげ面の兵士、満面に笑みをたたえたベレー帽の兵士、荷物を両手いっぱいに抱え疲れた表情で道を行く初老の女性、顔に深いしわを刻んだゴマ塩ひげの老兵、道端に座り込み暗い表情でじっと前を見つめる初老の女性、チェロ(?)と弓を両手に持ってまるで泣き出しそうな、深い悲しみをたたえた顔でこちらを見つける男性、等々。
 どれも忘れ難い顔です。これらに匹敵する写真を僕は生涯に1枚でも撮れるのだろうか。スナップ写真を除けば、ほとんど人物写真など撮ったことがない僕としてはそう思わざるを得ない。これらの写真はそれぞれの人物の肖像写真であると同時に、また時代の肖像でもあった。その時代のその場所に生きた人々。どれだけの人が内戦を生き延びたのだろうか。たとえ内戦時代を生き延びても、その後長く続いたフランコの独裁時代を生き延びられたのか。そんなことを想像せずにこれらの写真を見る事は出来ない。個々の人物を映しながら、その時代と時代の雰囲気(緊張感、強い決意と意思、不安、哀しみ、希望、怒り、喪失感などが入り混じった時代の空気)をも写し取る。天才的カメラマンの目はかくも鋭い。

■野村哲也『パタゴニアを行く―世界でもっとも美しい大地』(中公新書、2011年)
 パタゴニアというとまず思い出すのは岩波新書で出ていた『パタゴニア探検記』という本。日本・チリ合同パタゴニア探検隊が処女峰アレナーレスに登頂した時の記録です。高校生か大学生の頃(70年代の前半)読んだものなので、もう50年近く前のことになります。
 実に面白い本でした。著者の高木正孝は元南極越冬隊の隊長だった人だという記憶があります。それまで人が入ったことがない土地に分け入ると、どんなに寒くても決して風邪を引かないということをこの本を読んで初めて知りました。ウイルスがいないからです。
 日本人隊員とチリ人隊員の習慣などの違いによる行き違いや反感なども面白かった。ある時とうとう我慢が出来なくなって、すぐ近くの見える所で大便をするのはやめてくれと日本人隊員が言うと、チリ人隊員がそれじゃあお前達も人前で鼻くそをほじるのはやめてほしいと言ったというエピソード。失礼にあたること、不愉快に感じる事が国によって違うことが良く分かった。
 閑話休題、『パタゴニアを行く』は写真をふんだんに載せた紀行文としては珍しい新書版です。この本を買ったきっかけは、タイトルにパタゴニアが入っていたからです。この本を読んで感じたことは、著者の野村哲也という人は第二の星野道夫になる素質があるということです。野村哲也も時々パタゴニアを訪れて写真を撮るというのではなく、変化に富んだ自然に魅せられてそこに住みこんでしまった。アラスカ、アンデス、南極などの辺境の地に惹かれていること、自然と人々の中に飛び込んで行こうとする情熱などに共通点を感じました。
 僕は本を読んで線を引いた部分をパソコンに書き写して、必要な時に引用するのに利用しています。この本から書き写した文章を一部以下に載せておきましょう。この著者が星野道夫と同様、時に文学的な表現を使うということ、人々の言葉を聞きとる耳を持っていることが分かると思います。

 「異国から来た友よ、耳を澄まし、よく聞いておくれ。私たちの足元に広がる大地は、祖先たちの“生命の灰”で作られている。大地は、常に仲間たちの魂で満ちている。大地が人間に属しているのではなく、人間が大地に属しているのだよ。土地の所有権を賭けて人々は争いを起こす。でも最後に人を所有するのは誰だい、大地ではないのかい?誰もがいつかはその下に埋められるのだから」
  マプーチェ族のセルマ婆ちゃんの言葉

 日が完全に落ちると、照り返しが起こり、多様な雲が変幻自在に宙を駆けていく。パタゴニアに長く滞在すると、「雲」は「風」の一部だと実感せずにはいられない。風に吹かれて雲ができ、風がまた雲を消していく。

 インディアンの言い伝えなどがよく人生の指南書のような形で売られています。そういう利用の仕方には疑問を感じますが、土に生きる、あるいは自然に生きる人たちの素朴な言葉には耳を傾けたくなる素晴らしい言葉が多いのは確かです。
 しかしそういう言葉を引き出せるところまで人間関係を作ることはなかなか容易なことではありません。星野道夫にしろ、野村哲也にしろ、そういうことが自然にできているところがすごいと思います。写真にしても、自然はそこまで行けばだれにでも撮れますが、人間を撮るには信頼関係がなければ撮らせてもらえません。撮ったとしても構えた姿しか撮れません。
 自然の中だけではなく自然の中で暮らす人々の中にまで飛び込んで行けるところ、この二人が、そして彼らのみならず一流の写真家と呼ばれる人たちがすごいのはその点だと思います。

■野村哲也『悠久のとき』(中日新聞社、2002年)
 野村哲也の写真集『悠久のとき』も手に入れました。その中に「星の道を継ぐ者」という章があります。そこで野村氏は星野道夫を「師匠」と呼んでいます。師匠と一緒に幾夜も過ごしたとも書いています。上に「野村哲也という人は第二の星野道夫になる素質がある」と書きましたが、この二人は実際に師匠と弟子の 関係だったのですね。
『悠久のとき』は野村哲也の本格的写真集です。写真集として『アークティック・オデッセイ』と比べても全く見劣りしない極めて優れたものです。上で紹介した『パタゴニアを行く』とほとんど写真は重なっていません。しかも大型本ですので、写真の迫力は新書サイズの『パタゴニアを行く』より遥に勝ります。
 とにかく写真がすごい。『アークティック・オデッセイ』がカナダを中心とした北極圏を撮ったのに対し、『パタゴニアを行く』は南極に近いパタゴニアを撮ったものです。同じ極地に近い地域でも、どこか違いがあります。パタゴニアはとにかく山が美しい。パタゴニアには富士山そっくりの山もありますが、荒々しい山容の山が多い。とがった奇岩が山頂にそそり立つ奇っ怪な山。これらの山々の写真を見るだけでも買う価値があります。
 他にも氷河の美しさに魅せられたり、動物の可愛らしさにひかれたり、さまざまな楽しみができる写真集です。日本とは全く違う荒々しい自然が残るパタゴニア。一家に一冊の必需品です。野村哲也には大判写真集『パタゴニア』もあります。こちらも大迫力の写真がびっしりと並ぶ本格的写真集。これも凄いです。

■ベルンハルト M.シュミッド『世界の橋』(ピエ・ブックス、2006年)
■平野 暉雄『日本の名景 橋』(光村推古書院、2000年)
■平野 暉雄『橋を見に行こう』(自由国民社、2007年)
 ゴブリンが写真日記を書き始めたのは浦野川とその川に架かる橋に魅せられたのがきっかけでした。その後しばらくは川と橋の写真を中心に撮っていました。その頃にアマゾンでまとめて買ったのがタイトルの3冊の写真集。日本中、世界中の様々な橋の写真が載っています。
 いやあ素晴らしい。これまで自分が撮った橋の写真などとても及ばない素敵な橋ばかり。やはり遠くまで足を運ばなければいい橋とは出会えません。
 何といっても撮ってみたいのは石橋です。信州にはいい石橋があまりありません。なぜか九州など西の方に多いようです。
 小さな川にかかる風情のある小さな木橋もいい。夕暮れ時に橋と橋を渡る人影をシルエットで撮ってみたい。いろんな橋の写真を見ながら、心は旅先へと飛んでゆきます。

■藤田洋三『世間遺産放浪記』(石風社、2007年)
 これもゴブリンが多大な影響を受けた写真集です。「世界遺産」ではなく「世間遺産」という考え方には大いに共感しました。観光地でもないごく普通の地域にある風景や建物、遺物、石碑などを意識的に撮って来た自分の姿勢に重なるものを感じたからです。
 この写真集にはどこかあか抜けない奇妙奇天烈なものから「う~ん」と感心するものまで、地元の人でもうっかり見落としそうなものがこれでもかと並んでいます。以下にこの本からの引用を二つ紹介しましょう。

 民の手による遺産をめぐるこの放浪記は、無名の人々の営みを寿ぐ(ことほぐ)、パッションとミッションとセッションのレクイエム。誰も気にとめない。誰も語らない。けれども知っている。無名で風土的でプリミティブな「働く建築」たちは、一切の無駄を省いた、機能美のモダニズム。

 「世界遺産」や「近代化遺産」が脚光を浴びる中、社会からはなかなか見向きもされない、これら「世間遺産」たちとの出会いは、筆者自身に強い印象を与えるものばかりでした。長く人の生業(なりわい)やくらしとともにあった、「用の結果の美」としての建築や道具。または庶民の饒舌、世間アートとでも呼びたくなるような不思議な造形の数々…。

 「無名の人々の営み」、「無名で風土的でプリミティブな『働く建築』」、「機能美」、「用の結果の美」、「庶民の饒舌、世間アートとでも呼びたくなるような不思議な造形」、等々。キーワードを拾ってゆくと、著者の視点や姿勢が読み取れてきます。
 「近代化で捨ててきたモノを懐古するのではなく、置き忘れられたモノにひそむ物語を知ることで未来を探るのが、世間遺産の方程式」という言い方もしています。そこにあるのはレトロさを味わいノスタルジーに浸る姿勢ではなく、時代と地域の要請に応じて生まれたもの、ザラザラごわごわした手触りが伝わってくる 「今の時代に生まれないもの」への敬意です。

■佐藤健寿、『奇界遺産』(エクスナレッジ、2010年)
 『世間遺産』の次は『奇界遺産』です。こちらは摩訶不思議で奇妙奇天烈な建造物、人、習慣などを集めた奇怪な写真集です。度肝を抜く奇想、一体何のためにこんなものをと呆れる逸脱ぶり、執念の塊のようなこだわりぶり、ほとんどゲテモノのような偏執ぶり。笑ったり、呆れたり、仰天したり。次はどんなものが、とページをめくるのが楽しみになる。楽しめますよ。

■『地平線』(パイ インターナショナル、2011年)
 信州は山国で、360度どこを見渡しても常に山で視界が遮られている。信州にいる限りまっ平らな地平線を眺めることなど望むべくもない。たまに東京へ行ったりして関東平野に出ると、はるか遠くまで見通せて開放感がある。僕は海岸近くで育ったので、海が見えたりするとホッとする。信州で育った人たちは逆に周りに山がないと不安になるそうだ。
 関東平野に育ちながら信州に住んでいるせいか、『地平線』という写真集を手にとってぱらぱらとめくった瞬間欲しいと思った。最初に紹介したベルンハルト・M.・シュミッドの『道』シリーズ同様、はるか遠くまで見通せる壮大な光景に引き込まれてしまう。
 しかしこの写真集を眺めていると、日本という国がいかにごちゃごちゃと家の建てこんだ狭苦しい国かということを痛感せざるを得ない。また逆に、世界には見渡す限り家一軒なく、人っ子一人見かけない土地がこれほどあるのかと驚く。地平線の遠さ、空の大きさ、日本では北海道でもなければ体験できない開放感をたっぷり味わえる本です。

