お気に入りブログ

  • 真紅のthinkingdays
    広範な映画をご覧になっていて、レビューの内容も充実。たっぷり読み応えがあります。
  • 京の昼寝〜♪
    僕がレンタルで観る映画のほとんどを映画館で先回りしてご覧になっています。うらやましい。映画以外の記事も充実。
  • ★☆カゴメのシネマ洞☆★
    細かいところまで目が行き届いた、とても読み応えのあるブログです。勉強になります。
  • 裏の窓から眺めてみれば
    本人は単なる感想と謙遜していますが、長文の読み応えのあるブログです。
  • なんか飲みたい
    とてもいい映画を採り上げています。短い文章できっちりとしたレビュー。なかなかまねできません。
  • ぶらぶらある記
    写真がとても素敵です。

お気に入りブログ 2

お気に入りホームページ

ゴブリンのHPと別館ブログ

無料ブログはココログ

2022年12月 2日 (金)

先月観た映画 採点表(2022年11月)

「延安の娘」(2002)池谷薫監督、日本 ★★★★★
「ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢」(2020)ニーシャ・ガナトラ監督、米・英 ★★★★△
「FLEE フリー」(2021)ヨナス・ポヘール・ラスムセン監督、デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・仏 ★★★★△
「薬の神じゃない!」(2018)ウェン・ムーイエ監督、中国 ★★★★△
「クラウディ・マウンテン」(2021)リー・ジュン監督、中国 ★★★★△
「光」(2017)河瀬直美監督、日本 ★★★★△
「キャラクター」(2021)永井聡監督、日本 ★★★★△
「彼女がその名を知らない鳥たち」(2017)白石和彌監督、日本 ★★★★△
「やがて海へと届く」(2022)中川龍太郎監督、日本 ★★★★△
「2 days トゥー・デイズ」(1996)ジョン・ハーツフェルド監督、アメリカ ★★★★△
「扉の陰の秘密」(1948)フリッツ・ラング監督、アメリカ ★★★★△
「三度目の殺人」(2017)是枝裕和監督、日本 ★★★★△
「少女は悪魔を待ちわびて」(2016)モ・ホンジン監督、韓国 ★★★★△
「ハッド」(1962)マーティン・リット監督、アメリカ ★★★★
「トップガン マーヴェリック」(2022)ジョセフ・コシンスキー監督、アメリカ ★★★★
「白ゆき姫殺人事件」(2014)中村義洋監督、日本 ★★★★
「散歩する侵略者」(2017)黒沢清監督、日本 ★★★★
「闇の曲り角」(1946)ヘンリー・ハサウェイ監督、アメリカ ★★★★
「きさらぎ駅」(2022)永江二朗監督、日本 ★★★★
「キャプテン・フィリップス」(2013)ポール・グリーングラス監督、アメリカ ★★★★
「六つの心」(2006)アラン・レネ監督、フランス ★★★★
「イヴォンヌの香り」(1994)パトリス・ルコント監督、フランス ★★★★▽
「暗数殺人」(2019)キム・テギュン監督、韓国 ★★★★▽
「パトリオット・デイ」(2016)ピーター・バーグ監督、アメリカ ★★★★▽
「マンマ・ミーア!」(2008)フィリダ・ロイド監督、イギリス・アメリカ ★★★★▽
「点と線」(1958)小林恒夫監督、日本 ★★★★▽
「必死の逃避行」(1947)アンソニー・マン監督、アメリカ ★★★★▽
「図書館戦争」(2013)佐藤信介監督、日本 ★★★★▽
「暗黒女子」(2016)耶雲哉治監督、日本 ★★★☆
「迫り来る嵐」(2017)ドン・ユエ監督、中国 ★★★☆
「リデンプション アメリカのタブーに挑んだ男たち」(2016)ウェス・ミラー監督、米 ★★★☆
「HOUSE ハウス」(1977)大林宣彦監督、日本 ★★★☆
「夜のストレンジャー」(1944)アンソニー・マン監督、アメリカ ★★★☆
「誰もがそれを知っている」(2018)アスガー・ファルハディ監督、スペイン・仏・伊 ★★★☆
「時をかける少女」(1983)大林宣彦監督、日本 ★★★☆
「大林宣彦&恭子の成城物語 [完全版] ~夫婦で歩んだ60年の映画作り~」(2019)犬童一心、高橋栄樹監督、日本 ★★★☆
「ゴシックライン攻防戦1944」(2016)アリ・タウブ監督、アメリカ ★★★☆
「ファーストラヴ」(2021)堤幸彦監督、日本 ★★★☆
「青春神話」(1992)ツァイ・ミンリャン監督、台湾 ★★★

 

 

主演男優
 5 菅田将暉「キャラクター」
   役所広司「三度目の殺人」
   チュー・イーロン「クラウディ・マウンテン」
   阿部サダヲ「彼女がその名を知らない鳥たち」
   ダニー・アイエロ「2 days トゥー・デイズ」
   ドアン・イーホン「迫り来る嵐」
   福山雅治「三度目の殺人」
   シュー・ジェン「薬の神じゃない!」
 4 松田龍平「散歩する侵略者」
   トム・クルーズ「トップガン マーヴェリック」
   トム・ハンクス「キャプテン・フィリップス」
   クリフトン・デイヴィス「リデンプション アメリカのタブーに挑んだ男たち」
   岡田准一「図書館戦争」
   永瀬正敏「光」
   アンドレ・デュソリエ「六つの心」

主演女優
 5 トレイシー・エリス・ロス「ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢」
   蒼井優「彼女がその名を知らない鳥たち」
   メリル・ストリープ「マンマ・ミーア!」
   岸井ゆきの「やがて海へと届く」
   ルシル・ボール「闇の曲り角」
   シム・ウンギョン「少女は悪魔を待ちわびて」
 4 井上真央「白ゆき姫殺人事件」
   水崎綾女「光」
   ダコタ・ジョンソン「ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢」
   恒松祐里「きさらぎ駅」
   サビーヌ・アゼマ「六つの心」
   アマンダ・セイフライド「マンマ・ミーア!」

助演男優
 5 小栗旬「キャラクター」
   クリフトン・ウェッブ「闇の曲り角」
   キム・ソンオ「少女は悪魔を待ちわびて」
   ジェームズ・スペイダー「2 days トゥー・デイズ」
   長谷川博己「散歩する侵略者」
   ワン・チュエンジュン「薬の神じゃない!」
 4 Fukase「キャラクター」
   ホァン・チーチョン「クラウディ・マウンテン」
   ヤン・シンミン「薬の神じゃない!」
   J・K・シモンズ「パトリオット・デイ」
   ケヴィン・ベーコン「パトリオット・デイ」
   橋本じゅん「図書館戦争」

 

助演女優
 5 チェン・シュー「クラウディ・マウンテン」
   クリスティーン・バランスキー「マンマ・ミーア!」
   ヘレン・ティーミヒ「夜のストレンジャー」
 4 菜々緒「白ゆき姫殺人事件」
   テリー・ハッチャー「2 days トゥー・デイズ」
   シャーリーズ・セロン「2 days トゥー・デイズ」
   佐藤江梨子「きさらぎ駅」
   蓮佛美沙子「白ゆき姫殺人事件」

 

 

2022年11月29日 (火)

これから観たい&おすすめ映画・BD(22年12月)

【新作映画】公開日
11月23日
 「母性」(2022)廣木隆一監督、日本
 「ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界」(2022)ドン・ホール監督、アメリカ
11月25日
 「シスター 夏のわかれ道」(2021)イン・ルオシン監督、中国
 「ジェラール・フィリップ 最後の冬」(2022)パトリック・ジュディ監督、フランス
 「ビージーズ 栄光の軌跡」(2020)フランク・マーシャル監督、アメリカ
 「グリーン・ナイト」(2021)デヴィッド・ロウリー監督、米・加・アイルランド
12月1日
 「ルイス・ヴェイン 生涯愛した妻とネコ」(2021)ウィル・シャープ監督、イギリス
12月2日
 「あのこと」(2021)オードレイ・ディヴァン監督、フランス
 「マッドゴッド」(2021)フィル・ティペット監督、アメリカ
 「ワイルド・ロード」(2022)アンドリュー・ベアード監督、アメリカ
 「月の満ち欠け」(2022)廣木隆一監督、日本
12月8日
 「ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実」(2018)ロジャー・アップルトン監督、イギリス
12月9日
 「MEN 同じ顔の男たち」(2022)アレックス・ガーランド監督、イギリス
 「ラーゲリより愛を込めて」(2022)瀬々敬久監督、日本
 「ハッピーニューイヤー」(2021)クァク・ジェヨン監督、韓国
 「夜、鳥たちが啼く」(2022)城定秀夫監督、日本
12月16日
 「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」(2022)ジェームズ・キャメロン監督、アメリカ
 「トゥモロー・モーニング」(2022)ニック・ウィンストン監督、イギリス
 「Never Goin’ Back/ネバー・ゴーイン・バック」(2018) オーガスティン・フリッゼル監督、米
 「Dr. コトー診療所」(2022)中江功監督、日本
 「ケイコ 目を澄ませて」(2022)三宅唱監督、日本
 「週末の探偵」(2022)井川広太郎監督、日本d

 

【新作DVD・BD】レンタル開始日
11月23日
 「ミニオンズ・フィーバー」(2022)カイル・バルダ監督、アメリカ
 「ブライズ・スピリット」(2020)エドワード・ホール監督、イギリス
11月30日
 「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」(2017)アク・ロウヒミエス監督、フィンランド
12月2日
 「英雄の証明」(2021)アスガー・ファルハディ監督、イラン・フランス
 「オフィサー・アンド・スパイ」(2019)ロマン・ポランスキー監督、仏・伊
 「キングメーカー 大統領を作った男」ビョン・ソンヒョン監督、韓国
 「ベイビー・ブローカー」(2022)是枝裕和監督、韓国
 「モガディシュ 脱出までの14日間」(2021)リュ・スンワン監督、韓国
 「金の糸」(2019)ラナ・ゴゴベリーゼ監督、ジョージア・フランス
 「ナワリヌイ」(2022)ダニエル・ロアー監督、アメリカ
 「冬薔薇」(2022)坂本順治監督、日本
12月7日
 「ブレット・トレイン」(2022)デヴィッド・リーチ監督、アメリカ
 「はい、泳げません」(2022)渡辺謙作監督、日本
12月14日
 「メタモルフォーゼの縁側」(2022)狩山俊輔監督、日本
12月20日
 「アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台」(2022)エマニュエル・クールコル監督、仏
12月23日
 「オードリー・ヘプバーン」(2020)ヘレナ・コーン監督、イギリス
1月6日
 「さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について」(2021)ドミニク・グラフ監督、独
 「なまず」(2018)イ・オクソプ監督、韓国
 「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」(2019)フィリッポ・メネゲッティ監督、仏・ベルギー・他
1月11日
 「ボイリング・ポイント/沸騰」(2021)フィリップ・バランティーニ監督、イギリス
 「わたしは最悪。」(2021)ヨアキム・トリアー監督、ノルウェー・仏・デンマーク・他
 「今はちょっと、ついてないだけ」(2022)柴山健次監督、日本
1月18日
 「アキラとあきら」(2022)三木孝浩監督、日本

 

【旧作DVD・BD】発売日
11月21日
 「雨の訪問者」(1970) ルネ・クレマン監督、フランス
 「さらば友よ」(1968)ジャン・エルマン監督、フランス
11月25日
 「イングマール・ベルイマン」(1948-53) イングマール・ベルイマン監督、スウェーデン
 収録作品:「愛欲の港」「渇望」「歓喜に向かって」「不良少女モニカ」「道化師の夜」
11月29日
 「ダントン」(1982)アンジェイ・ワイダ監督、ポーランド
12月2日
 「赤ちゃんに乾杯!」(1985)コリーヌ・セロー監督、フランス
 「カサブランカ UHD」(1942)マイケル・カーティス監督、アメリカ
 「スタンリー・キューブリック 4-Filmコレクション」(1968-87)スタンリー・キューブリック
 収録作品:「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」「シャイニング」「フルメタル・ジャケット」
 「神々の深き欲望」(1968)今村昌平監督、日本
 「キューポラのある街」(1962)浦山桐郎監督、日本
12月7日
 「男たちの挽歌」(1986)ジョン・ウー監督、香港
 「アラバマ物語」(1962)ロバート・マリガン監督
 「ゴッドファーザー」(1972)フランシス・フォード・コッポラ監督、アメリカ
12月21日
 「E.T. 4Kリマスター版」(1982)スティーヴン・スピルバーグ監督、アメリカ
12月23日
 「ジャック・リヴェット Blu-ray BOX Ⅰ」(1974、81)ジャック・リヴェット監督、フランス
  収録作品:「セリーヌとジュリーは舟でゆく」、「北の橋」
1月11日
 「河内山宗俊」(1936)山中貞雄監督、日本
 「丹下作善餘話 百萬両の壺」(1935)山中貞雄監督、日本

*色がついているのは特に注目している作品です。

 

2022年11月24日 (木)

ゴブリンのこれがおすすめ 69 女性監督映画

 こんなに多いとは!これがこのリストを作ったときの率直な感想である。正直これ程長大なリストになるとは全く予想していなかった。フランス映画とドイツ映画が圧倒的に多いし、日本も健闘している。しかし、リストを見てもらえば一目瞭然だが、優れた女性監督は世界中にいる!とりわけ2000年代に入ってから激増している。このことは女性の社会進出と決して無関係ではない。もはや珍しいなんてレベルはとうに超え、今や世界の映画の水準を引き上げる重要な担い手になっていると言っても過言ではない。

 このリストを作ろうと思ったきっかけは、岩波ホールの元総支配人であった高野悦子さんの『私のシネマライフ』の最終章に載っている岩波ホールで上映した女性監督作品のリストを見たことである。この時点で強調されていたのは女性監督が男社会である映画製作に割り込んでゆくのがいかに大変だったかということである。大変なのは今でも変わらないだろうが、しかしここ20年の激増ぶりを見れば、もはや誰も彼女たちの勢いを止めることはできないことが分かるだろう。女性監督が増えるということは女性ならではの視点から作られた映画が増えるということであり、それは世界のとらえ方がより豊かに、より多様になるということである。映画は娯楽であるが、文化でもある。世界の人口の半分は女性なのだから、これは世界の文化をより豊かに、より多様に、よりしなやかにすることにつながる。歓迎すべきことだ。

 最後にもう一度上記の岩波ホール上映作品リストに触れたい。そのリストに挙げられている作品のうち観ていない作品がかなりある。それらは今観ようとしてもなかなか観られない作品である。中でも残念なのは、羽田澄子監督と宮城まり子監督作品を1本も観ていないことである。東京にいるときに観ることができた作品も多いのだが、なぜか観に行かなかった。ずっと気にはなっていたのだが、今となっては自分でも観に行かなかった理由が分からない。女性監督の作品だからということでないことは確かだ。おそらくそのころはまだドキュメンタリー作品にあまり関心がなかったということではないか。まあ理由はともかく、彼女たちの作品はDVDやBDでは手に入らない。映画館などで観る機会もまずない(東京ならあるかもしれないが、地方の小都市在住ではまず無理だ)。DVDやBDが出ていないということは、ネット配信でも観られないということである。世界中の映画が観られる国は少なく、日本とフランスはこの点では飛び抜けて恵まれている。それでもなかなか観る機会がない作品はまだまだある。公開時に見逃していても、何らかの手段で後からでも観られるというようになってほしいものだ。

 

【おすすめの女性監督映画】
「いとみち」(2021)横浜聡子監督、日本
「サンドラの小さな家」(2020)フィリダ・ロイド監督、アイルランド・イギリス
「すばらしき世界」(2020)西川美和監督、日本
「ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢」(2020)ニーシャ・ガナトラ監督、米・英
「ノマドランド」(2020)クロエ・ジャオ監督、アメリカ
「浜の朝日の嘘つきどもと」(2020)タナダユキ監督、日本
「息子の面影」(2020)フェルナンダ・バラデス監督、メキシコ・スペイン
「カセットテープ・ダイアリーズ」(2019)グリンダ・チャーダ監督、イギリス
「夏時間」(2019)ユン・ダンビ監督、韓国
「名もなき歌」(2019)メリーナ・レオン監督、ペルー・スペイン・アメリカ
「82年生まれ、キム・ジヨン」(2019)キム・ドヨン監督、韓国
「ぶあいそうな手紙」(2019)アナ・ルイーザ・アゼヴェード監督、ブラジル
「フェアウェル」(2019)ルル・ワン監督、アメリカ
「ペトルーニャに祝福を」(2019)テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督、北マケドニア・仏・ベルギー・クロアチア・スロヴェニア
「マルメロの伝言」(2019)クリスティナ・グロゼヴァ、ペタル・ヴァルチャノフ監督、ブルガリア
「マロナの幻想的な物語り」(2019)アンカ・ダミアン監督、仏・ルーマニア・ベルギー
「娘は戦場で生まれた」(2019)ワアド・アル=カティーブ、エドワード・ワッツ監督、英・シリア
「モロッコ、彼女たちの朝」(2019)マリヤム・トゥザニ監督、モロッコ・仏・ベルギー
「ライド・ライク・ア・ガール」(2019)レイチェル・グリフィス監督、オーストラリア
「レイトナイト 私の素敵なボス」(2019)ニーシャ・ガナトラ監督、アメリカ
「あなたの名前を呼べたなら」(2018)ロヘナ・ゲラ監督、インド・フランス
「存在のない子供たち」(2018)ナディーン・ラバキー監督、レバノン・フランス
「はちどり」(2018)キム・ボラ監督、韓国
「マイ・ブックショップ」(2018)イザベル・コイシェ監督、スペイン・英・独
「顔たち、ところどころ」(2017)アニエス・ヴァルダ、JR監督、フランス
「彼らが本気で編むときは、」(2017)荻上直子監督、日本
「デトロイト」(2017)キャスリン・ビグロー監督、アメリカ
「光」(2017)河瀬直美監督、日本
「ブレッドウィナー」(2017)ノラ・トゥーミー監督、アイルランド・カナダ・ルクセンブルク
「マルリナの明日」(2017)モーリー・スルヤ監督、インドネシア・仏・マレーシア・タイ
「レディ・バード」(2017)グレタ・ガーウィグ監督、アメリカ
「生きうつしのプリマ」(2016)マルガレーテ・フォン・トロッタ監督、ドイツ
「お父さんと伊藤さん」(2016)タナダユキ監督、日本
「サーミの血」(2016)アマンダ・シェーネル監督、スウェーデン・ノルウェー・他
「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」(2016)アシュリング・ウォルシュ監督、カナダ・アイルランド
「永い言い訳」(2016)西川美和監督、日本
「あん」(2015)河瀬直美監督、日本・フランス・ドイツ
「92歳のパリジェンヌ」(2015)パスカル・プザドゥー監督、フランス
「MERU/メルー」(2015)ジミー・チン、エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ監督、アメリカ
「オンネリとアンネリのおうち」(2014)サーラ・カンテル監督、フィンランド
「さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~」(2014)チアン・ショウチョン監督、日本
「サンダルウッドの記憶」(2014)マリア・リポル監督、スペイン・インド・フランス
「シアター・プノンペン」(2014)ソト・クォーリーカー監督、カンボジア
「しあわせへのまわり道」(2014)イザベル・コイシェ監督、アメリカ
「娘よ」(2014)アフィア・ナサニエル監督、パキスタン・アメリカ・ノルウェー
「はじまりは5つ星ホテルから」(2013)マリア・ソーレ・トニャッツィ監督、イタリア
「花咲くころ」(2013)ナナ・エクフティミシュヴィリ、ジモン・グロス監督、ジョージア・独・仏
「パプーシャの黒い瞳」(2013)ヨアンナ・コス&クシシュトフ・クラウゼ監督、ポーランド
「白夜のタンゴ」(2013)ヴィヴィアーネ・ブルーメンシャイン監督、アルゼンチン・他
「愛さえあれば」(2012)スサンネ・ビア監督、デンマーク
「カンタ!ティモール」(2012)広田奈津子監督、日本
「さよなら、アドルフ」(2012)ケイト・ショートランド監督、オーストラリア・独・英
「少女は自転車にのって」(2012)ハイファ・アル=マンスール監督、サウジアラビア・独
「ハンナ・アーレント」(2012)マルガレーテ・フォン・トロッタ監督、独・仏・他
「マダム・イン・ニューヨーク」(2012)ガウリ・シンデー監督、インド
「もうひとりの息子」(2012)ロレーヌ・レヴィ監督、フランス
「おじいちゃんの里帰り」(2011)ヤセミン・サムデレリ監督、ドイツ・トルコ
「かぞくのくに」(2011)ヤン・ヨンヒ監督、日本
「ソハの地下水道」(2011)アグニェシュカ・ホランド監督、独・ポーランド
「桃さんのしあわせ」(2011)アン・ホイ監督、中国・香港
「プライズ ~秘密と嘘がくれたもの~」(2011)パウラ・マルコビッチ監督、メキシコ・仏・ポーランド・独
「ミツバチの羽音と地球の回転」(2010)鎌仲ひとみ監督、日本
「トイレット」(2010)荻上直子監督、日本
「愛について、ある土曜日の面会室」(2009)レア・フェネール監督、フランス
「タレンタイム=優しい歌」(2009)ヤスミン・アフマド監督、マレーシア
「ディア・ドクター」(2009)西川美和監督、日本
「冬の小鳥」(2009)ウニー・ルコント監督、韓国・フランス
「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語」(2009)ニキ・カーロ監督、仏・ニュージーランド
「ハート・ロッカー」(2008)キャスリン・ビグロー監督、アメリカ
「木洩れ日の家で」(2007)ドロタ・ケンジェジャフスカ監督、ポーランド
「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」(2007)タマラ・ジェンキンス監督、アメリカ
「めがね」(2007)荻上直子監督、日本
「アフター・ウェディング」(2006) スサンネ・ビア監督、デンマーク
「サラエボの花」(2006)ヤスミラ・ジュバニッチ監督、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
「マルタのやさしい刺繍」(2006) ベティナ・オベルリ監督、スイス
「六ヶ所村ラプソディー」(2006)鎌仲ひとみ監督、日本
「かもめ食堂」(2005)荻上直子監督、日本
「サン・ジャックへの道」(2005)コリーヌ・セロー監督、フランス
「スタンドアップ」(2005)ニキ・カーロ監督、アメリカ
「天空の草原のナンサ」(2005) ビャンバスレン・ダヴァー監督、ドイツ
「プロデューサーズ」(2005)スーザン・ストローマン監督、アメリカ
「クレールの刺繍」(2004) エレオノール・フォーシェ監督、フランス
「見知らぬ女からの手紙」(2004)シュー・ジンレイ監督、中国
「未来を写した子どもたち」(2004)ロス・カウフマン、ザナ・ブリスキ監督、アメリカ
「みんな誰かの愛しい人」(2004) アニエス・ジャウィ監督、フランス
「クジラの島の少女」(2003) ニキ・カーロ監督、ニュージーランド
「らくだの涙」(2003)ビャンバスレン・ダヴァー、ルイジ・ファロルニ監督、ドイツ
「おばあちゃんの家」(2002) イ・ジョンヒャン監督、韓国
「K-19」(2002)  キャスリン・ビグロー監督、アメリカ・イギリス・ドイツ
「死ぬまでにしたい10のこと」(2002) イザベル・コイシェ監督、スペイン
「上海家族」(2002)ポン・シャオレン監督、中国
「ヘイフラワーとキルトシュー」(2002) カイサ・ラスティモ監督、フィンランド
「ベッカムに恋して」(2002) グリンダ・チャーダ監督、イギリス
「オリンダのリストランテ」(2001) パウラ・エルナンデス監督、アルゼンチン
「女はみんな生きている」(2001) コリーヌ・セロー監督、フランス
「子猫をお願い」(2001) チョン・ジェウン監督、韓国
「名もなきアフリカの地で」(2001) カロリーヌ・リンク監督、ドイツ
「マーサの幸せレシピ」(2001) サンドラ・ネットルベック監督、ドイツ
「遥かなるクルディスタン」(1999)イエスィム・ウスタオウル監督、トルコ・独・オランダ
「ロゼッタ」(1999) エミリー・ドゥケンヌ監督、ベルギー・フランス
「シュウシュウの季節」(1998) ジョアン・チェン監督、中国
「美術館の隣の動物園」(1998) イ・ジョンヒャン監督、韓国
「ユー・ガット・メール」(1998) ノーラ・エフロン監督、アメリカ
「床家の三姉妹」(1997) メイベル・チャン監督、香港・日本
「ある貴婦人の肖像」(1996) ジェーン・カンピオン監督、イギリス
「ビヨンド・サイレンス」(1996) カロリーヌ・リンク監督、ドイツ
「アントニアの食卓」(1995) マルレーン・ゴリス監督、オランダ、ベルギー、イギリス
「女人、四十」(1995) アン・ホイ監督、香港
「ピアノ・レッスン」(1993) ジェーン・カンピオン監督、オーストラリア
「ロッタちゃん はじめてのおつかい」(1993) ヨハンナ・ハルド監督、スウェーデン
「ロッタちゃんと赤いじてんしゃ」(1992) ヨハンナ・ハルド監督、スウェーデン
「ジャック・ドゥミの少年期」(1991)アニエス・ヴァルダ監督、フランス
「エンジェル・アット・マイ・テーブル」(1990) ジェーン・カンピオン監督、オーストラリア
「森の中の淑女たち」(1990) グロリア・デマーズ監督、カナダ
「白く渇いた季節」(1989) ユーザン・パルシー監督、アメリカ
「ロミュアルドとジュリエット」(1989) コリーヌ・セロー監督、フランス
「サラーム・ボンベイ」(1988)ミーラー・ナーイル監督、インド・伊・仏・米
「追憶のオリアナ」(1984) フィナ・トレス監督、フランス、ベネズエラ
「マルチニックの少年」(1983) ユーザン・パルシー監督、フランス
「ドイツ・青ざめた母」(1980)ヘルマ・サンダース=ブラームス監督、西ドイツ
「歌う女歌わない女」(1977) アニエス・ヴァルダ監督、フランス・ベルギー
「遠い一本の道」(1977)左幸子監督、日本
「処刑の丘」(1976) ラリーサ・シェピチコ監督、ソ連
「幸福」(1965) アニエス・ヴァルダ監督、フランス
「5時から7時までのクレオ」(1961)アニエス・ヴァルダ監督、フランス
「民族の祭典」(1938) レニ・リーフェンシュタール監督、ドイツ
「制服の処女」(1931)  レオンティーネ・サガン監督、仏・独
「アクメッド王子の冒険」(1926) ロッテ・ライニガー監督、ドイツ