■Alfred Stieglitz, Camera Work (TASCHEN, 2018)
 スティーグリッツは1980年代に渋谷の松涛美術館で個展が開かれ見に行ったことがあります。渋谷駅から道玄坂をてくてく上っていったのを良く覚えている。今となっては懐かしい思い出です。スティーグリッツに関心を持ったのは、セオドア・ドライサー著『シスター・キャリー』(ウィリアム・ワイラー監督「黄昏」、1951年、の原作)の英語版の表紙写真にスティーグリッツの写真が使われていたから。その写真のすばらしさに魅了され、彼について調べていたら、たまたま松涛美術館で展示会が開かれるのを知ったのです。
 彼の写真集は高くてなかなか手に入らなかったのですが、英語版ならひょっとして安いのもあるかも知れないと思って探したら手ごろな値段で見つかったのがこの写真集。5センチもあろうかと思う分厚い本です。『シスター・キャリー』の表紙に使われた写真も130ページに載っていました。この本に収録されている写真のほとんどはセピア色ですが、『シスター・キャリー』の表紙は白黒で、正直この写真に限っては白黒版の方が良いと思った。写真というより絵画に近いポーズを取っている人物写真が意外に多い。人物写真はほとんどすべてポーズを取っています。写真集の表紙に使われている写真も、まるでルノワールの絵のようでだ。顔だけ大写しにした写真はまさに肖像画。現場に出向いてそこに生きる人々を時代とともに切り取って来たロバート・キャパの写真とはそこが違う。
 スティーグリッツはむしろ絵画のような写真を意識していたようです。戸外で撮った写真もありますが、それもやはり風景画を思わせる写真です。しかしそれでいて印象的な写真も少なくない。その多くは何気ない風景を写し取った写真ですが(『シスター・キャリー』の表紙写真もただ道を走る馬車を撮っただけの写真)、絵画的写真にも忘れがたい写真がいくつもあるのです。写真が絵画の影響下から離れて独自の世界を切り開く前の時代の遺物だと切り捨てられない何かがある。英文の解説もたっぷり付いているので、時間があるときにじっくり味わいたい。

■Shaen Adey, Jane Burton Taylo, OUTBACK Australia (New Holland, 1998)
■Sigrugeir Sigrujönsson, LOST IN ICELAND (FORLAGID, 2002)
 最後に輸入版写真集を紹介したい。まずアイスランド。アイスランドと聞いてまず思い浮かべるのはフリドリック・トール・フリドリクソン監督の映画「春にして君を想う」(1991)。老人二人が老人ホームを脱出して故郷を目指すというロード・ムービーですが、その旅の途中で映し出される景色の寒々とした美しさに目を奪われました。この名作に2000年代に入って2本の傑作が加わりました。一つはベネディクト・エルリングソン監督の「馬々と人間たち」(2013)。何とものんびりした人間と馬たちの生活がほほえましく描かれる。もう1本はグリームル・ハゥコーナルソン監督の「ひつじ村の兄弟」(2015)。こちらは冬のアイスランドの過酷さがリアルに描かれる。
 美しさと過酷さを併せ持つアイスランドの景観。それを余すところなく写し取ったのがLOST IN ICELANDである。これは見かけたらぜひ買うべきだ。横長サイズの版型が一面に広がる荒涼とした、かつ幽玄でもある凄味のある景観にマッチしている。
 一方オーストラリアの内陸部を写したOUTBACK Australiaはひたすら荒涼として過酷な環境を映し出す。延々と続く荒れ地や砂漠地帯。フィリップ・ノイス監督の映画「裸足の1500マイル」(2002) で収容所を脱走したアボリジニの子供たちが故郷まで延々歩いて行ったのはまさにこのアウトバックと呼ばれる荒れ地帯です。しかしアボリジニの子供たちに食料を分け与えたりして親切にしてくれたのはアウトバックに住む、あるいはそこを旅する人たちであった。オーストラリアは有名な白豪主義(White Australia policy)を掲げていましたが、これはオーストラリア版アパルトヘイトである。しかしイギリス帝国主義の流れを汲む優生思想に染まる都市部の偏見に満ちた白人たちと違って、アウトバックに住む人々は先住民のアボリジニとも接する機会が多く、また厳しい自然の中で寄り添って生活してきただけに、同じ白人でも逃亡中のアボリジニの子供たちに対する接し方が違う。写真集の多くは世にも美しい、あるいは奇怪な景観を写そうとしますが、旅行者などほとんど足を踏み入れることのない荒涼としたアウトバックにあえて焦点を当てた写真集を企画した人々に惜しみない称賛を送りたい。

 

2020年6月 1日 (月)

先月観た映画 採点表(2020年4~5月)

「残菊物語」(1939、溝口健二監督、日本)★★★★★
「八月の鯨」(1987、リンゼイ・アンダーソン監督、アメリカ)★★★★★
「アマデウス」(1984、ミロス・フォアマン監督、アメリカ)★★★★★
「ブラック・クランズマン」(2018、スパイク・リー監督、アメリカ)★★★★☆
「人生タクシー」(2015、ジャファル・パナヒ監督、イラン)★★★★☆
「雨に唄えば」(1952、タンリー・ドーネン、ジーン・ケリー監督、アメリカ)★★★★△
「マイ・ブックショップ」(2018、イサベル・コイシェ監督、スペイン・英・独)★★★★△
「半世界」(2018、坂本順治監督、日本)★★★★△
「ガーンジー島の読書会の秘密」(2018、マイク・ニューウェル監督、仏・英)★★★★△
「アカシアの通る道」(2011、パブロ・ジョルジェッリ監督、アルゼンチン・スペイン)★★★★△
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019、クエンティン・タランティーノ監督、米)★★★★
「The Crossing -ザ・クロッシング- Part II」(2015、ジョン・ウー監督、中国)★★★★
「遠い雲」(1955、木下恵介監督、日本)★★★★
「国家が破産する日」(2018、チェ・グクヒ監督、韓国)★★★★
「ポーラー・エクスプレス」(2004、ロバート・ゼメキス監督、アメリカ)★★★★
「ボーダー 二つの世界」(2018、アリ・アッバシ監督、スウェーデン・デンマーク)★★★★
「オンネリとアンネリのおうち」(2014、サーラ・カンテル監督、フィンランド)★★★★▽
「銀座化粧」(1951、成瀬巳喜男監督、日本)★★★★▽
「外人部隊 フォスター少佐の栄光」(1977、ディック・リチャーズ監督、イギリス)★★★☆

主演男優
 5 花柳章太郎「残菊物語」
   F.マーリー・エイブラハム「アマデウス」
   トム・ハルス「アマデウス」
   ブラッド・ピット「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
   レオナルド・ディカプリオ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
   ジョン・デヴィッド・ワシントン「ブラック・クランズマン」
   ジーン・ケリー「雨に唄えば」
   稲垣吾郎「半世界」
 4 ジーン・ハックマン「外人部隊 フォスター少佐の栄光」
   ヘルマン・デ・シルバ「アカシアの通る道」

主演女優
 5 ベティ・デイヴィス「八月の鯨」
   リリアン・ギッシュ「八月の鯨」
   エミリー・モーティマー「マイ・ブックショップ」
   高峰秀子「遠い雲」
   リリー・ジェームズ「ガーンジー島の読書会の秘密」
 4 キム・ヘス「国家が破産する日」

助演男優
 5 ビル・ナイ「マイ・ブックショップ」
   ドナルド・オコナー「雨に唄えば」
 4 金城武「The Crossing -ザ・クロッシング- Part II」
   ヴィンセント・プライス「八月の鯨」
   長谷川博己「半世界」

助演女優
 4 パトリシア・クラークソン「マイ・ブックショップ」
   森赫子「残菊物語」
   デビー・レイノルズ「雨に唄えば」
   ジーン・ヘイゲン「雨に唄えば」

2020年5月27日 (水)

これから観たい&おすすめ映画・BD(20年6月)

【新作映画】公開日
6月5日
 「未成年」(キム・ユンソク監督、韓国)
6月6日
 「お名前はアドルフ?」(セーンケ・ヴォルトマン監督、ドイツ)
6月12日
 「15年後のラブソング」(ジェシー・ベレッツ監督、米・英)
 「今宵、212号室で」(クリストフ・オノレ監督、仏・ベルギー・ルクセンブルク)
 「コリーニ事件」(マルコ・クロイツパイントナー監督、ドイツ)
6月13日
 「アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい」(デニス・ペリー監督、フランス)
6月19日
 「ペイン・アンド・グローリー」(ペドロ・アルモドバル監督、スペイン)
 「サンダーロード」(ジム・カミングス監督、アメリカ)
近日公開
 「鵞鳥湖の夜」(ディアオ・イーナン監督、中国・フランス)
 「君の誕生日」(イ・ジョンオン監督、韓国)
 「その手に触れるまで」(ダルデンヌ兄弟監督、ベルギー・フランス)

【新作DVD・BD】レンタル開始日
5月29日
 「帰れない二人」(ジャ・ジャンクー監督、中国・フランス)
6月3日
 「永遠の門 ゴッホの見た未来」(ジュリアン・シュナーベル監督、英・仏・米)
 「ダウントン・アビー」(マイケル・エングラー監督、英・米)
 「スケアリーストーリーズ怖い本」(アンドレ・ヴレダル監督、アメリカ)
 「ジョジョ・ラビット」(タイカ・ワイティティ監督、アメリカ)
 「グッドライアー 偽りのゲーム」(ビル・コンドン監督、アメリカ)
 「男と女 人生最良の日々」(クロド・ルルーシュ監督、フランス)
 「テルアビブ・オン・ファイア」(サメフ・ソアビ監督、仏・ベルギー・イスラエル・他)
 「残された者-北の極致-」(ジョー・ベナ監督、アイスランド)
 「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」(セバスティアン・レリオ監督、イギリス)
 「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」(ジョナサン・レヴィン監督、米)
 「シライサン」(安達寛高監督、日本)
 「夕陽のあと」(越川道夫監督、日本)
 「わたしは光をにぎっている」(中川龍太郎監督、日本)
 「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」(ディーン・デュボア監督、アメリカ)
 「ROMA / ローマ」(アルフォンソ・キュアロン監督、メキシコ)
 「永遠の門 ゴッホの見た未来」(ジュリアン・シュナーベル監督、英・仏・米)
6月5日
 「ティーンスピリット」(マックス・ミンゲラ監督、英・米)
 「LORO 欲望のイタリア」(パオロ・ソレンティーノ監督、イタリア)
6月10日
 「第三夫人と髪飾り」(アッシュ・メイフェア監督、ベトナム)
 「プロジェクト・グーテンベルク 偽札王」(フェリックス・チョン監督、香港・中国)
 「カツベン」(周防正行監督、日本)
 「ハーレ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」(キャシー・ヤン監督、アメリカ)
 「屍人荘の殺人」(木村ひさし監督、日本)
6月17日
 「家族を想うとき」(ケン・ローチ監督、英・仏・ベルギー映画)
 「黒い司法 0%からの奇跡」(デスティン・ダニエル・クレットン監督、アメリカ)
 「屍人荘の殺人」(木村ひさし監督、日本)
 「デニス・ホッパー/狂気の旅路」(ニック・エベリング監督、アメリカ)
 「プロジェクト・グーテンベルク 偽札王」(フェリックス・チョン監督、香港・中国)
6月24日
 「幸福路のチー」(ソン・シンイン監督、台湾)
7月3日
 「エクストリーム・ジョブ」(イ・ビョンホン監督、韓国)
 「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」(レジス・ロワンサル監督、仏・ベルギー)
 「グリンゴ/最強の悪運男」(ナッシュ・エドガートン監督、米・メキシコ・豪)
 「荒野の誓い」(スコット・クーパー監督、アメリカ)
 「だれもが愛しいチャンピオン」(ハビエル・フェセル監督、スペイン)
 「トスカーナの幸せレシピ」(フランチェスコ・フラスキ監督、イタリア)
 「ハスラーズ」(ローリーン・スカファリア監督、アメリカ)
7月8日
 「キャッツ」(トム・フーバー監督、英・米)
 「私の知らないわたしの素顔」(サフィー・ネブー監督、フランス)
 「男はつらいよ お帰り 寅さん」(山田洋次監督、日本)
 「mellow メロウ」(今泉力哉監督、日本)
7月10日
 「ブレッドウィナー」(ノラ・トゥーミー監督、アイルランド・カナダ・ルクセンブルク)
7月15日
 「iー新聞記者ドキュメント」(森達也監督、日本)
 「ラストレター」(岩井俊二監督、日本)