 

<注>
・お勧めする以上すべて自分で観た作品です。
・女性監督作品はまだまだありますが、自分が定めた一定の水準以上のものだけを掲載しています。
・リストに載せる作品は適宜追加してゆきます。

 

2022年11月 1日 (火)

先月観た映画 採点表(2022年10月)

「聖者たちの食卓」(2011)フィリップ・ヴィチュス、ヴァレリー・ベルト監督、ベルギー ★★★★☆
「39 刑法第三十九条」(1999)森田芳光監督、日本 ★★★★☆
「ジャッカルの日」(1973)フレッド・ジンネマン監督、イギリス・フランス ★★★★☆
「長江 愛の詩」(2016)ヤン・チャオ監督、中国 ★★★★☆
「さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~」(2014)チアン・ショウチョン監督、日本 ★★★★☆
「シアター・プノンペン」(2014)ソト・クォーリーカー監督、カンボジア ★★★★△
「明日に向かって笑え!」(2019)セバスティアン・ボレンステイン監督、アルゼンチン ★★★★△
「モロッコ、彼女たちの朝」(2019)マリヤム・トゥザニ監督、モロッコ・仏・ベルギー ★★★★△
「ハーフ・ア・チャンス」(1998)パトリス・ルコント監督、フランス ★★★★△
「THE GUILTY/ギルティ」(2018)グスタフ・モーラー監督、デンマーク ★★★★△
「愛がなんだ」(2018)今泉力哉監督、日本 ★★★★△
「ハスラー2」(1986)マーティン・スコセッシ監督、アメリカ ★★★★△
「僕とカミンスキーの旅」(2015)ヴォルフガング・ベッカー監督、ドイツ・ベルギー ★★★★△
「レイトナイト 私の素敵なボス」(2019)ニーシャ・ガナトラ監督、アメリカ ★★★★△
「すばらしき世界」(2020)西川美和監督、日本 ★★★★△
「息子の面影」(2020)フェルナンダ・バラデス監督、メキシコ・スペイン ★★★★△
「共謀家族」(2019)サム・クァー監督、中国 ★★★★△
「イコライザー」(2014)アントワーン・フークア監督、アメリカ ★★★★△
「リリーのすべて」(2015)トム・フーパー監督、イギリス・ドイツ・アメリカ ★★★★△
「漁港の肉子ちゃん」(2021)渡辺歩監督、日本 ★★★★△
「Mr.ノーバディ」(2021)イリヤ・ナイシュラー監督、アメリカ ★★★★△
「ファーザー・フィギュア」(2017)ローレンス・シャー監督、アメリカ ★★★★
「わが恋せし乙女」(1946)木下恵介監督、日本 ★★★★
「パッセンジャー」(2016)モルテン・ティルドゥム監督、アメリカ ★★★★
「太陽のならず者」(1967)ジャン・ドラノワ監督、フランス ★★★★
「アリスの空」(2020)クロエ・マズロ監督、フランス ★★★★
「1978年、冬。」(2007)リー・チーシアン監督、中国・日本 ★★★★
「ジョンQ」(2002)ニック・カサヴェテス監督、アメリカ ★★★★
「トレーニングデイ」(2001)アントワーン・フークア監督、アメリカ ★★★★
「脱獄の掟」(1948)アンソニー・マン監督、アメリカ ★★★★
「バスタブとブロードウェイ:もうひとつのミュージカル世界」(2018)デイヴァ・ホイゼナント監督、米 ★★★★
「食べる女」(2018)生野慈朗監督、日本 ★★★★
「恐竜が教えてくれたこと」(2019)ステーフェン・ワウテルロウト監督、オランダ ★★★★
「ターゲット」(2010)ジョナサン・リン監督、イギリス・フランス ★★★★
「あなたに降る夢」(1994)アンドリュー・バーグマン監督、アメリカ ★★★★
「イコライザー2」(2018)アントワーン・フークア監督、アメリカ ★★★☆
「ブルーアワーにぶっ飛ばす」(2019)箱田優子監督、日本 ★★★☆
「引き裂かれたカーテン」(1966)アルフレッド・ヒッチコック監督、アメリカ ★★★☆
「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」(2022)西谷弘監督、日本 ★★★☆
「ペルセポネーの泪」(2021)磯部鉄平、源田泰章監督、日本 ★★★

 

主演男優
 5 エドワード・フォックス「ジャッカルの日」
   ビル・ナイ「ターゲット」
   ポール・ニューマン「ハスラー2」
   イェスパー・クリステンセン「僕とカミンスキーの旅」
   役所広司「すばらしき世界」
   堤真一「39 刑法第三十九条」
   リカルド・ダリン「明日に向かって笑え!」
   ルイス・ブランドーニ「明日に向かって笑え!」
   デンゼル・ワシントン「イコライザー」
   ソニー・コープス・ファン・ウッテレン「恐竜が教えてくれたこと」
   エド・ヘルムズ「ファーザー・フィギュア」
   オーウェン・ウィルソン「ファーザー・フィギュア」
   デンゼル・ワシントン「トレーニングデイ」
   ボブ・オデンカーク「Mr.ノーバディ」
   ヤコブ・セーダーグレン「THE GUILTY/ギルティ」
   イーサン・ホーク「トレーニングデイ」
   アラン・ドロン「ハーフ・ア・チャンス」
   ジャン=ポール・ベルモンド「ハーフ・ア・チャンス」
 4 エディ・レッドメイン「リリーのすべて」
   トム・クルーズ「ハスラー2」
   デンゼル・ワシントン「ジョンQ」
   ダニエル・ブリュール「僕とカミンスキーの旅」
   ジャン・ギャバン「太陽のならず者」
   クリス・プラット「パッセンジャー」
   チン・ハオ「長江 愛の詩」
   ニコラス・ケイジ「あなたに降る夢」
   成田凌「愛がなんだ」
   シャオ・ヤン「共謀家族」

 

主演女優
 5 エマ・トンプソン「レイトナイト 私の素敵なボス」
   アルバ・ロルヴァケル「アリスの空」
   永作博美「さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~」
   小泉今日子「食べる女」
   鈴木京香「食べる女」
   鈴木京香「39 刑法第三十九条」
   ヨゼフィン・アーレントセン「恐竜が教えてくれたこと」
 4 マー・リネット「シアター・プノンペン」
   ジェニファー・ローレンス「パッセンジャー」
   エミリー・ブラント「ターゲット」
   岸井ゆきの「愛がなんだ」
   シム・ウンギョン「ブルーアワーにぶっ飛ばす」
   ミンディ・カリング「レイトナイト 私の素敵なボス」

 

助演男優
 5 岸部一徳「39 刑法第三十九条」
   ジョン・リスゴー「レイトナイト 私の素敵なボス」
 4 ミシェル・ロンズデール「ジャッカルの日」

 

助演女優
 5 ロージー・ペレス「あなたに降る夢」
   グレン・クローズ「ファーザー・フィギュア」
   江口のりこ「愛がなんだ」
   ジョアン・チェン「共謀家族」
 4 キムラ緑子「すばらしき世界」
   アミラ・カサール「僕とカミンスキーの旅」
   シン・ジーレイ「長江 愛の詩」

 

2022年10月31日 (月)

これから観たい&おすすめ映画・BD(22年11月)

【新作映画】公開日
10月14日
 「いつか、いつも‥‥‥いつまでも。」(2022)長崎俊一監督、日本
10月21日
 「線は、僕を描く」(2022)小泉徳宏監督、日本
 「RRR」(2022)S.S.ラージャマウリ監督、インド
 「アフター・ヤン」(2021)ココナダ監督、アメリカ
 「クリエイション・ストーリーズ」(2021)ニック・モラン監督、イギリス
10月28日
 「アムステルダム」(2022)デヴィッド・O・ラッセル監督、アメリカ
 「天間荘の三姉妹」(2021)北村龍平監督、日本
 「君だけが知らない」(2021)ソ・ユミン監督、韓国
 「シャイニー・シュリンプス」(2022)セドリック・ル・ギャロ監督、フランス・日本
10月29日
 「ノベンバー」(2017)ライナル・サルネット監督、ポーランド・オランダ。エストニア
11月3日
 「恋人はアンバー」(2020)デヴィッド・フレイン監督、アイルランド・英・米・ベルギー
 「パラレル・マザーズ」(2021)ペドロ・アルモドバル監督、スペイン・フランス
 「犯罪都市 THE ROUNDUP」(2022)イ・サンヨン監督、韓国
 「チケット・トゥ・パラダイス」(2022)オル・パーカー監督、アメリカ・イギリス
11月4日
 「窓辺にて」(2022)今泉力哉監督、日本
 「黒い牡牛」(1956)アーヴィング・ラパー監督、アメリカ
 「桜色の風が咲く」(2022)松本准平監督、日本
11月5日
 「やまぶき」(2022)山崎樹一郎監督、日本
11月11日
 「ドント・ウォーリー・ダーリン」(2022)オリヴィア・ワイルド監督、アメリカ
 「すずめの戸締まり」(2022)新海誠監督、日本
 「奈落のマイホーム」(2021)キム・ジフン監督、韓国
 「ペルシャン・レッスン」(2020)ヴァディム・パールマン監督、ロシア・ドイツ・ベラルーシ
 「あちらにいる鬼」(2022)廣木隆一監督、日本
 「土を喰らう十二ヵ月」(2022)中江裕司監督、日本
 「わたしのお母さん」(2022)杉田真一監督、日本
11月12日
 「あなたの微笑み」(2022)リム・カーワイ監督、日本
11月18日
 「ザ・メニュー」(2022)マーク・マイロッド監督、アメリカ
 「ザリガニの鳴くところ」(2022)オリヴィア・ニューマン監督、アメリカ
 「サイレント・ナイト」(2021)カミラ・グリフィン監督、イギリス
 「ナイトライド 時間は嗤う」(2021)スティーヴン・フィングルトン監督、英・仏・米
 「ある男」(2022)石川慶監督、日本
 「宮松と山下」(2022)関友太郎、平瀬謙太朗、佐藤雅彦監督、日本
 「ミセス・ハリス、パリへ行く」(2022)アンソニー・ファビアン監督、イギリス
11月19日
 「森の中のレストラン」(2022)泉原航一監督、日本
 「愛国の告白―沈黙を破る・Part2―」(2022)土井敏邦監督、日本
11月23日
 「母性」(2022)廣木隆一監督、日本
12月9日
 「ラーゲリより愛を込めて」(2022)瀬々敬久監督、日本
12月16日
 「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」(2022)ジェームズ・キャメロン監督、アメリカ

 

【新作DVD・BD】レンタル開始日
11月2日
 「選ばなかったみち」(2020)サリー・ポッター監督、イギリス・アメリカ
 「カモン カモン」(2021)マイク・ミルズ監督、アメリカ
 「クラウディ・マウンテン」(2021)リー・ジュン監督、中国
 「三姉妹」(2020)イ・スンウォン監督、韓国
 「トップガン マーヴェリック」(2022)ジョセフ・コシンスキー監督、アメリカ
 「パリ13区」(2021)ジャック・オーディアール監督、フランス
 「フェルナンド・ボテロ 豊満な人生」(2018)ドン・ミラー監督、カナダ
 「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」(2020)フィリップ・ファラルドー監督、アイルランド・加
 「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」(2020)チャン・イーモウ監督、中国
 「恋は光」(2021)小林啓一監督、日本
 「20歳のソウル」(2022)秋山純監督、日本
 「流浪の月」(2022)李相日監督、日本
 「リング・ワンダリング」(2020)金子雅和監督、日本
 「きさらぎ駅」(2022)永江二朗監督、日本
11月4日
 「ユンヒへ」(2019)イム・テヒョン監督、韓国
11月9日
 「リコリス・ピザ」(2021)ポール・トーマス・アンダーソン監督、アメリカ
11月16日
 「帰らない日曜日」(2021)エヴァ・ユッソン監督、イギリス
12月2日
 「英雄の証明」(2021)アスガー・ファルハディ監督、イラン・フランス
 「オフィサー・アンド・スパイ」(2019)ロマン・ポランスキー監督、仏・伊
 「キングメーカー 大統領を作った男」ビョン・ソンヒョン監督、韓国
 「ベイビー・ブローカー」(2022)是枝裕和監督、韓国
 「モガディシュ 脱出までの14日間」(2021)リュ・スンワン監督、韓国

 

【旧作DVD・BD】発売日
10月21日
 「鉄道員」(1956)ピエトロ・ジェルミ監督、イタリア
10月28日
 「五月のミル」(1990)ルイ・マル監督、フランス
 「橋」(1959)ベルンハルト・ヴィッキ監督、西ドイツ
 「火の馬」(1965)セルゲイ・パラジャーノフ監督、ソ連・ウクライナ
11月2日
 「台風クラブ」(1985)相米慎二監督、日本
11月4日
 「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」(1997)トーマス・ヤーン監督、ドイツ
11月25日
 「ジャック・リヴェット Blu-rayセット」(1974, 81)ジャック・リヴェット監督、フランス
  収録作品:「セリーヌとジュリーは舟で行く」「北の橋」
 「フランソワ・トリュフォー  Blu-rayセット」(1968, 75, 78)フランソワ・トリュフォー、仏
  収録作品:「黒衣の花嫁」「アデルの恋の物語」「緑色の部屋」
11月30日
 「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」(2017)アク・ロウヒミエス監督、フィンランド
12月2日
 「赤ちゃんに乾杯!」(1985)コリーヌ・セロー監督、フランス
 「カサブランカ」(1942)マイケル・カーティス監督、アメリカ
 「スタンリー・キューブリック 4-Filmコレクション」(1968-87)スタンリー・キューブリック
  収録作品:「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」「シャイニング」「フルメタル・ジャケット」
 「神々の深き欲望」(1968)今村昌平監督、日本
 「キューポラのある街」(1962)浦山桐郎監督、日本
12月7日
 「男たちの挽歌」(1986)ジョン・ウー監督、香港

*色がついているのは特に注目している作品です。

 

2022年10月 7日 (金)

ゴブリンのこれがおすすめ 68 カントリー・ミュージック

 今年(2022年) の10月4日にカントリー歌手のロレッタ・リンが亡くなったとの報道があった。ご冥福を祈ります。ロレッタ・リンと言えば、映画ファンなら名作「歌え!ロレッタ愛のために」(1980)を思い浮かべるだろう。シシー・スペイセクがロレッタ・リンを演じ、忘れがたい名演を残した。僕はこれが彼女の最高傑作だと思っている。彼女の夫役を演じた若いころのトミー・リー・ジョーンズの溌溂とした演技も出色だった。

 

 ただ、正直ロレッタ・リンや彼女が憧れたパッツィ・クラインの世代(他にはたとえばパティ・ペイジ、ドリー・パートン、リン・アンダーソンなど)のカントリー&ウエスタンはあまり好きではない。僕が好きなのはもっとずっと後の世代、インディゴ・ガールズ、ディキシー・チックス、トリーシャ・イヤウッド、リアン・ライムス、アリソン・クラウスなどのモダン・カントリーだ。このあたりの世代になるとかつてのカントリー&ウエスタンの野暮ったいイメージはほとんどない。

 

 そうはいっても昔のカントリー界にも素晴らしい歌手がたくさんいた。ウィリー・ネルソン、ウェイロン・ジェニングスなどの渋さは年代物の名酒を飲むような深い芳醇な味わいがあるし、女性では何と言ってもエミルー・ハリスが素晴らしい。

 

 日本ではあまりなじみのない音楽ジャンルだが、この機会にぜひカントリー・ミュージックの魅力に触れていただきたい。雑誌では「レコードコレクターズ」の増刊号「カントリー・ミュージック」(2020年1月1日発行)がおすすめ。この手の雑誌は出た時すぐ買っておくことが肝心だ。アマゾンで調べてみたが今なら中古で手に入る。

 

 

【おすすめのカントリー/ブルーグラス/ロカビリー/カントリー・ロック】  
アリソン・クラウス「フォーゲット・アバウト・イット」
    〃    「ロンリー・ランズ・ボース・ウェイズ」
アリソン・クラウス+ユニオン・ステイション「ペイパー・エアプレーン」
           〃           「ライヴ」
アン・マレー「ディス・ウェイ・イズ・マイ・ウェイ」
インディゴ・ガールズ「ライブ」
     〃     「ストレンジ・ファイア」
     〃     「インディゴ・ガールズ」
     〃     「4.5」
     〃     「パワー・オブ・トゥー」
     〃     「1200カーフューズ」
     〃     「ノーマッズ・インディアンズ・セインツ」
     〃     「ライツ・オブ・パッセージ」
ウィリー・ネルソン「スターダスト」
    〃     「トゥ・オール・ザ・ガールズ」
ウィルコ「ビーイング・ゼア」
ウェイロン・ジェニングス「ホンキー・トンク・ヒーローズ」
エミルー・ハリス「ブルー・ケンタッキー・ガール」
     〃   「レッド・ダート・ガール」
エミルー・ハリス&ロドニー・クロウェル「オールド・イエロー・ムーン」
          〃          「ザ・トラヴェリング・カインド」
エリン・オドネル「ア・スクラップブック・オブ・ソーツ」
ガース・ブルックス「ノー・フェンセス」
カール・パーキンス「イントロデューシング・カール・パーキンス・トリオ」
グラム・パーソンズ「GP」
     〃    「グリーヴァス・エンジェル」
コートニー・マリー・アンドリューズ「オールド・フラワーズ」
ザ・バーズ「ロデオの恋人」
ザ・フレイ「スカーズ&ストーリーズ」
シェリル・クロウ「カモン・カモン」
    〃    「ディトアーズ」
    〃    「ワイルドフラワー」
シャナイア・トゥエイン「アップ」
ディキシー・チックス「ワイド・オープン・スペイセズ」
     〃     「テイキング・ザ・ロング・ウェイ」
     〃     「ライブ」
     〃     「ホーム」
テイラー・スウィフト「レッド」
トリーシャ・イヤウッド「エヴリバディ・ノウズ」
     〃     「ソングブック」
     〃     「リアル・ライブ・ウーマン」
トレイシー・ネルソン「トレイシー・ネルソン・カントリー」
ナンシー・グリフィス「ワンス・イン・ア・ヴェリー・ブルームーン」
ニーコ・ケイス「ファーニス・ルーム・ララバイ」
ニッティ・グリッティ・ダート・バンド「アンクル・チャーリーと愛犬テディ」
ノッティング・ヒルビリーズ「ミッシング」
フェイス・ヒル「フェイス」
ベラ・フレック&アビゲイル・ウォッシュバーン「ベラ・フレック&アビゲイル・ウォッシュバーン」
リアノン・ギデンズ「フリーダム・ハイウェイ」
    〃    「トゥマロウ・イズ・マイ・ターン」
リアン・ライムス「アイ・ニード・ユー」
     〃   「リアン・ライムス」
     〃   「ブルー」
     〃   「シッティング・オン・トップ・オブ・ザ・ワールド」
     〃   「トゥイステッド・エンジェル」
     〃   「グレイテスト・ヒッツ」
     〃   「ディス・ウーマン」
     〃   「ファミリー」
リー・アン・ウーマック「アイ・ホープ・ユー・ダンス」
リトル・ウィリーズ「フォー・ザ・グッド・タイムズ」
リーバ・マッキンタイア「リード・マイ・マインド」
ロザンヌ・キャッシュ「キングズ・レコード・ショップ」
     〃    「ザ・リヴァー&ザ・スレッド」
     〃    「ザ・リスト」
ロッド・スチュワート「アンプラグド」
ロバート・プラント&アリソン・クラウス「レイジング・サンド」
ロレッタ・リン「ヴァン・リア・ローズ」
ワイノナ・ジャッド「ニュー・デイ・ドーニング」
VA「リズム、カントリー・アンド・ブルース」