【旧作DVD・BD】発売日
5月29日
 「カール・Th・ドライヤー~聖なる映画作家~」(43、54、64、デンマーク)
  収録作品:「怒りの日」「奇蹟」「ゲアトルーズ」
 「暗黒街の弾痕」(37、フリツッツ・ラング監督、アメリカ)
 「ケス」(69、ケン・ローチ監督、イギリス)
 「ストレイト・ストーリー」(99、デヴィッド・リンチ監督、アメリカ)
6月5日
 「地獄の黙示録 ファイナル・カット」(1979、フランシス・フォード・コッポラ監督)
6月17日
 「驟雨」(56、成瀬巳喜男監督)

 

*色がついているのは特に注目している作品です。

 

2020年5月17日 (日)

ゴブリンのこれがおすすめ 48 漫画

【お気に入り漫画家ベスト10】

浦沢直樹「HAPPY」「MONSTER」「20世紀少年」「PLUTO」

谷口ジロー「『坊っちゃん』の時代」「神々の山嶺」「遥かな町へ」「犬を飼う」「先生の鞄」「シートン」
  「晴れ行く空」「神の犬」「ブランカ」「K」「父の暦」「事件屋稼業」「神々の山嶺」「歩く人」「森へ」
  「青の戦士」「孤独のグルメ」「捜索者」「凍土の旅人」「ENEMIGO」「遥かなる町へ」「東京幻視行」その他全作品

つげ義春「つげ義春全集」「つげ義春初期傑作長編集」「つげ義春とぼく」「つげ義春の温泉」(写真エッセイ)
  「新版 貧乏旅行記」(エッセイ)、その他ほとんどの作品

手塚治虫「アドルフに告ぐ」「火の鳥」「三つ目がとおる」「ブラック・ジャック」「陽だまりの樹」
  「どろろ」、その他ほとんどの作品

花輪和一「刑務所の中」「天水」「朱雀門」「風水ペット」「水精」「護法童子」「みずほ草子」
  「風童」「刑務所の前」「不成仏霊童女」「ニッポン昔話」「鵺」、その他全ての作品

星野之宣「宗像教授伝奇考」「2001夜物語」「メガクロス」「ムーン・ロスト」「巨人たちの伝説」
  「ベムハンター・ソード」「はるかなる朝」「コクド・エクスペリメント」「ブルー・ホール」
  「ブルー・ワールド」「BLUE CITY」「ヤマトの火」「鎖の国」「ヤマタイカ」「宗像教授異考録」
  「星を継ぐもの」「スターダスト・メモリーズ」、その他全作品

ますむらひろし「アタゴオル」「アタゴオル玉手箱」「宮沢賢治童話集」「夢降るラビットタウン」
  「コスモス楽園記」、その他全作品

水木しげる「ゲゲゲの鬼太郎」「コミック昭和史」、「総員玉砕せよ!」「白い旗」「敗走記」「方丈記」
  「河童千一夜」「現代妖怪譚」「今昔物語」「東海道四谷怪談・耳なし芳一」「墓場鬼太郎」「姑娘」
  「悪魔くん千年王国」「不思議旅行」(エッセイ)、「寝ぼけ人生」(エッセイ)、「鬼太郎夜話」
  「幻想世界への旅」「のんのんばあとオレ」(エッセイ)、「ねずみ男の冒険」「妖怪大統領」
  「妖怪画談」「続妖怪画談」「ホンマにオレはアホやろか」(エッセイ)、「ラバウル戦記」
  「火星年代記」「遠野物語」「妖猫夜話」「鬼太郎のベトナム戦記」、その他全作品

諸星大二郎「西遊妖猿伝」、「妖怪ハンター」シリーズ、「栞と紙魚子」シリーズ、「不安の立像」
  「失楽園」「諸怪志異」シリーズ、「子供の情景」「遠い世界」「ぼくとフリオで校庭で」「六福神」
  「海神記」「私家版鳥類図譜」「私家版魚類図譜」、その他全作品

矢口高雄「釣りキチ三平」「蛍雪時代」「ふるさと」「マタギ」「激濤」「ボクの学校は山と川」
  「平成版釣りキチ三平」「又鬼の命」「ニッポン博物誌」、その他ほとんどの作品

 

【お気に入り漫画家 モア20】

青木雄二「ナニワ金融道」

秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」

吾妻ひでお「失踪日記」「アル中病棟」

安倍夜郎「深夜食堂」シリーズ

荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」「死刑執行中 脱獄進行中」「変人偏屈列伝」

石川サブロウ「本日も休診」「母の曠野」「ひょぼくれ文左」「天(そら)より高く」

井上雄彦「バガボンド」

大友克洋「AKIRA」「童夢」、「彼女の思いで・・・」「ショート・ピース」「さよならにっぽん」
  「気分はもう戦争」「SOS大東京探検隊」、その他ほとんどの作品

こうの史代「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」「さんさん録」「長い道」、その他

東風孝広「カバチタレ」「特上カバチ!!」

白戸三平「忍者武芸帳 影丸伝」「サスケ」「カムイ伝」

滝田ゆう「寺島町奇譚」「滝田ゆう名作劇場」「僕の裏街ぶらぶら日記」(エッセイ)「銃後の花ちゃん」「下駄の向くまま」(エッセイ)

ちばてつや「あしたのジョー」「あした天気になあれ」「紫電改のタカ」「ひねもすのたり日記」
  「おれは鉄平」

寺沢武一「コブラ」

中沢啓治「はだしのゲン」

花咲アキラ「美味しんぼ」

宮崎駿「風の谷のナウシカ」

ヤマザキマリ「テルマエ・ロマエ」、「プリニウス」

山田参助「あれよ星屑」

ネイト・パウエル「MARCH」(1非暴力の闘い、2ワシントン大行進 3セルマ勝利をわれらに)

 

【こちらもおすすめ】

入江喜和「昭和の男」
いしかわじゅん「僕たちのサヨナラ・感電タウン」「東京物語」
一ノ関圭「鼻紙写楽」
魚戸おさむ「イリヤッド」
魚之目三太「戦争めし」
漆原友紀「蟲師」
大塚英志+森美夏「八雲百怪」
小川幸辰「みくまりの谷深」
QBB(久住昌之、久住卓也)「古本屋台」
小梅けいと「戦争は女の顔をしていない」(原作:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ)
小池一夫「春が来た」
西岸良平「三丁目の夕日」
さいとうたかお「ゴルゴ13」「サバイバル」「ブレイクダウン」
しまたけひと「アルキヘンロズカン」
曽我篤士「緑の王」
高井研一郎「すずなり横丁道楽商店街」
高寺彰彦「臥竜解封録 ナムチ」
永島慎二「永島慎二の世界」
ながやす巧、大友克洋(原作)「沙流羅」
成田英敏「アコロコタン」
蛭田達也「コータローまかりとおる」
本庄敬「SEED」
藤子不二雄A「愛・・・しりそめし頃に・・・」
前田千明「オールド・ウエスト」
三好銀「三好さんとこの日曜日」「私の好きな終末」「海辺へ行く道 夏」「海辺へ行く道 冬」
山下和美「ランド」
山田英生編「温泉まんが」
山本おさむ「どんぐりの家」
石ノ森章太郎、他「小松左京原作コミック集」
水木しげる、滝田ゆう、他「ビッグコミック名作短編集」
ショーン・タン「アライバル」
マルジャン・サトラビ「ペルセポリス」


【雑誌特集・漫画家論等】

赤塚不二夫『赤塚不二夫120% 死んでる場合じゃないのだ』(アートン、1999年)

石上三登志『手塚治虫の奇妙な世界』(学陽文庫、1998年)

高野慎三『つげ義春1968』(ちくま文庫、2002年)

手塚治虫+小林準治『手塚治虫昆虫図鑑』(講談社+α文庫、1997年)

手塚悦子『手塚治虫の知られざる天才人生』(講談社+α文庫、1999年)

夏目房之介『手塚治虫の冒険』(小学館文庫、1998年)

深谷考『滝田ゆう奇譚』(青弓社、2006年)

校條剛『ぬけられますか 私漫画家 滝田ゆう』(河出書房新社、2006年)

山田英生編『温泉まんが』(ちくま文庫、2019年)

『AERA COMIC ニッポンのマンガ 手塚治虫文化賞10周年記念』(朝日新聞社、2006年)

『文芸別冊 総特集 諸星大二郎』(河出書房新社、2018年)

『文芸別冊 総特集 星野之宣』(河出書房新社、2020年)

 

【漫画との付き合い】

 漫画を読み始めたのは小学生の低学年頃からだろう。創刊されて間もない少年漫画誌『少年サンデー』と『少年マガジン』(共に1959年創刊)を毎週買って読んでいた。確か当時40円で、発売日になると親から40円もらって本屋に飛んでいったものだ。おそらく読み始めたのは1960年前後で、まだまだ戦争漫画が多かったころだ。「サブマリン707」(小沢さとる)、「加藤隼戦闘隊」(小林たけし)、「紫電改のタカ」(ちばてつや)などは毎週楽しみにして読んでいた。表紙や巻頭のグラビアなども戦艦、戦闘機、戦車などの絵がよく載っていた。その他に好きだったのは「伊賀の影丸」(横山光輝)、「おそ松くん」(赤塚不二夫)、「8マン」(桑田二郎)、「サイボーグ009」(石ノ森章太郎)、「巨人の星」(川崎のぼる)など。手塚治虫はほとんど読まなかった。嫌いだったわけではなく、たまたま出会わなかったということだ。手塚のテレビアニメはずいぶん見たが。テレビアニメでは「スーパージェッター」、「ハリスの旋風」(ちばてつや)、「鉄人28号」(横山光輝)「鉄腕アトム」(手塚治虫)、「ゲゲゲの鬼太郎」(水木しげる)、「ゼロ戦はやと」(辻なおき)、「タイガーマスク」(辻なおき)、「ジャングル大帝」(手塚治虫)など。