 

2022年10月 1日 (土)

先月観た映画 採点表(2022年9月)

「ぶあいそうな手紙」(2019)アナ・ルイーザ・アゼヴェード監督、ブラジル ★★★★☆
「娘よ」(2014)アフィア・ナサニエル監督、パキスタン・アメリカ・ノルウェー ★★★★☆
「妻の愛、娘の時」(2017)シルヴィア・チャン監督、中国・台湾 ★★★★☆
「たちあがる女」(2018)ベネディクト・エルリングソン監督、アイスランド・仏・ウクライナ ★★★★☆
「大いなる勇者」(1972)シドニー・ポラック監督、アメリカ ★★★★△
「ディーパンの闘い」(2015)ジャック・オディアール監督、フランス ★★★★△
「いつか眠りにつく前に」(2007)ラホス・コルタイ監督、アメリカ・ドイツ ★★★★△
「仔鹿物語」(1946)クラレンス・ブラウン監督、アメリカ ★★★★△
「沖縄」(1969)武田敦監督、日本 ★★★★△
「セイヴィア」(1998)ピーター・アントニエヴィッチ監督、アメリカ ★★★★△
「ローラとふたりの兄」(2018)ジャン=ポール・ルーヴ監督、フランス ★★★★△
「ヒックとドラゴン」(2010)ディーン・デュボア、クリス・サンダース監督、アメリカ ★★★★△
「デンマークの息子」(2019)ウラー・サリム監督、デンマーク ★★★★△
「プロミシング・ヤング・ウーマン」(2020)エメラルド・フェネル監督、英・米 ★★★★△
「バーニング 劇場版」(2018)イ・チャンドン監督、韓国 ★★★★△
「スノーベイビー」(2019)ジル・カルトン監督、中国・アメリカ ★★★★△
「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」(2019)ディーン・デュボア監督、アメリカ ★★★★△
「ビバリーヒルズ・コップ」(1984)マーティン・ブレスト監督、アメリカ ★★★★
「アイ・キャン・オンリー・イマジン」(2018)ジョン&アンドリュー・アーウィン監督 ★★★★
「秋立ちぬ」(1960)成瀬巳喜男監督、日本 ★★★★
「アルティメット」(2004)ピエール・モレル監督、フランス ★★★★
「オフ・ザ・メニュー 恋は最高のスパイス」(2018)ジェイ・シルヴァーマン監督、米 ★★★★
「ヒックとドラゴン2」(2014)ディーン・デュボア監督、アメリカ ★★★★
「クルードさんちのはじめての冒険」(2013)クリス・サンダース、カーク・デミッコ監督、米 ★★★★
「クルードさんちのあたらしい冒険」(2020)ジョエル・クロフォード監督、アメリカ ★★★★
「ビバリーヒルズ・コップ2」(1987)トニー・スコット監督、アメリカ ★★★★
「バーニング・シー」(2021)ヨン・アンドレアス・アナスン監督、ノルウェー ★★★★▽
「さいはての用心棒」(1966)カルヴィン・ジャクソン・パジェット監督、伊・仏・スペイン ★★★☆
「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」(2019)ジョナサン・レヴィン監督、米 ★★★☆
「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」(2011)スティーヴン・スピルバーグ監督、米 ★★★☆
「二十世紀少年読本」(1989)林海象監督、日本 ★★★☆
「台湾人生」(2008)酒井充子監督、日本 ★★★☆
「キャラクター 犯罪小説家」(2016)マイケル・フェイファー監督、アメリカ ★★★
「KIMI / サイバー・トラップ」(2022)スティーヴン・ソダーバーグ監督、アメリカ ★★★

 

主演男優
 5 ホルヘ・ボラーニ「ぶあいそうな手紙」
   ロバート・レッドフォード「大いなる勇者」
   ジャン=ポール・ルーヴ「ローラとふたりの兄」
   ジョゼ・ガルシア「ローラとふたりの兄」
   デニス・クエイド「セイヴィア」
   アントニーターサン・ジェスターサン「ディーパンの闘い」
   ザキ・ユーセフ「デンマークの息子」
   エディ・マーフィ「ビバリーヒルズ・コップ」
 4 ジュリアーノ・ジェンマ「さいはての用心棒」
   J・マイケル・フィンリー「アイ・キャン・オンリー・イマジン」
   エディ・マーフィ「ビバリーヒルズ・コップ2」
   ダヴィッド・ベル「アルティメット」
   シリル・ラファエリ「アルティメット」
   グレゴリー・ペック「仔鹿物語」
   サンティノ・フォンタナ「オフ・ザ・メニュー 恋は最高のスパイス」
   地井武男「沖縄」
   ユ・アイン「バーニング 劇場版」

 

主演女優
 5 ヴァネッサ・レッドグレーヴ「いつか眠りにつく前に」
   ガブリエラ・ポエステル「ぶあいそうな手紙」
   サミア・ムムターズ「娘よ」
   シルヴィア・チャン「妻の愛、娘の時」
   ハルドラ・ゲイルハルズドッティル「たちあがる女」
   ジェーン・ワイマン「仔鹿物語」
   キャリー・マリガン「プロミシング・ヤング・ウーマン」
 4 リュディヴィーヌ・サニエ「ローラとふたりの兄」
   ラン・ユェティン「妻の愛、娘の時」
   佐々木愛「沖縄」

 

助演男優
 5 デニス・クエイド「アイ・キャン・オンリー・イマジン」
   加藤嘉「沖縄」
 4 トレイス・アドキンス「アイ・キャン・オンリー・イマジン」
   スティーヴン・バーコフ「ビバリーヒルズ・コップ」
   ウィル・ギア「大いなる勇者」

 

助演女優
 5 メリル・ストリープ「いつか眠りにつく前に」
 4 トニ・コレット「いつか眠りにつく前に」
   ナタサ・ニンコヴィッチ「セイヴィア」
   一木双葉「秋立ちぬ」

 

2022年9月29日 (木)

寄せ集め映画短評集 その19

 久々の「寄せ集め映画短評集」シリーズの復活です。いずれも本格的なレビューとして書かれたものではなく、映画鑑賞の際の案内文、あるいは紹介文として書かれたものです。したがって深い分析は行っていません。むしろ肝心なところは意図的に外してあるといってもいいでしょう。鑑賞者が自分なりに考える(解釈する)余地を残すためです。とはいえ、なにがしかの役には立つと思いますので掲載することにしました。
<追記>
 最後に「人生スイッチ」を追加しました。ファイルがどこかに紛れてしまい見つからなかったのですが、紙に印刷したものが見つかったのでワードで打ち直しました。その際若干文章を付け加えました。

 

「セントラル・ステーション」
1998年 ブラジル
監督:ヴァルテル・サレス
脚本:ホアオ・エマヌエル・カルネイロ、マルコス・ベルンステイン
撮影:ヴァルテル・カルヴァーリョ
出演:フェルナンダ・モンテネグロ、マリリア・ペーラ、ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ、ソイア・ライラ、オトン・バストス
  オタヴィオ・アウグスト

 

 「セントラル・ステーション」は20年前の映画でやや古いが、中南米映画を代表する名作である。タイトル通りリオ・デ・ジャネイロの中央駅から映画は始まるが、途中から首都ブラジリアがある内陸部高原地域にある小さな村へと向かうロード・ムービーに代わる。旅をするのはリオの中央駅で代書業を営む中年女性ドーラとその客だった女性の息子ジョズエの二人。ロード・ムービーの定石通り、はじめ反発しあっていた二人が旅を通じて心を通わせて行く展開となる。

 しかしこの二人が善人として描かれていないところが良い。ドーラはかつて教師をしていたが、今は引退して代書業を営んでいる。しかし送料も受け取っておきながら、ほとんどの手紙は郵送していない。ちゃっかり着服しているのだ。家で自分が書いた手紙を読み上げては、鼻で笑って破いてごみ箱に捨ててしまう。なんとも底意地の悪い中年女性として描かれている。

 一方のジョズエは、母親がドーラに代筆を頼んだ直後にバスに轢かれ死んでしまうという不幸に見舞われる。しかし保護者をなくした彼を引き取るものはなく、彼は駅の構内で浮浪児として生きてゆくしかない。とこのように不幸を背負った少年だが、純真でいたいけなか弱い少年として描かれてはいない。平然と「セックス」などという言葉を口にするませたガキなのである。この二人の組み合わせが良い。

 派手な展開などほとんどない映画だが、リオでのエピソ-ドや旅(母親を亡くしたジョズエを手紙の宛先に住む父親のもとにドーラは送ろうとする)を通じて、ブラジル社会が抱える問題が浮かび上がってくる。代書業という職業が成り立つことからわかるように、当時のブラジルは識字率が低かった。字が書けない人に代わって手紙を代筆するのが代書業である。次から次へと客が現れることから、読み書きができない人がかなりいることが分かる。そしてその手紙の内容からはブラジルの人々の、豊かさとは程遠い、荒んでいるとさえ思える現実が読み取れる。駅の売店から品物を盗んだ青年は、追いかけてきた男たちに銃で撃ち殺されてしまう。 

 早くジョズエを厄介払いしようとドーラは彼を養子縁組斡旋所に渡すが、そこはたぶん臓器売買組織だと友人に指摘されて、慌てて連れ帰る。そのあおりで逃げるようにリオから乗ったバスの旅はひたすら何もない荒野を走る(「裸足の1500マイル」を思い出させるような景色が続く)。荒涼とした土地と文字も書けないままで生活している人々の姿(代書業をしているドーラの客はみな貧困層だ)。ごみごみとしたリオも雑然としているが、バスが通る乾いた高原地帯も寒々しいほど荒涼としている。