 中学生ぐらいになってから、次第に漫画から遠のいていった。漫画は子供が読むものだという意識を持ち始めていたからだ。それでもまったく読まなかったわけではなく、「あしたのジョー」(ちばてつや)、「釣りキチ三平」(矢口高雄)、などの話題作は読んでいた。ただ毎週買うことはしなかったと思うので、通しで全部読んだかははっきり記憶がない。その後しばらく漫画をほとんど読まない時期が続いたが、大学生になったころからいつの間にかまた漫画を読み出していた。おそらく喫茶店に入り浸っていたので、暇に任せて漫画を読んでいたわけだ。食事も外食専門だったので、食事が来る前から食事の後までずっと漫画を読んでいた。ただ、今になって悔やまれるのは、当時もっぱら少年誌ばかりを読んでいたことである。大人のコミックや『ガロ』などの通の読む漫画雑誌などにはまったく手を出していなかった。この頃もっと早くそれらを読んでいたら、後に好きになる作家をずっと後になって「発見する」必要もなかったのにと今更ながら思う。

学生・院生当時よく読んでいたもの
「嗚呼!!花の応援団」(どおくまん)
「1・2の三四郎」(小林まこと)
「うしろの百太郎」(つのだじろう)
「うる星やつら」(高橋留美子)
「Dr.スランプ」(鳥山明)
「がきデカ」(山上たつひこ)
「翔んだカップル」(柳沢きみお)
「サスケ」(白戸三平)
「おれは鉄平」(ちばてつや)
「キャッツ♡アイ」(北条司)
「ストップ!!ひばりくん!」(江口寿史)
「タッチ」(あだち充)
「ドカベン」(水島新司)
「キン肉マン」(ゆでたまご)
「はだしのゲン」(中沢啓治)
「東大一直線」(小林よしのり)
「まことちゃん」(楳図かずお)

 「キャプテン翼」(高橋陽一)と「じゃりン子チエ」(はるき悦巳)は何度か挑戦したが、どうしても好きになれなかった。しかし、何といっても本格的に漫画を読み始めたのは、手塚治虫を再発見してからだ。手塚は前から気になってはいたが、やはり子供の漫画を書いている人だと思い込んでいた。というよりも、漫画そのものをあまり大したものだとは思っていなかった。その認識が決定的に変わったのは、手塚の「アドルフに告ぐ」を読んでからだ。たぶん80年代半ばごろで、ハードカバーの単行本として漫画が出版されるのは当時まだ珍しかった。話題にもなっていたので読んでみたのだが、その面白さ、漫画とは思えない内容の濃さに驚嘆した。僕の漫画観はこの一作で一変したといってよい。それ以来漫画は大人が読むことにも耐えうるのだ(少なくともそれに値する作品がある)という認識を持つようになった。「火の鳥」を読んでそれは確信に変わった。それ以来手塚作品を手当たりしだい集めだした。ちょうど80年代の終わりごろから手塚のハードカバー愛蔵版が出回り始めていたので絶好のタイミングだった。初期から中期のものはさすがに絵も子供向けでそれほど好きではないが、おそらく大人の読者を想定して書かれたと思える後期のものはどれもいい。「陽だまりの樹」などは夢中になり、その後司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読み、一時期時代小説を読みふけるきっかけにもなった。手塚の汲めども尽きぬ想像力の豊かさにはただただ感心するばかりだ。

 手塚再発見後、他にもまだ優れた漫画家がいるはずだと書店の漫画コーナーをしきりに物色する日々が続いた。そして先ず発見したのが″つげ義春″だった。90年代半ばごろである。その頃漫画の文庫化が進み、小学館の漫画文庫の中に「ねじ式」と「紅い花」を見つけたのである。なんとも不思議なタッチに魅せられた。すぐに筑摩書房から出ている全集(全8巻+別巻)を買った。古い温泉場などの絵がどこか文学的な香りを感じさせるところが良い。次に見つけたのが″ますむらひろし″だった。『銀河鉄道の夜』のアニメ版を観てはいたが、同じ人だとはすぐには気づかなかった。これも文庫版の「アタゴオル」シリーズをたまたま見かけて買ったのがきっかけだった。彼独特のファンタスティックな世界とヒデヨシのキャラクターにすっかりはまり込んだ。偶然だが、僕は大学1年から3年まで流山の叔母の家に寄留していた。最寄り駅は江戸川台駅である。もっともその当時はますむらひろしのことなど全く知らなかったが、すぐ近くに住んでいたのかと思うと一層親近感がわいたものだ。

 そのうち上田市内にも漫画専門の古書店(「漫画専科」)があることを発見した。現在は田中の方に移ったが、見つけたときは別所線の赤坂上駅近くにあった。そこに頻繁に通ううちに主人と話をするようになり、そこで紹介されたのが星野之宣だった。「2001夜物語」と「ヤマタイカ」を買ったが、いっぺんに気に入った。こんな本格的なSF漫画を書いている漫画家がいたとはそれまで知らなかった。もう一人その少し前に発見したのは谷口ジローだった。「『坊ちゃん』の時代」が第2回手塚治虫文化賞を受賞したことでその存在を知った。「『坊ちゃん』の時代」はおそらくはその古本屋を見つける前に買っていたのだと思うが、大量に谷口ジローの作品を買い込んだのはその店だった。足繁く通って一通り買ってしまうとあまりその店には行かなくなったが、あの店は今でもまだ営業しているのだろうか。

 その後、大友克洋、諸星大二郎、石川サブロウ、滝田ゆう、青木雄二、井上雄彦などと出会った。以前から好きだった「美味しんぼ」の花咲アキラ、「コブラ」の寺沢武一、「MONSTER」「20世紀少年」などの浦沢直樹など、あるいは、以前から知ってはいたがそのすばらしさを新たに再発見した矢口高雄(きっかけは講談社文庫に入っている「蛍雪時代」を読んだことだ)、水木しげる(同じく講談社文庫の「コミック昭和史」を発見したのがきっかけ)、さいとうたかお(「サバイバル」の文庫版を読んで、彼も「ゴルゴ13」ばかりではないと知った)などを加えて、僕の漫画家チェックリストも随分増えた。

 それにしても自分の収集癖には自分でも驚く。「発見」して間もないのに、めったに書店の本棚に並ぶことのない漫画を、絶えず新刊に目を通し、過去のものは古本屋を駆けずり回ってあらかた集めてしまう。東京に行ったときは必ず上野駅前のビルの地下にあった漫画専門店に寄る(この店もまだあるのだろうか)。それでも手に入らないのもはインターネットで買う。こうやって集めてしまうのだ。まだ持っていなかった本を見つけたときのうれしさについ探す苦労も忘れてしまう。しかし、ほとんど手に入れてしまうと、次はなかなか出会うことがなくなり、寂しい日々が続く。勢い、新しいお気に入り作家を探すことになる。まあ、これは良いことでもある。「発見」は続く。2000年代に入ってまず発見したのは花輪和一である。独特の細密画とおなじみのへんちくりんな女の子が気に入った。その後、こうの史代、ヤマザキマリ、吾妻ひでお、安倍夜郎などを発見したが、最近の一番の発見は山田参助の「あれよ星屑」。戦争漫画あるいは終戦直後を描いた漫画というと一連の水木しげるの作品か闇市時代の戦災孤児たちを描いた石川サブロウの傑作「天より高く」くらいしか思い浮かばなかったが、今の時代に当時をこれほどリアルに描ける漫画家が出て来るとは心底驚嘆した。しかし全体的に見れば、同じような漫画ばかり増えて、その後はなかなかいい作家に出会えない。巨匠たちが引退した後はどうなるのだろうか。

上田に来てからよく読んでいたもの 
「ドラゴンクエスト」(藤原カムイ)
「DRAGON BALL」(鳥山明)
「将太の寿司」(寺沢大介)
「金田一少年の事件簿」(さとうふみや)
「IWAMARU」(玉井雪雄)
「SEED」(本庄敬)
「愛、知りそめし頃に」(藤子不二雄A)
「ちびまる子ちゃん」(さくらももこ)
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(秋本治)
「北斗の拳」(原哲夫)
「クレヨンしんちゃん」(白井儀人)
「ジョジョの奇妙な冒険」(荒木飛呂彦)
「釣りバカ日誌」(北見けんいち)
「コータローまかりとおる」(蛭田達也)
「カバチタレ」(東風孝広)

 このように、中学、高校の一時期を除いて、僕は漫画とともに育ってきたと言っても良い。漫画は、本、映画、音楽とともに、もはや僕の生活の一部だ。実際、これまでに何回か引越しをしたが、引越しをしてまず最初に探すのは、漫画をおいてある食堂と喫茶店だった。漫画雑誌は自分では買わない。買うとすればコミックス版になってからである。だから食堂や喫茶店で読むのである。東京の調布市にいたころ、京王線国領駅の近くにあった食堂で「はだしのゲン」を始めて読んだ。それまで名前は知っていたが、あまりにも人物の絵がどぎついので敬遠していた。しかし、たまたま手にとって読み始めたら、面白くてやめられなくなった。とうとう全巻その店で読み切ってしまったが、最後は飯を食いに行っていたのか、「ゲン」を読みに行っていたのか分からないくらいだった。しかしある頃から喫茶店やレストランで漫画を読むことはしなくなった。おそらく面白いと思う作品がなくなってきたからだろう。今では店に入ると必ず自前の文庫本を読んでいる。漫画はもっぱらコミックス版で買って、家で読むものになってしまった。

 最後に外国の漫画について簡単に言及しておこう。基本的に子供向けに書かれているアメコミには全く関心がない。その映画化作品にも全く心を惹かれない。しかし、数は少ないが優れた外国漫画やあるいは外国の原作を漫画化した作品が手に入るようになってきた。ネイト・パウエル「MARCH」(1非暴力の闘い、2ワシントン大行進 3セルマ勝利をわれらに)はキング牧師たちと共に公民権運動に貢献してきたジョン・ルイスとその広報責任者アンドリュー・アイディンが原作をかいている。僕の大学での専攻はイギリス文学だったが、当然アメリカ文学にも関心があり、とりわけ黒人文学や人種問題関係の本はかなり読んだ。しかしワシントン大行進を漫画で描く作品が出現しようとは考えてもいなかった。スパイク・リー監督の映画「ゲット・オン・ザ・バス」という作品もあるが、これは95年10月14日に首都ワシントンで行われるミリオン・マン・マーチ(百万人の行進)に向かう人々を映画いたものだ。63年のワシントン大行進へのオマージュがその根底にあるが、ワシントン大行進そのものを描いたわけではない。むしろ「MARCH」の一部と重なるのはリチャード・ピアース監督の「ロング・ウォーク・ホーム」だろう。有名なアラバマ州モンゴメリーのバスボイコット運動が描かれている。

 それにしてもキング牧師の有名な演説は録音が残っていて何度も聞いたが、その大集会そのものの映像を観たことがない。これがいまだに謎だ。唯一見たのはDVD「ピーター・ポール&マリー キャリー・イット・オン~PPMの軌跡」に収録された「風に吹かれて」を歌っている映像だ。何と大集会の舞台で歌っている映像だったのである。若いころのマリー・トラヴァースの美しさに息をのむ映像だが(後年化け物のようになってしまうだけに)、それ以上にこんな映像が残っていたこと自体に驚いた。と言うことはキング牧師の演説自体はもちろん、他のアーティストが歌っている映像もあるはずだ。なぜこの大集会の一部始終を映した映像が世に出ないのか、まったくもって不思議だ。