 ドーラとジョズエの旅は全くの貧乏旅だが(途中でほとんど一文無しになってしまう)、旅先で出会う人々の人情にも触れる旅であった。親切なトラックの運転手などおおらかな人々との出会い。「サン・ジャックへの道」に描かれた巡礼の旅同様、この映画の旅にも浄化作用がある。ドーラとジョズエは一緒に旅をすることで互いに何かを得た。旅立つ前のドーラの心はバスの窓外の荒涼とした景色同様からからに乾いていた。しかし親切なトラック運転手と出会った彼女は、休憩所のトイレで口紅を塗る。彼女は自分の中で眠っていた女に目覚めたのだ。しかし彼女の変化に気づいたトラックの男は彼女たちを置いてトラックで立ち去ってしまう。手を差し伸べようとすると、すっと逃げてゆく幸せ。現実は簡単には変えられない。それでもからからに乾いた土地を旅する彼女たちの旅には何か潤いがあった。

 リオ・デ・ジャネイロの中央駅は旅の出発点に過ぎないが、「セントラル・ステーション」というタイトルには重要な意味が込められている。駅、そこは人々が行きかう場所であり、その様々な人生が交錯する場所である。そこでドーラは代書屋をしているが、この映画では手紙が何度も重要な役割を果たしている。ジョズエの母が語りドーラが筆記した手紙の内容は、この母子を取り巻く状況を端的に説明する役割も兼ねている。手紙の内容から垣間見える人々の人生。手紙は人々の心の内側をのぞける窓口なのだ。旅の終わりにドーラが書いた手紙は、他人の思いの代筆ではなく、彼女自身の思いを込めた自筆の手紙だった。リオに戻るバスの中で手紙をつづるドーラ。手紙で始まり手紙で終わる。忘れがたいラストシーンである。

 

「わたしは、ダニエル・ブレイク」
2016年、イギリス・フランス・ベルギー
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァーティ
撮影:ロビー・ライアン
出演:デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ、ディラン・フィリップ・マキアナン、ブリアナ・シャン、ケイト・ラッター
  シャロン・パーシー、ケマ・シカズウェ

 

 かつて大英帝国として世界に君臨した英国も20世紀に入りかつての勢いを失う。揺らぎ始めた国家を下支えするために、イギリスは世界初の福祉国家の道を選択する。第2次世界大戦後のイギリスは「ゆりかごから墓場まで」をスローガンに、医療費の無料化、雇用保険、救貧制度、公営住宅の建設などの体系的な社会保障制度を充実させた福祉国家を建設していった。これによってイギリス国民は最低生活が保障されていた。

 しかし1970年代のオイルショックを契機にして、低成長、経済停滞、インフレと高失業率というスタグフレーションに悩まされ、長期低落の傾向から抜け出せなくなる。いわゆる「英国病」だ。この傾いた英国を立て直すために1979年に登場したのがマーガレット・サッチャー率いる保守党政権である。福祉政策は国家に頼る体質を人々に植えつけ、労働意欲をそいでいるとサッチャーは批判し、自助、独立の精神、努力、倹約、勤勉こそが人間の美徳だと主張した。つまり国は援助を減らすので、国に頼らず自分で努力しろという方向に切り替えたのである。こうしてサッチャーは社会保障を次々に削り取り、市場原理を導入し民営化、規制緩和を行った。競争意識が高まることによって経済は好転したが、極端な上昇志向や拝金主義が蔓延し、弱者は切り捨てられることになった。富める者と貧しき者との格差はさらに拡大した。這い上がる余地のない失業者や社会の最底辺にいる者たちは、出口のない閉塞した社会の中に捕らわれて抜け出せない。社会が人々を外から蝕み、酒とドラッグが中から蝕(むしば)んでゆく。

 イギリスは表面上確かに豊かになったが、巷には失業者やホームレスがあふれ、麻薬、犯罪が蔓延していた。サッチャー政権(1979年~1990年)が終わった後の90年代にイギリス映画は息を吹き返したように活況を呈するが、「失業、貧困、犯罪」が90年代以降のイギリス映画を読み解く重要なキーワードとなった。

 サッチャー政権後には労働党が政権を取った時期もあったが、労働党もサッチャーが敷いた路線を基本的には変えられなかった。福祉国家からリトル・アメリカと化したイギリス。その弱者切り捨て路線はとうとうここまで来たかと世界を唖然・憤然とさせたのがケン・ローチ監督の「わたしは、ダニエル・ブレイク」である。

 イギリスの社会保障システムは何と民間に委託され、効率優先の融通がきかない硬直した制度になり果てていた。役人以上にお役所的な紋切り型の対応。いくら努力してもどうにもいかなくなり、最後の手段として国を頼ってきた国民に次から次へと無理難題を突き付け、何が何でも手当など支給してやるもんかと言わんばかりに冷たく突き放す。

 しかしこの映画はやせ細り、無機質なオンライン化された制度と化した国の福祉制度の杜撰さを批判するだけの映画ではない。主人公のダニエルは同じように国に突き放され困っているシングルマザーに寄り添い、人間として支えあう。そこに描かれる人間的共感が素晴らしい。しかし弱者同士が支えあっても道は開けない。ダニエルは国に立ち向かう決意をする。

 「わたしは、ダニエル・ブレイク」というタイトルには「私は人間だ、犬ではない」という劇中の言葉が含意されている。冷たい行政が非情なのは単に手当を出し渋るということにだけあるのではない。人間としての誇りをずたずたになるまで痛めつけるからである。ダニエルはそれに歯向かったのである。

 監督のケン・ローチは90年代から2000年代にかけてのイギリス映画を代表する巨匠である。彼は一貫して、虐げられ下積みにされた人々に共感をこめて描いてきた。職もなく、金もなく、人間としての尊厳も奪われている人々。そういった人々の苦境を描きながら、その一方で彼らから金と権利を奪ってゆく連中の非情さもカメラに収める。悩み苦しみ時に暴走する人々を描くことにケン・ローチの関心があるが、それはしばしば政治性を帯びる。なぜなら人々に苦しみをもたらしているのが政治の歪みだからである。絶望的状況から這い上がろうとする人々の苦闘と悲哀を冷徹な視線で描き出し、かつその人々に熱い人間的共感を寄せる。彼の映画の魅力はそこにある。

<追記>
 今ブレイディみかこ著『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』を読んでいるが、その中の1章「餓死する人が出た社会、英国編」にこの映画とほぼ同じイギリスの実態が報告されている。「わたしは、ダニエル・ブレイク」は現実を大げさに描いているのではなく、むしろリアルに描き出していることがこの文章をからも分かる。

 

「ドリーム」
2016年製作 アメリカ 2017年日本公開
監督:セオドア・メルフィ
出演:タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケヴィン・コスナー、キルステン・ダンスト
   ジム・パーソンズ

 

 アメリカの人種差別問題を扱った映画はこれまでたくさん作られてきた。1962年の「アラバマ物語」(ロバート・マリガン監督)は特に人種差別意識が根強い深南部、アラバマ州の田舎町を舞台にしている。時代は1960年代に盛り上がった公民権運動よりさらに30年前の1930年代である。黒人の男による白人女性暴行事件が起こり、進歩派の弁護士(グレゴリー・ペック)が弁護を引き受けることになる。裁判を通じて冤罪の可能性が高まるが、陪審員の判決は有罪だった。被害者は無実の罪をかぶせられた上に、逃げようとして撃たれて死ぬ。白人たちによる嫌がらせも描かれるが、それを毅然と跳ね除ける白人弁護士の態度が強調された描き方になっている。全体としていかにも進歩派の知識人が書いたストーリーだという感じが強い。人間の良心に信頼を寄せ、その可能性を前向きにとらえようとする作者の姿勢を甘いとする批判もあろうが、感動的な作品であることは確かだ。この映画を観て弁護士を志した人が多いことは最近の法廷ドラマで良く言及される(ただし、そういう理想肌の奴らはさっさと弁護士をやめてしまうと揶揄的に扱われることが多いが)。

 これが「夜の大捜査線」(1967年、ノーマン・ジュイソン監督)や「ミシシッピー・バーニング」(1988年、アラン・パーカー監督)になると、分厚い人種差別の壁に阻まれ容易に捜査は進まない。どちらもアメリカ南部が舞台で、その地域に染み付いている差別的で抑圧的雰囲気が息詰まるほどリアルに描かれている。

 一方、80年代にはアリス・ウォーカーやトニ・モリソンに代表される黒人女性作家が活躍し始める。アリス・ウォーカーの代表作の一つ『カラー・パープル』は1982年に出版され、1985年に映画化されている(監督はスティーヴン・スピルバーグ)。ここでは女性で黒人という二重のハンディキャップを背負ったヒロインが登場することになる。

 このようにアメリカの人種差別問題を扱った作品にも様々な系譜があることが分かる。NASAで初期の宇宙開発に関わった3人の黒人女性数学者を主人公にした映画「ドリーム」は、『カラー・パープル』の系譜に属する作品とみなせるだろう。身の危険を感じるほどのむき出しの差別はないが、とんでもなく離れたところにしか女性用トイレがないといった不便さに悩まされる。3人それぞれが持つ才能を認めさせることで理不尽な障害を一つずつ取り除き、夢を追い続ける彼女たちの姿には、重苦しさよりもむしろ「下町ロケット」に通じる明るいひたむきさを感じる。

 

「レバノン」
2009年 イスラエル・フランス・イギリス
監督:サミュエル・マオズ
脚本:サミュエル・マオズ
撮影監督:ジオラ・ビヤック
出演:ヨアヴ・ドナット、イタイ・ティラン、オシュリ・コーエン、ミハエル・モショノフ、ゾハール・シュトラウス

 

2000年台に次々に出現したイスラエル映画の傑作
 2000年までだったらイスラエル映画と言われても思いつくものは1本もなかっただろう。ところが2000年台に入ると非常に優れたイスラエル映画が次々に出現した。「迷子の警察音楽隊」(2007、エラン・コリリン監督)、アニメ「戦場でワルツを」(2008、アリ・フォルマン監督)、「シリアの花嫁」(2004、エラン・リクリス監督)、そして「レバノン」。数は多くはないが、いずれも傑作である。「迷子の警察音楽隊」は哀調を帯びたコメディだが、「戦場でワルツを」、「シリアの花嫁」、「レバノン」の3本はシリアスな人間ドラマである。それぞれタッチは異なるが、どの映画にもイスラエルとその周辺のアラブ諸国との緊張をはらんだ関係が根底にある。

 このほかにフランス映画だがイスラエルを主な舞台とした映画「約束の旅路」(2005、ラデュ・ミヘイレアニュ監督、フランス)、イスラエル人夫婦とパレスチナ人夫婦の間で起こった子どもの取り違え事件を描いた「もうひとりの息子」(2012、ロレーヌ・レヴィ、フランス)がある。この2本もまたすぐれた作品である。「もうひとりの息子」は東京国際映画祭のグランプリ作品。「約束の旅路」は、キリスト教徒であることを隠してユダヤ人に成りすますことでスーダンの難民キャンプからイスラエルに逃れたエチオピアの少年を描いている。しかし印象的なのは、長い間差別を受けてきたユダヤ人が一方で黒人(黒いユダヤ人)を差別している実態が描き出されていることだ。

 