 小梅けいと「戦争は女の顔をしていない」の原作はスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチが大祖国戦争に従軍した女性たちにインタビューしたものである。著者がノーベル文学賞を取ったから言うのではないが、この原作は非常に優れたもので、漫画よりも原作を推薦したいというのが正直なところだ。とはいえ、まずは漫画から入って、気に入ったら原作を読むというのも良いと思う。どさくさ紛れにもう一作優れたインタビュー集を紹介したい。、アンジェラ・ホールズワース著『人形の家を出た女たち』(新宿書房)という名著だ。イプセンの有名な戯曲『人形の家』(1879)のヒロインであるノラが「人形の家」を出た後どうなったか、20世紀に生きる実際の女性たちにインタビューを重ね、20世紀のノラたちは本当に「開放され」「自由に」なったのかを丹念に描き出した労作である。話がそれたので戻そう。漫画版「戦争は女の顔をしていない」はいかにも女性漫画家が書いた絵柄だが(特にあの目が大きい顔の描き方に僕なんかは違和感がある)、実体験をもとにしているだけになかなかのリアリティだ。この原作はかなりの反響を呼んだのだろう、珍しいロシアのTVドラマ「ナイト・スワローズ 空爆戦線:ユニット46」(2012)というのを観たことがあるが、これはドイツ軍を恐れさせたといわれるソ連軍の女性だけの爆撃隊“ナイトウィッチ”の活躍を描いたドラマである。漫画版「戦争は女の顔をしていない」の第6話は女性飛行士(こちらは戦闘機のパイロット)である。原作本の出版が1984年だから、この本の存在が女性だけの爆撃隊ドラマ化の背景にあったことはまず間違いないだろう。

 ショーン・タンの「アライバル」はたまたま行きつけの書店で大きく取り上げられていたので買ったのだが、これは正解だった。日本の漫画にはない全く独特のタッチの漫画だ(台詞が一切ないので、絵本に近い感じだが)。しかし見てゆくうちに何となくストーリーの流れのようなものが感じられてくる。この人の短編アニメ「落としもの」も観たが、これも傑作だ。ショーン・タンが監督の一人だとは観始めた時知らなかったが、絵のタッチと不思議な生き物を考え出すイマジネーションが同じだとすぐに気づいた。この人は今後もフォローし続けたい。

 マルジャン・サトラビの「ペルセポリス」は最初アニメとして知ったが、近所のレンタル店に置いてないのでずっと幻のアニメだった。そこで「アマゾン」で原作の漫画を手に入れた次第。これまた日本とは全く違う独特のスタイルの漫画だ。絵のスタイルも独特だが、本人の生き方がまたユニークだ。当時祖国イランはイラン・イラク戦争(8年も続いたので日本では「イライラ戦争」と当時言われた)の最中だったのでマルジャンは外国に留学していた。上巻では子供時代、下巻では海外での留学時代が描かれる。イラン映画「オフサイド・ガールズ」のレビューで次の様に書いた。「79年のホメイニ革命(何て懐かしい言葉だ!)によってイスラム原理主義者がイランの親米政権を打倒して以来、イランは厳格なイスラム原理主義によって統制される窮屈な国になってしまった。ホメイニ師が登場した直後にはイラン・イラク戦争が勃発する(中略)。宗教の戒律に戦時統制が加わる。ホメイニ革命前のイランは西欧化が進んだ国でミニスカートの女性さえ見られるほどだったのに、79年を期に一変してしまったわけだ。」まさにそのホメイニ前と後がこの漫画で描かれている。イスラム原理主義社会は相当窮屈だったに違いない。マルジャンはその反動でアナーキズムにあこがれている。バクーニンを尊敬していたと誇らしげに書いているのには驚かされた。バクーニンなんてずいぶん久しぶりに聞く名前で、その時代錯誤にしばし戸惑った。しかし政治的話題は随所に出て来るが、決して堅苦しい漫画ではない。厳格な宗教的戒律に縛られた国から来た女性と自由奔放な西洋の人々とのギャップが面白おかしく描かれている。

 手元にはもう一つアラン・ムーアの「フロム・ヘル」(上・下巻)もあるが、これはあまりに台詞が多すぎるので途中で嫌になって読むのをやめてしまった。しかし作者はイギリス人で、題材は切り裂きジャック事件なのだから、このまま放っておくのは惜しい。いつかまた読み直してみたい。

 

2020年5月 5日 (火)

ゴブリンのこれがおすすめ 47 シンガー・ソングライター(外国編)

 なかなか外に出られない今の時期、起きるとすぐやることは新聞を読み珈琲を飲みながらCDを聴くことである。それもたっぷりと時間をかけて聞くことができる。これは結構贅沢な時間の過ごし方だ。
 と言うことで、今回は家でくつろいで聞くことができるシンガー・ソングライター特集です。かつてシンガー・ソングライターと言えば、キャロル・キング、カーリー・サイモン、ジェイムス・テイラー、ジョニ・ミッチェル、ローラ・ニーロあたりを誰しも思い浮かべたものだ。70年代まではそんな感じだったろう。しかし今や時代は変わった。世の中にシンガー・ソングライターは溢れかえっている。作風も実に様々だ。かつてはフォークとかなり重なり合うイメージがあったが、カントリー、ロック、ジャズ、R&B、ソウル、ブルース、レゲエ、ラテン、北欧、ワールド・ミュージック系、等々。まさに百花繚乱。
 僕は高校生(70年代初め)の時はフォークソング中心、大学の学部生時代(70年代半ば)はクラシック一辺倒に転身、大学院生時代(80年代初め)にジャズに目覚め、そこからブラック・ミュージックを中心としながらもあらゆるジャンルを聞くようになった(ただしラップ系だけはどうしてもなじめない)。90年代後半から2000年代にかけてはブリティッシュ・トラッドやアイルランドを中心としたケルト系ミュージック、スエーデンを中心とした北欧のポップス、中国のポップスに注目していた。新星堂のレーベル、オ-マガトキが実によく馴染んだ。
 このように40歳も過ぎて中年になってくると、好みが変わってくる。どんどん好みがやわになってきている。ヴォーカル系も女性ヴォーカルが中心で、ジャケットに美人が写っていると買いたくなってしまうのだから情けない。昔はジャズやブルースやレゲエの真っ黒い感じが好きだったのだが。とにかく最近聴いて良いと思うのは落ち着いた感じの音楽である。そしてその代表格はシンガー・ソングライター系というわけ。今回は外国編をお送りします。いつもどおり、リストが並ぶだけの味気ない特集ですが、多少なりとも参考になればうれしいです。

 