イスラエルのレバノン侵攻
 イスラエルとアラブ諸国との深刻な対立はいまだにその解決の道が見いだせない。中東戦争は1973年の第4次中東戦争を持って終結したが、パレスチナ問題が解決されたわけではない。イスラエルとアラブ諸国との対立はなおも続く。1982年に起こったイスラエルのレバノン侵攻は実質的には第五次中東戦争と呼べるものだった。アメリカの支援を受けているイスラエルは中東戦争の間常に軍事的な優位を保ってきたが、レバノン侵攻は自衛の戦いではなく侵略だったために国内の世論を得られず、親イスラエル政権の樹立にも失敗した。イスラエルは泥沼にはまり込み、撤退に追い込まれた。

 このレバノン侵攻を最初にまともに描いたのは上記の「戦場でワルツを」というアニメ映画である。これはかつて観たことのないアニメだった。その独特のタッチ、深い陰影、リアルな戦闘場面。パレスチナ人虐殺の真相が、失われた記憶を証人たちから聞くという形で次第に浮かび上がってくるサスペンスフルな展開。そして最後に止めを刺すように虐殺現場を撮った実写フィルムが映し出されるという構成。どの面をとっても1級品だった。ドキュメンタリー・アニメーションと呼ぶべき画期的作品である。

 

「レバノン」:戦車のスコープからのぞいた戦争の実態
 「レバノン」はレバノン戦争の初日を描いている。なんといっても独特なのはその描き方である。カメラは戦車の中から出ない。戦車の堅い装甲に守られてはいるが、小さなスコープ越しにしか外が見られない閉塞感と不安感。閉ざされた空間の中の極限状況を描く。戦車に乗っているのは4人だが、彼ら以外にも死体が運びこまれたり、捕虜が連れてこられたりする。もともと狭い空間なのだが、「乗員」が増えればさらに緊張感が増し、息詰まるような閉塞感に観客までもがさいなまれる。ぐるっと回転していたスコープにロケットランチャーをこちらに向けて構えている敵兵が映った瞬間の恐怖感。実にリアルだった。ほとんどパニック状態の戦車内部もすさまじいが、スコープ越しに見える戦場の実態もまた過酷だった。

 サミュエル・マオズ監督は1982年のレバノン侵攻にイスラエル軍の一人として参加したそうである。自らの体験を元に作られた映画なのである。第二次世界大戦末期のヨーロッパ戦線を舞台に、5台のシャーマン戦車の闘いを描いたアメリカ映画「フューリー」と比較してみるのも面白いだろう。

 

「みかんの丘」
2013年、ジョージア・エストニア
監督:ザザ・ウルシャゼ
脚本:ザザ・ウルシャゼ
撮影監督:ライン・コトフ
出演:レンビット・ウルフサク、エルモ・ヌガネン、ギオルギ・ナカシゼ、ミハイル・メスヒ、ライヴォ・トラス

 

 「あの高地を取れ」、「フルメタル・ジャケット」、「シルミド」、「ジャーヘッド」、TVドラマ「バンド・オブ・ブラザーズ」等、鬼軍曹が入隊したばかりの新兵をしごき倒す映画はたくさんある。なぜあれほど非情なまでにしごき上げるのか。そこまで鍛え上げないと戦場で生き残れないからだ(現実的にはそこまでしても戦場で生き残れるのはごく少数だが)。だが新兵に戦闘技術を叩き込むだけが目的ではない。新米兵士に対する過酷な訓練は彼らを殺人機械に変えるための洗礼である。逆に言うと、そこまで追い詰めなければ人間は簡単に人を殺せないのである。

 戦争映画や刑事ドラマではバタバタと敵兵や悪党たちを撃ち倒す場面が頻繁に出て来る。その時の敵兵や悪党たちはほとんど顔が見えない。しかし、一旦相手の顔を見て相手を人間として認識してしまったならば、そう簡単には人を撃てるものではない。兵士の顔、敵兵であってもそれは人格を表している。「バンド・オブ・ブラザーズ」のウィンタース中尉は戦闘中に1人のドイツ兵を撃ち殺した時、一瞬その青年の顔を見てしまった。その青年の顔は何度も彼の記憶の中に浮かび上がり、それ以後彼は銃を撃てなくなってしまった。

 戦争を批判する映画には敵同士が身近に接する、つまり互いに相手の顔が見えるシチュエーションを意図的に設定するいくつかの作品がある。なぜそのような設定が必要なのかは以上の説明で理解できるだろ。「ノー・マンズ・ランド」、「JSA」、「ククーシュカ ラップランドの妖精」、そして「トンマッコルへようこそ」などがその代表的な作品である。いずれも敵同士であったものがたまたま偶然によって同じ場所に閉じ込められてしまうのだ。

 「ノー・マンズ・ランド」の舞台はボスニア紛争真っ直中のボスニアとセルビアの中間地帯(ノー・マンズ・ランド)にある塹壕の中である。その塹壕の中でセルビア兵とセルビア兵がにらみ合って動けないでいる。なぜなら間にもう一人のボスニア兵が横たわっており、その背中の下には地雷が仕掛けられているからである。この膠着状態から抜け出すため敵対する二人の兵士はやむを得ず協力し合うことに。やがて二人は心を通わせあうことになるが、もちろんハッピーな結末にはならない。「JSA」も事の発端は地雷だった。韓国と北朝鮮の境界にある板門店で韓国兵が誤って北朝鮮側に入ってしまい、地雷を踏んで動けなくなってしまう。それを北朝鮮側の兵士二人が地雷を解除して助ける。それがきっかけで3人は仲良くなり、時々一緒に酒を飲んだりする仲になる。しかしこの映画も結果は悲惨なものになる。「ククーシュカ ラップランドの妖精」では大地の母を思わせるククーシュカ(少数民族のサーミ人)を登場させる。彼女はたまたま一緒に暮らすようになった敵対する二人の兵士(フィンランド兵とソ連兵)を大地のように包み込み、それぞれの子供を産む。「トンマッコルへようこそ」が試みたのはトンマッコルという架空の理想郷を作り、北朝鮮と韓国の兵士たちをその中に投げ込んで敵対意識を消し去るというファンタジーないし寓話的方法である。しかしその平安を破る存在が現れる。朝鮮戦争に介入していたアメリカ軍である。
 
 ジョージア(旧称グルジア)映画「みかんの丘」もこの系譜に属する作品である。舞台はジョージアのアブハジア自治共和国でみかん栽培をするエストニア人の集落。普段はのどかな地域だが、ジョージアとアブハジアの間で紛争が勃発してしまった。ほとんどのエストニア人がこの地を離れる中、イヴォとマルゴスはなおも残ってみかんの収穫をしていた。しかし次第に戦況が悪化し、イヴォは負傷した2人の兵士(アブハジアを支援するチェチェンのアフメドとジョージア兵のニコ)を自宅で看護することになった。一つ屋根の下、やがて2人は敵兵の存在を知り、互いに殺しあおうとする。イヴォが間に入って2人をなだめる。2人もこれに従い、徐々に相手に親近感を抱くようになる。この映画の結末は果たして上記の作品のように悲惨なものになるのだろうか。

 アブハジア紛争はアブハジアがジョージアからの独立を求めたことがきっかけで勃発した。1989年に東西の冷戦は終結したが、その後世界中で地域紛争が次々に起こった。多民族が入り混じっている地域は常に紛争の火種を抱えていると言って良いだろう。ウルシャゼ監督は「世界が危機的な状況のなかで、人間らしさを保つことの大切さを描きたかった」と語っている。戦争の不条理さ、無慈悲さ、そして理不尽さ。その中で敵対する兵士を平等に助けるイヴォの存在。「殺す 殺すって そんな権利誰が与えた?」という彼の言葉をしっかりと受け止めたい。

 

「人生スイッチ」
2014年 アルゼンチン・スペイン 2015年公開
監督:ダミアン・ジフロン
脚本:ダミアン・ジフロン
出演:リカルド・ダリン、オスカル・マルティネス、エリカ・リバス、リタ・コルテセ
   ダリオ・グランディネッティ、フリエタ・ジルベルベルグ

 

 アルゼンチンはブラジルやメキシコと並んで中南米映画を代表する国である。中でもアルゼンチン映画のレベルの高さは頭抜けている。「人生スイッチ」はアルゼンチンで歴代1位の興行成績を上げたヒット作で、アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされた。

 「おかえし」、「おもてなし」、「パンク」、「ヒーローになるために」、「愚息」、「HAPPY WEDDING」の6つのエピソードからなるオムニバス・コメディ。いや、オムニバスというと何人かの異なった監督が1編ずつ担当しているというイメージがあるが、この映画はひとりの監督が手がけているのでアンソロジーと呼ぶ方がふさわしいかもしれない(小説でいえば短編集のようなもの)。これまで観たことのないほどブラックな味わい。一旦ボタンを掛け違えると、そこまでやるかとあきれるほど登場人物たちは暴走してゆく。不条理な領域にまで突入してゆく人間の愚かさ。止まらない怒りは傍から見るととんでもなく滑稽に映る。どこまでも落下してゆく、ねじれた不条理の世界。過激ではあるが、痛快でもある。ブラックな笑いに満ちているが、社会の矛盾や閉塞感に対する風刺もピリッと効いている。押してはいけないスイッチを押してしまった人々。「人生スイッチ」という邦題はこの映画の特質をうまく引き出している(英訳のタイトルは Wild Tales)。

 この映画について監督のダミアン・ジフロンは次のように語っている。「人生において、逮捕されたり死にたくなければ自分自身を抑制しなくてはならない時がある。だから、喧嘩したくても出来ないときもあるんだ。でも、抑制していることの代償も大きい。生きていた方が良いけど、あれを言えば良かった、こうすれば良かった、と過去を思い悩むことになる。芸術や脚本の中では抑制する必要なんてない。最後の最後まで突き進んで、その経験を変換して観客に見せればいいんだ。血や苦悩が見えても、観客は大いに笑ってくれると思うよ。抑制するのではなく、反抗することの楽しさや欲求を理解できるだろうから。」

 最後の「反抗することの楽しさ」という表現が暗示的だ。この映画は人間の愚かさを高みから見下ろして笑っているのではなく、政治的、社会的混乱が招いた不条理なまでの格差や矛盾、不寛容を当事者たちの目線でえぐりだした風刺劇なのである。日本ではなかなかこんな作品は作れない。日本のテレビ・ドラマなどでよく批判の標的にされるのは組織の中間職の上司。部下にはどなりちらし、上司にはこびへつらい、何か緊急事態が起こるとただおろおろするばかりの男たち。部下たちが真相を暴こうとすると必ず上からストップがかかる。それに対抗するのが勝手に行動する一匹オオカミのような存在というお決まりのパターン。ほぼ図式化されている。せいぜいそんなところだ。社会批判それ自体が事実上ご法度で、制作側が勝手に忖度し、いらぬ自主規制をしてしまう。だから「人生スイッチ」のような反体制的な作品が登場しにくい。「人生スイッチ」で監督のダミアン・ジフロンは怒りを解き放つ。もっと怒りをぶつけろとばかりに。すべてのエピソードが政治的なわけではないが、どのエピソードでも怒りが噴出している。怒りこそが鬱積した不満、社会への鬱憤を晴らす。ブラックな笑いはそんな下地から湧き上がってくるのだろう。

 

2022年9月27日 (火)

これから観たい&おすすめ映画・BD(22年10月)