アイ・ジン(艾敬)「艶粉街の物語」
    〃     「わたしの1997」
アデル「19」
 〃 「25」
 〃 「ライブ・アット・ザ・ロイヤル・アルバート・ホール」
アネット・リンドウォル「サイレント・ヴォイシズ」
アマンダ・マーシャル「チューズデイズ・チャイルド」
アラナ・デイビス「フォーチュン・クッキー」
アリシア・キーズ「アンプラグド」
    〃   「ヒアー」
アリソン・デイヴィッド「ドリーミング」
アーロ・ガスリー「ホーボース・ララバイ」
    〃   「ラスト・オブ・ザ・ブルックリン・カウボーイズ」
    〃   「アミーゴ」
    〃   「サン・オブ・ザ・ウィンド」
アーロ・ガスリー&ピート・シーガー「プレシャス・フレンド」
アンジェラ・ジョンソン「ゴット・トゥー・レット・イット・ゴー」
アンナ・ナリック「レック・オブ・ザ・デイ」
イマニー「こころの歌」
イメルダ・メイ「ライフ、ラヴ、フレッシュ、ブラッド」(アイリッシュ)
ヴァシュティ・バニヤン「ルック・アフタリング」
ヴァレリー・ジューン「ザ・オーダー・オブ・タイム」
ヴァン・モリスン「バック・オン・トップ」
    〃   「ヒーリング・ゲーム」
    〃   「ダウン・ザ・ロード」
    〃   「ホワッツ・ロング・ウィズ・ディス・ピクチャー?」
    〃   「デュエッツ」
    〃   「キープ・ミー・シンギング」
    〃   「ロール・ウィズ・ザ・パンチズ」
ヴィクトリア・ウィリアムズ「ルース」
ウィリー・ネルソン「スターダスト」
    〃    「トゥ・オール・ザ・ガールズ」
ウェイエス・ブラッド「タイタニック・ライジング」
ウェンディ・ウォルドマン「レターズ・ホーム」
ウォリス・バード「バード・ソングス」
エイミー・グラント「ビー・スティル・アンド・ノウ…ヒムズ&ファイス」
    〃    「ロック・オブ・エイジズ ヒムズ&フェイス」
    〃    「ビハインド・ザ・アイズ」
エイミー・マン「バチェラーNo.2」
   〃   「ザ・フォーゴトン・アーム」
エイミー・ワインハウス「バック・トゥ・ブラック」
エディ・リーダー「ヴァガボンド」
    〃   「ピースタイム」
    〃   「ロバート・バーンズを想う」
エド・シーラン「X」
エマ・パキ「オクシジェン・オブ・ラブ」
エミリー・サンデー「アワ・ヴァージョン・オブ・イベンツ」
エミルー・ハリス「ブルー・ケンタッキー・ガール」
    〃   「レッド・ダート・ガール」
エミルー・ハリス&ロドニー・クロウェル「オールド・イエロー・ムーン」
          〃          「ザ・トラヴェリング・カインド」
エリック・クラプトン「アンプラグド~アコースティック・クラプトン」
     〃    「ジャスト・ワン・ナイト」
     〃    「スローハンド」
     〃    「バック・ホーム」
     〃    「ピルグリム」
     〃    「フロム・ザ・クレイドル」
エリック・クラプトン&B.B.キング「ライディング・ウィズ・ザ・キング」
エルトン・ジョン「僕の歌は君の歌」
    〃   「ソングズ・フロム・ザ・ウェスト・コースト」
    〃   「黄昏のレンガ路」
エルトン・ジョン&レオン・ラッセル「ザ・ユニオン」
エレノア・マックヴォイ「ホワッツ・フォロウイング・ミー?」
カーリー・サイモン「人生はいたずら」
    〃    「ノー・シークレッツ」
    〃    「スパイ」
キャット・エドモンソン「ザ・ビッグ・ピクチャー」
ギリアン・ウェルチ「リヴァイヴァル」
    〃    「ソウル・ジャーニー」
ギルバート・オサリヴァン「アローン・アゲイン」
      〃     「アナザー・サイド」
      〃     「ヒムセルフ」
キャロル・キング「つづれおり」
    〃   「グレイテスト・ヒッツ」
    〃   「ラヴ・メイクス・ザ・ワールド」
キャロル・ローラ「スティル」
ケイティ・カーティス「ア・クラッシュ・コース・イン・ローゼス」
k. d. ラング「ヒムズ・オブ・ザ・49th・パラレル」
ケンドラ・モリス「モッキングバード」
クライブ・グレッグソン「アイ・ラブ・ジス・タウン」
クラース・ドルテ「イン・マイ・ネーム」
ケリ・ノーブル「フィアレス」
ケリー・プライス「ミラー・ミラー」
    〃   「ディス・イズ・フー・アイ・アム」
ケレン・アン「101」
ケンドラ・モリス「モッキングバード」
ゴードン・ライトフット「ウェイティング・フォー・ユー」
     〃     「イフ・ユー・クッド・リード・マイ・マインド」
サハラ・スミス「ミス・オブ・ザ・ハート」
サラ・ジェーン・モリス「リーヴィング・ホーム」
サラ・ジャローズ「アンダーカレント」
サラ・マクラクラン「サーフィシング」
    〃    「アフター・グロウ」
サン・キル・ムーン「ベンジ」
ジェイソン・フォークナー「キャン・ユー・スティル・フィール?」
ジェイムズ・モリソン「ジェイムズ・モリソン」
ジェス・クライン「ドロウ・ゼム・ニアー」
    〃   「ストロベリー・ラバー」
ジェフ・バックリー「グレース」
ジェイムス・テイラー「スウィート・ベイビー・ジェイムス」
ジェニファー・グロス「ザ・ウーマン・イン・ザ・ムーン」
シェリル・クロウ「クロウ・クロウ」
    〃   「ザ・ベリー・ベスト・オブ」
    〃   「ワイルドフラワー」
    〃   「ディトアーズ」
    〃   「チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ」
ジミー・クリフ「ギヴ・サンクス」
   〃   「ハーダー・ゼイ・カム」
   〃   「ワンダフル・ワールド、ビューティフル・ピープル」
ジャニス・イアン「愛の回想録(ビトウィーン・ザ・ラインズ)」
    〃   「ゴッド&ザ・FBI」
    〃   「ザ・グレイテスト・ヒッツ」
    〃   「ハンガー」
シャーリー・マードック「ノー・モア」
シャロン・ヴァン・エッテン「リマインド・ミー・トゥモロー」
ジュールス・シアー「ヒーリング・ボーンズ」
ジュエル「スピリット」
  〃 「心のかけら」
ジュディ・シル「ジュディ・シル」
ジュリア・フォーダム揺るがぬ愛」
ジョシュ・リッター「ゴールデン・エイジ・オブ・レイディオ」
    〃    「ザ・アニマル・イアーズ」
ジョス・ストーン「ザ・ソウル・セッションズ」
    〃   「ザ・ソウル・セッションズ 2」
    〃   「マインド、ボディ&ソウル」
ジョナサ・ブルック&ザ・ストーリー「プラム」
ジョニ・ミッチェル「ブルー」
    〃    「バラにおくる」
    〃    「風のインディゴ」
    〃    「ベスト2 永遠の愛の詩」
ジョーン・アーマトレイディング「ホワッツ・インサイド」
ジョン・オバニオン「僕のラヴ・ソング」
ショーン・コルヴィン「ア・フュー・スモール・リペアーズ」
ジョン・ハイアット「パーフェクトリー・グッド・ギターズ」
ジョン・メイヤー「コンチニュウム」
    〃   「パラダイス・ヴァレイ」
ジョン・レノン「イマジン」
    〃  「ジョンの魂」
ジョーン・オズボーン「ライチャス・ラブ」
ショーン・レノン「フレンドリー・ファイア」
スザンヌ・ヴェガ「孤独」
ズッケロ「ストレイ・キャット・イン・マッド・ドッグ・シティ」(イタリア)
スティーヴィー・ワンダー「ファースト・フィナーレ」
      〃     「トーキング・ブック」
      〃     「インナービジョン」
      〃     「キー・オブ・ライフ」
スティーヴン・ビショップ「BISH」
ステラ・ドネリー「ビウェア・オブ・ザ・ドッグズ」
ダー・ウィリアムズ「ザ・オネスティ・ルーム」
ダイアン・バーチ「バイブル・ベルト」
ダミアン・ライス「O」
ダン・バーン「ダン・バーン」
ダン・フォーゲルバーグ「スーパー・ヒッツ」
ダン・ペン「ア・ロード・リーディング・ホーム」
ダンカン・シーク「デイライト」
ディオンヌ・ファリス「野生」
ティム・バックリー「ハニーマン」
    〃    「ドリーム・レター ライブ・イン・ロンドン 1968」
テイラー・スウィフト「レッド」
デヴィッド・グレイ「ア・ニュー・デイ・アット・ミッドナイト」
    〃    「ホワイト・ラダー」
デヴェンドラ・バンハート「クリップル・クロウ」
デブラ・モーガン「ダンス・ウィズ・ミー」
デボラ・コックス「センチメンタル」
デルタ・グッドレム「デルタ」
トゥーツ&メイタルズ「ファンキー・キングストン」
ドゥルス・ポンテス「ラグリマス」
ドッチー・ラインハルト「さまよう瞳」
ドニー・フリッツ「オー・マイ・グッドネス」
ドノヴァン・フランケンレイター「ムーヴ・バイ・ユアセルフ」
トム・ウェイツ「土曜日の夜」
   〃   「クロージング・タイム」
トーリ・エイモス「ヘイ・ジュピター」
トレイシー・ソーン「遠い渚 ディスタント・ショア」
トレイシー・チャップマン「クロスロード」
     〃      「ニュー・ビギニング」
ナタリー・コール「スノウフォール・オン・ザ・サハラ」
    〃   「ラブ・ソングズ」
    〃   「ザ・ソウル・オブ・ナタリー・コール 1975-1980」
    〃   「リーヴィン」
    〃   「スターダスト」
ナタリー・マーチャント「ザ・ハウス・カーペンターズ・ドーター」
     〃     「リーヴ・ユア・スリープ」
     〃     「ナタリー・マーチャント」
ナンシー・グリフィス「針のない時計」
     〃    「フライアー」
     〃    「夜空に輝く青いバラ」
     〃    「レイト・ナイト・グランド・ホテル」
     〃    「ロング・スター・ステイト・オブ・マインド」
ニッキー・ホプキンス「夢みる人」
ニック・ロウ「ニック・ザ・ナイフ」
ニーコ・ケース「キツネにつつまれたニーコ」
   〃   「ファーニス・ルーム・ララバイ」
ニュートン・フォークナー「ハンド・ビルト・バイ・ロボッツ」
      〃     「ライト・イット・オン・ユア・スキン」
ニール・ヤング「イヤー・オブ・ザ・ホース」
   〃   「ハーヴェスト」
   〃   「ロード・ロック ヴォリューム・ワン」
   〃   「アー・ユー・パッショネイト?」
   〃   「プレイリー・ウィンド」
   〃   「ストーリートーン」
   〃   「リヴィング・ウィズ・ウォー」
   〃   「ザ・ヴィジター」
   〃   「ピース・トレイル」
ネイミー・コールマン「ネイミー・コールマン」
ネリー・マッカイ「ゲット・アウェイ・フロム・ミー」
ノラ・ジョーンズ「デイ・ブレイクス」
    〃   「ノラ・ジョーンズ」
パティ・スミス「ゴーン・アゲイン」
パッセンジャー「ヤング・アズ・ザ・モーニング・オールド・アズ・ザ・シー」
バーニング・スピアー(ウィンストン・ロドニー)「マーカス・ガーヴィー」
            〃           「ガーヴィーズ・ゴースト」
バーバラ・ディクソン「ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート」
ビヴァリー・クレイヴェン「プロミス・ミー」
ビリー・ジョエル「ビリー・ザ・ベスト」
    〃   「ストレンジャー」
    〃   「ニューヨーク52番街」
ビル・ラバウンティ「ジス・ナイト・ウォント・ラスト・フォーエバー」
ピンク「ミスアンダストゥッド」
〃 「ビューティフル・トラウマ」
フィオナ・アップル「エクストローディナリー・マシーン」
フィービ・スノウ「サムシング・リアル」
フェイ・ウォン(王菲)「十万回のなぜ」
     〃     「ザ・ベスト・オブ・ベスト」
     〃     「天空」
ブリジット・セント・ジョン「サンキュー・フォー・・・プラス」
      〃      「ソングス・フォー・ザ・ジェントルマン」
ブルース・コバーン「矢」
     〃   「雪の世界」
ブルース・スプリングスティーン「ザ・リバー」
       〃       「ネブラスカ」
       〃       「ライジング」
ブレンダ・カーン「デスティネイション・エニウェア」
ヘイデン「エヴリシング・アイ・ロング・フォー」
ヘザー・ノヴァ「オイスター」
ベス・オートン「シ・アザー・サイド・オブ・デイブレイク」
   〃   「デイブレイカー」
ベス・ニールセン・チャップマン「グレイテスト・ヒッツ」
       〃       「ベス・ニールセン・チャップマン」
       〃       「ディーパー・スティル」
ベック「オディレイ」
 〃 「シー・チェンジ」
ベティ・ラヴェット「サンクフル・アンド・ソウトフル」
ベン・リー「サムシング・トゥ・リメンバー・ミー・バイ」
ベン・ワット「メンドラ」
ボブ・ディラン「時代は変わる」
   〃   「追憶のハイウェイ61」
   〃   「激しい雨」
   〃   「ブロンド・オン・ブロンド」
   〃   「モダン・タイムス」
ボブ・マーリー「キャッチ・ア・ファイアー」
   〃   「バーニン」
   〃   「バビロン・バイ・バス」
   〃   「ライヴ!」
   〃   「レジェンド」
ポール・マッカートニー「バック・イン・ザ・US」
     〃     「ドライヴィング・レイン」
マーク・ベノ「雑魚」
マシュー・スウィート「ガールフレンド」
マーセラ・デトロイト「ジュエル」
マーティン・ステファンソン「ヨギ・イン・マイ・ハウス」
マーヤ「風をだきしめて」(エストニア)
マリアナ・バラフ「サングレ・ブエナ」
ミシェル・ンデゲオチェロ「至高の魂のために ニーナ・シモンに捧ぐ」
メアリー・チェイピン・カーペンター「ア・プレイス・イン・ザ・ワールド」
        〃        「カム・オン・カム・オン」
        〃        「メアリー・チェイピン・カーペンター」
メアリー・ルー・ロード「ベイビー・ブルー」
メイシー・グレイ「ザ・トラブル・ウィズ・ビーイング・マイセルフ」
    〃   「ビッグ」
メイ・ムーア「ボヘミア」(カナダ)
メイヤ「メイヤ」
メーガン・トレイナー「タイトル」
ヤドランカ「ムーン・ウィル・ガイド・ユー」
ライアン・アダムス「デモリッション」
    〃    「ゴールド」
    〃    「アッシズ&ファイア」
ラナ・デル・レイ「ボーン・トゥ・ダイ」
ランディ・ニューマン「バッド・ラブ」
リアノン・ギデンズ「フリーダム・ハイウェイ」
    〃    「トゥマロウ・イズ・マイ・ターン」
リサ・エクダール「リサ・エクダール」
    〃   「大地に抱かれて」
リサ・ハニンガン「パッセンジャー」
リサ・ローブ「ファイアクラッカー」
リサ・ローブ&ナイン・ストーリーズ「テイルズ」
リズ・フェア「サムバディズ・ミラクル」
リンダ・パーハクス「ザ・ソウル・オブ・オール・ノーマル・シングズ」
ルシンダ・ウィリアムズ「パッショネイト・キッシズ」
     〃     「ワールド・ウィザウト・ティアーズ」
     〃     「ウェスト」
     〃     「ライブ・アット・ザ・フィルモア」
ルーファス・ウェインライト「ウォント・トゥ」
      〃      「ポーゼス」
ルーマー「ボーイズ・ドント・クライ」
レオン・ラッセル「カーニー」
   〃   「レオン・ラッセル・アンド・ザ・シェルター・ピープル」
レナード・コーエン「哀しみのダンス」
    〃    「テン・ニュー・ソングズ」
    〃    「ライブ・イン・ロンドン」
ロジャー・ニコルズ「ビー・ジェントル・ウィズ・マイ・ハート」
ロドリゲス「カミング・フロム・リアリティ」
  〃  「コールド・ファクト」
ロビー・ロバートソン「ロビー・ロバートソン」
ローラ・ニーロ「抱擁」
   〃   「飛翔」
   〃   「イーライと13番目の懺悔」
   〃   「ニューヨーク・テンダベリー」
ロリーナ・マッケニット「パラレル・ドリームス」
     〃     「マスク・アンド・ミラー」
     〃     「ライヴ・イン・パリ・アンド・トロント」
     〃     「ザ・ウインド・ザット・シェイクス・ザ・バーリー」
     〃     「アン・エンシェント・ミューズ」
ローリン・ヒル「MTVアンプラグド」
ロン・セクスミス「アザー・ソングス」
    〃   「ブルー・ボーイ」
    〃   「ホエアバウツ」
    〃   「ロン・セクスミス」
VA「リリス・フェア~女神たちの共演」
VA「リリス・フェアvol. 2」
VA「リリス・フェアvol. 3」

【追加】
イェンス・レークマン「アイ・ノウ・ホワット・ラヴ・イズント」
イモジェン・ヒープ「スピーク・フォー・ユアセルフ」
ウィリー・ネルソン「スピリット」
ギルバート・オサリヴァン「バック・トヅ・フロント」
シェリル・クロウ「ビー・マイセルフ」
ニール・ヤング「サイケデリック・ピル」
ヤドランカ「サラエボのバラード」
リンダ・ルイス「ハムステッド・デイズ」
VA「ヴォイス・フロム・コットンフィールド」


【関連記事紹介】
 興味がありましたら、下記の記事ものぞいてみてください。もうだいぶ古い記事で追加する必要がありますが、何かのお役には立つかもしれません。

ゴブリンのこれがおすすめ 10 女性ヴォーカルを楽しむ 1
ゴブリンのこれがおすすめ 11 女性ヴォーカルを楽しむ 2
ゴブリンのこれがおすすめ 37 レディ・ソウルを楽しむ
ゴブリンのこれがおすすめ 38 アイリッシュ/ケルト・ミュージック、ブリティッシュ・トラッド

 

 

 

2020年5月 2日 (土)

これから観たい&おすすめ映画・BD(20年5月)

【新作映画】公開日
5月8日
 「ANNA / アナ」(リュック・ベッソン監督、フランス・アメリカ)
 「イップ・マン 完結」(ウィルソン・イップ監督、香港)
5月9日
 「SKIN / スキン」(ガイ・ナティーヴ監督、アメリカ)
5月15日
 「ルース・エドガー」(ジュリアス・オナー監督、アメリカ)
 「水曜日が消えた」(吉野耕平監督、日本)
5月22日
 「ホドロフスキーのサイコマジック」(アレハンドロ・ホドロフスキー監督、フランス)
近日公開
 「太陽は動かない」(羽住英一郎監督、日本)
 「アンティークの祝祭」(ジュリー・ベルトゥチェリ監督、フランス)
 「グランド・ジャーニー」(ニコラ・ヴァニエ監督、フランス・ノルウェー)
 「きっと・またあえる」(ニテーシュ・ティワーリー監督、インド)
 「白雪姫~あなたが知らないグリム童話~」(アンヌ・フォンテーヌ監督、フランス・ベルギー)
 「ハニーランド 永遠の谷」(リューボ・ステファノフ監督、北マケドニア)
 「ライブリポート」(スティーヴン・C・ミラー監督、イギリス・アメリカ)
 「ポルトガル、夏の終わり」(アイラ・サックス監督、フランス・ポルトガル)
 「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」(ユーゴ・ジェラン監督、仏・ベルギー)
 「はちどり」(キム・ボラ監督、韓国・アメリカ)

【新作DVD・BD】レンタル開始日
4月24日
 「マイ・エンジェル」(ヴァネッサ・フィロ監督、フランス)
4月29日
 「バッド・ボーイズ フォー・ライフ」(アディル・エル・アルビ、他、監督、アメリカ)
5月2日
 「EXIT」(イ・サングン監督、韓国)
 「天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント」(ハーマン・ヴァスケ監督、独)
 「決算!忠臣蔵」(中村義洋監督、日本)
 「フォード vs フェラーリ」(ジェームズ・マンゴールド監督、アメリカ)
 「バニシング」(クリストファー・ニーホルム監督、イギリス)
 「オリ・マキの人生で最も幸せな日」(ユホ・クオスマネン監督、フィンランド・独・スウェーデン)
5月8日
 「存在のない子供たち」(ナディーン・ラバキー監督、レバノン・フランス)
 「ボーダー 二つの世界」(アリ・アッバシ監督、スウェーデン・デンマーク)
 「エセルとアーネスト」(2016、ロジャー・メインウッド監督、イギリス)
5月13日
 「閉鎖病棟―それぞれの朝―」(平山秀幸監督、日本)
 「アナと雪の女王2」(ジェニファー・リー、他監督、アメリカ)
 「マザーレス・ブルックリン」(エドワード・ノートン監督、アメリカ)
5月15日
 「真実」(是枝裕和監督、日本)
5月20日
 「テッド・バンディ」(ジョー・バリンジャー監督、アメリカ)
 「リチャード・ジュエル」(クリント・イーストウッド監督、アメリカ)
 「AI崩壊」(入江悠監督、日本)
5月27日
 「マチネの終わりに」(西谷弘監督、日本)
 「天気の子」(新海誠監督、日本)
6月3日
 「永遠の門 ゴッホの見た未来」(ジュリアン・シュナーベル監督、英・仏・米)
 「ダウントン・アビー」(マイケル・エングラー監督、英・米)
 「スケアリーストーリーズ怖い本」(アンドレ・ヴレダル監督、アメリカ)
 「ジョジョ・ラビット」(タイカ・ワイティティ監督、アメリカ)
 「グッドライアー 偽りのゲーム」(ビル・コンドン監督、アメリカ)
 「男と女 人生最良の日々」(クロド・ルルーシュ監督、フランス)
 「テルアビブ・オン・ファイア」(サメフ・ソアビ監督、仏・ベルギー・イスラエル・他)
 「残された者-北の極致-」(ジョー・ベナ監督、アイスランド)
 「ロニートとエスティ 彼女たちの選択」(セバスティアン・レリオ監督、イギリス)
 「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」(ジョナサン・レヴィン監督、米)
 「シライサン」(安達寛高監督、日本)
 「夕陽のあと」(越川道夫監督、日本)
 「わたしは光をにぎっている」(中川龍太郎監督、日本)
 「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」(ディーン・デュボア監督、アメリカ)
6月5日
 「ティーンスピリット」(マックス・ミンゲラ監督、英・米)
6月10日
 「第三夫人と髪飾り」(アッシュ・メイフェア監督、ベトナム)
 「プロジェクト・グーテンベルク 偽札王」(フェリックス・チョン監督、香港・中国)
 「カツベン」(周防正行監督、日本)
6月17日
 「家族を想うとき」(ケン・ローチ監督、英・仏・ベルギー映画)
 「黒い司法 0%からの奇跡」(デスティン・ダニエル・クレットン監督、アメリカ)
 「屍人荘の殺人」(木村ひさし監督、日本)

【旧作DVD・BD】発売日
4月24日
 「ロマン・ポランスキー 60年代初期傑作ブルーレイ・ボックス」(1962, 65, 66)
  収録作品:「水の中のナイフ」「反撥」「袋小路」
 「スウィート・ヒアアフター」(1997、アトム・エゴヤン監督、カナダ)
 「京マチ子傑作選 Blu-ray BOX」(1950, 56, 59、黒澤明、小津安二郎、溝口健二監督)
  収録作品:「羅生門」「赤線地帯」「浮草」
6月5日
 「地獄の黙示録 ファイナル・カット」(1979、フランシス・フォード・コッポラ監督)

*色がついているのは特に注目している作品です。

 

 

2020年4月 5日 (日)

先月観た映画 採点表(2020年1月~3月)

「SOSタイタニック」(1958、ロイ・ウォード・ベイカー監督、イギリス)★★★★☆
「太白山脈」(1994、イム・グォンテク監督、韓国)★★★★☆
「1987、ある闘いの真実」(2017、チャン・ジュナン監督、韓国)★★★★☆
「アヴリルと奇妙な世界」(2015、クリスティアン・デマール、他監督、仏・ベルギー・加)★★★★☆
「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花特別編」(1997、山田洋次監督、日本)★★★★☆
「キリクと魔女」(1990、ミッシェル・オスロ監督、フランス)★★★★
「祝祭」(1996、イム・グォンテク監督、韓国)★★★★
「ミルドレッド・ピーアース」(1945、マイケル・カーティス監督、アメリカ)★★★★
「東京家族」(2012、山田洋次監督、日本)★★★★
「男はつらいよ 寅次郎紅の花」(1995、山田洋次監督、日本)★★★★
「男はつらいよ 知床慕情」(1987、山田洋次監督、日本)★★★★
「リメンバー・ミー」(2017、リー・アンクリッチ監督、アメリカ)★★★★
「夜空の大空港」(1966、ウィリアム・グレアム監督、アメリカ)★★★★
「七小福」(1988、アレックス・ロウ監督、香港)★★★★
「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」(2018、山田洋次監督、日本)★★★★
「ディア・ブラザー」(2010、トニー・ゴールドウィン監督、アメリカ)★★★★
「リラの門」(1957、ルネ・クレール監督、フランス)★★★★
「都会の牙」(1950、ルドルフ・マテ監督、アメリカ)★★★★
「見えない目撃者」(2015、アン・サンフン監督、中国)★★★★
「吾輩は猫である」(1975、市川崑監督、日本)★★★★
「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」(1985、山田洋次監督、日本)★★★★
「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」(1985、山田洋次監督、日本)★★★★
「ミッドナイト・ランナー」(2017、キム・ジュファン監督、韓国)★★★★
「グスコーブドリの伝記」(2012、杉井ギサブロー監督、日本)★★★★
「男はつらいよ 寅次郎の縁談」(1993、山田洋次監督、日本)★★★★
「男はつらいよ 噂の寅次郎」(1979、山田洋次監督、日本)★★★★
「男はつらいよ 私の寅さん」(1973、山田洋次監督、日本)★★★★
「新聞記者」(2019、藤井道人監督、日本)★★★★
「工作 黒金星と呼ばれた男」(2018、ユン・ジョンビン監督、韓国)★★★★
「GAMBA ガンバと仲間たち」(2015、小川洋一、他監督、日本)★★★☆
「ダーククリスタル」(1982、ジム・ヘンソン、フランク・オズ監督、イギリス)★★★☆