【新作映画】公開日
9月23日
 「ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド」(2020)ポール・サルツマン監督、カナダ
 「秘密の森の、その向こう」(2021)セリーヌ・シアマ監督、フランス
 「スーパー30 アーナンド先生の教室」(2019)ヴィカース・バハル監督、インド
 「LAMB / ラム」(2021)ヴァルディミール・ヨハンソン監督、アイスランド・スウェーデン・他
 「あの娘は知らない」(2022)井樫彩監督、日本
 「渇きと偽り」(2020)ロバート・コノリー監督、オーストラリア
9月24日
 「バビ・ヤール」(2021)セルゲイ・ロズニツァ監督、オランダ・ウクライナ
 「暴力をめぐる対話」(2020)ダヴィッド・デュフレーヌ監督、フランス
9月30日
 「マイ・ブロークン・マリコ」(2022)タナダユキ監督、日本
 「ドライビング・バニー」(2021)ゲイソン・サヴァット監督、ニュージーランド
 「アイ・アム まきもと」(2022)水田伸生監督、日本
 「紅い服の少女 第一章 神隠し」(2015)チェン・ウェイハオ監督、台湾
 「ダウントン・アビー 新たなる時代へ」(2022)サイモン・カーティス監督、英・米
10月1日
 「響け!情熱のムリダンガム」(2018)ラージーヴ・メーナン監督、インド
10月7日
 「声/姿なき犯罪者」(2021)キム・ソン、キム・ゴク監督、韓国
 「七人樂隊」(2021)サモ・ハン、アン・ホイ、ジョニー・トー、他、監督、香港
 「愛する人に伝える言葉」(2021)エマニュエル・ベルコ監督、フランス
 「ソングバード」(2020)アダム・メイソン監督、アメリカ
 「ザ・コントラクター」(2022)タリク・サレー監督、アメリカ
 「バッドガイズ」(2022)ピエール・ペリフェル監督、アメリカ
 「千夜、一夜」(2022)久保田直監督、日本
10月8日
 「アメリカから来た少女」(2021)ロアン・フォンイー監督、台湾
10月14日
 「スペンサー ダイアナの決意」(2021)パブロ・ラライン監督、イギリス・ドイツ
 「耳をすませば」(2022)平川雄一朗監督、日本
 「向田理髪店」(2022)森岡利行監督、日本
 「キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱」(2019)マルジャン・サトラピ監督、イギリス
10月22日
 「こころの通訳者たち What a Wonderful World」(2021)山田礼於監督、日本

 

【新作DVD・BD】レンタル開始日
10月5日
 「アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ」(2021)ラドュ・ジューデ監督、ルーマニア、他
 「チェルノブイリ1986」(2020)ダニーラ・コズロフスキー監督、ロシア
 「TITANE/チタン」ジュリア・デュクルノー監督、フランス
 「林檎とポラロイド」(2020)クリストス・ニク監督、ギリシャ・ポーランド・スロベニア
 「大河への道」(2022)中西健二監督、日本
 「ホリック xxxHOLiC」(2022)蜷川実花監督、日本
 「やがて海へと届く」(2022)中川龍太郎監督、日本
 「バッド・トレジャー」(2021)デヴィッド・ハックル監督、アメリカ
 「スウィート・シング」(2020)アレクサンダー・ロックウェル監督、アメリカ
 「ベスト・セラーズ」(2021)リナ・ロースラー監督、カナダ・イギリス
 「アトランティス」(2019)ヴァレンチン・ヴァシャノヴィッチ監督、ウクライナ
 「エルヴィス」(2022)バズ・ラーマン監督、アメリカ
10月12日
 「ハッチング ―孵化―」(2022)ハンナ・ベルイホルム監督、フィンランド
 「太陽とボレロ」(2022)水谷豊監督、日本
10月19日
 「峠 最後のサムライ」(2022)小泉堯史監督、日本
10月21日
 「ザ・ロストシティ」(2022)アダム&アーロン・ニー監督、アメリカ
11月2日
 「選ばなかったみち」(2020)サリー・ポッター監督、イギリス・アメリカ
 「カモン カモン」(2021)マイク・ミルズ監督、アメリカ
 「クラウディ・マウンテン」(2021)リー・ジュン監督、中国
 「三姉妹」(2020)イ・スンウォン監督、韓国
 「トップガン マーヴェリック」(2022)ジョセフ・コシンスキー監督、アメリカ
 「パリ13区」(2021)ジャック・オーディアール監督、フランス
 「フェルナンド・ボテロ 豊満な人生」(2018)ドン・ミラー監督、カナダ
 「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」(2020)フィリップ・ファラルドー監督、アイルランド・加
 「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」(2020)チャン・イーモウ監督、中国
 「恋は光」(2021)小林啓一監督、日本
 「20歳のソウル」(2022)秋山純監督、日本
 「流浪の月」(2022)李相日監督、日本
 「リング・ワンダリング」(2020)金子雅和監督、日本

 

【旧作DVD・BD】発売日
9月21日
 「テオレマ」(1968)ピエル・パオロ・パゾリーニ監督、イタリア
9月30日
 「エリック・ロメール Blu-ray BOX Ⅵ」(1986,92,94)エリック・ロメール監督
  収録作品:「レネットとミラベル 四つの冒険」「木と市長と文化会館」「パリのランデブー」
10月5日
 「ヴァレンチン・ヴァシャノヴィッチ監督BOX ウクライナの過去と未来」(2019, 21)
  収録作品:「アトランティス」「リフレクション」
10月7日
 「グレン・ミラー物語」(1954)アンソニー・マン監督、アメリカ
 「黄昏」(1981)マーク・ライデル監督、アメリカ
 「遠い夜明け」(1987)リチャード・アッテンボロー監督、イギリス
 「モ’・ベター・ブルース」(1990)スパイク・リー監督、アメリカ
10月19日
 「秋立ちぬ」(1960)成瀬巳喜男監督、日本
11月4日
 「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」(1997)トーマス・ヤーン監督、ドイツ

 

*色がついているのは特に注目している作品です。

 

2022年9月16日 (金)

私家版 Who’s Who その4 エイミー・グラント

【エイミー・グラント】Amy Grant、1960年、アメリカジョージア州生まれ

 

 先日「アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐうた」という映画を観た。ジャンルとしては音楽映画に属する映画で、映画のタイトルにもなっている「アイ・キャン・オンリー・イマジン」は史上最も売れたクリチャン・ソングである。マーシーミーというグループの代表作だが、映画はマーシーミーのリーダー的存在であるバート・ミラードの半生を描いたもの。したがって伝記映画のジャンルにも入る作品だ。映画の中ではほかにジェフ・バックリィの「ハレルヤ」(教会の聖歌隊が歌っている)や有名な「アメイジング・グレイス」などが流れる。しかし今回取り上げるのはその映画の中で重要な役割を果たしている実在の歌手エイミー・グラントである。


 そもそもバートがクリチャン・ソングに関心を持ったきっかけは、恋人のシャノンがこれを聞いてほしいと渡したエイミー・グラントのカセットテープである。以来エイミー・グラントはバートのあこがれの存在となる。バンド活動を続けるうちにバートはエイミー・グラントと直接会う機会を得て感動する。彼女も彼の才能を認め、直接彼女から電話がかかってきたりする。ついには映画のタイトルにもなった「アイ・キャン・オンリー・イマジン」という曲をエイミー・グラントに歌ってもらうことになる。しかし、歌う直前エイミー・グラントが思い直して、この曲を作曲したバートをステージに上げ、彼に歌わせることになる。


 映画の出来も悪くないが、僕が一番感動したのは、エイミー・グラントが重要な存在として描かれていることである。エイミー・グラントは僕の大好きなミュージシャンの一人で、「ゴブリンのこれがおすすめ 47 シンガー・ソングライター(外国編)」でも名前を挙げている。映画には本人が出演しているのかと思ったが、実際に演じていたのはニコール・デュポートという女優さんだった。エイミー・グラントはCDのジャケットなど写真でしか観たことはないが、なんとなく似ているので本人かと期待していたのだが、違うと分かってちょっとがっかり。

 日本ではあまり知られていないが、アメリカにはクリスチャン・ミュージックというジャンルがある。確かクリスチャン・ミュージック独自のチャートもあったはず。そのジャンルの代表的歌手の一人がエイミー・グラントである。おそらく僕が最初に買った彼女のアルバムは「ビハインド・ザ・アイズ」で、これが名曲ぞろいの傑作だった。特に気に入ったのが「ライク・アイ・ラヴ・ユー」で、これは何度も聞いた。名曲だと思う。「ターン・ディス・ワールド」も良い。それ以後次々に買い集めて今や彼女のCDは10枚を超えてしまった。


 クリスチャン・ミュージック、あるいはコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックというジャンルは定義としてはキリスト教の布教を目的とした音楽ということになるが、エイミー・グラントの場合どうしてこれがクリスチャン・ミュージックなのかと首をひねったくらい宗教臭さがない。実際、自分の感覚としてはシンガー・ソングライターとして聞いている。おそらくほとんど国内版が出ていない初期の数枚のアルバムがこのジャンルに当てはまるので、クリスチャン・ミュージックの枠内で扱われているのではないか。しかし80年代の半ばごろから彼女はかなりポップな曲を歌うようになった。ただ、日本編集のベスト盤「ザ・コレクション」は1986年発売なので初期のアルバムから集められているが、ポップな曲が結構ある。80年代前半を代表する名盤「Age to Age」にも同じことが言える。つまり彼女の曲はデビューしたての頃からすでにポップな要素を持っていたのだ。クリスチャン・ミュージックと言っても、何かゴスペルのようなイメージを持っていたならそれは捨ててもらった方が良い。マーシーミーのベスト盤も買ったが、これを聴くとこちらはジャンルとしてはむしろロックと呼ぶ方がぴったりだと感じる。


 エイミー・グラントは残念ながら日本ではほとんど知られていないが、グラミー賞を10回以上受賞した大歌手である。生まれはジョージア州だが、後にテネシー州のナッシュビルに移住している。しばしばカントリーのチャートにも登場するのはやはりナッシュビルという土地柄の影響もあるだろう。素晴らしい歌手なので、ぜひ一度は聞いてみてほしい。

 

【エイミー・グラント おすすめのアルバム、ベスト6】
「Age to Age」 (1982年)
「自由の歌」Lead Me On (1988年)
「ハート・イン・モーション」Heart in Motion (1991年)
「ビハインド・ザ・アイズ」Behind the Eyes (1997年)
「ロック・オブ・エイジズ ヒムズ&フェイス」Rock of Ages... Hymns and Faith (2005年)
「ビー・スティル・アンド・ノウ」Be Still and Know (2015年)

 

【こちらも要チェック】
「初めての誘惑」 Unguarded (1985年)
「ザ・コレクション」日本編集のベスト版 (1986年)
「ハウス・オブ・ラヴ」 House of Love (1994年)
「レガシー」 Legacy... Hymns and Faith (2002年)
「ハウ・マーシー・ルックス・フロム・ヒア」How Mercy Looks from Here (2013年)

 

Photo_20220916181501

 

Photo_20220916181605

 

Photo_20220916181602

 

Photo_20220916181601

 

Photo_20220916181604

 

Photo_20220916181603

 

Age-to-age

 

«イレーネ・パパス追悼