主演男優
 5 渥美清「男はつらいよ」シリーズ
   キム・ユンソク「1987、ある闘いの真実」
   サモ・ハン・キンポー「七小福」
   橋爪功「妻よ薔薇のように 家族はつらいよ Ⅲ」
   アン・ソンギ「太白山脈」
 4 パク・ソジュン「ミッドナイト・ランナー」
   カン・ハヌル「ミッドナイト・ランナー」
   エドモンド・オブライエン「都会の牙」
   仲代達矢「吾輩は猫である」
   サム・ロックウェル「ディア・ブラザー」
   アン・ソンギ「祝祭」
   ピエール・ブラッスール「リラの門」

主演女優
 5 ヒラリー・スワンク「ディア・ブラザー」
 4 ジョーン・クロフォード「ミルドレッド・ピーアース」

助演男優
 5 エドモンド・オブライエン「夜空の大空港」
   キム・ミョンゴン「太白山脈」
   キム・ガプス「太白山脈」
   西村まさ彦「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」
 4 三船敏郎「男はつらいよ 知床慕情」

助演女優
 5 オ・ジョンヘ「太白山脈」
   オ・ジョンヘ「祝祭」
   浅丘ルリ子「男はつらいよ 寅次郎紅の花」「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花特別編」
   竹下景子「男はつらいよ 知床慕情」
   蒼井優「妻よ薔薇のように 家族はつらいよ Ⅲ」
 4 樋口可南子「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」
   島田陽子「吾輩は猫である」
   夏川結衣「妻よ薔薇のように 家族はつらいよ Ⅲ」
   アン・ブライス「ミルドレッド・ピーアース」

 

2020年3月25日 (水)

これから観たい&おすすめ映画・BD(20年4月)

【新作映画】公開日
3月7日
 「わたしは分断を許さない」(堀潤監督、日本)
 「ダンシングホームレス」(三浦渉監督、日本)
3月13日
 「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」(グザヴィエ・ドラン監督、イギリス・カナダ)
3月20日
 「もみの家」(坂本欣弘監督、日本)
 「恐竜が教えてくれたこと」(ステフェン・ワウテルロウト監督、オランダ)
3月27日
 「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」(エミール・クストリッツァ監督)
 「サーホー」(スジート監督、インド)
 「ハリエット」(ケイシー・レモンズ監督、アメリカ) 
 「最高の花婿 アンコール」(フィリップ・ドゥ・ショーヴロン監督、フランス)
3月28日
 「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」(平良いずみ監督、日本)
 「グリーン・ライ ~エコの嘘~」(ヴェルナー・ブーテ監督、オーストリア)
4月3日
 「キスカム!」(松本花奈監督、日本)
 「ポップスター」(ブラディ・コーベット監督、アメリカ)
 「テッド・ドント・ダイ」(ジム・ジャームッシュ監督、スウェーデン・アメリカ)
 「エジソンズ・ゲーム」(アルフォンソ・ゴメス・レホン監督、アメリカ)
 「在りし日の歌」(ワン・シャオシュアイ監督、中国)
 「囚われた国家」(ルパート・ワイアット監督、アメリカ)
 「ステップ」(飯塚健監督、日本)
 「白い暴動」(ルビカ・シャー監督、イギリス)
4月4日
 「ようこそ、革命シネマへ」(スハイブ・ガスメルバリ監督、仏・スーダン・独・チャド・他)
4月5日
 「星に語りて ~Starry Sky~」(松本動監督、日本)
4月10日
 「フェアウェル」(ルル・ワン監督、アメリカ)
 「WAVES / ウェイブス」(トレイ・エドワード・シュルツ監督、アメリカ)
 「チア・アップ!」(ザラ・ヘイズ監督、アメリカ)
 「甘いお酒でうがい」(大九明子監督、日本)
 「海辺の映画館 キネマの玉手箱」(大林亘彦監督、日本)
 「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」( 田部井一真監督、日本)
4月17日
 「カセットテープ・ダイアリーズ」(グリンダ・チャーダ監督、イギリス)
 「劇場」(行定勲監督、日本)

【新作DVD・BD】レンタル開始日
3月25日
 「アイネクライネナハトムジーク」(今泉力哉監督、日本)
 「こどもしょくどう」(日向寺太郎監督、日本)
4月2日
 「人間失格 太宰治と3人の女たち」(蜷川実花監督、日本)
 「楽園」瀬々敬久監督、日本)
 「サラブレッド」(コリー・フィンリー監督、アメリカ)
4月3日
 「Girl / ガール」(ルーカス・ドン監督、ベルギー)
 「鉄道運転士の花束」(ミロシュ・ラドヴィッチ監督、セルビア・クロアチア)
 「ブラインドスポッティング」(カルロス・ロペス・エストラーダ監督、アメリカ)
 「マイ・ビューティフル・デイズ」(ジュリア・ハート監督、アメリカ)
 「あの日のオルガン」(平松恵美子監督、日本)
 「アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール」(マイケル・ラドフォード監督、イタリア)
 「レディ・マエストロ」(マリア・ベーデルス監督、オランダ)
 「誰がための日々」(ウォン・ジョン監督、香港)
4月8日
 「国家が破産する日」(チェ・グクヒ監督、韓国)
 「シークレット・スーパースター」(アドベイト・チャンダン監督、インド)
 「ドクター・スリープ」(マイク・フラナガン監督、アメリカ)
 「ヒンディ・ミディアム」(サケート・チョードリー監督、インド)
 「影踏み」(篠原哲雄監督、日本)
 「蜜蜂と遠雷」(石川慶監督、日本)
4月15日
 「エンテベ空港の7日間」(ジョゼ・バジーリャ監督、英・米)
 「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」(ボー・バーナム監督、アメリカ)
4月17日
 「エンド・オブ・ステイツ」(リック・ローマン・ウォー監督、アメリカ)
4月22日
 「イエスタデイ」(ダニー・ボイル監督、英・米)
 「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」(ユー・フェイ監督、中国・日本)
 「ラスト・クリスマス」(ポール・フェイグ監督、イギリス)
4月24日
 「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」(ニルス・タヴェルニエ監督、フランス)
 「ベル・カント とらわれのアリア」(ポール・ワイツ監督、アメリカ)
 「ライフ・イット・セルフ 未来に続く物語」(ダン・フォーゲルマン監督、アメリカ)
4月29日
 「ジョン・デロリアン」(ニック・ハム監督、アメリカ)
 「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(J.J.エイブラムス監督、アメリカ)
 「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」(アレクセイ・シドロフ監督、ロシア)
 「記憶にございません!」(三谷幸喜監督、日本)
5月2日
 「EXIT」(イ・サングン監督、韓国)
 「天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント」(ハーマン・ヴァスケ監督、独)
 「決算!忠臣蔵」(中村義洋監督、日本)
5月8日
 「存在のない子供たち」(ナディーン・ラバキー監督、レバノン・フランス)
 「ボーダー 二つの世界」(アリ・アッバシ監督、スウェーデン・デンマーク)
 「エセルとアーネスト」(2016、ロジャー・メインウッド監督、イギリス)
5月13日
 「閉鎖病棟―それぞれの朝―」(平山秀幸監督、日本)
 「アナと雪の女王2」(ジェニファー・リー、他監督、アメリカ)
 「マザーレス・ブルックリン」(エドワード・ノートン監督、アメリカ)
5月15日
 「真実」(是枝裕和監督、日本)
5月20日
 「テッド・バンディ」(ジョー・バリンジャー監督、アメリカ)

【旧作DVD・BD】発売日
3月21日
 「生きる歓び」(1960、ルネ・クレマン監督、フランス・イタリア)
3月28日
 「ギターはもう聞こえない」(1991、フィリップ・ガレル監督、フランス)
 「救いの接吻」(1989、フィリップ・ガレル監督、フランス)
4月8日
 「トラフィック」(2000、スティーヴン・ソダーバーグ監督、アメリカ)
4月24日
 「AKIRA 4Kリマスターセット」(1988、大友克洋監督・原作、日本)

*色がついているのは特に注目している作品です。

 

2020年3月23日 (月)

ダニエル・デフォー著『ペスト』の新訳が出た

 新型コロナウイルスの大流行のおかげでアルベール・カミュの『ペスト』が良く売れていると何度か新聞などで目にした。カミュの『ペスト』は1940年代のアルジェリアを舞台にした不条理文学である。この作品は当時の実存主義との関連で論じられることが多かった。そういう時代の産物なので、非常に抽象的、哲学的な内容だったように記憶している。
 一方、よりリアルに疫病禍を描いた作品として英文科出身の僕が思い浮かべるのはダニエル・デフォーの『ペスト』である。1665年にロンドンを襲ったペストの惨禍をドキュメンタリー的リアリズムで描いた傑作である。1665年当時のデフォーは5歳だったが、そこはあの『ロビンソン・クルーソー』の著者でもあるデフォーのこと、自分のかすかな記憶のみならず、様々な体験談や記録を調べてまるで見てきたように書くのはお手の物である。ペストは黒死病と恐れられ、中世に何度か猖獗を極めた時にはヨーロッパの人口の3分の1が死亡したともいわれている恐ろしい疫病である。デフォーの描写はリアルですさまじい。ヴァーチャル・リアリティという言葉が流行っているが、どんなに似せて作ろうが、ヴァーチャルというのは所詮作り物である。文学でいえば、精緻で、具体的で、冷徹な筆のみがリアリティを描きうる。
 しかしダニエル・デフォーの『ペスト』は長い間絶版だった。僕が持っているのは中央公論社の『新集 世界の文学』第2巻(昭和46年発行、初版、定価750円)に収められたものである。『ロビンソン・クルーソー』の縮訳版との組み合わせ。読書記録ノートによると、1974年4月5日に買って、翌年の2月12日から3月6日にかけて読んでいる。ちょうど英文科の学生だったころだ。デフォーの代表作が二つ入っているのだからまさにお徳用版である。しかしそれでも時の流れには逆らえない。かつて大流行した世界文学全集はとうの昔に過去の遺物と化し、古本屋の棚の常連となった(今では古本屋の棚からも消えつつあるが)。中公文庫やほかの出版社からも『ペスト』の訳は出ていたが、今はいずれも絶版。
 この中央公論社版『ペスト』を時間があるときに少しずつ読み進めているが、なにせ上下2段に分かれていて、当然活字も小さい。しかも印刷が薄くて、還暦をとうに超えた身には読みにくくて仕方がない。もっと活字が大きくて読みやすいものがこの機会に出てこないかと思っていたら、なんと出ました。今日の新聞の1面下の広告欄で見つけましたよ。研究社の『ペストの記憶』(3500円)。邦題は違うが、間違いなくダニエル・デフォーの『ペスト』である。しかも新訳だ。何か大きな出来事や注目されることが起こると、待ってましたとばかり関連書籍が発売されるが(分かりやすい例は、小説などが映画化がされるとその原作が突然発売されるという例)が、この新訳も辛抱強く何年も待ち続けて満を持していたのかもしれない。この新訳の実物はまだ見ていない。すでに持っている本なので、よほど字が大きくて見やすいとか読みやすい訳になっているといったことがなければ買うつもりはないが、まだ読んだことがない人にはおすすめします。

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